MRワゴンはスズキのワゴン型軽自動車。「10th アニバーサリー リミテッド」は3代目MF33S系に設定された特別仕様車である。
３代目 スズキ・MRワゴンとは？
2011年1月にフルモデルチェンジし、３代目となったMRワゴン。
初代は当時の軽自動車としては珍しい個性的なスタイリングと広い室内空間を両立させた軽ワゴンとしてヒットし、２代目では女性受けしやすいファニーフェイスのママワゴンとしてフルモデルチェンジ。時代にニーズに合わせてデザインと機能性の両方でアプローチするモデルである。
３代目となったMF３３S系では同社の軽ハイトワゴン、「パレット（現：スペーシア）」との競合によりそれまでの主婦層からこれからクルマを所有しようとする若年層へターゲットを変更。個性的な顔つきとボディスタイル、シンプルかつモダンなインテリアが与えられた。
外観は個性的なスタイリングにロングルーフ＆ロングキャビンデザインを採用。同年代のワゴンRともパレット（現：スペーシア）とも異なる個性的なボディスタイルを与えた。
内装でもワゴンRとは異なるシンプルかつモダンなデザインを与え、「くつろげる自分の空間」をイメージした内装とした。雰囲気的にはアルトラパンのような内装に近く、特に若年層に受けやすいファッショナブルなデザインとしている。
出典：スズキ認定中古車
３代目MRワゴンでは新プラットフォームの採用により室内空間を拡大。
室内幅と室内高さはほとんど変わらないものの、室内長は1,940mmから2,120mm(Gグレードは2,055mm)へとおよそ180mm(Gグレードは115mm)延長。前席や後部座席の足元の空間にゆとりを与えた。
便利機能としてはタッチパネルオーディを採用。スマートフォンやデジタルオーディオ機器などを接続できるUSBソケットをオーディオ装着車に標準装備とした。
また、バックモニターもオーディオ装着車に標準装備とするこで街乗りでの利便性を高めている。
メカニズムでは新世代「R06A型」エンジンを採用。これに副変速機付きCVTや高張力鋼板を使用した軽量ボディーと組み合わせることで自然吸気エンジンのFFモデルで23.0km/L(JC08モード)の低燃費を実現した。
MRワゴン 10th アニバーサリーリミテッドとは？特別装備や違いなど
そのMRワゴン初代登場から10周年を記念して2011年11月に発売されたのが「10th アニバーサリー リミテッド」という特別グレードである。
エクステリアでは
- フロントメッキグリル
- ディスチャージヘッドランプ
- １４インチアルミホイール
- オートライトシステム
- 10周年記念専用エンブレム
インテリアでは
- 専用ファブリックシート表皮
- 専用ドアトリムクロス
- ６スピーカーシステム
- 専用携帯リコモコンカバー
ボディカラーには特別設定色として「カシスピンクパールメタリック ブラック2トーンルーフ」を含めた全６色を設定し、内外装でベースモデルよりも魅力を高めた特別仕様車となっていた。
MRワゴン10thアニバーサリーリミテッドのエクステリア（外装）
出典：スズキ認定中古車
10週年を記念してフロントには大きな専用メッキグリルを装着。ノーマルでは目元が特徴的なキモカワイイ感じのデザインだったのがメッキグリルにより目元だけ目立っていたのがバランスが取れて、ちょっとだけカッコいいデザインへと変化した。
この手の手法は他社でも取れることがあるが可愛いだけでなく他人と違う個性を表現する意味でもいいアクセントとなっている。ヘッドライトは10thアニバーサリーリミテッド仕様として標準でオートライトシステム機能付きのディスチャージ仕様となる。
出典：スズキ認定中古車
サイドから。ブラック塗装の10thアニバーサリーリミテッド専用14インチアルミホイールを標準装備し、ボディカラーは全6色から選択できた。タイヤサイズは純正と同じ155/65R14。
なお、写真の暗みがかったピンク色は10thアニバーサリー専用に設定された「カシスピンクパールメタリック」色で、この色を選択した時のみオプションでブラックカラーの２トーンルーフを選択できた。
出典：スズキ認定中古車
リア。コンビランプはノーマルと同じタイプ。右側のMRワゴンエンブレムのすぐ下にリミテッド仕様の「10th ANNIVERSARY」の専用エンブレムが付いている。
エンジン・機能装備・安全装備
エンジンは新開発のR06A型直列３気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。
自然吸気エンジンの最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/4000rpm。
トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFFまたは4WDとなる。
MRワゴン10thアニバーサリーリミテッドのインテリア（内装）
出典：スズキ認定中古車
インパネ。10thアニバーサリーリミテッドでは６スピーカーシステムと専用携帯リコモコンカバーが標準装備となる。エアコンはオートエアコン。
出典：スズキ認定中古車
スピードメーターやステアリングはベースの「X」グレードに準じる。タコメーターはない。
ステアリングは10thアニバーサリーリミテッド仕様として本革巻ステアリングホイールが標準装備となる。シフトノブも同様にリミテッド仕様として本革巻きシフトノブとなる。
出典：スズキ認定中古車
フロントシートはベンチシートタイプ。10ｔｈアニバーサリー専用のファブリックシート表皮となっている。また、ドアトリム表皮も10thアニバーサリーリミテッド仕様の専用品となる。
出典：スズキ認定中古車
リアシート。10thアニバーサリーリミテッド仕様として6スピーカーシステムを標準装備。リアドアの足元にもスピーカーが付く。
出典：スズキ認定中古車
ラゲッジルーム。
出典：スズキ認定中古車
リアシートを倒した状態。全高はワゴンRに近いのでラパンやアルトなどと比べると室内高がある。
MRワゴン10thアニバーサリーリミテッドの評価
３代目MRワゴンの10アニバーサリーリミテッドは３代目MRワゴンの中でもメッキグリルにより個性とカッコ良さが出た１台である。
ベーシックなモデルというとグリルが省略されて何か物足りない感じがするが、このアニバーサリーリミテッドではそれがなく、他のMRワゴンとも差別化されているので他人と被りずらいだろう。
同じく女性向けのラパンとはキャラクターが異なるがデザインが洗練されている点は同じで、こちらも気に入れば長く愛せるモデルとなっている。
中古市場では年数経過や生産終了、ハイト系などに人気が遷移し、かつてほどの人気が無くなったため特別仕様車といえど、比較的安価に購入可能だ。
標準モデルにはないメッキグリルやブラック塗装のアルミホイール、ディスチャージライト、LEDターンランプなどなど魅力は高く、OEMのモコには非設定なスタイリッシュモデル。中古車で３代目MRワゴンを探している人は、特別な10thアニバーサリーリミテッドはいかがだろうか。
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