【２代目　特別仕様車】スズキ　アルトラパン　Xセレクション（HE21S型）

アルトラパンはスズキのハッチバック型軽自動車。「Xセレクション」は２代目のHE21S系に設定された特別仕様車である。

２代目アルトラパンとは？
２代目ラパンXセレクションとは？特別装備やXとの違いなど
エクステリア
エンジン・機能装備・安全装備など
インテリア
まとめ

２代目アルトラパンとは？

2008年11月にフルモデルチェンジし、２代目となったスズキ・アルトラパン。

初代は箱のようなボディにスタイリッシュなインテリアでそれまでのアルトとは異なる若い女性をメインターゲットとし大ヒットとなったモデルだ。

室内空間こそ売れ筋のワゴンRには及ばないものの、ワゴンRにはない愛嬌のあるフロントフェイスに乗用車に近いボディフォルムがアルトラパンの魅力で、現在でも初代の中古車は程度の良いものなら高値が付くことがある。

その２代目となるHE２１S系のアルトラパンは外観では先代のイメージを踏襲しつつもカジュアル系にシフトしているのが特徴で、ホイールベースの延長やボディ自体も少し上方向に引き上げられ先代の欠点だった狭い室内空間が若干改善している。

一方で初代の特徴であったレトロ感は失われてしまったため、この点が初代の人気に繋がっている部分がある。

また、初代にあったホットな男性向けスポーツモデル、「ラパンSS」も２代目では廃止され完全な女性向けモデルへと回帰している。

インテリアでは引き続き、初代のようなカジュアルで居心地のよいマイルームのようなインテリアデザインを採用。車体色にあわせて３種類の内装色を用意した。

また、見やすい単眼メーターにはマルチインフォメーションディスプレイを採用し、ラパンキャラクターのアニメーションを入れるなど初代以上に、うさぎを意識したこだわりを組み込んだ。

居住空間においては先に登場した４代目ワゴンRのプラットフォームを採用。これにより初代よりも室内長が拡大し、前席と後部座席で乗員空間を拡大。

アルトのようなセダンタイプでありながら、初代比でゆとりある室内空間を実現した。

エンジンは先代に引き続き、K6A型エンジン(自然吸気エンジン＆ターボの２種類)を採用。一方でトランスミッションは新規にCVTを採用し、転がり抵抗を低減した低燃費タイヤの採用で大幅に燃費を向上させた。

走りの面ではこれまた４代目ワゴンRの新プラットフォームと新サスペンション、１４インチ大径タイヤの採用で、優れた優れた操縦安定性と快適な乗り心地を両立。

高張力鋼板を広範囲に使用した高剛性ボディー、吸音タイプの成形天井、ダッシュサイレンサーの拡大や液封エンジンマウント、の採用で静粛性や安全性能なども向上。フロントウェザーストリップの2重シール化やドアミラー形状の最適化によって風騒音も低減した。

安全性能面では軽量衝撃吸収ボディーTECTを採用し、歩行者傷害低減ボディーを採用。フロントシートSRSサイドエアバックとSRSカーテンエアバックはメーカーオプション設定。

イモビライザーとセキュリティーアラームは全グレードで標準装備とした。

２代目ラパンXセレクションとは？特別装備やXとの違いなど

その２代目アルトラパンに2012年10月、女性に配慮した装備を充実させた特別仕様車を追加した。それがこの「Xセレクション」である。

Xセレクションでは自然吸気エンジンの上級モデルである「X」グレードをベースとし、「プレミアムUVカットガラス」、「運転席シートヒーター」、「フルオートエアコン」を標準装備。

外装では「フロントメッキグリル」や「メッキドアハンドル」を採用。

内装でも「黒色ファブリックシート表皮＆黒色ドアトリム表皮」を採用し、上質感を与えた。

Xセレクションの専用ボディ色として「ミステリアスバイオレットパール」と「アーバンブラウンパールメタリック」を設定。

ベースモデルよりも魅力を高めた特別仕様車となっている。

エクステリア

フロントデザイン。Xセレクションではノーマルとは異なるメッキグリルを装着。中央にはラパンの象徴であるうさぎマーク付きで上級感を演出した。Xセレクションが登場する前に販売されていた２代目の「リミテッド」とも異なるメッキグリルでまた違った雰囲気が出ている。

どちらかというとレトロ系ではなくスタイリッシュ系のグリルだろうか。なお、ディスチャージヘッドライトとオートライトシステムはオプション設定。

サイドから。Xセレクションではメッキドアハンドルを採用し、外観をスタイリッシュに仕立ててある。加えてフロントドアには紫外線を99%カットするUVカットガラスを採用し、(ブラックボディを除いて)Bピーラーをブラックアウトとした。

LEDターンランプ付きドアミラーはベース同様に標準装備。

Xグレードがベースのため、足元はラパン専用デザインのアルミホイール。

リアはベースモデルと同じ。上級モデルのためブレーキランプはLED仕様。中央に筆記体の「Lapin」エンブレム。右下にはアイドリングストップエンブレムで、Xセレクション専用エンブレムの装着は無い。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンは３気筒のK6A型直流３気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。

最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/3500rpm。トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFFまたは4WDとなる。

2012年10月マイナーチェンジではアルトラパン初となるアイドリングストップが採用され、転がり抵抗の低いエコタイヤの採用で燃費が向上。

また、ヒルホールドコントロールも標準装備される。ただしこの代では未だ自動ブレーキ等の安全装備は無い。

インテリア

インパネ。Xセレクションではオーディオガーニッシュが一部ピアノブラック調の専用タイプとなる。エアコンはフルオートエアコンとなり、女性に嬉しい「抗アレルゲン＋カテキン・エアフィルター」が付く。

ステアリングは本革巻ステアリングホイール。スピードメーターはベースと同じ。

フロントシートはベンチシートタイプ。Xセレクション専用の黒色ファブリックシート表皮となり、シートヒーターが標準装備となる。また、ドアトリムクロスも専用品。

リアシート。

ラゲッジルーム。シートは分割可倒式。

リアシートを倒した状態。

まとめ

２代目アルトラパンのXセレクションは自然吸気エンジンの上級モデルとなるXグレードをベースにメッキパーツとUVカットガラス、専用インテリアでXをグレードアップさせたモデルである。

ターボモデルこそないが見た目は２代目アルトラパンの中でもカジュアル系の上品さにあふれている。クラシック系の特別仕様車、リミテッドとはまた違う雰囲気もXセレクションの特徴といえるだろう。

中古市場では特別仕様車の中でも比較的タマ数が多い。価格も年数経過により以前よりは買いやすくなったので、高い３代目が買いづらい場合は一考の価値はあるモデルである

特に３代目ではデザインが大幅変更されたためキュートさよりもベーシックさやモダンな雰囲気が２代目ラパンのXセレクションにはある。