【初代 後期型 特別仕様車】日産 デイズ ハイウェイスター  X プレミアムセレクション(DBA-B21W) | シン・軽自動車マニア

【初代 後期型 特別仕様車】日産 デイズ ハイウェイスター  X プレミアムセレクション(DBA-B21W)

デイズ ハイウェイスター

デイズは日産のワゴン型軽自動車。三菱の3代目・eKワゴンの兄弟車で、ハイウェイスターはそのカスタムモデルである(※eKカスタムの兄弟モデルでもある)。本稿では初代・B21W系の後期型(2015年10月マイナーチェンジ以降)に設定された特別仕様車、「X プレミアムセレクション」を扱う。

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画像参照元:日産認定中古車

概要

2013年6月に登場した日産のデイズ。それまでは三菱からeKワゴンのOEM供給を受け、「オッティ」として販売していたがこのデイズから一新し、三菱との合弁会社NMKVで共同開発。三菱版では3代目・eKワゴン。日産では新型車「デイズ」として販売された。

それまでの「オッティ」時代にみられた外装のデフォルメのみとは異なり、デイズでは商品の企画段階から三菱と協業。開発でも日産が携わったことで従来のOEMモデルとは異なる日産らしいデザインや室内空間が反映された初の軽乗用車となっている。

本稿で扱う「ハイウェイスター」はデイズのカスタムモデルで、三菱版でいうところの「eKカスタム」に相当するモデルである。オッティ時代ではeKカスタムの前進である「eKスポーツ」のOEM供給を受け、かつデフォルメも与えられていたもののeKスポーツのように名前は特に区別されること無くあくまでオッティの1グレード的な扱いであった。

それが今回のデイズ世代からはekカスタムのように分離し「ハイウェイスター」として登場。明確にノーマルデイズ、カスタムデイズという2本立てとなっている。

エクステリアはそれまでのオッティRS・RX時代のベーシックな箱型とは異なり、立体的かつダイナミックなフォルムを与え、ハイウェイスターでは加えてシャープで存在感のあるエクステリアデザインとした。具体的には太いメッキバーの大型ラジエターグリル。シャープなキセノンヘッドランプ、マッシブなバンパーでハイウェイスターらしさを強調。専用アルミホイールやプロジェクターヘッドライト、クリアーコンビランプでノーマルと差別化を図った。

インテリアでも日産の新世代の軽自動車としてふさわしいような上質さや開放感を追求。ピアノブラック調のセンタークラスターを中心に弓なりに広がるインストルメントパネルやタッチパネル式センタークラスター(※グレード別)を軽自動車として初採用し、加えてハイウェイスターではシルバー加飾とブルー照明メーターをアクセントとしたエボニーインテリアにブルー照明とシルバーリングのスポーティーなメーターで上級さやスポーティー感を与えている。

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室内空間も先代から拡大し、全高はプラス70mm、ホイールベースはプラス90mmとしたことでオッティ時代のそこそこ広い室内空間からムーヴやワゴンR、N-WGNに並ぶ室内空間を実現。特に後部座席は顕著に広くなり快適性がアップした。

この他に快適装備としてはフロントドアガラスに99%UVカットガラスを採用(※廉価グレード除く)。フロントウインドシールドには約100%のUVカット機能がある合わせガラスを、リヤドア/クォーター/テールゲートにも約94%*のUVカット機能のあるプライバシーガラス(『eKワゴン』の「E」を除く)を採用。デルタウィンドウガラスを含むすべてのガラスにUVカット機能を持たせることで、快適な室内環境を実現した。

運転をアシストする機能としては「アラウンドビューモニター」を上級グレードに標準装備。ヒルスタートアシストもアイドリングストップ付車、VDC装着車に標準装備に標準装備。VDC(ビークルダイナミクスコントロール[TCS機能含む])はハイウェイスターのGターボ2WDグレードで標準装備とした。

エンジンは新開発となる新世代MIVECエンジンを搭載。アイドリングストップに「オートストップ&ゴー」も採用した。トランスミッションは先代の5MTや3AT、4ATに取って代わり全グレードで副変速機内蔵のCVT(INVECS-III CVT)を採用。ボディの軽量化(高張力鋼板の採用率アップ)や空気抵抗の低減などで燃費アップを実現した。

ただ、デビュー当初は技術不足から同年代のライバルに燃費が劣っていたり自動ブレーキが無いなど不利な部分もあった。が、その後のマイナーチェンジでエマージェンシーブレーキやバッテリーアシストシステムなどの搭載でメカニズム的にはライバルに追いつき、不利な部分が改善されていった。

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そのデイズは2015年10月のマイナーチェンジでフロントデザインの変更を伴い後期型に。後期型ではグリルやバンパー、リアコンビランプのデザインを刷新。シート表皮も刷新し内外装をリフレッシュした。メカニズムではセンサーを用いて、車速などの諸条件によりハイビームとロービームを自動で切り替える「ハイビームアシスト」(※ハイウェイスターグレードのみ)を軽乗用車で初採用。

さらにそれまではオプション設定となっていた「エマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)」、「踏み間違い衝突防止アシスト」、廉価グレードではオプション設定なっていた「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」をも全グレードに標準装備とし安全面も向上させたマイナーチェンジとなっていた。

後期型マイナーチェンジで商品力アップをはかったのもつかの間、約半年後の2016年4月に三菱の燃費不正改ざんが発覚。3代目eKワゴンeKスペース、兄弟モデルのデイズデイズルークスも販売中止となった。

背景には、軽乗用車の燃費競争に出遅れていた三菱の技術力不足と現場の燃費史上主義、長年の体質などがあげられている。特に技術力不足に関してはスズキやダイハツあたりがアルトエコミライースでしのぎを削って低燃費技術を磨き上げていた時、三菱は2代目eKワゴンなど中身(メカニズム)は10年ちかく前に設計したものを内外装のみリファインして販売していた程度だった。そこからいきなりスズキやダイハツに追いつくというのはさすがに無理があったものと思われる。

国土交通省による再測定によれば実際の燃費との乖離は最大で16%。その一方で排ガス値や保安基準などは国の基準を満たしてたため、ekシリーズ全車種の型式指定の取り消しは行わないことになった。三菱自動車は燃費の修正を行い、日産版のデイズも2016年7月に販売再開となった。

デイズ ハイウェイスター  X プレミアムセレクションの特別装備

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そして2017年4月。カスタムモデルのハイウェイスターに設定された特別仕様車がこの「デイズ ハイウェイスター X プレミアムセレクション」である(※以下、プレミアムセレクションとする)。プレミアムセレクションではカスタム・自然吸気エンジングレードのXグレードをベースに、15インチアルミホイールとプレミアムコンビネーションインテリアを採用し、内外装で上級感を追求した特別仕様車である。

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具体的には外装ではXグレードでは非設定だったターボグレード用の15インチ切削光輝アルミホイールを標準装備。ボディカラーには「プレミアムサンシャインオレンジ」、「ホワイトパール」、「プレミアムパール」、「モカブラウン」の4色をメーカーオプション設定。

内装にも本来オプション設定だったプレミアムコンビネーションインテリアを標準採用。シート表皮にネオソフィールを用いたスエード調クロスのベンチシートに同じくスエード調クロスを用いたドアトリム表皮。本革巻ステアリングホイールにはピアノ調加飾を施し標準のカスタム用内装とはまた一味ちがった雰囲気を持つオプション内装で明るさと高級感を追求した特別仕様車である。

エクステリア

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フロントデザイン。プレミアムセレクションでは外装上の変更点は特になく、ベースモデルに準ずる。デイズハイウェイスターはeKカスタムの兄弟モデルで、日産風のデザインを与えることにより顔つきが日産仕様となっている。

前期型のデザインコンセプトは継承しつつ、後期型ではこれを改良。メッキグリルの両端にエッジを設けバンパー自体も立体的にすることでよりダイナミックで存在感の強いデザインとした。さらにヘッドライト下部にはイルミネーションLED(アクセントLEDランプ)を埋め込み夜間も鮮やかな外観に。

同時期にマイナーチェンジした兄弟車のeKカスタムとは完全に差別化されたフロントデザインで、ひと目で「デイズ ハイウェイスター」とわかるデザインに。全体的には精悍で上質感のあふれるデザインとなった。

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またメカニズムの面では軽自動車初となる「ハイビームアシスト」を全グレードで標準装備。対向車とのすれ違い時などにロービームへの切り替え忘れを防ぐだけでなく、ハイビーム走行が増えることで前方の歩行者や道路状況をいち早く視認することが可能となった。

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サイド。LEDターンランプ付ドアミラーとインテリジェントキーを全グレードで標準装備。フロントガラスは赤外線(IR)を約70%カッするIRカットガラスを新採用。強い日差しの赤外線による肌のジリジリ感の抑制に貢献する。紫外線(UV)を約99%カットするそれまでのスーパーUVカット断熱機能と併せて、快適なドライブをサポート。これ以外に後期型ではアルミホイールのデザインが刷新されている。

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足元は15インチアルミホイール。本来Xグレードでは14インチアルミホイールとなっていたが、プレミアムセレクション仕様としてターボグレード用の15インチ切削光輝アルミホイールを与え足元をドレスアップした。

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リア。こちらもベースモデルと同じ。後期型ではコンビランプのデザインが一新され、ブレーキランプ部分がLED仕様となった。なお、プレミアムセレクション仕様を示す専用エンブレムの装着は「デイズ X モカセレクション」と同じく特に無し。

エンジン・機能

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エンジンは3B20型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。

自然吸気エンジンの最高出力は49ps(36kW)/6500rpm。

グレードにより最大トルクが異なり、JグレードとS、Xの4WD仕様では最大トルクは6.0kg・m(59N・m)/5000rpm。

SとXグレードの2WDでは最大トルクが5.7kg・m(56N・m)/5500rpm。

トランスミッションは全グレードで副変速機付エクストロニックCVTとなる。駆動方式はFFまたは4WD。それまでFFモデルのみだった「バッテリーアシスト」を4WDとターボの全グレードで適用。

燃費技術としては「アイドリングストップ」、回生発電の「バッテリーアシストシステム」を標準装備とし、安全装備としては前期でメーカーオプションだった「エマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)」、「踏み間違い衝突防止アシスト」、「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」などの安全装備を標準装備。

インテリア

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インパネ。ハイウェイスターグレードのためブラック系内装が与えられている。これにプレミアムセレクション仕様としてメーカーオプション設定の「プレミアムコンビネーションインテリア」を標準採用。

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プレミアムセレクション仕様としてインパネ部分ではピアノ調加飾付の本革巻ステアリングホイールが与えられる。

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スピードメーターはベースモデルと同じ。

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このほかアラウンドビューモニターはベースモデル同様に標準装備。

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フロントシートはベンチシートタイプ。プレミアムセレクション仕様としてメーカーオプションの「プレミアムコンビネーションインテリア」を採用。カラーリングはノーマルの黒系からベージュ系に。

表皮もサイド生地にネオソフィールという合成皮革とジャカード織物のコンビシートを採用し高級感を高めた(※シート表皮中央は従来どおりのスエード調クロスとなる)。このほかシート表皮にあわせてドアトリム表皮もベージュ色に変更されている。

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リアシート。スライド機構付き。

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ラゲッジルーム。

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リアシートを倒した状態。

まとめ

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後期型デイズハイウェイスターに設定された特別仕様車、「X プレミアムセレクション」は自然吸気エンジンのXグレードをベースに外装ではターボ用の15インチ切削光輝アルミホイールを。内装ではオプション設定だったプレミアムコンビネーションインテリアを採用し、ネオソフィールのシート表皮やベージュ内装などでベースモデルとは一味ちがった上級感を演出したモデルである。

アルミホイールとオプションインテリアを採用しながら新車価格はベースモデルとほぼおなじ価格帯に設定されており、ターボ不要であればお買い得な部分も魅力的なモデルである。

ちなみに兄弟モデルのeKカスタムにもプレミアムインテリアを採用した特別仕様車、「ekカスタム プレミアムインテリアエディション」があったが、ekカスタムではターボ仕様があるのに対し、デイズハイウェイスターでは自然吸気エンジンのみなど細かな違いがある。

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