【後期型・平成のオート三輪】ダイハツ ミゼットII ピックタイプ 概要解説(K100P型)  | シン・軽自動車マニア

【後期型・平成のオート三輪】ダイハツ ミゼットII ピックタイプ 概要解説(K100P型) 

ダイハツ

ミゼットⅡはダイハツの軽貨物型の軽自動車。ここでは軽自動車規格改正後にマイナーチェンジした1999年9月以降のモデルを後期とし、これを扱う。

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出典:Goo-net

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ダイハツ ミゼットⅡとは?

1996年4月登場のダイハツ・ミゼットⅡ。ミゼットというと、年配の方にはあのオート三輪の車を思い出すだろう。ミゼットⅡは初代のコンセプトを継承しつつ、安全性のため4輪で復活した。

ミゼットⅡはターゲットを小口配達にしぼり、当時の軽規格よりも大幅に小さくして作られた。これにより小回りの良さ(最小半径3.6m)や愛嬌あるクラシカルな外観がセールスポイントだった。また、愛嬌ある出目金のような大きな丸目ヘッドライトも特徴的でミゼットⅡのキャラクターを引き立てる外観を持つ。

エンジンは8代目ハイゼットでも採用のEF-CK型。直列3気筒OHCエンジンは31馬力とかなり非力だが、わずか550kgという超軽量ボディとの組み合わせで軽快な走りをみせた。

スペアタイヤはスペースの関係上、フロントのボンネットの真上に設置するという他に類を見ないスタイル、フロントフェンダーがボンネットと連なるデザインなど、今見てもその個性は色褪せない。

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後期型ミゼットⅡとは?改良点と前期との違い

そのミゼットⅡは1999年9月にマイナーチェンジを受け後期型となった。

後期型では軽自動車新規格に対応させるべく安全性を向上。衝撃吸収ボディの採用や運転席SRSエアバッグのオプション設定、フォースリミッター機構付3点式ELRシートベルト、衝撃吸収ステアリングホイール、8インチブレーキブースターを全車に採用した。

エクステリアではスペアタイヤの位置をフロント中央から荷台もしくは荷室へ移動。スペアタイヤの位置には凹型のカバーを装着してイメージは保ちつつも安全性を向上させた。さらに前バンパーを拡張し、衝突吸収構造を採り入れることで安全基準を満たすバンパーとした。これにより全長は前期モデルよりも105mm拡大している。

テールランプも前期ではハイゼットからの流用だったが、後期では専用設計。丸形のオシャレなテールランプとした。

エンジンは環境性能をアップさせるため新型のEF-SE型を全グレードで採用。「EFI」「DLI(ディストリビューターレス・イグニッション)」「ダイレクト駆動バルブ」「KCS(ノックコントロールシステム)」の搭載で前期よりも燃費性能をアップさせた。また、ギア比も若干ハイギアード化されている。

ハイゼットカスタムではナルディ製ハンドルをウレタン仕様に。プロティンレザー張りシートは革張りに変更している。

ミゼットⅡはアメリカ25年ルール解禁で高騰するか?

近年、アメリカの25年ルール解禁により日本車が海を渡りアメリカでも輸入販売されるモデルが多くなってきた。

特にスカイラインGT-Rはその筆頭だが、個性的かつ日本にしかない軽自動車もそのスタイリングや取り回しの良さ、見た目とのギャップなど一部の車種(カプチーノビートAZ-1など)では人気が出ており、日本の中古車市場にも影響を及ぼし出している。

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ミゼットⅡも発売が1996年で、2021年には25年ルール解禁対象となり、1996年製造の初期(前期)モデルの輸出がスタートした。

元々軽貨物で、仕事用がメインなモデルのため生産台数も少なく日本の中古車市場ではタマ数が少ないのだが、25年ルール解禁の影響なのか、既に新車価格を上回る価格で取引される個体が出てきており、アメリカでの軽トラック人気の影響からミゼットⅡも人気になる可能性は充分ある。

2024年には後期型ミゼットⅡも輸出解禁となり、アメリカでミゼットⅡに人気が出れば日本の中古価格もあがることが想像され、もし手に入れようとするなら今のうちに入手することを強くオススメする。

後期ミゼットⅡのエクステリア(外装)

出典:Goo-net

フロントデザイン。ミゼットⅡは大きな丸目ヘッドライトにスペアタイヤが特徴だ。グレードや特別仕様車によりこのスペアタイヤはむき出しか、シートカバーか、専用カバーなど異なる。

ドアミラーもレトロ感のあるものが装着されており、現在の軽自動車には無いオシャレな外観となっている。フォグランプはオプション設定。

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後期型ではスペアタイヤが衝突時の安全上の観点から荷台もしくは荷室へ移動された。

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そのかわりスペアタイヤがあった空間には専用のカバーが設けられ、前期のイメージは残しつつもスタイリッシュな顔つきとなった。また、フロントバンパーは後期型では拡張されており、こちらも衝突安全性を考えた仕様に変更されている。

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サイド。このあたりも特徴的で軽トラックに似ているがフロント部分が独特の形状をしているため、全体的に個性的な形をしている。

なお、助手席の窓は「はめ殺し窓」で、窓の開閉が一切できないタイプ。バンパーは上述のとおり仕様変更でサイズも長くなり、全長は前期比105mm長くなっている。

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足元は10インチスチールホイール。タイヤサイズは145/95R10。

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リア。このあたりは軽トラによく似ている。

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後期型ではテールランプのデザインが変更され、ブレーキ、ウィンカー、バックランプすべてが丸形のデザインとなった。前期ではハイゼットと同じデザインだったため個性やスタイリッシュ感がアップした。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンはEF-SE型直列3気筒OHC自然吸気エンジンのみ。

最高出力は33ps(24kW)/4900rpm、最大トルクは5.2kg・m(51N・m)/4000rpm駆動方式はFRのみで、トランスミッションは4MTまたは3ATとなる。

前期よりもエンジンの性能がアップし、最高出力は2馬力、最大トルクは0.1kgアップしつつ、環境性能もアップしている。前期同様エンジンが今の軽自動車と比べるとかなり非力だが、車重が550kgのため意外と加速は悪くない。

安全装備としては運転席SRSエアバッグをオプション設定(カスタム、DタイプのAT仕様のみ)、8インチブレーキブースター、衝撃吸収ステアリングホイール、フォースリミッター機構付3点式ELRシートベルトが全グレードで標準装備。

その一方で当時の軽貨物ベースなのでABSの設定はなかった。

後期ミゼットⅡのインテリア(内装)

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インパネ。内部のデザインは前期と後期では同じとなる。内装は特徴的で、4MTでは一人乗りとなる。ATではインパネシフトとなり、補助的な助手席が付くが、かなり狭いので実用性は低い。

車のサイズが小さいのでマニュアルだと一人乗り、ATだと二人乗りになるが、基本は一人乗りと考えたほうが良いだろう。

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スピードメーター。タコメーター無しのシンプルな1眼式。こちらのデザインも前期と同じ。

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ステアリングはウレタンステアリングホイール。このあたりはハイゼットと同じものを流用している。

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4MTのシフトノブ。純正は4速マニュアルだが、同年代のハイゼットから流用し5MT化した固体も存在する。

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インパネ左側。奥に見えるのはエアコンの操作パネルで、マニュアル式エアコンとなる。ただし、グレードや年式によってはエアコンがオプション設定となっていた(1996年初期モデル~1998年9月までは全グレードでエアコンレス1998年からはピックBタイプがオプション。それ以外は標準装備)。

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シート。MT仕様では運転席のみ。AT仕様では補助的な助手席が加わる。ただしかなり狭いため実用性は低い。後期ではシート表皮が変更され、乗用車感覚を高めている。

後期ミゼットⅡの総評

出典:Goo-net

ミゼットⅡの後期モデルは安全性向上のためデザインが変更された外装と、エンジンのパワーアップ、内装(シート表皮)の変更など前期型よりもよりスタイリッシュになっているのがポイントだ。

ただし、生産が1999年10月~2001年7月と、前期よりも短く、タマ数も少なめな点がネックである。

その一方で個性的という点では現代の軽自動車にはない魅力を持っており、スタイリッシュな後期型の優位点も高い。一人乗りメインだったりするが軽貨物登録なので13年以上経過していても税金が安い点もポイントだ。

ただ、アメリカ25年ルール解禁の影響なのか、あるいはタマ数が減ってきた希少性なのか近年中古価格は上昇傾向で、アメリカでは軽自動車の中でもプレミアム的な位置づけで、日本より高値で販売されている。

その唯一無二な個性的なスタイリングや今後もかわらないと思わる。エンジンは非力だがミゼットⅡだけの魅力は今も色褪せない。

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