【前期型】ダイハツ ソニカ(L405S・L415S型)概要解説 | シン・軽自動車マニア

【前期型】ダイハツ ソニカ(L405S・L415S型)概要解説

ソニカ

ソニカはダイハツのハッチバック型軽自動車。ここではデビュー当初の2006年6月~2007年7月までを前期型と定義しこれを扱う。

L405S_first (1)

出典:Goo-net
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ダイハツ・ソニカとは?

2006年6月デビューのダイハツ・ソニカ。

それまでのダイハツ売れ筋とは一線を画する低い全高を持ち、室内空間よりも走行性能を重視させたスペシャリティカーとして登場した。同年代のスズキ・5代目セルボSRのように軽の枠を越えた軽自動車を目指したものだった。

開発コンセプトは「爽快ツアラー」。軽自動車でありながらロングドライブを快適に楽しめる、走りや爽快感を追求したクルマとして誕生した。

出典:ダイハツ認定中古車

エクステリアは当時の流行だったタントやムーヴとは一線を画する低い全高に、ボンネットからリアにかけて流れるようなロー&ロングフォルムが最大の特徴だ。

これは高速移動時の空力抵抗も考慮したデザインでもあり、箱型でスペース重視の軽自動車とは完全に設計思想が異なるものであった。

出典:ダイハツ認定中古車

インテリアではその低い全高とは裏腹に2,440mmのロングホイールベースとコンパクトなエンジンルームを組み合わせたことで、1,915mmものの長い室内長を確保。

室内幅も1,320mmとし快適な室内空間とした。また、シートにもこだわり長距離移動も快適となるよう、トヨタ・セルシオ譲りのツアラーベンチシートを採用。

メカニズムでは世界初の「インプットリダクション方式3軸ギヤトレーン構造」を採用したCVTに7段マニュアル変速モードを組み合わせ、マニュアル車のようなシフトチェンジを楽しめるようにした。

エンジンはKF-DET型直列3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンを全グレードに標準装備。フロント/リヤスタビライザーや専用チューニングのサスペンションにより優れた操縦性や安定性、快適な乗り心地を実現した。

衝突安全性においては衝突安全ボディのTAFを採用し国内及び欧州の衝突安全基準を余裕をもってクリア。

安全装備としてはEBD&ブレーキアシスト付ABSにデュアルSRSエアバッグ(運転席/助手席)を標準装備とし、プリテンショナー&フォースリミッター機構付フロント3点式ELRシートベルト、チャイルドシート固定機構付リヤ3点式ELRシートベルトなども標準装備とした。

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ソニカのグレード R、RS、RSリミテッドの違いなど

ソニカのグレード展開はエントリー「R」上級「RS」、最上級「RSリミテッド」の3種類。

全グレードターボエンジンを搭載し、3眼式メーターやソニカ専用シート表皮を採用する。

特別仕様車の設定は無し。

R

ソニカのRグレードは一番安いグレード。

エクステリアでは

  • LED付きドアミラーターンランプ
  • ディスチャージライト
  • サイドストーンガード
  • アルミホイール

非装備。

足元のスチールホイール+ホイールキャップや、エアコンがマニュアル式エアコンなど装備が簡略化されている。このほか

  • キーフリーシステム
  • 電動式パワーステアリング

を標準装備。

安全装備はデュアルSRSエアバッグとABS、セキュリティーアラームなどを標準装備する。

フロントスタビライザーはRグレードも含め全グレードに標準装備。リアスタビライザーは2WDのみ標準装備となる。

後期モデルではRグレードでも14インチアルミホイールが標準装備となる。

RS

RSグレードはその中間グレード。

Rに比べてエクステリアでは

  • ディスチャージヘッドライト
  • 15インチアルミホイール(※デザインはRSリミテッドとは異なる)
  • サイドストーンガード
  • LEDターンランプ付きドアミラー
  • 大径フロントベンチレーテッドディスクブレーキ

を標準装備。

インテリアでは

  • スピードメーター内に燃費などを表示する「マルチインフォメーションディスプレイ」
  • 自発光式メーター
  • クリーンエアフィルター

が備わり、エアコンもオートエアコンとなる。

RSリミテッド

RSリミテッドはソニカの最上級グレード。モモ革巻きステアリングやマニュアルモード付きCVTなど、走りの装備が特徴。

RSの装備に加えエクステリアでは

  • フォグランプ
  • 専用デザインの15インチアルミホイール(エアロ形状の専用品)

インテリアでは

  • モモ社製本革巻ステアリングホイール
  • 7速マニュアルモード付きCVT
  • 6:4分割可倒式リアシート
  • 照明付きバニティミラー(運転席・助手席)

などよりスポーティな装備となる。また、RSの2WDにはオプション設定で「レーダークルーズコントロール」が選択可能だった。

後期型ではこれに「6スピーカーシステム」が標準装備となる

特にソニカの7速マニュアルモードはMT車のような変速気分を味わえるため、中古で買う場合はRSリミテッドがオススメである。

ソニカとセルボSR、R1(R2)スーパーチャージャーとの違い

この手の軽自動車は同年代に似たようなモデルがスズキとスバルから登場している。スズキはセルボSR、スバルではR1のスーパーチャージャー仕様と、R2のスーパーチャージャー仕様が該当する。

セルボSRはソニカと同じ3気筒エンジンでも軽自動車で初&唯一の直噴ターボエンジンを搭載。

パワフルなエンジンパワーに高い燃費性能と環境性能がウリで、CVTとも組み合わさってこの時代のターボ付き軽自動車にしては実燃費がかなり良い。

また室内もソニカほどではないが軽自動車にしては上質なシート、軽自動車にはみえないインパネデザイン、個性的なスタイリング&エクステリアデザイン、プロジェクトター式ヘッドライトなどの違いがある。

【5代目・直噴ターボ&7速CVT】スズキ セルボSR (HG21S型)

スバルのR1R2のスーパーチャージャー仕様もソニカやセルボSRと並んでプレミアム路線のモデルである。

スバルは伝統の4気筒エンジンにスーパーチャージャーを組み合わせ、アイドリングの静かさや上質なエンジンサウンド、高回転まで回るエンジンなど優れたエンジンに、四輪独立懸架式サスペンションによるしなやかで上質な足回りなどを特徴としている。

室内空間は狭いがその分衝突安全性も当時としては高く、個性的な卵型のスタイリングや顔つきも相まってマニアの間には人気のモデルである。

【スモールプレミアム】スバル R1 S(RJ1/RJ2型)スーパーチャージャー仕様 概要解説

【スモールプレミアム】スバル R1 S(RJ1/RJ2型)スーパーチャージャー仕様 概要解説

ソニカやセルボSR、R1&R2スーパーチャージャー仕様に共通しているのは、いずれも過給器付きエンジン搭載で7速マニュアルモードを搭載するCVTなど走りの基本性能が高い軽自動車である点などが挙げられる。

エクステリア

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出典:ダイハツ認定中古車

戻ってソニカのフロントデザイン。のっぺりとした顔つきがソニカの特徴で、通称:カピパラ顔と呼ばれるデザインだ。横長の楕円形ヘッドライトにメッシュ形状のグリル、ブラックカラーに塗られたバンパー開口部とアンダースポイラー部分を持つ。

メッシュ形状のグリルとブラックカラーでスポーティーな印象としている。なお、後期型ではグリルがメッキタイプに変更された。フォグランプはRSリミテッドのみ標準装備。

出典:ダイハツ認定中古車

ディスチャージライトはRSグレード以上に標準装備となる。

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サイドから。全高はムーヴはもちろん、ミラよりも低い1470mmとなっていて、流行りのワゴンタイプとは一線を画する車高の低さ。この時代のダイハツの軽ではダントツの低さだった。フロント&リア共に軽では珍しいスタビライザーを装着している。

出典:ダイハツ認定中古車

LEDターンランプ付きドアミラーはRSとRSリミテッドに標準装備となる。

足元は一番安いRグレードが14インチフルホイールキャップ。サイズは155/65R14。

RSとRSグレードでは15インチアルミホイールとなる。デザインもRSとRSリミテッドでは異なり、RSリミテッドではエアロ風のよりスタイリッシュなデザインとなる(写真はRSリミテッド)。サイズは165/55R15。

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出典:Goo-net

リア。コンビランプは、先代のMAXに似ている。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンは全グレードでKF-DET型直列3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンのみ。最高出力は64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは10.5kg・m(103N・m)/3000rpm。

トランスミッションは全グレードでCVTのみで、駆動方式はFFまたは4WDとなる。最上級のRSリミテッドのみマニュアルモード付き7速CVTを採用。これは無段変速機であるCVTにあえて7段階の変化を設け、さらに手動でシフトチェンジが行えるのである。

これによってオートマでありながらマニュアル車のような雰囲気を味わえる。まさにスポーツタイプに相応しい。さらに7速CVTのお陰で、60km巡航で1900rpm、100km巡航しても2900rpmと軽自動車にしてはびっくりな低回転。これが高燃費に寄与する。

安全装備としてはEBDとブレーキアシスト付きABSを標準装備とし、運転席&助手席エアバッグ、プリテンショナー&フォースリミッター機構付フロント3点式ELRシートベルト、チャイルドシート固定機構付リヤ3点式ELRシートベルト、セキュリティーアラームなどが標準装備となる。

インテリア

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出典:ダイハツ認定中古車

インパネ。軽自動車とは思えない上質感のある落ち着いたデザイン。

出典:ダイハツ認定中古車

ステアリングはRとRSでウレタンステアリングホイール。

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出典:ダイハツ認定中古車
最上級のRSリミテッドではモモステアリングと

出典:ダイハツ認定中古車

7速マニュアルモード付CVTを標準装備する。そしてRSリミテッドのFFモデルのみ、当時の軽自動車としては珍しいクルーズコントロールをオプション設定。レーザーレーダーセンサー方式を採用し高速道路などの移動時に快適な装備とした。

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スピードメーター。タコメーターを備えた3眼式のスポーティーなデザイン。Rグレードのみ中央部右下のマルチインフォメーションが省略される。

エアコンはRグレードのみマニュアル式エアコン。RSとRSリミテッドではオートエアコンとなる。

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出典:Goo-net

フロントシートはベンチシートタイプ。セルシオで使われていたものを軽自動車用に縮小した特別なシートで、ムーヴやタントのシートとは全く異なり長距離走行でも疲れづらい。

コストを度外視した贅沢な部分だ。

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出典:Goo-net

なお、シートカラーはボディカラーによらずブラックまたはレッドの2種類選択可能で、こちらはレッドタイプ。ドアトリムの色も赤になっている。

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出典:Goo-net

リアシート(ブラック)。

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リアシート(レッド)。

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出典:Goo-net

ラゲッジルーム。全高が低いためこの部分はかなり狭い。RSリミテッドのみ6:4分割可倒式シートを採用。RSとRでは5:5となる。

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出典:Goo-net

リアシートを倒しても高さがないので背の高い荷物を載せようと考えている人は要注意。奥行きはあるので長物は十分積める。

まとめ

軽自動車のプレミアムカーとして開発されたソニカだったが、残念なことに登場からわずか3年ほどで生産終了となった。高級路線だったので値段が高かったことや、同社のムーブと比べると室内は狭く、実用性の観点からあまり売れなかったのかもしれない。またダイハツ自身も積極的に宣伝してなかったことも寄与しているだろう。

中古市場では、その不人気が影響しているのだろうか。全体的に値段は安い。特徴あるフロントフェイスは通称”カピパラ顔”と呼ばれて好き好きが別れるところではあるが、ハイト系ワゴンにはない走りの良さなど今でも魅力あるモデルで、軽自動車で室内空間よりも走りや長距離移動メインとして考えているのなら有力な選択肢のひとつである。

時代の先を行き過ぎてしまった感のあるソニカだが、中古車としては個性的で走りの良いモデルとして現行モデルにはない魅力はかなりある。そして安く買える点も中古ソニカの魅力ではないだろうか。

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