アルトラパンはスズキのハッチバック型軽自動車。ベネトンバージョンは初代のHE21S系に設定されていた特別仕様車である。
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初代アルトラパン・ベネトンバージョンとは?
2002年1月登場の初代アルトラパン。
その初代の特別仕様車の中でもイタリアのアパレルメーカー「ベネトン」とカー用品店のオートバックスセブン、スズキの3社でコラボレーションした特別仕様車があった。それがこの「ベネトンバージョン」というモデルである。
このコラボレーションの目的はオートバックスにある。クルマは人によって趣味だったり、必需品だったりタダの足だったりと様々だが、軽自動車という実用性が重視されるジャンルでかつ女性ユーザーとなると、男性のようにそれは「趣味」ではなく、普段の足車としての意味合いが強くなる。
ご存知オートバックスはカー用品を扱うお店だから、普段の足としてクルマを使う人にはカー用品にはほとんど興味がわかない。
そこで若い女性に人気のアルトラパンをベースとし、ベネトンというアパレルブランドの力を借りてオートバックスに興味を持ってもらう(オートバックスに誘導する)目的で生み出されたのがこの「ベネトンバージョン」というモデルなのだ。
販売はスズキとオートバックスで行われ、将来的にはオートバックスのみで取り扱うことでカー用品(例えばオーディオ機器)の購入先の囲い込みをおこなうものであった。
初代ラパン・ベネトンバージョンの特別装備
ベネトンバージョンのエクステリアにはメッキフロントグリル、専用ホイールキャップ(ベネトン仕様)、丸形メッキ電動ドアミラー、フロントグリル&ボディサイド&リアゲートにベネトンエンブレムを。
インテリアでは
- ライトグレーの専用シート生地&ドアトリム表皮、
- 専用ステアリングオーナメント
- フロアシートタグ
- フロアマットをベネトン仕様に変更
とし、さらにピンク&オレンジ色の専用「ベネトン」シートクッションを付属品として特別装備。
内外装でベネトンテイストのデザインをあしらってドレスアップした特別仕様車となっていた。
エクステリア
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フロントデザイン。ベースモデルは「X」グレードでこれにベネトン専用のパーツが備わる。まず大きく目を引くのはグリル中央の専用エンブレム。
ベースモデルはラパンの象徴である「うさぎ」エンブレムだったが、ここはベネトンのロゴマークに変更されている。
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小さな変更ではあるが、うさぎマーク以外のエンブレムが取り付けられていることでラパン好きにとっては新鮮だ。
また、ベネトンを知る人にとってはこういった少変更はオリジナル感があって嬉しい部分である。これ以外に上下メッキタイプのフロントグリルをさいようし、ノーマルとは異なる上級感を出している。
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サイドから。フェンダーからフロントドア部分にかけてベネトンエンブレムが付いている。ホイールキャップにもベネトン専用ロゴを採用。
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ドアミラーはデザイン性の高い丸型で電動リモコン式を採用。初代ラパンのボディフォルムとも相まって非常に見た目がよくなっている。
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リア。左下に専用ベネトンエンブレムを装着。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンは3気筒K6A型DOHC自然吸気エンジンのみ。最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/3500rpmを発生。
トランスミッションは4ATのみで駆動方式はFFまたは4WD。
インテリア
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インパネ。新車時にはオーディオレス仕様となっていて、オートバックスで好みの機器を買うといった想定となっていた。
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ステアリング中央にはSマークではなくベネトン。
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フロントシートはセパレートタイプ。ライトグレーの専用シート表皮となり、ドアトリムも同色に変更されている。
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リアシート。
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ラゲッジルーム。
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リアシートを倒した状態。
まとめ
初代アルトラパンのベネトンバージョンは、ベネトンのイメージをアルトラパンにさりがなく反映したファッショナブルなモデルである。
アルトラパンのトレードマークであるうさぎは消えてしまったが、ベネトンを知る人ならちょっととっつきやすいモデルに仕上がっており、まさにコラボレーションの狙い通りといった感じだ。
中古市場では数台程度しかみかけない希少モデルとなっている。ただ、価格はプレミアムが付いているわけではないので気軽に買うことができる。かわったアルトラパンとして記憶にとどめておきたい1台だ。
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