デイズルークスは日産のトールワゴン型軽乗用車。三菱・eKスペースの兄弟モデルである。本稿では後期型（2016年12月マイナーチェンジ～）に設定された特別仕様車、「X Vセレクション」を扱う。
日産 デイズルークスとは？
2014年2月に登場した日産・デイズルークス。日産と三菱の共同開発によって生まれた軽自動車で、デイズに続く第２弾のモデルである。
三菱版はeKシリーズのモアスペース版として「eKスペース」。日産版ではそれまでスズキよりOEM供給を受けていた「初代ルークス」の後継モデルとし、デイズシーリズの意味も含めて「デイズルークス」とした。
デイズよりもさらに高い天井は、ダイハツのタント、スズキのスペーシア、ホンダのN-BOXを意識したモデルとなっている。
デイズルークスは完全新設計により室内高を1400mm、室内長2235mmの広さを実現。これは2017年3月現在でスペーシア、タント、N-BOXのいずれよりも広くまさにモアスペース軽といったところ。
リアシートのスライト長のクラストップレベルとなる260mmのロングスライドとし、軽乗用車としては初となる後部座席専用のリヤサーキュレーターとリアガラスのロールサンシェードを標準装備とすることで後部座席での快適性を向上させている。
外観はそれまでの初代ルークスのイメージを踏襲するフロントメッキグリルが与えられたが、ヘッドライトは斜めの切込みと厚みを持たせボディスタイルに負けない存在感をアップ。全体のデザインそのもののも「グラスラウンドキャビン」の採用でこの手の軽乗用車にありがちな箱型感を抑えた。
インテリアは大きなウィンドウやすっきりとしたインパネなどにより開放感のある空間を演出。シート表皮も先代までとは異なる新設計で座り心地を意識したものとした。
メカニズムではNMKVが新たに開発した「バッテリーアシストシステム」を採用。スズキのエネチャージシステムに似たようなシステムで、オルタネーターを減速時の回生発電に用い、専用のニッケル水素電池に充電することでオルタネーターの発電頻度を抑制。ガソリン消費量の削減し燃費向上を果たした。
出典：日産認定中古車
便利機能としては後部座席の天井に後部座席用エアコン吹き出し口(リヤシーリングファン)を設け快適な室内空間を実現。この機能は2017年2月現在でデイズルークスまたはeKスペースのみの装備となり、暑い日差しの真夏でも後部座席の快適性を可能とした。
またアラウンドビューモニター、オートエアコンやロールサンシェード、プッシュエンジンスターター、インテリジェントキーなどを廉価グレード(Sグレード)を除いて全車
に標準装備した。
後期型・デイズルークスとは？前期との違いなど
そのデイズルークスは2016年12月にフロントデザインの変更を伴い後期型となった。
後期型ではVモーションをモチーフとしたワイドな新デザインのメッキグリルとバンパーを採用したほか、内装では新シート表皮を採用。内外装でイメージの刷新をはかった。
このほかボディカラーでは新規に５種類のバリエーションを設定し、計２０種類もののボディカラーバリエーションを設定。
安全装備としては自動ブレーキのエマージェンシーブレーキを、それまでグレード別設定だったものを全グレードで標準装備。
便利機能としてはリヤシーリングファンにナノイーを。シートにはスピード消臭シートを搭載。
エアコンフィルターも花粉・黄砂・PM2.5対応の高性能タイプとし、IR(赤外線)カットガラスをSグレードを除く全グレードに標準装備。
運転席ヒーター付シート&PTC素子ヒーター&リヤヒーターダクトも4WDで標準装備。2WDでオプション設定とするなど特に後部座席において女性や子供も快適に過ごせる室内空間を実現した。
デイズルークス X Vセレクションとは？特別装備やXグレードとの違いなど
そして2017年4月。自然吸気エンジンの上級グレードである「Xグレード」をベースに設定された特別仕様車が本稿で扱う「X Vセレクション」である(※以下、Vセレクションとする)。
Vセレクションは前期型デイズルークスにも設定されたが今回もそれに準ずる内容でその後期型バージョンとなる。
Vセレクションでは本来メーカーオプションとなっていたもう片方のリモコンスライドドアを標準装備とし両側リモコンスライドドアに。外装では非設定だった14インチアルミホイールを標準採用。
内装ではカスタムモデルである「ハイウェイスター」用のブラックインテリアを適用。
Vセレクション専用ボディカラーの「エアグレーとブロッサムピンク」のツートンカラーを設定して内外装で標準モデルながら利便性と個性を強めた特別仕様車となっている。
なお、カスタムモデルのハイウェイスターにもVセレクションを同時設定。ハイウェイスターのVセレクションでは
- 標準モデルとは異なる専用２トーンボディカラー
（ブラック（Ｐ）／ピンクゴールド（Ｍ）２トーン） - １５インチ切削加工アルミホイール
- 両側パワースライドドア（リモコン対応）
- ブラックインテリアよりもさらに豪華な「プレミアムグラデーションインテリア」
- ピアノ調加飾付き本革巻ステアリングホイール
などを採用し、カスタムモデルらしい上級感を高めた特別仕様車となっていた。
エクステリア
出典：日産認定中古車
フロントデザイン。外装上の変更点は前期型Vセレクション同様に特に変更点はなく、ベースモデルのXグレードと同じ。後期型デイズルークスではメッキグリルのデザインが変更された。
前期では間隔の狭い３本のグリルが並んでいたが、後期型ではこの間隔を大きくし、グリルそのものも補足することでスタイリッシュ感をアップさせた。
さらに下部のVラインの太いグリルも大型化し、ワンポイントのアクセントとした。加えてバンパーも開口部を大きくとったデザインとし、存在感をアップ。全体的には前期型よりも精悍かつスタイリッシュ感をアップさせた顔つきとした。
出典：日産認定中古車
サイド。こちらもほぼおなじ。Vセレクション仕様としてXグレードでは助手席側のみリモコンスライドドアだったのがオプション設定の運転席側にも標準装備となり、両側リモコンスライドドアに。
さらに専用ボディカラーとしてルーフ部分とドアミラーをピンク色に塗装した「エアグレー×ブロッサムピンク」のツートンカラーを設定した。
出典：日産認定中古車
足元はVセレクション仕様として14インチアルミホイールを標準装備。ちなみにベースモデルはフルホイールキャップのみでアルミホイールは非設定となっている。
出典：日産認定中古車
リア。こちらもベースモデルと同じ。Vセレクションを示す専用エンブレムは前期型同様に特になく、この専用ボディカラー以外はVセレクションであることを見分けることは難しい。
コンビランプはノーマルモデルでもクリアータイプを装備。ブレーキランプは後期型のためLED仕様となる。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンは三菱製3B20型直線３気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。
最高出力は49ps(36kW)/6500rpm、最大トルクは6.0kg・m(59N・m)/5000rpm。
トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFFまたは4WD。安全装備としてABS、EDB、エマージェンシーブレーキ、踏み間違い防止アシスト（前進のみ）、VDCを全グレードで標準装備。
燃費向上技術としてアイドリング(13km/h以下で作動)も全グレードで標準装備する。
インテリア
出典：日産認定中古車
インパネ。Vセレクション仕様としてカスタムモデル・ハイウェイスターXグレード用のブラックインテリアを適用。標準モデルでありながらカスタムモデルの内装としている。
出典：日産認定中古車
ステアリングは本革巻ステアリングホイール。
出典：日産認定中古車
スピードメーターはベースモデルと同じでタコメーターなし。
インパネ右側にはスライドドアなどのスイッチが並ぶ。Vセレクション仕様として両側リモコンスライドドア(パワースライドドア)が標準装備となっているため、ベースモデルに対し運転席側パワースライドドアのスイッチが標準装備となっている。
出典：日産認定中古車
Xグレードベースのためプッシュエンジンスターターにインテリジェントキーを標準装備。
出典：日産認定中古車
さらにルームミラーに「アラウンドビューモニター」も標準装備。
出典：日産認定中古車
エアコン操作部。このあたりも前期と同じで、オートエアコンかつ液晶＆タッチパネル。
出典：日産認定中古車
フロントシートはベンチシートタイプ。Vセレクション仕様としてハイウェイスターXグレード用のエボニー色のシートを採用。
これ以外に標準モデルでは非装備の「ピアノ調・シルバー加飾のパワーウィンドウスイッチベース」と「メッキ仕様のインサイドドアハンドル」も標準装備となる。
シートそのものは後期型でシート表皮を刷新しスエード調クロスを用いたファッショナブルな撥水シート表皮となった。
さらにXグレードベースのため軽乗用車初となる「スピード消臭シート」を標準装備とし、機能性を高めた。
出典：日産認定中古車
リアシート。スライド機構付き。
出典：日産認定中古車
Xグレードベースのため強い日差しなどで便利な「ロールサンシェード」を標準装備。
出典：日産認定中古車
もちろんデイズルークス(eKスペース)の特徴のひとつでもある「リヤシーリングファン」も標準装備。後期型ではナノイーを搭載したリヤシーリングファン(※Xグレード以上のみ)となった。
出典：日産認定中古車
ラゲッジルーム。
出典：日産認定中古車
リアシートを倒した状態。
まとめ
出典：日産認定中古車
後期型デイズルークスに設定された特別仕様車、「X Vセレクション」は自然吸気エンジンの上級グレードであるXをベースに本来オプション設定の運転席側リモコンスライドドアを標準装備とし、両側リモコンスライドドアに。足元はフルホイールキャップからアルミホイールに変更。
内装ではハイウェイスター用のブラックインテリアを適用し専用ボディカラーにルーフとドアミラーをピンク色としてツートンカラーを設定して個性や利便性を強めた特別仕様車である。
専用ボディカラーについていえば女性に嬉しいファッショナブルなツートンカラーで標準モデルにはない魅力が1点。
内装においてもカスタムモデル用のブラックインテリアが適用される点がホットで標準モデルにありがちなベージュやブラウンなど明るい色が好みでない人には嬉しい特別仕様車といえよう。
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