【2代目・後期型】スズキ ワゴンR RR (MC21S/MC22S型) | シン・軽自動車マニア

【2代目・後期型】スズキ ワゴンR RR (MC21S/MC22S型)

ワゴンR RR

ワゴンRは、スズキのワゴン型軽自動車。本稿では2代目MC系のスポーツグレードである「RR」の後期型(2000年12月~2003年10月)について扱う。

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画像参照元:Goo-net

概要

1998年10月の新規格と同時に登場した2代目ワゴンR。

初代の爆発的なヒットを受けてボディスタイルはほぼそのままに軽自動車新規格サイズに対応。全体的に丸みがプラスされて、ちょっとだけ上品になったのが外観上の特徴である。さらに2代目ワゴンRでは初代から続く「運転席側1枚+助手席2枚+ハッチバック」の変則4枚ドアをグレード別で継続設定。特徴的なサイドビューは踏襲されている。

エクステリアは張りと丸みを強調させより存在感を強くしたデザインに加え質感も向上。さらに丸みを与えたことで空力性能もアップさせた。

2代目は使い勝手も向上し最小回転半径が4.6mから4.2mに減少。可倒式リアヘッドレストの採用や助手席シートバックトレーの採用&前方にフルフラット化。運転席にはシートリフターを採用。インパネアンダートレー、カップホルダーなど収納スペースの大幅増加。

エンジンは一部のターボモデル以外でK6A型DOHCエンジンを採用し、それまでのEPI&プラグコードにかわるダイレクトイグニッションコイルの導入で初代よりも燃費がアップ。また、トランスミッションはワゴンR史上初となるCVTを設定するなど地道かつ順当な進化を果たした。

2代目では走りの基本性能もアップ。全車のブレーキに8インチマスターバックを採用し制動力を向上。エンジンマウントは3点支持方式に変更し、メインマフラーの容量アップ&制振材・遮音材の材質変更等で先代よりも振動・騒音を低減した。

インテリアでは全車にフルトリムを採用。樹脂類もシボ変更を行うことでより質感の高い内装とした。

ワゴンR RRの特徴とノーマルとの違い

2代目ワゴンRのスポーティーモデルである「RR」はベースの2代目のフルモデルチェンジである1998年10月に同時デビューした。

先代の末期で追加されたワゴンRのスポーティーモデルであるRRは軽自動車では最高出力の64馬力ターボエンジン(※最上位グレード)に、エクステリアでは専用角型4灯ヘッドライトや大型バンパー、専用グリル、丸形フォグランプ、アルミホイール、フルエアロ、マフラカッターを標準装備。

インテリアでもブルー&ブラックの専用シート表皮やタコメーター付きシルバー仕様のスピードメーターを。

快適装備として電動格納ドアミラーにコラムシフト車ではオプションでサンルーフも設定。

RRのみの走りの装備としては4AT仕様にニュートラルスリップ制御付き4ATを採用。全車にフロントベンチレーテッドディスクブレーキを採用するなど走りも高め、ベーシックなノーマルモデルとは明らかに異なる内外装とメカニズムが特徴である。

後期型・2代目ワゴンR(MC22S/MC12S)の改良点と前期(MC21S/MC11S)との違い

その2代目ワゴンR RRは2000年12月にフロントデザインの少変更等によるマイナーチェンジを行い後期型となった。

後期型ではフロントグリル、バンパー、ボンネットエアダクトのデザインの変更に加えフロントグリルをボディ同色(※4型以降)とし、リアコンビランプをマルチリフレクター化(※4型以降)、ハイマウントストップランプをクリアー化、一部リミテッドモデルではルーフアンテナを標準装備。

インテリアではスピードメーターのデザインを変更するなどより魅力を高めたマイナーチェンジとなっている。

MC12SとMC22Sとの違い

MC12SとMC22Sとの違いはエンジン型式にある。MC12SはF6A型直列3気筒インタークーラー付きターボエンジンを搭載。MC22Sはオールアルミ製のK6A型直列3気筒インタークーラー付きターボエンジンを搭載。最高出力もF6Aではマイルドターボ仕様で60馬力、後者のK6A型では自主規制いっぱいの64馬力を発生する。

なお、世代的にはF6Aのほうが古く、タイミングベルトを採用するため走行距離や走行状態に応じてタイベル交換が必要となる。後世代のK6Aではタイミングチェーンが採用されたためその心配は基本的にはない。

F6Aエンジンを搭載するMC12型はモデルが少なく、「RR-Sリミテッド」のみの設定。それ以外はすべてK6A搭載のMC22S型となる。

エクステリア

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フロントデザイン。後期型当初の3型まではそれまでと同じグリルだが、4型の2001年11月マイナーチェンジでは前期の黒塗装のグリルをボディ同色に変更。さらにリミテッド等に採用だったグリル上部のメッキパーツを標準化することで、RRの標準モデルも精悍な顔つきとなった。

なお、後期型マイナーチェンジ後もグリルのデザインは変更され、2002年9月マイナーチェンジの5型で「FMエアロ」「FTエアロ」「RR-SWT」グレードで小変更。グリル外周にメッキ加飾が施され上級感が高くなった。

2代目のダブルアール、後期型はグレードによりダークシルバー塗装されたり、最終型のRRではグリルのデザインが変更され、3本タイプになる。加えてボンネットエアダクト及びバンパーのデザインも変更となる。

エアダクトは階段状のデザインからシンプルな1口開口タイプに。バンパーは下部の開口部を2口にしたりフォグランプにくぼみを入れることでエアロダイナミック感を演出した。さらにフロントのスズキマークが凹凸のあるものから立体的なデザイン(現行タイプ)へと変更された。

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サイドから。このあたりは前期とほとんど同じ。サイドアンダースポイラーを標準装備する。

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なお、後期型マイナーチェンジ当初は前期と同じデザインのアルミだったが、

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2001年11月マイナーチェンジ(4型)でデザインを6本スポークへ一新。前期よりスタイリッシュとなった。

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リア。後期マイナーチェンジ当初は前期と同じレンズカットタイプのコンビランプだったが、

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2001年11月マイナーチェンジ(4型)でマルチリフレクターのコンビランプとなった。ひとえに2代目ワゴンRの後期といってもレンズカットのものとマルチリフレクターのものがあるので要注意。なお、エンブレム類は最後までデカールタイプとなり、メッキエンブレム等の装着は無かった。

エンジン・機能

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エンジンは3気筒のF6A型3気筒DHOCインタークーラー付きターボエンジン(MC21S)とK6A型3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジン(MC22S)の2種類を設定。

F6A型は最高出力60ps(44kW)/6000rpm、最大トルク8.5kg・m(83N・m)/3500rpm。

K6A型は最高出力64ps(47kW)/6500rpm、最大トルクは10.8kg・m(106N・m)/3500rpmを発生。

ただし、2001年11月の4型マイナーチェンジでF6Aを廃止。以降はK6Aターボ1種類となった。トランスミッションは5MTまたは4ATの2種類。こちらもデビュー当初は前期同様に5MTと4ATの2種類の設定があったがF6Aターボの廃止と同時期(すなわち2001年11月の4型マイナーチェンジ時)に廃止。以後は4ATのみとなった。駆動方式はFFまたは4WFとなる。

インテリア

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インパネ。RRの5MTは2001年10月まで設定。それ以降は廃止されすべて4ATのみとなった。

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5MTのシフトノブ。デザインは前期と同じ。

スピードメーターも後期型で背景をシルバーから黒へ。文字のフォントもよりアグレッシブなものへ変更された。

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2002年9月マイナーチェンジ(5型)ではステアリングとスピードメーターのデザインが変更された。5型のスピードメーターはKeiワークスでも採用されていたシルバータイプとなっている。

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フロントシートは5MTではフロアシート、

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4ATではベンチシート(※ただしそこまでフラットではない)となる。シート表皮の変更はなく前期と同じブルー&ブラックのスポーティーなシート表皮となる。

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リアシート。2002年9月の5型マイナーチェンジでリアシートにスライド機構が備わった。

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ラゲッジルーム。

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リアシートを倒した状態。

まとめ

2代目ワゴンR RRの後期型はK6Aターボエンジンの採用にモデル後半でリアコンビランプのマルチリフレクター化、新アルミホイールなど前期よりも外観が良くなったモデルである。ただし、5MT&ターボモデルはマイナーチェンジ後すぐに消滅し、以後は4ATの大人しい仕様となった。ワゴンRでも5MTで乗りたい人は後期だと4型(2000年12月~2001年10月)を探すこととなる。

中古市場では2代目ムーブカスタムと並んで当時大人気を博した箱ワゴンということでかなり豊富なタマ数をほこっていたが、さすがにかなり古くなりタマ数も減ってきている。ただし手頃な価格帯のものが多い。

トラブル等が出てくる10年超え選手になってしまうがその点が許容できるなら足車としての需要がある1台だ。ベーシッなノーマルワゴンRでも十分だが、スポーティーな外観と適度な積載力、加えて動力性能の高いRRでも面白いかもしれない。

コメント

  1. 名無しの通りすがり より:

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    よくお調べのようで関心致しました。
    ですが、所々間違っております。
    まずエンジンについて、F6A型Siターボエンジン(60ps)を搭載していたのは、MC11SとMC12SのRR-FSリミテッドとRR-Sリミテッドです。ですので、MC21SとMC22SはK6A型DOHCターボ(64ps)です。つまり、MC系RRは初期から最終型にかけてK6Aを採用していることになります。前期後期のグリルについてですが、後期型でも3型のRRは黒グリルです。グリルは前期で4種類、後期で5種類ありますのでお調べになってください。ホイールについて、6本スポーク化されたのは4型、2001年11月からです。トランスミッションについて、5MT設定モデルは1〜3型(1998-10〜2001-10)までです。実は、1〜3型にはフロアAT車もあったりします…。
    この型のワゴンRはマイナーチェンジごとの変更が非常に多く、なかなか難しい車種ですよね。私自身もまだ勉強途中なのでよく分かります。そんな中まとめられている事は凄いと思います。

    余計なお世話ばかりで大変恐縮ですが、修正の参考にして頂ければ幸いです…。

  2. さすらいのクラ吹き より:

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    名無しの通りすがりさん、コメント&ご指摘ありがとうございます。

    僕自身も調べきれなくてちょっと自身のないところがあったのでご指摘は大変ありがたいです。近日中に調査&修正して記事を変更しようと思います。

    それにしてもこのMC系RRは変更点が多いですよね。あとは3代目ジムニーも現行まで10型が存在し、これもややこしいですね…