【前期型】日産 デイズルークス(DBA-B21A型)グレード一覧・概要解説 | シン・軽自動車マニア

【前期型】日産 デイズルークス(DBA-B21A型)グレード一覧・概要解説

デイズルークス

デイズルークスは日産のトールワゴン型軽乗用車。三菱・eKスペースの兄弟モデルである。本稿ではデビュー当初の2014年2月~2016年11月までを前期型とし、これを扱う。

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画像参照元:日産認定中古車
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日産 デイズルークスとは?

2014年2月に登場した日産・デイズルークス。日産と三菱の共同開発によって生まれた軽自動車で、デイズに続く第2弾のモデルである。

三菱版はeKシリーズのモアスペース版として「eKスペース」。日産版ではそれまでスズキよりOEM供給を受けていた「ルークス」の後継モデルとし、デイズシーリズの意味も含めて「デイズルークス」とした。

デイズよりもさらに高い天井は、ダイハツのタント、スズキのスペーシア、ホンダのN-BOXを意識したモデルとなっている。

外観はそれまでのルークスのイメージを踏襲するフロントメッキグリルが与えられたが、ヘッドライトは斜めの切込みと厚みを持たせボディスタイルに負けない存在感をアップ。

全体のデザインそのもののも「グラスラウンドキャビン」の採用でこの手の軽乗用車にありがちな箱型感を抑えた。

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インテリアは大きなウィンドウやすっきりとしたインパネなどにより開放感のある空間を演出。シート表皮も先代までとは異なる新設計で座り心地を意識したものとした。

メカニズムではNMKVが新たに開発した「バッテリーアシストシステム」を採用。スズキのエネチャージシステムに似たようなシステムで、オルタネーターを減速時の回生発電に用い、専用のニッケル水素電池に充電することでオルタネーターの発電頻度を抑制。ガソリン消費量の削減し燃費向上を果たした。

便利機能としては後部座席の天井に後部座席用エアコン吹き出し口(リヤシーリングファン)を設け快適な室内空間を実現。

この機能は2017年2月現在でデイズルークスまたはeKスペースのみの装備となり、暑い日差しの真夏でも後部座席の快適性を可能とした。またアラウンドビューモニター、オートエアコンやロールサンシェード、プッシュエンジンスターター、インテリジェントキーなどを廉価グレード(Sグレード)を除いて全車に標準装備した。

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日産・デイズルークス(B21A)と三菱eKスペース(B11A)との違い

日産版のデイズルークスと三菱版のeKスペースとではフロントグリル、フロントバンパーがそれぞれ専用品となり、エクステリアでフロントの顔つきが異なる。

初代・前期eKスペースのフロント

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前期型・デイズルークスのフロント

また、機能装備も両者では若干異なり日産ではアラウンドビューモニターと自動防眩式ルームミラーが「Sグレード」以外で全グレード標準装備となるのに対し、eKスペースではカスタムモデルにオプション設定となる。

またUVカットガラスなどの快適装備も三菱版と微妙に異なる。

さらにデイズルークスにはeKカスタムに相当するカスタムモデルの「デイズルークス ハイウェイスター」のほか、オーテックジャパンによる架装車「デイズルークス ライダー」が設定されるなどモデルバリエーションも豊富となっている。

前期型デイズルークスのグレード S,X、Vセレクション、ライダーの違い 特別仕様車など

前期型デイズルークスのグレード構成は廉価グレードの「S」、上級グレードの「X」の2種類。

これ以外に特別仕様車を1種類設定。すべて自然吸気エンジンのみの設定で、ターボ仕様はハイウェイスターのみの設定。

※カスタムモデルの「ハイウェイスター」はこちらを参照。

【前期型 カスタム仕様】日産 デイズルークス ハイウェイスター(DBA-B21A型)概要解説

Sグレード

後期デイズルークスのエントリグレード。装備をシンプルなものにし、その分価格を抑えた安いグレード。

エクステリア(外観)は上級のXグレードと同じだが、電動スライドドアが非装備で、スライドドアオートクロージャーが助手席後方のみ標準装備となる。フォグランプはオプション設定。ヘッドライトはハロゲンタイプで足元は14インチホイールキャップ。

インテリアではマニュアル式エアコンで、リアシーリングファンが非装備。

快適装備ではUVカット断熱グリーンガラスをフロントドアとフロントクォーター、UVカット断熱プライバシーガラスはリヤドア、リアクォーター、バックドアガラスに。従来タイプの電波式キーレスを標準装備する。

安全装備では自動ブレーキが2014年12月にオプション設定で追加。「エマージェンシーブレーキ」、「踏み間違い衝突防止アシスト」、「VDC(横滑り防止装置)」等がセットで追加装備。

2015年4月の一部改良ではこれら自動ブレーキ類が標準装備となった(※Sグレードはレス仕様が選択可能で、装備していない個体もある)。

このほかEDB付きABS、ヒルスタートアシスト、エマージェンシーストップシグナル、SRSサイドエアバッグが標準装備となる。

Xグレード

前期デイズルークスの上級グレード。装備がSグレードよりも豪華となり、快適性がアップする。

エクステリアではUVカット断熱グリーンガラスがスーパーUVカット断熱グリーンガラスにアップグレードされる。パワースライドドアも助手席後方に標準装備し(オプション設定で両側パワースライドドアが選択可)、スライドドアオートクロージャーは両側後方に標準装備する。

インテリアではエアコン吹き出し口やセンターベントノブ、センタークラスターサイド、ステアリングなどがシルバー加飾となり、上級感がプラスされる。

快適装備ではプッシュエンジンスタート、キーフリーシステム、ロールサンシェード、フルオートエアコン、リアシーリングファン、オーべヘッドコンソールを標準装備。

安全装備では自動ブレーキが2014年12月にオプション設定で追加。「エマージェンシーブレーキ」、「踏み間違い衝突防止アシスト」、「VDC(横滑り防止装置)」等がセットで追加装備となる。

2015年4月の一部改良ではこれら自動ブレーキ類が標準装備となった(※Sグレードはレス仕様が選択可能で、装備していない個体もある)。

これ以外はSグレードと同じで、アルミホイールやディスチャージヘッドランプは非設定。

特別仕様車 X Vセレクション+セーフティⅡ

2014年12月設定の特別仕様車。

Xグレードをベースに「アラウンドビューモニター」、「エマージェンシーブレーキ」、「踏み間違い防止アシスト」等を標準装備しつつ、お買い得とした特別仕様車。

特別仕様車 X Vセレクション

2015年4月設定の特別仕様車。自然吸気エンジンの上級グレード「X」をベースがベース。上記「Vセレクション」の第2弾。

バージョン2のVセレクションでは専用ボディカラーとしてオーシャンブルー(ボディ)&ホワイトパール(ルーフ)の2トーンカラーを専用設定。

エクステリアではVセレクション仕様としてベースグレードに非設定の14インチアルミホイールを標準装備。

快適装備としてIRカットガラスを。便利機能としてはベースグレードでオプション設定の両側リモコンオードスライドドアを標準装備。

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内装ではデイズルークスハイウェイスター用のブラックインテリアを採用し、利便性と質感の高い内外装を与えた特別仕様車となっている。

X Vセレクションについてはこちらから。

【初代・前期型 特別仕様】日産 デイズルークス X Vセレクション(DBA-B21A型)

デイズルークスのエクステリア(外装)

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フロントデザイン。三菱と日産版とではフロント部分で個性を演出している。三菱では網状のメッシュタイプのグリルが装着されていたが日産版では先代のルークスのように水平基調のメッキグリルを装備している。

一般的に非カスタム系のモデルは女性向けに作られるので可愛らしいデザインが多いのだが、このデイズルークスはメッキグリルによりシャキッとしたデザインに仕上がっている。

この点は先代モデル(ハイウェイスター)に通じるところで乗り換えユーザーを意識した部分だろうか。

【初代 パレットSWのOEM】日産 ルークス ハイウェイスター(ML21S型) グレード一覧・概要解説

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横からのデザイン。フロントからリアにかけて抜けるようなシャープなラインとドア下部からリアバンパーに流れるようなキャラクターラインでボディに厚みとサイドビューに勢いを与えた「グラスラウンドキャビン」を採用。

似たような外観となりがちな箱型において、ボディの厚みを活かしたスタイリッシュなデザインが与えられている。

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足元は14インチフルホイールキャップ。

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スライドドアは両側装備で、廉価グレード(Sグレード)には助手席側後方のみスライドドアオートクロージャー付き。

上級のXグレードでは助手席側後方のみパワースライドドア、両側にスライドドアオートクロージャーを標準装備。オプション設定で両側パワースライドドアとなる。

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リア。コンビランプはノーマルモデルでもクリアータイプを装備。ブレーキランプは非LED。

エンジン・機能装備・安全装備など

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エンジンは三菱製の3B20型直線3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。ターボモデルはカスタムモデルのハイウェイスターおよびライダーに用意されている。

最高出力は49ps(36kW)/6500rpm、最大トルクは6.0kg・m(59N・m)/5000rpm。

タントやN-BOXがノーマルモデルでもターボ仕様を追加しているが、日産のデイズルークスにはそれがない。

駆動方式はFFまたは4WD。トランスミッションは全グレードで副変速機付きのエクストロニックCVTを搭載している。

燃費技術としてはアイドリングストップと回生発電のバッテリーアシストシステムを全グレードで標準装備。安全装備としてはABS、EBDを標準装備。

デビュー当初は自動ブレーキの設定がなかったが、2014年12月一部改良でXグレードに「エマージェンシーブレーキ」、「踏み間違い衝突防止アシスト」、「VDC」をセットにしたパッケージオプションとして設定。

2015年4月の一部改良ではこれらが全グレードに標準装備となった。

旧型のデイズルークス(B21A)は燃費が悪い?

B21A型の旧型デイズルークス(初代eKスペース)は燃費があまり良くない。

その大きな要因はエンジン。ライバルと比較すると旧世代のショートストロークエンジン(三菱・アイに搭載していたエンジンの改良型)で、高回転域(5000rpm)まで回さないと最大トルクが出ないタイプ。

トランスミッションに副変速機内蔵CVTを搭載しているものの、低~中速域ではトルクが無く、トルクを出そうと高回転まで回すと燃費が悪くなるため、これが燃費悪化の要因となる。

また、車重も軽自動車にしてはかなり重たく4WDモデルでは1トン近くもある重量級。重たすぎるボディに非力なエンジンの組み合わせで効率が悪い。

新型ルークスではエンジンが新型に置換され、ライバルと同じロングストローク型を採用。加えて中速域(3600rpm)で最大トルクが出るようになった。

さらにマイルドハイブリッドシステムを採用でモーターのアシストパワーも併用して街乗りでの扱いやすさと燃費が向上した。

デイズルークスのインテリア(内装)

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インパネ周りはかなりスッキリしたデザイン。先に登場したデイズとほぼ同じデザインで実用性とデザイン性に加えてベージュカラーとアクセントのピアノブラックやメッキ加飾でシンプルかつ精悍に仕立てている。

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Xグレードではデイズ同様タッチパネル式のエアコンパネルとオートエアコンを装備。Sグレードではマニュアル式エアコンにツマミ式調節レバーとなる。

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スライドドアのスイッチ。Sグレードでは左側後部座席のみスライドドアクロージャー付き(※パワースライドドアは非装備)。

Xグレードでは助手席後方にパワースライドドアが標準装備。オプション設定で両側パワースライドドアとなる。スライドドアクロージャーは両側に標準装備。

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Xグレードではプッシュエンジンスターターにインテリジェントキーを標準装備。

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Xグレードではルームミラーに「アラウンドビューモニター」も標準装備。

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フロントシートはベンチシートタイプ。

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リアシート。スライド機構付き。

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デイズルークスでは軽乗用車初となる後部座席専用のエアコン、「リヤシーリングファン」を全グレードで標準装備。夏の厳しい暑さでも快適な後部空間を実現した。

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ラゲッジルーム。

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リアシートを倒した状態。

デイズルークスの評価

前期型デイズルークスの総評

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デイズルークスはライバルを見ながら最後発で誕生したトールワゴン軽自動車となった。

その点をいかし後部座席用のエアコン吹き出し口、初代N-BOXよりも長い前後室内、アラウンドビューモニター等を備えるのが特徴となる。

デザインの面ではノーマルモデルでも充分洗練されているので、デザイン重視なら充分ありえる1台。ターボが必要なく、デザインが気に入ったという人に良いだろう。

なお、デビュー当初は26.2km/L(JC08モード)だったカタログ燃費が、三菱の燃費不正問題発覚により22.0km/Lへ修正された。

この手の重たい箱型軽乗用車としては22.0km/Lでもまぁまぁ良い方なのだが、ライバル他社の燃費がこれよりも上のため少し見劣りする部分となっている。軽乗用車で燃費を気にする人はデイズルークスは少し注意。

価格的にもできの良い初代・前期スペーシアより高い場合もあり、デザインや内外装、ブランド重視でないならデイズルークスは再考することをオススメする。

【初代・前期型】スズキ スペーシア(MK32S型)

手頃な価格が魅力の前期デイズルークス(B21A) 中古市場では人気に?なぜ?

B21A型デイズルークスは次モデルのB44A/B47A型ルークスの登場により、中古価格が手頃になりつつある。

特にマイナーチェンジ前の前期モデルはそれが顕著で、3~6万キロの個体であっても60万~80万円ほどの中価格帯ゾーンで購入可能だ。

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一つの要因として新モデルが発売され、マイルドハイブリッドや自動ブレーキのデキが良く、使い勝手が大幅向上し、内外装の質感も高くなって旧モデルからの乗り換えが進んでいると推測する。

そうなると中古市場には乗り換えで需要の無くなったB21A型が大量に放出されるようになり、特にマイナーチェンジ前の前期モデルの中価格帯下落に繋がったものと思う(コロナがなければもっと安くなってたはず)。

同時発売の三菱eKスペースよりも日産の方が見た目もよく、ブランドイメージ力もあり、そこまで古くないのにスライドドア付きスーパーハイトワゴンの中でもそこそこ手頃とあって、中古市場では密かな人気モデルとなっている。

【初代・前期型】三菱 eKスペースB11A型 概要解説

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