MRワゴンはスズキのワゴン型軽自動車。本稿では初代のMF21S型、前期型を扱う。
出典:Goo-net
概要
2001年12月に登場した初代MRワゴン。
当時はその前のコンセプトカーに出品された時に注目を浴びた1台だった。MRというと、車好きなら”ミッドシップレイアウト”を連想する。MRワゴンはコンセプトカーとして発表されたときは、三菱・アイのように後輪の直前にエンジンを置いたミッドシップレイアウトの車として発表された。
だが市販化した際に、コストの問題でFFに変更された。MRはその名残で「マジカル・リラックス」になっている。
デザインは発売された当時は斬新なデザインで、ワゴン型のボディにトヨタ・エスティマのような曲線のフロントが特徴。
それまでワゴン型というとワゴンRやムーヴのようにボンネットがある程度出っ張って、その後ろから居住空間があるデザインだけで、どちらも似たり寄ったりなデザインだった。
そのような中で独特のフォルムを持った初代MRワゴンはかなり注目を浴びた。MRワゴン自体はムーブラテやムーブコンテに相当するワゴンRの兄弟車種ではないが、ワゴンタイプなので実質は親戚みたいな車種になるだろう。
エクステリア
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フロントデザイン。台形型のヘッドライトに控えめなデザインのグリルがMRワゴンの特徴で、どちらかというと可愛い系のデザインである。
ただ、当時スズキの主流だったワゴンRと比較すればかなり冒険的なデザインで、デザインのインパクトはかなりあった。なお、画像はターボモデルでフロントにエアダクトが確認できる。
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サイドから。初代MRワゴン最大の特徴はこのよこからのボディスタイルだ。フロントガラスからボンネットまで一直線でゆるやかにカーブしており、全体的にみてもたまご型のような独特のフォルムを持っている。
まさに軽自動車版「エスティマ」といったところで、いま見てもデザインの古さは感じられない。
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リア。三角形のコンビランプが目につく。なお、コストカットなのかヘッドライトはマルチリフレクタータイプなのに、リアのコンビランプは旧来のレンズカットタイプとなっている。
リアの見た目がきになる人にはちょっとマイナスポイント。ただ、社外品がリリースされているので交換は可能だ。ヤフオクあたりで中古品が安く出品されているのでそちらで探すといいだろう。
エンジン・機能
エンジンはK6A型3気筒のNAとターボの2種類の設定。ただしターボモデルはMターボ(マイルドターボ)という出力よりも燃費重視に振ったセッティングの60馬力ターボとなる(最高出力64馬力のハイプレッシャーターボはスポーツモデルのMRワゴンスポーツに設定されている)。
自然吸気エンジンの最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/3500rpm。
ターボエンジンはインタークーラーレスで最高出力は60ps(44kW)/6000rpm、最大トルクは8.5kg・m(63N・m)/3000rpm
トランスミッションは全グレードで4ATのみ。駆動方式はFFまたは4WDだ。
インテリア
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インパネ。
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スピードメーター。MRワゴンで軽自動車史上初採用となった自発光式メーター。ただし後期モデルではコストカットなのか従来タイプに変更される。
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フロントシートはセパレートタイプ。
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リアシート。足元はめちゃめちゃ広いわけではないが必要十分な広さといったところ。
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ラゲッジルーム。
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リアシートを倒した状態。
まとめ
初代MRワゴンは独特のボディスタイルと可愛らしい顔が特徴の軽自動車である。
デビューから結構年数が立っているが、斬新なスタイリングは今でも通ずるところがあり、他人とは違う個性的な軽自動車という選択条件では候補となりそうな1台だ。
ただ、年数が10年以上経過してきているので中古価格は安価な分、過走行の個体や購入後も修理が必要になるなどデメリットも考えられる。
とにかく安い足車のひとつとして買う分には良いが、長く乗ろうとするなら似たようなコンセプトの5代目セルボを薦めたい。

こちらもMRワゴンに似たスタイリングを持ち、他の軽自動車とは一線を画するデザインとなっている。メカニズムもそんなに古くないのでCVTを採用していたりと燃費面でも少し有利だ。
なにより故障のリスクが少ない点がメリット。初代MRワゴンを探している人は同時にこの5代目セルボもチェックして欲しい。
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