【7代目・後期型】ダイハツ ミラカスタム(L275S/L285S型)概要解説 | シン・軽自動車マニア

【7代目・後期型】ダイハツ ミラカスタム(L275S/L285S型)概要解説

ミラカスタム

ミラはダイハツのハッチバック型軽乗用車。ミラカスタムはそのカスタムモデルである。本稿では7代目L275SおよびL285S系の後期(2011年7月~2013年12月)について扱う。

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7代目 ダイハツ・ミラとは?

2006年12月にフルモデルチェンジし、7代目となったダイハツ・ミラ。7代目ではエンジンやプラットフォームを一新し、クラスを超えた軽乗用車を目指して開発された。

コンセプトは「街乗りクオリティ・ミニ」でダイナミックかつフレンドリー感あふれるデザインと、乗り降りのしやすいパッケージング、優れた低燃費などが大きな特徴だ。

ミラは先代の6代目からムーヴのような全高を与え室内空間が飛躍的にアップしたが、7代目では新設計により室内長、室内幅、室内高をもうひとまわり拡大。

外観上は全高が30mmほどアップした程度だが、室内長は1895mmから2000mm。室内幅は1300mmから1350mm、室内高は1250mmから1265mmとなるなど背の低いハッチバックタイプながら優れた居住性を与えている。

もちろんムーヴタントでは不可能な立体駐車場に入る高さ(全高1530mm)も健在で、従来のニーズに答えられるパッケージングとしている。

出典:ダイハツ認定中古車

デザイン面でもそれまでの保守的なデザインから一新。フレンドリー感あふれるスタイリッシュかつダイナミックなデザインとなり、内装もシンプルながら上質感を高めたのものとした。

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ミラカスタムとは?7代目ミラとの違い

そのカスタムモデルとなる「ミラカスタム」は、先代の6代目で設定されていた上級グレード、「ミラアヴィ」の後継モデルとなる。

ミラカスタムのコンセプトは「プレミアム・パーソナル・ミニ」。ノーマルの使い勝手や優れたパッケージングをベースに上級かつ個性的な内外装によりプレミアム感を与えたモデルとなっている。

ミラカスタムではミラに対し外装では

  • 専用ヘッドライト(ハイロー独立式4灯タイプ)
  • 専用メッキグリル
  • 専用バンパー
  • サイドアンダースカート
  • ルーフエンドスポイラー
  • 専用リアバンパー(メッキモール付)
  • 専用リアコンビランプ
  • アルミホイール(※一部グレードを除く)

などを標準装備。

内装でも

  • ブラックインテリア
  • タコメーター付3眼スピードメーター
  • 最上級グレードでは革巻ステアリングホイール(※MOMOステはオプション設定)

を与えるなどベーシックなノーマルモデルに対し、上級に仕立てている。

エンジンはエッセから採用された新開発のKF型エンジンを採用し、カスタムでは同インタークーラー付ターボを設定。カスタムの名に恥じないパワフルな走りを実現した。

一方でノーマルと同じく自然吸気エンジンの一部グレード(Xグレード)ではアイドリングストップ機構を採用し、FFのCVTモデルで25.5km/L(10.5モード)の優れた低燃費も実現した。

ただし、先代までのアヴィにはターボ&MTの組み合わせがあったが、今回のカスタムではすべてAT(4ATまたはCVT)に統一。それまでのミラターボとは異なる若い女性をターゲットとしたモデルとなっていた。

7代目・後期型ミラカスタムとは?改良点と前期との違い

2011年7月の一部改良以降を本稿ではL275SおよびL285Sミラカスタムの後期型とする。

2011年7月・一部改良

2011年7月には2度目の一部改良を実施。

ミライースで先行する第2世代のKF型エンジンを適用したことで燃費がわずかに向上した。

これ以外ではカスタムXに本革巻ステアリングを標準装備とする一方で、ターボ仕様の「RS」を廃止。

シンプルに自然吸気エンジンのカスタムXのみとなった。

エクステリア

出典:ダイハツ認定中古車

フロントデザイン。ミラカスタムはカスタムの何相応しい専用ヘッドライトと専用グリル、バンパーが与えられる。後期型では内外装の変更はなく、グレード整理が基本のため見た目は前期とほぼ違いはない。

ヘッドライトはハイロー独立式のヘッドライトで、斜め方向に並んでいる。ただし、HIDはオプション設定となっていた。

出典:ダイハツ認定中古車

サイド。背の低いセダンタイプゆえに、ムーブやタントと比べるとかなり1540mmと全高が低い。

出典:ダイハツ認定中古車

足元は14インチアルミホイールを標準装備。サイズは155/65R14 。デビュー当初とはデザインが異なり、2008年12月の一部改良時に変更されている。

出典:ダイハツ認定中古車

リア。ミラカスタムではヘッドライト同様専用のテールライトが装着される。丸形のテールランプやガーニッシュ付きのウィンカー部などかなり手が込んでいる。バックゲート右下にはmiraCUSTOMのエンブレムが入る。

エンジン・機能装備・安全装備など

出典:ダイハツ認定中古車

エンジンはKF型直列3気筒DOHC12バルブ自然吸気エンジンのみ。

エッセから搭載された新世代エンジンで、最高出力は58ps(43kW)/7200rpm、最大トルクは6.6kg・m(65N・m)/4000rpmを発生。

トランスミッションはCVTのみで、駆動方式はFFまたは4WD。このほかアイドリングストップ機構が備わる。

安全装備としてはEBD付きABS、運転席&助手席エアバッグが標準装備となる。

ミラカスタム L275SとL285Sとの違い

ミラカスタムのL275SとL285Sとの違いは駆動方式。L275Sは前輪を駆動するFFのミラカスタム。L285SはL275Sをベースに全部のタイヤを駆動する4WDのミラカスタム。

ただし4WDに関してはジムニーやパジェロミニなどの本格軽SUVとは異なり、基本はFFで、前後の回転差が生じた時(滑った時など)に4WDとなるビスカスカップリングを用いたパッシブタイプのオンデマンド4WD方式。

インテリア

出典:ダイハツ認定中古車

インパネ。ノーマルに対し、ミラカスタムではほぼブラックで統一。センタークラスターは光沢ブラックで高級感を演出している。

ステアリングは本革巻ステアリング。デビュー当初はXグレードにはウレタンステアリングホイールだったが、2011年7月の一部変更で本革巻ステアリングとなった。

出典:ダイハツ認定中古車

スピードメーター。タコメーター付きの3眼タイプで、照明もオレンジ色でスポーティな雰囲気。

出典:ダイハツ認定中古車

エアコンはオートエアコン。

出典:ダイハツ認定中古車

フロントシートはベンチシートタイプ。カスタムではブラックシート表皮とし、ドアトリムクロスもブラックで統一。スポーティなイメージとしている。

出典:ダイハツ認定中古車

リアシート。ミラ系ではあるものの足元はかなり広め。ただしリアシートのスライド機構は非装備。

出典:ダイハツ認定中古車

ラゲッジスペース。

出典:ダイハツ認定中古車

リアシートを倒した状態。

まとめ

出典:ダイハツ認定中古車

7代目ミラに設定されたミラカスタムの後期型は、グレードが集約されターボ仕様も廃止されるなどデビュー当初よりも細々としたモデルとなってしまった。

背景には売れ筋モデルが変化したことにある。かつてはミラやアルトなど背の低い軽自動車が売れた時代もあったが、その後背の高いムーヴがヒット。さらにその後はもっと背が高く広大な室内空間を誇るタントがヒットし、ミラというモデルはかつてほど売れなくなってしまった。

また、ミラの派生モデルとして燃費性能を高めた「ミライース」の登場もあり、ミラ自体もあまり売れなくなっていた。

そのカスタムモデルである「ミラカスタム」もその影響を受け、モデル終盤では自然吸気エンジンの1グレードのみの販売となるなど、かつては「ミラTR-XX アバンツァート」などのターボモデルが全盛期だった頃と比べるとかなり寂しいモデルとなっていた。その後ひっそりと2013年12月には販売を完全終了した。

中古市場で7代目のミラカスタムは2021年12月現在で自然吸気、ターボ含めて200台前後と比較的タマ数がある。人気は全然なく、5MTが未設定なことからその手の需要も無いため全体的にかなり安価だ。ただしその中でも2010年製造以降となると少なかった販売台数も影響し、タマ数は10数台と極端に少なくなる。

燃費はミライースに劣るが背が低い割にわりと広く、使い勝手や取り回しが良いので初心者が最初に買う一台や、足車として重宝することだろう。手のこんだ内外装などはノーマルミラにない上質感がある。

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