MRワゴンはスズキのワゴン型軽自動車。本稿では2代目・MF22S型のデビュー時2006年1月~2009年5月までを前期型としこれを扱う。
出典:日産認定中古車
スズキ 2代目・MRワゴンとは?
初代の登場から約6年後の2006年1月にフルモデルチェンジし2代目となったスズキのMRワゴン。
先代のイメージをガラッと変え丸目のヘッドライトにワゴンR寄りのボディラインで子育ての主婦層をターゲットとした「ママワゴン」として誕生した。
特に特徴的だった初代のワンモーションスタイルを廃止し、ワゴンRのようなボディラインに近くなった。これによりワゴンRに近いボディスタイルとなっている。
一方でどこから見ても可愛らしい丸目ヘッドライトに愛嬌あるグリルなど完全に女性を意識したデザインとなり、メーカー曰く
- 「かわいいけど甘すぎない、モダンさと上質さを併せもつデザイン」
- 「ショッピングがもっと楽しくなる、ママに便利な機能と装備の充実」
- 「子どもにやさしい機能と装備の新採用」
を商品特徴とした軽自動車となっている。
便利機能ではではMRワゴンシリーズでは初となるキーレススタートシステムを新採用。
この他買い物時に便利な助手席シートアンダーボックスやインパネスライドボード、大型グローブボックスなど多様な収納スペースを設定。
また、吸音天井やシート表皮を消臭シートとし、天井も消臭タイプとすることで静粛性を向上させかつクリーンな空間を実現。
さらにISO FIXテザータイプのチャイルドシートも新たに装着可能とした。
メカニズムでは同年代の4代目ワゴンRのプラットフォームを採用し、快適な乗り心地と優れた静粛性を実現。
フロントシートのスライド量も180mmから200mmに伸ばし、スライドピッチを15mmから10mmに変更することで体格に合わせたセッティングを可能とした。
さらに電動パワーステアリングのモーター出力を向上させたことで、最小回転半径4.1m(14インチアルミホイール装着車は4.4m)の小回りに加えハンドルの据え切り操舵力を低減させ扱いやすさを向上させた。
ボディは軽量衝突吸収ボディTECTを採用し、ボンネットやフェンダー、ワイパー周辺部などは歩行者傷害軽減ボディを採用。
EBD(電子制御制動力配分システム)も4輪ABSに新採用するなど特に女性向けの機能やメカニズム、デザイン面で強化がなされたフルモデルチェンジとなった。
2代目MRワゴンのグレード G,X,T(ターボ)の違いやウィット(Wit)と特別仕様車など
2代目前期のMRワゴンのグレード展開は下から順にエントリー「G」、上級「X」、ターボ搭載「T」の3種類。
2006年12月には上質かつスタイリッシュな内外装を与えた上級カスタムモデル、「ウィット」を追加。
※ウィットについてはこちらから。
特別仕様車は「XSリミテッド」と、「XSリミテッドⅡ」の2種類を設定していた。
G
2代目MRワゴンのエントリーグレード。Xグレードよりも装備を簡略化し、価格を抑えたベーシックなモデル。
Gグレードではエアコンがマニュアル式エアコン。電波式キーレスを標準装備するが、ABSはオプション設定。
X
2代目MRワゴンの上級グレード。Gよりも快適装備が充実する。
快適装備のエアコンがフルオートエアコンとなり、キーフリーシステムやオートライト、6スピーカーシステム、ABSも標準装備する。
T
2代目MRワゴンの上級ターボ仕様車。Xグレードの装備にターボエンジン(※60馬力のMターボ)を搭載。走りを向上させたモデル。
出典:日産認定中古車
エクステリアではエアダクト付きボンネット、フォグランプ、14インチアルミホイールを標準装備する。
2006年12月、ウィットシリーズの登場で廃止。
特別仕様車 XSリミテッド
2006年9月設定の特別仕様車。各種エアロパーツやアルミホイール、ローダウンサスペンションやLEDサイドターンランプ付きドアミラーでスタイリッシュな外観を与えた特別モデル。
エクステリアに
- 専用ブラックグリル
- フロントアンダースポイラー
- サイドアンダースポイラー
- リヤアンダースポイラー
- ルーフエンドスポイラー
- LEDターンランプ付きドアミラー
- ヘッドライトのエクステンションにグリーン塗装を施したグリーンタイプヘッドランプ
を採用。
足元には14インチアルミホイールとノーマル比-10mmのローダウンサスペンションにフロントスタビライザーを与え外観をスタイリッシュとした。
XSリミテッドについてはこちらから。
特別仕様車 XSリミテッドⅡ
XSリミテッドⅡの特別装備
2007年1月設定の特別仕様車。XSリミテッドのバージョン2。
エクステリアでは
- 専用ブラックグリル
- フロントアンダースポイラー
- サイドアンダースポイラー
- リヤアンダースポイラー
- ルーフエンドスポイラー
- LEDターンランプ付きドアミラー、
- ヘッドライトのエクステンションにグレー塗装を施したグレータイプヘッドランプ
を採用。
足元には14インチアルミホイールとノーマル比-10mmのローダウンサスペンションにフロントスタビライザーを与え外観をスタイリッシュとした。
XSリミテッドⅡについてはこちらから。
XSリミテッドとXSリミテッドⅡの違い
XSリミテッドⅡではヘッドライトのエクステンションがXSリミテッドの「グリーン」から「グレー」に変更されている。
MRワゴン ターボ車の見分け方
2代目前期のMRワゴンにはターボ搭載のTグレードで、ボンネットにエアダクトが付いた専用品が採用されている。
そのため穴があればターボ車、無ければターボ無しの自然吸気エンジンで見分けができる。
なお、後期モデルでは標準ターボ車が廃止。MRワゴンウィットに移行したがウィットのターボ車はボンネットに穴が空いていないため、同じ見分け方ができない。
エクステリア
出典:日産認定中古車
フロントデザイン。2代目MRワゴンはその大きな丸目ヘッドライトが最大の特徴だ。
ちょうどダイハツの2代目ミラジーノの丸目ヘッドライトにも似た若干縦長の楕円形で愛嬌とモダンさを融合した初代とは異なるまったく新たしいデザインとなっている。
これに半楕円形のグリルにまわりはメッキパーツ。バンパーはシンプルな長方形の開口部を持つものが組み合わさせる。
出典:日産認定中古車
サイド。初代で特徴的だったワンフォームプロポーションは廃止され、ワゴンRに近いボディスタイルとなった。
ボンネットを若干立てたデザインにより室内空間は狭くなったように感じるが実際は逆で室内長は1795mmから1855mmへ60mmアップ。
室内幅は1255mmから1280mmへ。室内高は1255mmから1275mmへとすべてにおいてアップしている。
出典:日産認定中古車
足元はスチールホイール&フルホイールキャップ。後期型ではデザインが変更となる。
出典:日産認定中古車
リア。コンビランプはKeiのように上部に配置。キラキラとしたメッキタイプではない(シルバー塗装だ)がマルチリフレクターで質感はそこそこ良い。
エンジン・機能装備・安全装備など
出典:日産認定中古車
エンジンは自然吸気エンジンとMターボ(60馬力仕様)の2種類。
自然吸気エンジンは最高出力54ps(40kW)/6500rpm、最大トルク6.4kg・m(63N・m)/3500rpm。
ターボ仕様はインタークーラー無しの最高出力60ps(44kW)/6000rpm、最大トルク8.5kg・m(83N・m)/3000rpm。
先代のMRワゴンスポーツにあった64馬力仕様は女性向けとうことで用意されていない。トランスミッションは4ATのみで、駆動方式はFFか4WD。
ターボモデルに関しては、2008年7月マイナーチェンジで廃止。カスタムモデルMRワゴン Witに移行し最終的には2010年5月マイナーチェンジでWitも含め自然吸気エンジンのみとなった。
ターボグレードの「T」ではエアインテーク付きの専用グリルとなる。
インテリア
出典:日産認定中古車
インパネ。インテリアカラーはマルーンとベージュの2色を設定。
出典:日産認定中古車
こちらはマルーン色。ボディ色がブラウン、ピンク、シルバー時のみこのマルーン色を選択できた。
出典:スズキ認定中古車
エアコンはGグレードがマニュアル式エアコン。Xグレード以上でフルオートエアコンとなる。キーフリーシステムはXグレード以上に標準装備。
スピードメーター。タコメーター無しでシンプルな単眼式を採用。
出典:日産認定中古車
フロントシートはベンチシートタイプ。ベージュ色のシートカラーと
出典:日産認定中古車
マルーン色のシートカラーの2種類がある。上述のとおりマルーン色はブラウン、ピンク、シルバーのボディ色のみ選択可能となった。
なお、フロントシーは前側に倒して長モノを積むことも可能。
出典:日産認定中古車
リアシート。スライド機構付きでシートアレンジが可能だ。
出典:日産認定中古車
ラゲッジルーム。
出典:日産認定中古車
リアシートを倒した状態。
まとめ
2代目前期MRワゴンの総評
2代目MRワゴンは初代と180度全く違うデザインとなった。スポーツタイプ好きの男性ならその可愛らしさに毛嫌いしてしまうだろう。やはり可愛い軽自動車を探している女性に勧めたい1台である。
現行のワゴンタイプでここまで可愛らしいデザインのモデルは存在しないためその点では希少性もある。
当時ワゴン型で同じく丸目を採用し曲線ボディとした「ムーブラテ」とは当時ライバル関係にあり2代目MRワゴンのように丸目の軽ワゴンを検討している人はこちらもチェックだ。
なお後期型ではグリルデザインが変更され愛嬌がアップする。前期でしっくりこなかった人は後期も見て欲しい。
2代目前期MRワゴンは中古価格が安価・街乗り用に買いやすい
2代目前期ワゴンRは年数経過や人気がスーパーハイトワゴンに遷移したからみでかなり安価なモデルとなっている。
外観は少しファニーフェイスで男性だと受け入れづらいが、女性が買う分には可愛らしい外観で良いと思う。
またカスタムモデルのウイット(Wit)であればフルエアロや専用バンパーなどでスタイリッシュになり男性向けとしても通用する。このあたりは好き好きだが、安価に買える街乗り軽自動車として充分なニーズがある。
OEMモデル 2代目・日産モコ
ちなみに2代目MRワゴンは初代同様日産にOEM供給された。
ヘッドライトやグリルまわりが専用設計によりデザインが若干異なる。上質感やスタイリッシュ感は”日産ブランド”も手助けしてモコにアドバンテージがある。
あまりにも可愛らしいデザインにが好みでない人は日産版の2代目モコもあわせてオススメ。
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