MRワゴンはスズキのワゴン型軽自動車。MRワゴン ウィット(Wit)はそのスポーティな派生モデルで、「ウィット リミテッド」はその特別仕様車である(本稿では2代目・MF22S系の前期に設定されたリミテッドを扱う)。
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スズキ 2代目MRワゴンとは?
初代の登場から約6年後の2006年1月にフルモデルチェンジし2代目となったスズキのMRワゴン。先代のイメージをガラッと変え丸目のヘッドライトにワゴンR寄りのボディラインで子育ての主婦層をターゲットとした「ママワゴン」として誕生した。
特に特徴的だった初代のワンモーションスタイルを廃止し、ワゴンRのようなボディラインに近くなった。これによりワゴンRに近いボディスタイルとなっている。
一方でどこから見ても可愛らしい丸目ヘッドライトに愛嬌あるグリルなど完全に女性を意識したデザインとなり、メーカー曰く
- 「かわいいけど甘すぎない、モダンさと上質さを併せもつデザイン」
- 「ショッピングがもっと楽しくなる、ママに便利な機能と装備の充実」
- 「子どもにやさしい機能と装備の新採用」
を商品特徴とした軽自動車となっている。
便利機能ではではMRワゴンシリーズでは初となるキーレススタートシステムを新採用。この他買い物時に便利な助手席シートアンダーボックスやインパネスライドボード、大型グローブボックスなど多様な収納スペースを設定。
また、吸音天井やシート表皮を消臭シートとし、天井も消臭タイプとすることで静粛性を向上させかつクリーンな空間を実現した。さらにISO FIXテザータイプのチャイルドシートも新たに装着可能とした。
メカニズムでは同年代の4代目ワゴンRのプラットフォームを採用し、快適な乗り心地と優れた静粛性を実現。
フロントシートのスライド量も180mmから200mmに伸ばし、スライドピッチを15mmから10mmに変更することで体格に合わせたセッティングを可能とした。
さらに電動パワーステアリングのモーター出力を向上させたことで、最小回転半径4.1m(14インチアルミホイール装着車は4.4m)の小回りに加えハンドルの据え切り操舵力を低減させ扱いやすさを向上させた。
ボディは軽量衝突吸収ボディTECTを採用し、ボンネットやフェンダー、ワイパー周辺部などは歩行者傷害軽減ボディを採用。
EBD(電子制御制動力配分システム)も4輪ABSに新採用するなど特に女性向けの機能やメカニズム、デザイン面で強化がなされたフルモデルチェンジとなった。
MRワゴンWitとは?特徴とMRワゴンとの違い
その2代目MRワゴンには同年の2006年12月にスポーティな外観をまとった派生モデル「MRワゴン ウィット(Wit)」が追加された。
これはMRワゴンにスポーティーなグリルやバンパー、アンダースポイラーなどをまとわせ、可愛らしさとスポーティーさを掛けあわせた外観が特徴だった。
エクステリアは
- 専用品となる立体感の強いフロントグリルと前後バンパー
- サイドアンダースポイラー
などを標準装備とすることでスタイリッシュなスタイリングとした。このほか
- ヘッドライトはWit専用グレータイプ
- フォグランプ
- ローダウンサスペンション
- 14インチアルミホイール
の組み合わせでスポーツな仕様ともした。
インテリアでは黒と茶色を組み合わせた内装色にダブルスティッチ入の黒色シートを採用。
便利装備としてキーレススタートシステム、電動格納式リモコンドアミラーを標準装備。
快適装備としてGSグレードではCDプレイヤーと2スピーカー。XSとTSグレードでは2DINサイズのMD/CDプレーヤーと6スピーカーを標準装備とした。
さらにXSとTSではフルオートエアコンにチルトステアリング、運転席シートリフターも標準装備。
ノーマルのMRワゴンよりも内外装をスタイリッシュに、かつ便利装備や快適装備をプラスしたカスタムモデル的なMRワゴンとなる。
2代目MRワゴン ウィット リミテッドとは?特別装備とXSとの違い
そこから1年半後の2008年5月にディスチャージヘッドライトや本革巻きステアリングなどを標準装備した上質な特別仕様車が追加された。それがこの「ウィット リミテッド」である。
エクステリアでは
- Witに加えて新採用となるハイロー切替式のディスチャージヘッドランプ
- 14インチアルミホイール
インテリアでは
- メッキ加飾のインサイドドアハンドル
- メッキ加飾のエアコンルーバーリング
- メッキ加飾のシフトノブスイッチ
- オーディオガーニッシュとセンターガーニッシュはシルバーのヘアライン仕上げ
とすることでスタイリッシュな印象に。
このほか「リミテッド専用ファブリックシート」を標準採用し、そのシートカラーは基本をベージュ。一部ボディカラーでは黒も選択可能とした特別モデルとなっていた。
2代目MRワゴンWitリミテッドのエクステリア(外装)
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「ウィット リミテッド」専用品として新たにハイ/ロー切り替え式のディスチャージヘッドライトを採用。夜間の安全性向上もさることながら、昼間でも目立つプロジェクター式のヘッドライトによりノーマルよりも見た目の迫力がアップした。
これにウィット共通のグリルとバンパー、フォグランプ、が組み合わさりノーマルのウィットよりもさらにスポーティーな外観となっている。
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サイドから。リミテッド専用品として新たに専用の14インチアルミホイールを標準装備。
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リア。このあたりはノーマルと共通だ。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンはK6A型3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。
最高出力54ps(40kW)/6500rpm、最大トルク6.4kg・m(63N・m)/3500rpm。トランスミッションは全グレードで4ATのみ。駆動方式はFFまたは4WDとなる。
安全装備として運転席&助手席エアバッグ、EDB付きABSを標準装備する。
2代目MRワゴンWitリミテッドのインテリア(内装)
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インパネ。内装はノーマルと同じでブラック系だが、ボディカラーによっては女性にも嬉しいベージュ系も選択可能で、2種類存在する。
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こちらはベージュ系のインパネ。ともにリミテッド専用品の本革巻きステアリングを標準装備する。
リミテッド仕様としてオーディオガーニッシュとセンターガーニッシュをシルバー塗装。シフトボタンもメッキタイプを採用し上質感をアップ。
このほか快適装備としてフルオートエアコンとエンジンキーを差し込まずにエンジン始動可能なキーフリーシステムも標準装備。
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スピードメーターはノーマルと共通。
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フロントシートはベンチシートタイプ。これはブラック系。
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かわってベージュ系のフロントシート。リミテッド仕様として専用ファブリックシート表皮を採用。肌触りや質感が標準モデルよりもアップしている。
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リアシート。
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ラゲッジルーム。リアシートは分割可倒式。
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リアシートを倒した状態。
2代目MRワゴンWitリミテッドの評価
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2代目MRワゴン ウィットのリミテッドはスポーティーなウィットに夜間走行に嬉しいディスチャージヘッドライト、握りやすい本革巻きステアリングにインパネのシルバーやメッキのアクセントなど、ワンランク上質に仕上げた特別仕様車である。
外観もプロジェクターヘッドライトがレンズ越しに見えることでパット見のスポーティー感がアップしており、MRワゴンでもよりカッコいいデザインが好みの人向けとなっている。
なおOEM先のモコにもオーテックジャパンが手がけた「モコ エアロスタイル」があり、兄弟車種のような雰囲気と60馬力ではあるがターボモデルもあるので、2代目MRワゴン ウィットが気になった人はこちらもチェックしてほしい。
中古市場では年数経過や人気が無いこともあり、価格がかなり手頃で魅力的。その一方で特別仕様車なだけあって2代目MRワゴンの全体数から比べると極端に少なく、探すのが困難なモデルである。
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