ジムニーはスズキのSUV型軽乗用車。本稿では２代目・JA12W型の終盤に設定された特別仕様車「ランドベンチャー」について扱う。
出典：カーセンサー
スズキ 2代目ジムニーとは？
1981年5月に登場した２代目、スズキ・ジムニー。
ジムニーはフルモデルチェンジまでのモデルサイクルが長いことで有名だが、２代目のジムニーは1986年1月に登場し、1998年10月の３代目・JB23W型にフルモデルチェンジするまでおよそ17年間、マイナーチェンジを繰り返して作られた。
この間にエンジンの排気量アップ(550CC→660CC)や、４サイクルターボエンジンやインタークーラーターボエンジンの搭載。
サスペンションのリーフスプリングからコイルスプリングへの変更、乗用モデルのラインナップ、5速ギア比の見直し、タイミングチェーン採用のK6A型エンジンなど特に1995年11月マイナーチェンジの第４期以降では三菱・パジェロミニの登場により、よりオンロードでの快適性や操縦安定性を向上させていくこととなる。
２代目ジムニー(JA22W)特別仕様車・ランドベンチャーとは？特徴とノーマルとの違い
その２代目ジムニーの第４期モデル(1995年11月マイナーチェンジモデル)の1996年9月に、５ナンバー乗用タイプでハードトップで上級グレードのXCグレードをベースにスタイリッシュな装備を与えてより特別感を高めたモデルが設定された。それが「ランドベンチャー」である。
2代目ジムニーのJA22W型ランドベンチャーでは特別装備としてエクステリアでは
- ボディカラー同色塗装のバンパー
- ハロゲンフォグランプ
- アルミルーフキャリア
- 16インチアルミホイール
- 専用サイドストライプテープ
- スペアタイヤカバー（ランドベンチャーロゴ入り）
- ルーフエンドスポイラー
などを標準装備化。インテリアには
- マルチメーター（方位、気圧、高度計）
- 専用ファブリックシート表皮
ボディカラーには
- ダークターコイズグリーンメタリック
- スキューバブルーメタリック
- マーキュリーシルバーメタリック
の全３色を設定。XCよりも豪華装備やスタイリッシュ感を与え街乗りでの扱いやすさを向上させつつ、新車価格をベースモデルより約11万円アップ程度にし、お買い得感をアップさせたモデルである。
２代目ジムニー・ランドベンチャーのエクステリア（外装）
出典：カーセンサー
フロントデザイン。JA22W型ジムニーはヘッドライトとウィンカー、ポジションランプがグリルと一体となった精悍な顔つきが特徴だ。
ランドベンチャー仕様としてバンパー同色塗装化とフォグランプを標準装備化。ベースモデルよりも街乗りでのスタイリッシュ感と実用性を高めている。
出典：カーセンサー
サイド。ランドベンチャー仕様としてアルミルーフキャリアと専用サイドストライプテープが付く。
出典：カーセンサー
足元はランドベンチャー専用デザインの16インチアルミホイール。タイヤサイズはノーマルと同じく175/80R16。
出典：カーセンサー
リア。ランドベンチャー仕様としてランドベンチャーのロゴ入りスペアタイヤカバーとリアスポイラー(ハイマウントストップランプ内蔵)を標準装備。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジン・トランスミッション・駆動方式・安全装備・快適装備など
エンジンはK6A型水冷直列3気筒DOHC12バルブインタークーラー付きターボエンジン。最高出力は64ps(47kW)/6500rpm、最大トルクは10.5kg・m(103.0N・m)/3500rpmを発生する。
トランスミッションは5MTまたは3ATで駆動方式はパートタイム4WDのみ。
ABSとフロントエアバッグはオプション設定。快適装備のマニュアル式エアコンは付くものの、キーレスエントリー、パワーウィンドウは非装備の硬派な仕様。
JA22W型のK6A型エンジンはトラブルが多い
JA22W型に搭載されたK6A型エンジンは、ツインカムターボのタイミングチェーン式でそれまでのF6A型とは異なりパワフルで高回転なエンジンなのだが、K6A型の初期モデルゆえにトラブルや不具合の事例も多い。
エンスト、加速不良、異音、異臭、白い排気ガス、オイル下がり、オイル上がりなどエンジンにまつわるトラブルが数多くある。そのためショップによっては信頼性の高いF6A型に載せ替えるケースもある。
中古で購入する場合は不具合を抱えていないか、あるいは対処済みかなど入念にチェックすることをオススメする。
２代目ジムニー・ランドベンチャーのインテリア（内装）
インパネ。
ランドベンチャー仕様として方位、気圧、高度計を兼ね備えたマルチメーターを標準装備する。このあたりは当時大流行しバカ売れしまくった三菱・初代パジェロミニを強く意識した装備と思われる。
スピードメーターはノーマルと同じ。独立3眼式メーターを採用し左からタコメーター、スピードメーター、水温＆燃料残量計。
ステアリングはウレタンステアリングホイール。
エアコンはマニュアル式エアコンを採用。
オーディオは純正で1DINタイプしか使えないので幅広のカーナビ等の取り付けには工夫が必要だ。
5MTのシフトノブまわり。
3ATのシフトノブまわりと副変速機。四駆や２駆への切り替えはレバー式で２Hや４H、４Lなどを任意に変更できる。
フロントシートはセパレートタイプ。シート表皮はランドベンチャー専用品で、ノーマルよりも質感がアップしている。
リアシート。
ラゲッジスペース。JA22W型なのでリアシートは左右分割式を採用。
リアシートを倒した状態。より広く荷室を使う場合は画像のように前に倒し込んで使う。
２代目ジムニー・ランドベンチャーの評価
２代目JA22W型に設定されたランドベンチャーは、後期JA22WのXCグレードをベースにアルミホイールやフォグランプ、ルーフレールにタイヤカバー、専用シート表皮にマルチメーターなど街乗りで快適＆豪華な装備を与えつつ、新車価格は１１万アップに抑えたお買い得感もある特別仕様車だった。
現在でも２代目ジムニーの後期モデルは一定数人気があり、その特別仕様車とあって同年代のほかグレードよりも中古価格は高め。特にXLリミテッドよりも高値になりやすく中古市場では少々買いづらい。
２５年以上経過するプチ旧車のモデルで、故障のリスクもあり快適装備もほとんどついてないため次モデルのJB23型に比べると街乗りでは不便さがあるが、デザインなど雰囲気は３代目・JB23型に負けておらずむしろ２代目のほうがスクエアボディ感も相まって優秀。そのあたりは快適性をとるかデザイン重視かなどトレードオフとなりそう。
同じ特別仕様車のフィッシングマスターは２代目止まりだったが、ワイルドウインドとランドベンチャーは３代目ジムニーでも引き続き特別仕様車として設定され、人気グレードとして君臨することとなる。
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