【前期型】ダイハツ ミゼットII カーゴDタイプ/カーゴRタイプ 概要解説(K100C型)  | シン・軽自動車マニア

【前期型】ダイハツ ミゼットII カーゴDタイプ/カーゴRタイプ 概要解説(K100C型) 

ミゼットⅡ

画像参照元:ダイハツ認定中古車

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概要

1996年4月登場のダイハツ・ミゼットⅡ。ミゼットというと、年配の方にはあのオート三輪の車を思い出すだろう。ミゼットⅡは初代のコンセプトを継承しつつ、安全性のため4輪で復活した。

ミゼットⅡはターゲットを小口配達にしぼり、当時の軽規格よりも大幅に小さくして作られた。これにより小回りの良さ(最小半径3.6m)や愛嬌あるクラシカルな外観がセールスポイントだった。

また、愛嬌ある出目金のような大きな丸目ヘッドライトも特徴的でミゼットⅡのキャラクターを引き立てる外観を持つ。

エンジンは8代目ハイゼットでも採用のEF-CK型。直列3気筒OHCエンジンは31馬力とかなり非力だが、わずか550kgという超軽量ボディとの組み合わせで軽快な走りをみせた。

スペアタイヤはスペースの関係上、フロントのボンネットの真上に設置するという他に類を見ないスタイル、フロントフェンダーがボンネットと連なるデザインなど、今見てもその個性は色褪せない。

デビュー当初はトラックタイプのみだったが、1997年1月に追加設定されたのが本稿で扱うカーゴタイプである。

アメリカ25年ルール解禁で高騰するか?

近年、アメリカの25年ルール解禁により日本車が海を渡りアメリカでも輸入販売されるモデルが多くなってきた。

特にスカイラインGT-Rはその筆頭だが、個性的かつ日本にしかない軽自動車もそのスタイリングや取り回しの良さ、見た目とのギャップなど一部の車種(カプチーノビートAZ-1など)では人気が出ており、日本の中古車市場にも影響を及ぼし出している。

ミゼットⅡも発売が1996年で、2021年には25年ルール解禁対象となり、1996年製造の初期(前期)モデルの輸出がスタートした。

元々軽貨物で、仕事用がメインなモデルのため生産台数も少なく日本の中古車市場ではタマ数が少ないのだが、25年ルール解禁の影響なのか、既に新車価格を上回る価格で取引される個体が出てきており、アメリカでの軽トラック人気の影響からミゼットⅡも人気になる可能性は充分ある。

2024年には後期型ミゼットⅡも輸出解禁となり、アメリカでミゼットⅡに人気が出れば日本の中古価格もあがることが想像され、もし手に入れようとするなら今のうちに入手することを強くオススメする。

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ミゼットⅡ ピックタイプとカーゴタイプの違い

軽トラのピックタイプと軽バンのカーゴタイプ

ミゼットⅡには軽トラのような「ピックタイプ」と、軽バンもしくはパネルバンのような「カーゴタイプ」の2種類がある。

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両者の違いはボディ後方で、ピックタイプは軽トラのような開放的な荷台を持つ。カーゴタイプは軽バンやパネルバンのように密閉された独立した荷室を持つ。

カーゴタイプは軽バンの派生で、街の花屋さんや酒屋さんが配達で使うのを想定して作られた経緯がある。そのため雨風をしのげる独立したラゲッジスペースが設けられた。

さらにラゲッジスペースはリアゲート以外に左右の窓が開閉するようになっており、積み荷の出し入れも容易だ。ただし荷室容量はハイゼットカーゴよりも小さく、あくまで個人店の小口配送用途に限られていた。

ピックタイプ グレードの違い

カーゴDタイプ

カーゴDタイプはミゼットⅡのエントリーグレード。

カーゴRタイプ

カーゴRタイプはDタイプに対し、「AIBA WORKS」のデザインを採用したメッキフロントガードバー&リアガードバーを標準装備する上級グレード。

特別仕様車 カーゴカスタム

ボディ同色バンパーやホイールキャップ、ツートーンカラーボディ、ウッド調パネルやプロテインレザーシートなどを特別装備するカスタムモデル。

カーゴカスタムについてはこちらから。

エクステリア(外装)

前期のミゼット2は丸形ヘッドライトに張り出したタイヤハウス、ボンネットのスペアタイヤが大きな特徴だ。サイドミラーもおしゃれで、まるでバイクのような出で立ち。昨今の軽自動車とは異質ともいえる遊び心満載のデザインとなっている。

サイド。カーゴタイプはミゼット2のラゲッジスペースにハイゼットカーゴの後方をドッキングしたような独特のスタイリング。ただしピックタイプと異なり雨風をしのげる荷室のため、実用性はむしろこちらのほうが高い。

足元は10インチスチールホイール。タイヤサイズは145/95R-10。

リア。バンパーが同年代のハイゼットカーゴによく似ているが、テールランプを流用して作られたため。ぱっと見はかなりハイゼットカーゴに近い。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンは3気筒のOHC自然吸気エンジンのみ(キャブレター式)。

出力は31ps(23kW)/4900rpm、トルクは5.1kg・m(50.0N・m)/3200rpm。

貧弱だが重量が1997年10月の時は590kg、1998年9月時でも4MTが650kg、3ATで670kgとかなり軽量なためそこそこ軽快だ。

トランスミッションはデビュー当初が3ATのみ、1998年10月マイナーチェンジで4MTが追加された。駆動方式は前述のとおりFRのみとなる。

運転席エアバッグやABSの設定は無し。

なお、同年代のハイゼットカーゴやアトレーワゴンと互換性のあるパーツが多く、4MTを5MTもしくは3ATを4ATに変更したり、ドラムブレーキをディススクブレーキ化。あるいはターボエンジンにスワップしたりと改造する楽しさもある。

インテリア(内装)

インパネ。当時のハイゼットカーゴやハイゼットトラックに通ずるグレーを基調とした商用車らしい質素なデザイン。ただしこれはこれで味がある。ステアリングはウレタンステアリングでパワステレス(重ステ)。

スピードメーター。シンプルな単眼式。

オーディオパネルは1DINタイプ。

エアコンパネル操作部。インパネが極端に狭いため左端に後付のような感じでついている。このほか手動ウィンドウにキーレスなしなど、商用車らしい簡素な装備となる。AT車はコラムシフトを採用。

シート。デビュー当初は1人乗りのみだったが、カーゴタイプが追加された際に3ATが追加され、AT車は補助シートが追加されて2人乗り仕様となった。

ラゲッジスペース。ハイゼットカーゴと同じような独立した荷室で、そこそこ広い。ただし軽バンのハイゼットカーゴよりは容量が小さため配送などで使おうとすると少々厳しい場合も。最大積載量は150kgで軽バンよりも大きく劣る。

前期型ミゼット2カーゴタイプのまとめ

ミゼット2のカーゴタイプの前期型はミゼット2の愛嬌あるボディにラゲッジスペースを箱型のパネルバン仕様としたモデルである。

ミゼット2のラゲッジスペースはデザイン性は高いものの実用面ではかなり尖った部分があり、そのままではあまり荷物が積めなく、かつ荷物の配送で使おうとした場合は雨風の影響を受けたりと難点があった。

追加されたカーゴタイプではハイゼットカーゴと同じようなラゲッジスペースにより上記の問題を解決。小口配送などで使いやすいモデルとしていた。さらにそれまで1人乗りのみだったが、AT仕様では一応2人乗りとなったことで、シティコミューターのような用途にも使えるようになった。

中古市場ではピックタイプ同様にあまりタマ数が少なく希少なモデルとなっている。特に登場から25年近く経過し台数も減ってきたことと、軽トラ人気となっているアメリカへも輸出が可能となったことでミゼット2全体の中古相場が高くなりつつある。

外観はピックタイプほど尖ってないが実用面はカーゴタイプが勝る。4ナンバー登録ゆえに13年落ちでも税金が安く、いざというときはラゲッジスペースを有効活用して荷物を運べたりと面白いモデルである。

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