N-BOXはホンダのトール(ハイト)ワゴン型軽自動車。N-BOXモデューロXは2013年1月に追加されたコンプリートカーである。
出典:ホンダ認定中古車
ホンダ 初代・N-BOXとは?
2011年12月にデビューしたホンダ・N-BOX。
加熱する軽自動車市場でそれまでの出遅れを払拭すべく、当時の売れ筋となっていたハイトワゴンタイプのボディを採用。ホンダの得意とするミニバンの魅力を軽自動車サイズに詰め込んだ渾身の1台である。
N-BOXはそれまでのボンネットが独立したワゴンタイプとしては最も全高が高い1780mmとし、室内高もセンターレイアウトなどの採用で異例の1400mmを確保。
加えて室内長は軽自動車として最小のエンジンルームサイズにより2180mm、室内幅も1350mmとすることでホンダの軽自動車としては異例の広大な居住スペースを実現した。
これは同社のコンパクトカーであるフィットよりも広い室内設計(※室内幅除く)でまさに軽自動車のミニバン的なモデルとなっていた。
エンジンもそれまでのライフやゼストとは異なる新開発のS07A型エンジンを採用。
特にターボエンジンにおいてはF1で培った技術を応用することで低回転域(2600rpm)からの力強い加速と優れた燃費性能を両立させた。
さらにトランスミッションもそれまでの4ATを廃止し、全グレードで新開発のCVTとすることで燃費性能を向上させた。
初代N-BOX モデューロXとは?特別装備とノーマルとの違い
それから約4年後の2013年1月に専用フロントバンパーやグリル、ヘッドライトに専用シート、専用サスペンション等を装備したコンプリートカーが追加された。
それがこの「 N-BOX モデューロX」である。
出典:ホンダ認定中古車
ベースとなったのはN-BOXカスタムのGグレードとターボパッケージだが、カスタムのスポーティーな印象を持たせつつ、それとはまたひと味ちがう落ち着いた外観を実現している。
エクステリアには
- 専用フロントグリル
- 専用フロントエアロバンパー
- 15インチアルミホイール
- ローダウンサスペンション
ボディカラーは
- 「プレミアムホワイト・パール」
- 「ボリッシュドメタル・メタリック」
- 「プレミアムゴールドパープル」
- 「クリスタルブラック・パール」
の全4色を設定。
2013年12月の一部改良でベースグレードに2トーンカラースタイルパッケージのGとターボパッケージが採用され、「プレミアムホワイト・パールⅡ&ブラック」が選択可能となった。
インテリアでは
- ブルーステッチ入の本革巻ステアリングホイール
- ブルーステッチ入の本革巻シフトノブ
を標準装備し、カスタムとは異なるコンプリートカーらしい内外装となっている。
なお、モデューロXでは4WDの設定がなく、FFモデル(JG1型)のみとなる。そのため雪国などで4WDがほしい場合は注意が必要だ。
エクステリア
出典:ホンダ認定中古車
フロント。ベースではメッキグリルが付いたダイナミックなバンパーとグリルを装備していたがモデューロXではメッキ部分を少なくし、ボディと同系色とした。
グリル部分はU字型にかこうようにメッキグリルを配置し、それ以外はメッシュ形状とすることでベースのカスタムよりも落ち着いたデザインとなった。
また専用バンパーも開口部の形状が五角形の形に変更され、エアロダイナミックなデザインとなっている。ヘッドライトもインナーブラック化され、ベースとの違いが出ている。
出典:ホンダ認定中古車
サイドから。専用のアルミホイールが装備され、この点でも落ち着きある粋なカスタムであることが伺える。サスペンションは専用のローダウン仕様となり、1年もの期間をかけてしなやかさを追求した1品だ。
足元はモデューロX専用の15インチアルミホイール。サイズは165/55R15 。
出典:ホンダ認定中古車
リア。このあたりは特に変更がないが専用の「Modulo X」のエンブレムが付いている。
このエンブレムのデザインにもこだわりがあり、数百案から厳選して選び抜いた物。コンプリートカーに相応しい存在感のあるエンブレムとなっている。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンはS07A型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付きターボエンジンの2種類を設定。
自然吸気エンジンは最高出力、58ps(43kW)/7300rpm。最大トルクは6.6kg・m(65N・m)/3500rpm。
ターボ仕様では最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは10.6kg・m(104N・m)/2600rpmとなる。
トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFFのみとなり、4WDは非設定。
安全装備として運転席&助手席エアバッグ、EBD付きABSと横滑り防止装置、トラクションコントロールを一体化したVSAを標準装備する。
インテリア
インパネまわり。内装でもモデューロXではかなりのテコ入れがなされる。インパネカラーはモデューロX用に色合いの変更が行われ、落ち着きあるインテリアとなっている。
モデューロX仕様としてセレクトレバーとステアリングは本革巻きとし、シートと同系色の青色縫製が施されている。
この他はベースモデルに準じ、フルオートエアコンやプッシュエンジンスタートが標準装備となる。
出典:ホンダ認定中古車
フロントシートはベースモデル(Gグレード)と同じくベンチシートタイプ。
出典:ホンダ認定中古車
リアシート。
出典:ホンダ認定中古車
ラゲッジルーム。
出典:ホンダ認定中古車
リアシートを倒した状態。ベースと同じく荷室の広さは健在だ。
まとめ
N-BOXモデューロXはN-BOXカスタムはまたひと味ちがう落ち着きある内外装と専用チューニングが盛り込まれた特別仕様車である。
各社この手のカスタムモデルはラインナップしているが、どれもメッキパーツを多用し似たり寄ったりなデザインになっている。
一方であえてメッキパーツを最小限にし、シンプルだけど存在感のあるモデューロXはそれとは差別化されておりカスタム系のハイトモデルの中でも他車とは違うコンセプトを持つ1台だ。メッキパーツだらけでギランギラン&コテコテなフロントデザインが好みでない人に良いだろう。
ただ、新車価格が200万円近くに設定されており手頃な足車としては厳しい値段がネックといったことろ。もちろん後付でカスタムするとその値段になることと、コンプリートカーがメーカーからカタログモデルとして買える点を考えるとからこれが安いと感じるか高いと感じるかは個人それぞれだ。
中古市場では初代N-BOXの中でもタマ数が少なく、少々レアなモデル。価格はそこまでプレミアム価格とはならないが、同条件であればN-BOXカスタムよりも高くなる場合もある。
その分内外装が差別化され、かつ専用ローダウンサスペンションにより走りの質感も改善されるため、背の高いスーパーハイトワゴン軽でもこだわりたい人には嬉しいモデルである。
この後の後期モデルではヘッドライトをインナーブラック仕様に変更し、シート表皮がモデューロXロゴ入りの専用品に変更されるなど質感や特別感がアップする。
初代N-BOXの中でも足回りなどの走りやインテリアの質感がほしい場合は、後期型のモデューロXもオススメ。
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