アルトラパンはスズキのハッチバック型軽自動車。本稿では3代目のHE33S型に設定された特別仕様車の「Sセレクション」を扱う。
出典：スズキ認定中古車
３代目 アルトラパンとは？
2015年6月にフルモデルチェンジし、3代目となったスズキのアルトラパン。
３代目のデザインテーマは「まる しかくいフォルム」。
初代のようなテッシュ箱をベースに２代目の丸みを与えちょうど初代と２代目を足して２で割ったようなデザインとなっているのが大きな特徴だ。
２代目では初代の路線から若干離れて、カジュアル寄りにシフトしたが３代目では原点回帰しつつよりモダンさをアップ。ひと目で「アルトラパン」とわかるような個性的なデザインとした。
内装でもソファーやテーブルのモーチーフを取り入れてマイルームに居るようなくつろげる空間を実現。また、車体色と内装色の組み合わせを複数設定することで、自分にあった１台を選べるようにした。
メカニズムではそれまでプラットフォームを刷新。先に登場した８代目アルトと同様に車体を大幅軽量化。その差は先代比最大120kgにも達し（中肉中背の人なら２人分に相当）、FFのCVTモデルでこの手の軽乗用車としては驚異的な680kgを実現。
これに改良型のR06A型エンジン、エネチャージやエコクール、アイドリングストップシステムの採用でFFのCVTモデルで35.6km/L（JC08モード燃費）を達成した。
この他、ベーシックグレードのGには軽乗用モデルでは初となる５AGSを採用するなど低価格グレードにも革新的な改良が施されている。
安全装備としてもワゴンRなどで先行していた自動ブレーキの「レーダーブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)」をはじめ、「誤発進抑制機能」、「エマージェンシーストップシグナル」、スリップや横滑りを抑える「ESP」を全グレードで標準装備とした。
３代目アルトラパン(HE33S) Sセレクションとは？特別装備とノーマルとの違い、販売終了
その３代目ラパンに2017年12月。専用フロントメッキグリルやのスカーレット/セピアの専用シート表皮やレデュッシュオレンジのドアトリム表皮。
一部木目とシルバー塗装の専用インパネガーニッシュにレーダーブレーキサポートを標準装備とした特別仕様車を設定した。それがこの「Sセレクション」である。
Sセレクションは３代目ラパンの特別仕様車としては１年前に登場した「Fリミテッド」に続く第２弾となる。
今回の特別仕様車ではミドルグレードの「Sグレード」をベースに外装では
- 新設計の専用メッキフロントグリル
- メッキドアハンドル
- カラードドアミラー（ホワイト）
- ホワイト塗装の１４インチフルホイールキャップ
を。
内装では
- 一部木目調の専用ヴィンテージインパネ
- 一部シルバー塗装のインパネシフトガーニッシュ
- 専用ステアリングホイール、専用ドアトリム表皮
- 専用シートパイピング
に専用ファブリックシートはスカーレットと
セピアの２種類を設定(好きな方を選択可能)。
便利機能＆快適装備としては
- ナノイー搭載フルオートエアコン
- 助手席シートヒーター(4WD仕様は既装備）
- ステアリングオーディオスイッチ
を。
安全装備としては「レーダーブレーキサポート」と「誤発進抑制機能」を標準装備とし、「全方位モニター用カメラパッケージ」をメーカーオプション設定。
ボディカラーはモノトーン３色に加え、ルーフ部分をホワイトととした２トーンカラーを４色設定し、魅力を高めつつも手頃な価格とした特別仕様車となっている。
なお、３代目ラパンの特別仕様車、「Sセレクション」は次の特別仕様車「モード」と入れ替わる形で2018年11月に販売を終了した。
エクステリア（外装）
出典：スズキ認定中古車
フロントデザイン。Sセレクション用の特別装備として専用フロントメッキグリルを装着。前回の特別仕様車、「Fリミテッド」とは異なる新デザインのメッキグリルで精悍さや上品さがぐっとアップ。Sセレクションとしての魅力を高めている。
ちょうど２代目ラパンにも似たような名前の「Xセレクション」という特別仕様車があったがイメージ的にもこれの３代目バージョンといったところ。ちなみにフロントガラスはプレミアムUV＆IRカットガラスの採用で紫外線を約99%カットする。
出典：スズキ認定中古車
サイド。Sセレクションの特別装備としてカラードドアミラーをホワイト塗装とし、ドアハンドルをメッキ仕様とした。
ボディカラーはSセレクションの特別設定色としてモノトーンカラーのイエロー系は「サニーイエローメタリック」を新規設定。
これ以外に２トーンカラーは上半分をホワイトパール塗装と組み合わせたシアン系のフィズブルーパールメタリック ホワイト2トーンルーフまたはブリスクブルーメタリック ホワイト2トーンルーフ。
青系はノクターンブルーパールホワイト2トーンルーフ。
オレンジ系でリフレクティブオレンジメタリック ホワイト2トーンルーフを特別設定した(※２トーンカラーはメーカーオプションで価格が少し高くなる)。これ以外ではベースモデルと同じフェニックスレッドパールとフォーンベージュメタリックをあわせた全７色を設定。
出典：スズキ認定中古車
足元はホワイト塗装の１４インチフルホイールキャップ。
オプション設定でホイールキャップ中央に貼り付ける「キャップデカール」をピンクとクロームの２種類設定した。
出典：スズキ認定中古車
リア。このあたりはベースモデルと同じ。
Sセレクションを示す専用エンブレム類は付かない(※ただし、専用設定されたボディカラーからイエローやホワイトツートンのシアン、オレンジ、ブルー系カラーであればSセレクションと見分けが可能だ)。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンは改良型のR06A型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンのみの設定。
最高出力は52ps(38kW)/6500rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/4000rpm。
トランスミッションは(副変速機内蔵の)CVTのみ。駆動方式はFFまたは4WDとなる。
低燃費技術としてはアイドリングストップシステムとエコクールを採用。軽量ボディとも相まってFFのCVTモデルで35.6km/L（JC08モード燃費）を達成した。
これはスズキの中では８代目アルトに次ぐ高燃費で、他社の背の低い軽乗用車と比較してもトップクラスの低燃費を誇る(2018年2月現在)。
安全装備はSセレクション仕様としてスズキセーフティーサポートから自動ブレーキの「レーダーブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)」と「誤発進抑制機能」を標準装備。
「エマージェンシーストップシグナル」、スリップや横滑りを抑える「ESP」をベースと同じく標準装備とした。加えてメーカーオプション設定で全方位モニター用カメラパッケージを設定。
インテリア（内装）
インパネ。Sセレクション仕様として一部木目長の専用ヴィンテージインパネを採用。木目調パーツの組み合わせで独特のオシャレな雰囲気を演出している。
このほかSセレクション仕様としてレデュッシュオレンジの専用ステアリングホイール、
一部シルバー塗装のインパネシフトガーニッシュを採用した。エアコンはSセレクション仕様としてナノイー搭載のフルオートエアコンとなる。
出典：スズキ認定中古車
スピードメーターはベースモデルと同じ。
出典：スズキ認定中古車
フロントシートはベンチシートタイプ。Sセレクション仕様として専用品のスカーレットのファブリックシート、またはセピアの2種類を設定（※写真はスカーレット）。シートパイピングとドアトリム表皮も専用品のレデュッシュオレンジとした。
出典：スズキ認定中古車
リアシート。スライド機構は非装備でかつリクライニング機構も無し。
出典：スズキ認定中古車
ラゲッジルーム。
出典：スズキ認定中古車
リアシートを倒した状態。
まとめ
３代目アルトラパンの特別仕様車、「Sセレクション」はミドルグレードのSグレードをベースに外装では専用フロントメッキグリル、ホワイト塗装のカラードドアミラー、メッキドアハンドル、ホワイト塗装のフルホイールキャップを。
内装では木目調のヴィンテージインパネにスカーレットまたはセピアの専用ファブリックシート、に専用ドアトリム表皮、シルバー塗装のインパネシフトガーニッシュを。
専用ボディカラーではサニーイエローメタリックやリフレクティブオレンジメタリックホワイトツートンを専用設定するなど内外装でオシャレ感や精悍さをアップさせた特別仕様車である。
加えて最新の自動ブレーキよりは少し劣るもののレーダーブレーキサポートと誤発進抑制も付いてFFモデルで約133万円～と装備の割には良心的な価格設定も魅力のひとつである。
一つ前の「Fリミテッド」はまた一味ちがった内外装とカラーリングでベースモデルよりも個性が光る特別仕様車である。
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