MRワゴンはスズキのワゴン型軽自動車。本稿では2代目・MF22S型の前期(2006年1月~2009年8月)に設定された特別仕様車の「XSリミテッドⅡ」を扱う。
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スズキ 2代目MRワゴンとは?
2006年1月にフルモデルチェンジし2代目となったスズキのMRワゴン。
先代のイメージをガラッと変え丸目のヘッドライトにワゴンR寄りのボディラインで子育ての主婦層をターゲットとした「ママワゴン」として誕生した。
特に特徴的だった初代のワンモーションスタイルを廃止し、ワゴンRのようなボディラインに近くなった。これによりワゴンRに近いボディスタイルとなっている。
一方でどこから見ても可愛らしい丸目ヘッドライトに愛嬌あるグリルなど完全に女性を意識したデザインとなり、メーカー曰く
- 「かわいいけど甘すぎない、モダンさと上質さを併せもつデザイン」
- 「ショッピングがもっと楽しくなる、ママに便利な機能と装備の充実」
- 「子どもにやさしい機能と装備の新採用」
を商品特徴とした軽自動車となっている。
便利機能ではではMRワゴンシリーズでは初となるキーレススタートシステムを新採用。
この他買い物時に便利な助手席シートアンダーボックスやインパネスライドボード、大型グローブボックスなど多様な収納スペースを設定。
また、吸音天井やシート表皮を消臭シートとし、天井も消臭タイプとすることで静粛性を向上させかつクリーンな空間を実現した。さらにISO FIXテザータイプのチャイルドシートも新たに装着可能とした。
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メカニズムでは同年代の4代目ワゴンRのプラットフォームを採用し、快適な乗り心地と優れた静粛性を実現。
また、フロントシートのスライド量も180mmから200mmに伸ばし、スライドピッチを15mmから10mmに変更することで体格に合わせたセッティングを可能とした。
さらに電動パワーステアリングのモーター出力を向上させたことで、最小回転半径4.1m(14インチアルミホイール装着車は4.4m)の小回りに加えハンドルの据え切り操舵力を低減させ扱いやすさを向上させた。
ボディは軽量衝突吸収ボディTECTを採用し、ボンネットやフェンダー、ワイパー周辺部などは歩行者傷害軽減ボディを採用。
EBD(電子制御制動力配分システム)も4輪ABSに新採用するなど特に女性向けの機能やメカニズム、デザイン面で強化がなされたフルモデルチェンジとなった。
2代目MRワゴン XSリミテッドⅡとは?特別装備とXSリミテッドとの違い
その2代目MRワゴンに2007年1月。上級グレードのXをベースにスタイリッシュな外観を与えた特別仕様車が設定された。それがこの「XSリミテッドⅡ」である。
XSリミテッドⅡは
- 専用ブラックグリル
- フロントアンダースポイラー
- サイドアンダースポイラー
- リヤアンダースポイラー
- ルーフエンドスポイラー
- LEDターンランプ付きドアミラー
- ヘッドライトのエクステンションにグレー塗装を施したグレータイプヘッドランプ
を採用。足元には14インチアルミホイールとノーマル比-10mmのローダウンサスペンションにフロントスタビライザーを与え外観をスタイリッシュとした。
2006年9月には似たようなコンセプトの「XSリミテッド」が登場したが、これはそのバージョンⅡとなり、バージョンⅡではヘッドライトのエクステンションがグリーンからグレーに変更されている。
エクステリア
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フロントデザイン。XSリミテッドⅡではブラック塗装の専用フロントグリルにフロントアンダースポイラーを標準装備。
ヘッドライトはエクステンション(外縁)にグレー塗装が施されたものを採用し、ノーマルよりもスタイリッシュな外観とした。
先に登場した「XSリミテッド」ではこのヘッドライトがグリーン塗装だったが、XSリミテッドⅡではグレー塗装に変更。
ノーマルでは縁がシルバーメッキで囲われたグリルだったが、完全にブラックとなったことでわずかながらスポーティーに。バンパー下部にもフロントアンダースポイラーが付いて足元も締りが出ている。
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サイド。XSリミテッドⅡではサイドアンダースポイラーとLEDターンランプ付きドアミラーを標準装備。セキュリティーアラームはベース同様に標準装備する。
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足元は14インチアルミホイールにマイナス10mmのローダウンサスペンションとフロントスタビライザーを標準装備とした。
ターボ仕様ではないものの、フルホイールキャップよりもデザインが良いアルミホイールとローダウンサスペンションにより若干スポーティーな印象を与え、かつ背の高いワゴンタイプにフロントスタビライザーを装着することで操縦安定性を向上させた。
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リア。XSリミテッドⅡ仕様としてリヤアンダースポイラーとルーフエンドスポイラーを標準装備。
エンジン・機能装備・安全装備など
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エンジンはK6A型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。
最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/3500rpm。
トランスミッションは4ATのみで駆動方式はFFまたは4WDとなる。このほかEBDとABSを標準装備する。
インテリア
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インパネ。XSリミテッドⅡでは外装の変更がメインで、内装に関してはベースモデルのXグレードと同じ。
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スピードメーターもベースと同じ。
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上級グレードベースのためキーレススタートシステムを標準装備。エアコンはオートエアコンタイプ。
2代目はインパネの大型グローブボックスを備えるなど、収納スペースは先代よりも機能性がアップしている。
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フロントシートはベンチシートタイプ。シート表皮はベースモデルと同じで特に変更はない。2代目MRワゴンではシート表皮と天井に消臭加工が施され、特に女性に嬉しい仕様となっている。
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リアシート。スライド機構付き。
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ラゲッジルーム。
まとめ
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2代目MRワゴンのXSリミテッドは自然吸気エンジンの最上級グレード、Xをベースに専用グリル、専用ヘッドライト、フルエアロにアルミホイールとローダウンサスペンション、フロントスタビライザーなどスポーティーな外観と装備を与えた特別仕様車である。
ターボ仕様ではないものの、その外観はターボグレードよりも良くなっており「ターボ無しでもスタイリッシュな外観のモデルがほしい」という需要に答えられる特別仕様車となっていた。
特に2代目MRワゴンはシリーズの中でも最も可愛らしいデザインとなっていて、これにフルエアロやアルミホイールといったキュートとスポーティーな相反する組み合わの面白いモデルといえるだろう。
中古市場では第1段のXSリミテッドに対し、XSリミテッドⅡはタマ数が極端に少ない希少車となっている。変更はヘッドライト程度なのでほぼ違いがないのだが、このあたりは好みといったとこだろうか。
価格面では10年落ちモデルとなるため走行距離の割に購入しやすいタマが多い。最新装備や燃費、自動ブレーキなど最新モデルに劣る部分があるものの、それが不要であれば手頃な女性向け足車としてオススメな1台だ。
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