【初代・特別仕様】日産 デイズルークス ボレロ 概要解説(B21A型) | シン・軽自動車マニア

【初代・特別仕様】日産 デイズルークス ボレロ 概要解説(B21A型)

クラシック(レトロ)タイプ

デイズルークスは日産のトールワゴン型軽乗用車。三菱・eKスペースの兄弟モデルで、ボレロ(Bolero)はオーテックジャパンによるカスタムモデルある。

BA21型デイズルークス・ボレロの外観

画像参照元:日産認定中古車

概要

2014年2月に登場した日産・デイズルークス。日産と三菱の共同開発によって生まれた軽自動車で、デイズに続く第2弾のモデルである。

三菱版はeKシリーズのモアスペース版として「eKスペース」。日産版ではそれまでスズキよりOEM供給を受けていた「ルークス」の後継モデルとし、デイズシーリズの意味も含めて「デイズルークス」とした。

デイズよりもさらに高い天井は、ダイハツのタント、スズキのスペーシア、ホンダのN-BOXを意識したモデルとなっている。

デイズルークスは完全新設計により室内高を1400mm、室内長2235mmの広さを実現。これは2017年3月現在でスペーシア、タント、N-BOXのいずれよりも広くまさにモアスペース軽といったところ。

リアシートのスライト長のクラストップレベルとなる260mmのロングスライドとし、軽乗用車としては初となる後部座席専用のリヤサーキュレーターとリアガラスのロールサンシェードを標準装備とすることで後部座席での快適性を向上させている。

外観はそれまでの初代ルークス ハイウェイスターのイメージを踏襲するフロントメッキグリルが与えられたが、ヘッドライトは斜めの切込みと厚みを持たせボディスタイルに負けない存在感をアップ。

全体のデザインそのもののも「グラスラウンドキャビン」の採用でこの手の軽乗用車にありがちな箱型感を抑えた。

インテリアは大きなウィンドウやすっきりとしたインパネなどにより開放感のある空間を演出。シート表皮も先代までとは異なる新設計で座り心地を意識したものとした。

メカニズムではNMKVが新たに開発した「バッテリーアシストシステム」を採用。スズキのエネチャージシステムに似たようなシステムで、オルタネーターを減速時の回生発電に用い、専用のニッケル水素電池に充電することでオルタネーターの発電頻度を抑制。ガソリン消費量の削減し燃費向上を果たした。

便利機能としては後部座席の天井に後部座席用エアコン吹き出し口(リヤシーリングファン)を設け快適な室内空間を実現。この機能は2017年2月現在でデイズルークスまたはeKスペースのみの装備となり、暑い日差しの真夏でも後部座席の快適性を可能とした。

またアラウンドビューモニター、オートエアコンやロールサンシェード、プッシュエンジンスターター、インテリジェントキーなどを廉価グレード(Sグレード)を除いて全車
に標準装備した。

後期型・デイズルークスの改良点と前期型との違い

そのデイズルークスは2016年12月にフロントデザインの変更を伴い後期型となった。後期型ではVモーションをモチーフとしたワイドな新デザインのメッキグリルとバンパーを採用したほか、内装では新シート表皮を採用。内外装でイメージの刷新をはかった。

このほかボディカラーでは新規に5種類のバリエーションを設定し、計20種類もののボディカラーバリエーションを設定。安全装備としては自動ブレーキのエマージェンシーブレーキを、それまでグレード別設定だったものを全グレードで標準装備。

便利機能としてはリヤシーリングファンにナノイーを。シートにはスピード消臭シートを搭載。エアコンフィルターも花粉・黄砂・PM2.5対応の高性能タイプとし、IR(赤外線)カットガラスをSグレードを除く全グレードに標準装備。運転席ヒーター付シート&PTC素子ヒーター&リヤヒーターダクトも4WDで標準装備。2WDでオプション設定とするなど特に後部座席において女性や子供も快適に過ごせる室内空間を実現した。

初代・デイズルークス ボレロの特徴とノーマルやハイウェイスターとの違い

初代デイズルークスに設定された「ボレロ」は、日産の特装車メーカーであるオーテックジャパンによるカスタムモデルである。ハイト系のデイズルークスよりも先にデビューしたデイズには既に設定があり、デイズルークスの後期型マイナーチェンジに合わせて追加設定となった。

デイズルークス ボレロではレトロな雰囲気を内外装に与え、ノーマルのデイズルークス、カスタムモデルのデイズルークス ハイウェイスターとも異なるエレガントさを与えたもうひとつのカスタムモデルである。

エクステリアではボレロ専用メッキグリル、メッキフィニッシャー付きフロントバンパー、ボレロ専用14インチアルミホイールを。

ボディカラーにはボレロ専用となる2トーンカラーの「モカブラウン/ピンクゴールド」「ホワイトパール/ピンクゴールド」を含めた全13色を設定。

インテリアではボレロ専用レザー調シート、ピアノ調加飾付き本革巻ステアリング、専用ドアトリムクロス、メッキインナーハンドルを。

快適装備としては運転席&助手席バニティミラー、運手席ヒーター付シートやPTC素子ヒーター、リアヒーターダクトを標準装備し、内外装でレトロ感やエレガント感を追求したカスタムモデルである。

エクステリア

フロントデザイン。ボレロでは専用のメッキグリルが与えられる。デザインは小さな粒のようなメッキが無数に配置され、これを囲うように下部には大型のメッキラインが加えられる。デイズルークスとも、ハイウェイスターとも異なるレトロ感漂うデザインで、かなり差別化されている。

そしてバンパーもボレロ仕様ではメッキ加飾のフィニッシャーが付きノーマルやハイウェイスターよりもスタイリッシュな顔つきとなる。

サイド。このあたりはベースモデルと同じ。ただしボディカラーはボレロ専用2トーンカラーの「モカブラウン/ピンクゴールド」「ホワイトパール/ピンクゴールド」が専用色として設定される。

なお、Xグレードがベースのため、電動パワースライドドアは両側とも標準装備となる。

足元はボレロ専用デザインの14インチアルミホイール。メッキグリルと同じくレトロ感漂うデザインで、シャレオツ。サイズはベースモデルと同じで155/65R14。

リア。このあたりもほぼノーマルと同じ。バックゲート右側にはBoleroエンブレムとAUTECHエンブレムが付く。

エンジン・機能

エンジンは三菱製3B20型直線3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。最高出力は49ps(36kW)/6500rpm、最大トルクは6.0kg・m(59N・m)/5000rpm。トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFFまたは4WD。

安全装備としてABS、EDB、エマージェンシーブレーキ、踏み間違い防止アシスト(前進のみ)、VDCを全グレードで標準装備。燃費向上技術としてアイドリング(13km/h以下で作動)も全グレードで標準装備する。

インテリア

インパネ。ボレロ仕様ではインパネのデザインそのものはベースモデルと共通だが、快適装備として運転席と助手席の両方にバニティミラーを標準装備化。女性に嬉しい仕様としている。

ステアリングもボレロ仕様えはピアノ調加飾付き本革巻ステアリングとなり、「Bolero」エンブレム付専用フロアカーペットはオプション設定となる。

スピードメーター。こちらもベースモデルと同じでタコメーター無しの1眼タイプ。欲を言えばこれもハイウェイスターと同じ3眼式タイプだと上質感があってよかったポイント。少々残念である。

フロントシートはベンチシートタイプ。ボレロ仕様の内装ではここが一番ホットな部分。ブラック&マルサラレッドでカラーコーディネートしたボレロ専用のレザー調シート表皮となる。見た目にも機能的にも質感的にもかなり上質なシートで、高級感すらある。

このほかボレロ仕様として運手席ヒーター付シートやPTC素子ヒーター、メッキインナーハンドルも標準装備とした。

リアシート。こちらも同じく2トーンカラーのレザー調シートとなる。

ロールサンシェードはXグレードと同じく標準装備のほか、

ナノイー搭載のリアシーリングファンに加え、ボレロ仕様としてリアヒーターダクトも標準装備とした。

ラゲッジスペース。

リアシートを倒した状態。

まとめ

初代デイズルークスに設定されたボレロは、外装にレトロな専用メッキグリル&アルミホイール、フィニッシャー付きバンパーを。内装では上質な2トーンカラーのレザー調シートに両側バニティミラー、運転席シートヒーター、リアヒーターダクトなどエレガントな内外装に機能装備を追加し、ノーマルともハイウェイスターとも異なるモデルとなっている。

ターボ仕様が無いのが残念だが、特に見た目や内装が特段に良いので、ハイト系でもそのあたりにこだわったり、他人との違いを求める人には嬉しいモデルといえよう。

兄弟モデルの三菱・eKスペースにはボレロに相当するモデルの設定がなく、日産オンリーのカスタムモデルでもある。その点からも希少な1台となっている。

中古市場では初代デイズルークスの中でも台数が少なく、希少車種となっている。新車価格がFFで約160万円から。4WDだと約170万円と、自然吸気エンジンの軽自動車としてはかなり高額な部類に入るモデルだったゆえか中古のタマ数もかなり少ない。

中古価格もまだまだ高年式な部類で、希少なボレロということもありかなり高値である。気軽には買えないモデルであるが、後継のルークスにはこのボレロの設定がなく、顔つきも異なるためデザインや内装重視でも選んでもいいとお思う。

ただし現行より燃費や加速性能が少々悪く、自動ブレーキ類も「前進の踏み間違い衝突防止アシスト」のみと、最新モデルに比べると貧素なのでその点は注意が必要である。

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