N-BOXはホンダのホンダのスーパーハイトワゴン型軽自動車。N-BOXカスタムはそのカスタムモデルである。本稿では３代目モデルのJF5とJF6型を扱う。
３代目 ホンダ・N-BOXカスタムとは？
2023年10月にフルモデルチェンジし、３代目となったホンダ・N-BOXカスタム。
３代目モデルでは広い室内空間はそのままに、それまでのイメージを持たせつつより質感をアップさせたエクステリア、開放感あるすっきりとした室内空間と運転のしやすさに加え、軽自動車初となる、車載通信モジュール「ホンダコネクト」を搭載し、より安全で快適なカーライフを楽しめるモデルへと進化した。
また、先進安全装備は従来のホンダセンシングの機能に加え、アクセルとブレーキの踏み間違い対策に有効な「近距離衝突軽減ブレーキ」と「急アクセル抑制機能」を追加し、さらなる安全性能の向上をはかった。
３代目でも先代に引き続き、ベーシックな標準仕様のN-BOXと、スタイリッシュかつスポーティな雰囲気と上質な室内空間を与えた上級N-BOXカスタムの２本立て。
３代目N-BOXのパッケージング
出典：ガリバー
３代目N-BOXでは従来通りのセンタータンクレイアウトと、広い室内空間や高いアイポイントはそのままに、雑味のない広い視界を追求。運転席からの見通しをさらに良くし、インパネも水平基調を引き立てることで、車幅やロール姿勢をつかみやすいコクピットとした。
さらにスピードメーターの位置も先代のステアリング上部からステアリング内部へ変更してインホイールメーター化。ステアリングのデザインもシンプルな２本スポークを採用した。
また、左側のサイドアンダーミラーの１つをドアミラーに移設した「ピタ駐ミラー」を採用。左前方の視界や後退駐車時の安心感を向上させた。
３代目N-BOXカスタムのデザインについて
出典：ガリバー
３代目N-BOXカスタムのデザインは、先代のイメージをそのままにカスタムモデルらしいスタイリッシュさ精悍さを強調。２代目モデルよりも親しみやすいデザインへ進化した。
フロントグリルは立体感を持たせメッキパーツを下部に、格子グリルなどを組み合わせてカスタムらしい存在感を演出。ヘッドライトも左から右へ一直線基調としたコンビデザイン、ヘッドライトもホンダ初のダイレクトプロジェクション式フルLEDヘッドライトを採用した。
出典：ガリバー
テールランプにもこだわり、ブレーキランプにLEDを使ったクリアーテールを採用するのは先代と同じだが、空力特性を考慮した立体的なエアロデザインを採用し、カスタムらしいワイド感あふれるリアビューとしている。
内装も先代と同じくブラック基調は変わらないが、高級感のある大理石の質感を再現したインパネトレーを採用するなど、より上質で精悍な室内空間に仕上げた。
そして３代目N-BOXカスタムでは圧倒的な存在感を表現したパッケージ「コーディネートスタイル」を設定。
ダーククロームメッキ加飾のフロントグリルやリアライセンスガーニッシュ、ブラックアルミホイールなどを採用し、ボディーカラーにはモノトーンに加えルーフカラーをブラックにした2トーンを設定した。
３代目N-BOXカスタムの快適装備
あらかじめ施錠操作をすることで、パワースライドドアの全閉後に自動で施錠できるパワースライドドア予約ロック機能を新たに採用。ドアが閉まるまで車両近くで待つ必要がなく、雨天時などの使い勝手を向上させた。
スライドドア開口の一部に小さいお子様や高齢の方が握りやすいグリップ形状のくぼみを設けることで、乗り降りをしやすくした。
先代モデルの2倍以上となる大型のグローブボックスや、後席の大型のサイドポケットなど、新たに使いやすい収納スペースを採用。
Honda SENSINGの機能や各種情報を見やすく、分かりやすく表示する7インチTFT液晶メーターを採用。
３代目N-BOXカスタムのボディとシャーシー性能
先代モデルと同等の重量で高い剛性と剛性バランスを実現、N-BOXならではの操縦安定性と乗り心地で安心感のある走りを実現。
３代目では高速クルーズ時も前席と後席でストレスなく会話ができ、快適なドライブができるように遮音フィルムや吸音シートを追加。静粛性もさらに向上した。
３代目N-BOXカスタムのパワートレイン
エンジンは先代からのキャリーオーバー。吸気バルブの制御に可変バルブタイミング機構（VTEC）を採用した自然吸気エンジンと、排気圧をきめ細かく調整できる電動ウェイストゲートを搭載したターボエンジンの2種類を設定。それぞれ細部まで制御を見直すことで上質で扱いやすい特性を実現した。
※標準N-BOXにはターボ仕様が非設定となったが、カスタムモデルではNAとターボの２種類を設定する
CVTは変速制御をすみずみまで見直し、これまで以上に雑味のない上質な走りを実現。またアイドリングストップ領域を拡大させたことにより、前向き駐車時に、停止（DまたはNレンジ）から駐車（Pレンジ）にシフトチェンジした場合、エンジンはかからず静かに駐車可能となった。
３代目N-BOXに新搭載、ホンダコネクト(Honda CONECT)
新世代コネクテッド技術を搭載した車載通信モジュール「Honda CONNECT（ホンダ コネクト）」をHondaの軽自動車に初採用。
対応するナビをディーラーオプションで設定。より安心・快適なカーライフが楽しめるコネクテッドサービス「Honda Total Care プレミアム（ホンダ トータルケア プレミアム）」が利用可能。
スマートフォンでドアロック解除などができる「Hondaデジタルキー」に、パワースライドドアの操作を新たに追加。
3代目N-BOXに搭載のホンダセンシング機能と、アクセル踏み間違い対策について
先進の安全運転支援システム「Honda SENSING（ホンダ センシング）」を３代目では最初から全タイプに標準装備化。新型モデルではフロントワイドビューカメラと前後8つのソナーセンサーを用いたシステムを採用し、安心・安全を追求。
アクセルとブレーキの踏み間違いを予防する「近距離衝突軽減ブレーキ」や
「急アクセル抑制機能」全グレードで追加するとともに、高速クルーズ時はよりスムーズな加速減と操舵で運転をアシストするなど、市街地から高速までさまざまなシーンでドライバーの運転をサポートする。
３代目N-BOXのホンダセンシング一覧
- 衝突軽減ブレーキ＜CMBS＞
- 先行車発進お知らせ機能
- 歩行者事故低減ステアリング
- 路外逸脱抑制機能
- 標識認識機能
- 渋滞追従機能付アダプティブ・クルーズコントロール＜ACC＞
- 車線維持支援システム＜LKAS＞
- 誤発進抑制機能
- 後方誤発進抑制機能
- 近距離衝突軽減ブレーキ（新規追加）
- 急アクセル抑制機能（新規追加）
- パーキングセンサーシステム
- オートハイビーム
３代目標準N-BOXカスタムのグレード一覧、ベースグレード、ターボ、コーディネートスタイル、モノトーン、２トーン、ターボコーディネートスタイル、スロープの違いなど
３代目標準N-BOXのグレードは、「ベースグレード」、「ターボ」、「コーディネートスタイル（モノトーン）」、「ターボコーディネートスタイル（モノトーン）」、「コーディネートスタイル（２トーン）」、「ターボコーディネートスタイル（２トーン）」、福祉車両の「スロープ」の全７種類。
全グレードにホンダセンシングとカスタム専用LEDヘッドライトが標準装備となる。
ベースグレード（カスタム）
３代目N-BOXカスタムの基本グレード。ターボ非搭載でベーシックなグレードで先代のLグレードに相当する。一番安いグレードだが本体価格は2WD(FF)でも1,849,100円からと、歴代の中でもかなり高くなった。
エクステリアでは
- ダイレクトプロジェクション式フルLEDヘッドライト
- LEDクリアーコンビランプ（テールランプとストップランプがLED仕様）
- カスタム専用フロントグリル
- カスタム専用フロントバンパー＆ロアーグリル
- LEDフォグライト＋クロームメッキフォグライトガーニッシュ
- １４インチアルミホイール（シャークグレー塗装＋切削加工）
- サイドアンダースポイラー、リアスポイラー
- LEDライセンスランプ
- クロームメッキアウタードアハンドル
- テールゲートスポイラー
- カラードサイドシルガーニッシュ
インテリアでは
- チップアップ＆ダイブダウン機構付きスライドリアシート
- ダークシルバー塗装ドアオーナメントパネル
- インテリアイルミネーション
- リアルームランプ
- フロントシートアームレスト（運転席)
- カスタム用トリコットシート（ブラック色）
左右独立式センターアームレストは非設定。
快適装備は
- ホンダコネクト for Gathers+ナビ装着スペシャルパッケージ(6スピーカー）
- 運転席＆助手席シートヒーター
- 運転席ハイトアジャスター
- リア右側パワースライドドア
- フロントアクセサリーソケット
リア左側のパワースライドドアはオプション設定。
安全装備はホンダセンシングを標準装備し、急アクセル抑制機能も標準装備となるが工場出荷時は機能オフに設定されており、動作させるにはディーラーで設定が必要になる（セットアップ費用として別途料金、スマートキー１本につき5,500円が発生）。
ターボ
上記ベースグレードにターボを搭載したグレード。先代モデルのLターボに相当。力強い加速が可能なターボエンジンのほか、上記の標準仕様に追加で
- １５インチアルミホイール(ベルリナブラック塗装＋切削加工)
- 本革巻ステアリングホイール(ベリースティッチ入り)
- プライムスムースシート（ブラック×カーボン調）
- リア左側パワースライドドア(両側パワースライドドア)
- 左右独立式リアセンターアームレスト
- スエード調ドアライニングアームレスト
などが追加される。価格は標準仕様よりも約20万円ほどアップする。
コーディネートスタイル（モノトーン）
標準仕様に対して外装にダーククロームメッキ加飾の専用品やベルリナブラック塗装のアルミホイール、グレー系の専用内装をを採用し、よりシックに質感を高めたドレスアップバージョン。
２代目でもコーディネートスタイルの設定があったが、その後継版。モノトーン仕様ではボディカラーがモノトーンのみ選択可能で、内外装は２トーン仕様と同じ。
標準仕様に対してコーディネートスタイルではエクステリアに
- ダーククロームメッキフロントグリル
- ダーククロームメッキアウタードアハンドル
- ダーククロームメッキリアライセンスガーニッシュ
- ダーククロームメッキN-BOXカスタムエンブレム
- 専用１５インチアルミホイール（ベルリナブラック塗装＋切削加工）
インテリアでは
- グレースティッチ入りのフルプライムスムースシート
- グレースティッチ入りのプライムスムースドアライニングアームレスト
- ダークヘマタイト塗装ドアオーナメントパネル
- グレースティッチ入りの本革巻ステアリングホイール
ボディカラーは次のモノトーン３色のみ選択可。標準仕様では選択できないシックな赤色とグレー色が専用設定される。
- プラチナホワイト・パール
- スレートグレー・パール
- プレミアムクリスタルレッド・メタリック
ターボコーディネートスタイル（モノトーン）
上記コーディネートスタイル（モノトーン）にターボエンジンを搭載したグレード。ターボエンジンを搭載し、アルミホイールが１４インチから１５インチにアップグレードされる。
コーディネートスタイル（２トーン）
上記コーディネートスタイル（モノトーン）に対して、２トーンカラーが選択できるグレード。コーディネートスタイルのボディカラーにプラスして、ルーフ部分を塗り分けた２トーン仕様のボディカラーが選択可能となる。
- プラチナホワイト・パール＆ブラック
- スレートグレー・パール＆ブラック
- プレミアムクリスタルレッド・メタリック
ターボコーディネートスタイル（２トーン）
上記コーディネートスタイル（２トーン）にターボエンジンを搭載したグレード。ターボエンジンを搭載し、アルミホイールが１４インチから１５インチにアップグレードされる。
スロープ（カスタム）
３代目N-BOXカスタムの福祉車両(車椅子仕様車)。ラゲッジスペースがリアゲートから車椅子に乗ったまま乗り込める専用仕様となり、介護や病院施設などへの送迎等に重宝する。
また、オートバイや自転車（ロードバイク、MTB）などをそのまま積載して運搬するトランスポーター的な側面もあり、レジャー用途でも重宝するグレード。
基本はベースグレードと同じだが、スロープ仕様では
「リア3点式ロードリミッター付プリテンショナー ELRシートベルト」が「リア3点式ELRシートベルト」に変更。加えて後部座席とラゲッジスペースが車椅子仕様となり、
- ステップガーニッシュドリンクホルダー
- ドリンクホルダー
- サイドトレー
- サイドポケット
- タイダウンフック
- スロープ専用装備（電動ウインチ、ウィンチ専用リモコン、スパーフレックススローブなど）
が標準装備化。すぐに車椅子を乗せて送迎できる仕様となる。
ちなみに標準N-BOXのスロープグレードでは運転席＆助手席シートヒーターが非設定だが、カスタム仕様では標準装備化される。だだし運転席ハイトアジャスターはカスタム仕様のスロープでも非設定。
３代目標準N-BOXとN-BOXカスタムとの違いは？
３代目N-BOXとN-BOXカスタムの違いは、内外装とターボの有無、ボディカラー、快適装備の違いなどがある。
内外装は見た目からもわかるように、標準N-BOXとカスタム仕様とでは大きく異なる。ヘッドライトやグリル、前後バンパー、コンビランプのデザインまでも異なり、カスタムではスポーティで精悍な雰囲気、標準仕様はスタイリッシュかつ親しみやすいデザインが与えられる。
また、ターボ車は先代まで標準仕様にも設定があったが、３代目ではカスタムのみの設定となった。
快適装備も標準N-BOXではオプション設定の（※標準N-BOXのスロープを除く）
- 運転席＆助手席シートヒーター
- リア右側パワースライドドア
- 左右独立式リアセンターアームレスト
がカスタムではベースグレードを除いて標準装備化（※左右独立式リアセンターアームレストはカスタムのベースグレードとスロープに非設定）。
オーディオも標準N-BOXでは４スピーカーに対し、カスタムでは標準で６スピーカーになるなど装備が豪華になる。
ボディカラーも標準N-BOXには黄色系の「オータムイエロー・パール」があるのに対し、カスタムでは非設定で逆にシックな赤系の「プレミアムクリスタルレッド・メタリック」が選択できる。
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