KeiはスズキのクロスオーバーSUV型軽自動車。Keiスポーツはそのスポーティーモデルである。
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概要
2000年10月登場のスズキ・Keiスポーツ。1998年の軽新規格で登場した「Kei」は発売当初はジムニー寄りのオフロード思考のモデルで、ジムニーと同じく3ドアモデルだったが、デビューから約半年後の1999年3月には5ドアモデルを追加。ジムニー路線から乖離し、より利便性を向上させたモデル構成となる。
その2ヶ月後の1999年5月にはスポーティー路線を強調した「Keiスペシャル」を発売。そしてそれから1年半後にKeiのスポーツモデルとして誕生したのがこの「Keiスポーツ」である。
当時はホットなモデルの(4代目 HA22S)アルトワークスが生産終了となり、これにかわる車種として誕生した。
Keiスポーツとは?特徴や違いなど
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Keiスポーツはベースモデルに対し、力強い走りをイメージしたデザインが与えられた。
外装では
- 専用フォグランプ付きバンパー
- 専用グリル
- ボディと同色のフェンダーアーチ
- サイドアンダースポイラー
- 専用リアバンパ
- ルーフエンドスポイラー
- マフラーカッター
- 15インチの大径アルミホイール
を標準装備。
内装でも
- 専用セミバケットシート
- 本革巻ステアリングホイール
- タコメーター付きスピードメーター
などでスポーティーな雰囲気を与えた。
メカニズムではKeiスポーツ用にノーマル比15mmダウンの「ローダウンサスペンション」を与えるなどクロスオーバーSUVのKeiをベースとしながらよりスポーティーな仕様となっていた。
エクステリア
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フロントデザイン。Keiスポーツではヘッドライトはベース(中期型・Kei)同じものの、メッシュデザインを取り入れたスポーティーなグリル&フォグランプ付き専用バンパーが与えられた。
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ノーマルモデルでは中期型マイナーチェンジでファニー系の顔つきに変化したため、Keiスポーツのフロントデザインはノーマルとはかなり差別化されていた。
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サイドから。Keiスポーツ仕様として専用の15インチアルミホイール(175/60R15)を装着。サイドアンダースポイラーやカラードフェンダーモールも標準装備となり、エアロ感の高い外観となっている。
サスペンションもスポーツ専用のものでノーマルより15mm下がっている。
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リア。専用のバンパーがノーマルとの違いを演出している。リアスポイラーはノーマルのターボモデルと共通のもの。「Keiスポーツ」を示すため専用の「Sport」エンブレムが右側「Kei」エンブレムの下に付いている(※ちなみにこれは初代MRワゴンのスポーツに付いていたエンブレムと同じ)。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンはK6A型直列3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンとF6A型直列3気筒SOHCインタークーラー付きターボエンジンの2種類。
デビュー当初はSOHCターボの60馬力・Mターボ(KeiスポーツF)とDOHCターボの64馬力・ハイプレッシャーターボ(Keiスポーツ)の2種類を設定していた。
Mターボは最高出力60ps(44kW)/6000rpm、最大トルクは8.5kg・m(83N・m)/4000rpm。
2001年4月マイナーチェンジではMターボ(KeiスポーツF)を廃止しハイプレッシャーターボに統一した。こちらは最高出力64ps(47kW)/6500rpm、最大トルクは10.8kg・m(106N・m)/3500rpm。
同年代のワゴンRRやラパンSS、このあと置き換わりで登場するKeiワークスなどと同じエンジン型式&特性となっている。中期型以降は64馬力に統一されている。トランスミッションは5MTまたは4ATの2種類。駆動方式はFFまたは4WDとなる。
インテリア
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インパネ。デビュー当初は前期型Keiと同じデザインのインパネで、中央部のデザインが少し異なる。本革巻ステアリングホイールはマイルドターボのKeiスポーツFでは非装備となる。
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2001年4月マイナーチェンジではエアコンパネルまわりが変更され、Keiワークスのインパネとほぼ同じとなった。
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スピードメーターはタコメーター付き。こちらはデザイン変更が無かった。
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ATのシフトノブ。FFのATのみ横滑り制御・トラクションコントロールシステム・ABSを組み合わせた「VST」がオプション設定となっていた。
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5MTのシフトノブ。
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シートにも年式により違いがあり、基本的に前期型は安っぽく、後期型に進むにつれ立派なシートになる。まずは(2000年10月~の)前期型。Keiデビュー当初のシート形状で色が違うものの基本的には同じだ。
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前期型シートのリア。
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続いて(2001年4月~の)中期型。骨格は同じだがサイドのサポートが付いてセミバケットに近い形をしている。
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中期型のリア。
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最後に(2001年11月~の)後期型のシート。4代目アルトワークスのシートに近いセミバケットタイプに変更されている。ラパンSSの純正フロントシートと同じものだろうか。
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後期型のリアシート。それぞれシートに違いがあるものの後部座席の足元はどれも狭い部類に入る。
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ラゲッジルームは他のKei同様に広め。
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リアシートを倒せばかなり広くなる(写真は前期のもの)。
まとめ
Keiスポーツはそれまであったアルトワークスの後継モデルとして誕生した経緯から、ノーマルとは違うスポーティな外観と走りが特徴の軽自動車だ。
実際スズキとしてもKeiを軽スポーツとして本格的売り出していたようで、モデル最後にはKeiスポーツの特別仕様車「KeiスポーツR」を設定していた。
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(※画像の物はKeiワークスのフロントグリル&バンパーを装着している)
これは日常使用&サーキット走行することを前提としたモデルでパワステは残しつつ、ステレオ、エアコン、パワーウィンドウを排除。さらには標準でロールバーを付けた硬派なモデルだった。ちょうどインプレッサWRXのタイプCみたいなグレードだ。
KeiスポーツRの内装。改造により追加メーター等が付いているがこのロールバーは標準装備のもの。
ただ、KeiスポーツRはフロントハブのリコール問題から車自体がメーカー回収となり、絶版どころか中古市場でもほとんど出回らなくなっている。もし中古車サイトでみつければ超希少車といえよう。
出典:ガリバーミニクル
Keiスポーツはノーマルよりもスポーティーな外観とローダウンサスペンション、64馬力エンジンにスポーティーな内装&セミバケットシートなど、Keiがベースでありながらスポーツ仕様となっているのが大きな特徴である。
昨今では普通車のクロスオーバーSUVでスポーツ寄りのモデルも一部人気となっているが、スズキのKeiではそれを軽乗用車で先取りし、「Keiスポーツ」という形で実現していた。
Keiスポーツはその後、「Keiワークス」がデビューしたことを受けて、名称変更により消滅している。
見た目がKeiワークスの方が精悍なことと、レカロシートや後輪ディスクブレーキ、FFの5MTにはヘリカルLSDなどKeiスポーツにはない豪華な装備からか中古市場では「Keiワークス」の方が人気の傾向がある。
さらに同じ5MTともなればKeiワークスは高値の傾向にあるが、Keiスポーツでは人気が無いことから比較的安価なのため実は隠れた5MT&ターボの安価モデルとなっている。
セダンタイプと比べると腰高感があるものの、日常で使う分には高い着座位置や乗り降りなどは非常に便利で、フラットなラゲッジルームを持ちそれでいて5MT&ターボのより走りもそこそこ楽しめる1台。
豪華装備は無いがエンジンの出力と車重はほぼ同じなので、Keiワークスには手がでないけど、Keiスポーツでも十分という場合には十分魅力的な選択肢になりそうだ。
ちなみにKeiはマツダに「ラピュタ」としてOEM供給されていたが、このKeiスポーツも同様にOEM供給されていた。
ただし名前は「ラピュタ S」とスポーツの名前が無いため地味だが、フロントデザインがマツダ仕様となりKeiスポーツよりもスッキリとしたデザインのため、Keiスポーツがしっくりこない場合は合わせて「ラピュタ S」を見てみるといいだろう。
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