ミラはダイハツのハッチバック型軽自動車。TR-XXはそのスポーティーモデルである。本稿では4代目L502SおよびL512S系に設定された「TR-XX アバンツァート」の前期型(1994年9月~1996年4月)を扱う。
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ダイハツ 4代目ミラとは?
1994年9月にフルモデルチェンジし、4代目となったダイハツのミラ。
4代目ではそれまで続くスクエアを基調としたボディラインから丸みを帯びたボディを採用し、全体的に上級なイメージを与えたフルモデルチェンジとなった。
4代目ミラではベーシックモデルを低価格かつ経済性の高い人に優しいモデル。もうひとつのターボモデルは先代同様に過激でスポーティーなホットハッチとして位置づけていた。
4代目ミラ TR-XXとは?
4代目ミラに設定されたスポーツモデルが「TR-XX」
TR-XXはベースのミラに対し外装に
- 専用グリル
- 専用フォグランプ付きフロントバンパー
- 専用エアダクト付きボンネット
- 専用リフレクター内蔵リアバンパー
- リアスポイラー
- ゲートスポイラー
- アルミホイール
などでドレスアップ。内装でも
- TR-XX専用シート
- TR-XX専用タコメーター付きスピードメーター
- 5本スポークステアリング
などでスポーティーな装いに。そして今回のフルモデルチェンジではエンジンをパワーアップ。
先代のSOHCターボからDOHCに変更され、さらに3気筒に加えて4気筒DOHCターボエンジンも設定するなどライバルのアルトワークスと熾烈な競争を繰り広げていた。

4代目前期・ミラTR-XXのエクステリア(外装)
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フロントデザイン。かつてのターボの象徴であるボンネット上のエアダクトを装着。先代の3代目TR-XXよりも開口部が大型化され、迫力が増した。
中央部には上級思考のモデルノに似た半楕円グリルを装着し、TR-XX専用のフォグランプ付きバンパーを備える。なお、後期型ではグリルのデザインが変更され、開口部を絞られた鉄仮面のようなグリルとなる。

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サイドから。全体的に丸みを帯びたボディフォルム。全高はこの時代の軽自動車らしくかなり低い。4気筒モデルではリアがディスクブレーキ化される。
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リア。3代目のデザインを引き継ぎ、これに丸みを与えた形となる。ハイマウントストップランプ付きリアスポイラーにリアガラスすぐ下にもエアロパーツを備え、先代同様独立したリフレクターをバンパーに埋め込むスポーティーな外観をしている。
ノーマルのミラがベーシックなモデルだけにリアはかなり差別化されている。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンは3気筒ターボと4気筒ターボの2種類。
グレード名:アバンツァート(L502S)はデビュー当初が3気筒SOHCターボで最高出力64馬力、トルクはSOHCが9.4kg・m(92.2N・m)/4000rpm。
1995年12月マイナーチェンジではDOCH化され最高出力が64ps(47kW)/6800rpm、トルクが10.7kg・m(104.9N・m)/4000rpmまで高められる。
もう一方のグレード名:アバンツァートRでは新登場の4気筒DOHCターボエンジンを搭載し、最高出力は64ps(47kW)/7500rpm、トルクは10.2kg・m(100.0N・m)/4000rpmとなる。
トランスミッションは4ATまたは5MTの2種類、駆動方式はFFまたは4WDの2種類だが、4WDは4気筒モデルのみの設定だった。
4代目前期・ミラTR-XXのインテリア(内装)
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インパネ。
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スピードメーター。文字盤がオレンジ色となっている。
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フロントシートはセミバケット風のセパレートタイプ。アバンツァートのロゴマークが入っている。
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リアシート。
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ラゲッジルーム。リアシートを倒すと実用的な広さが生まれる。この点は最近復活した新型アルトワークスと同じタイプで、実用性とスポーティー走行を兼ね備えたホットハッチの特徴といえる。
4代目前期・TR-XXの総評
4代目ミラのTR-XXアバンツァートは正統に進化したTR-XXで特に4気筒DOCHターボエンジンの搭載がホット部分だった。
ライバルのアルトワークスはDOHC化されたとはいえ3気筒ターボエンジンのままだったので、いかに競争が激しかったことが伺える。
走り自体も700kg前後の軽量ボディにトルクが10kg超えのターボエンジンを搭載していたためかなり刺激的な加速を誇り、軽とは思えないスポーティーな走りを楽しめた。後期型では4気筒エンジンに1本化され、トルクが11.2kgまで向上。走りの軽としてより研ぎ澄まされていった。
ただ、時代は従来のハッチバック型からトールワゴン(ムーヴなど)に売れ筋がヒットし、アルトワークス同様にかつての人気モデルもあまり売れなくなっていった。アバンツァートという名前はこの4代目ミラで消滅し、時代は広さと実用性を重視したトールワゴンへとシフトしていったのである。
中古市場ではその希少性から過走行であったも高値になるケースが多く、くたびれた個体が多く目立ってきている。特にミラのターボモデルはアジア地域のマニアユーザーからも人気があり、過走行であっても高値になるケースがある。
登場から20年以上経過しているため今乗ろうとするなら故障を覚悟で乗るぐらいでないとあまりオススメできない。ただ、今の保守的なダイハツには考えられない刺激的な1台ということで、軽自動車の歴史的価値は高い1台だ。
この後の後期モデルではグリルデザインを変更し、マルチリフレクターヘッドライトの採用でより質感がアップ。洗練されたデザインに変更され魅力がアップする。

コメント
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アバンツァートR/R4に
ホイールを14インチにインチアップして
BRIDGESTONE ブリヂストン
REGNO GR-Leggera レグノGRレッジェーラ
に履き替えるだけで直列4気筒の静粛性とあいまって
一気にサルーンへと変貌しました
更にFF(前エンジン前駆動)アバンツァートRは
ダイハツでありながらスバルの伝家の宝刀
4輪独立懸架サスペンションさながら高級車!
スポーツカーとして楽しむならやはりハイグリップスポーツタイヤですが13インチだともうない
そこでPlayz PX-C「疲れにくい」コンセプトのもと
精神的に疲れにくいようハイグリップスポーツタイヤとしての思いのままに曲がる止まるを
エコタイヤのECOPIA NH100につぎ込みウェットでも楽しめすり減りにくいからコスパも良い
直進性能が良く楽しんで疲れた後の帰りにもラク
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ねこちゃさん、貴重なアバンツァートのコメントありがとうございます。
4気筒エンジンは3気筒のパンチ力や燃費に劣る部分があるものの、静粛性やフィーリングという点では今なお優れた部分がありますよね。アバンツァート自体はスポーツハッチバックでカスタムというとスポーツ系が思い浮かびますがねこちゃさんのようなセッティングだとサルーン寄りに化けるとは驚きです。最近のエコタイヤも静粛性とグリップ力を両立していると聞きますからこの点も大きいのかもしれませんね。そして燃費も少しアップでしょうか。