カプチーノは2シーターオープン型の軽自動車。本稿では1991年~1994年までの前期型(EA11R系)に設定された第1弾の特別仕様車「リミテッド(通称リミテッド1または紺リミ1)」について扱う。
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スズキ・カプチーノとは?
スズキのカプチーノはバブル全盛期の1991年に、軽自動車枠でのスポーツカーとしてデビューした。
長いボンネットにはターボエンジンが縦置きされており、サスペンションも軽自動車としては初となるダブルウィッシュボーン式(独立懸架)を採用。駆動方式はFRで前後重量バランスは51:49を実現していた。
ボディそのものも軽自動車でありながらアルミを用いて軽量化を徹底。コストを優先するスズキにしては異例のアルミボディの採用でスポーツ志向を強めていた。
エンジンはアルトワークスでお馴染みのF6A型直列3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンを採用。これをエンジン内に縦置きに配置。
車内空間が優先される近年の軽自動車とは真逆のエンジン配置で、これもスポーツカーとしての性能を追求した設計となっていた。
そしてフロントに縦置きしたエンジンを後輪で駆動することにより優れた重量配分とハンドリングを実現。その軽量ボディにターボエンジンを相まって普通車のスポーツカーに引けを取らない走行性能を実現していた。
実用性がメインとなる軽自動車で室内空間を犠牲にし、極限までスポーツ走行に特化したパッケージングはまさにバブル時代ならではの軽自動車であった。
前期型カプチーノ(EA11R)・リミテッドⅠとは?特徴と他との違い
そのカプチーノに1993年6月、ボディカラーにディープブルーパールを専用設定し、木目調インパネなどを採用した特別仕様車を設定した。それがこの「リミテッド」である。
リミテッドはその後も1994年3月、1994年9月の計3回設定され、今回扱う1993年6月の第1弾リミテッドは通称「リミテッドⅠ」もしくはボディカラーから「紺リミ1」と呼ばれ200台 限定モデルとなっている。
リミテッドⅠではエクステリアに専用ボディカラーとなる「ディープブルーパール」のみを設定。ルーフやリアピラーも車体同色とし、紺色で統一。そのほかにリミテッド専用エンブレム、トランクリキッドキャリアを標準装備。
インテリアではバックスキン調シートに木目調インパネを与え、専用ボディカラーと追加装備で特別感を高めたモデルである。
エクステリア
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フロントデザイン。リミテッドでは特別な専用外装品はなく、見た目はほぼ同じだ。
ただ、ボディカラーは前述のとおり第1弾で紺系の「ディープブルーパール」が専用設計され、リミテッドなのかそうでないのかを区別するポイントである(写真は社外品のクリアーウィンカーを装着)。
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サイドから。このあたりもベースモデルと共通だ。天井部分は4WAYオープントップで、クローズド、Tバールーフ、タルガトップ、フルオープンの4種類に変化する。
足元は(写真は社外だが)14インチアルミを標準装備。
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リア。写真では付いてないがリミテッドでは純正オプションのトランクリッドキャリアを標準装備。ラゲッジルームが極端に狭いカプチーノの積載能力を若干向上させるパーツだ。
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バンパー上部の左側には専用の「LIMITED」エンブレムが付く。
エンジン・機能装備・安全装備など
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エンジンはアルトワークスでお馴染みのF6A型ターボエンジン。最高出力64馬力(6500rpm)、最大トルク8.7kg(4000rpm)を発生する。
トランスミッションは5MTのみで駆動方式もFRのみとなる(※写真のエンジンは社外のストラットタワーバーが入っているがこれはリミテッドに関係なし)。
この他ベースと同じく4輪ダブルウィッシュボーンに4輪ディスクブレーキも装着。安全装備として運転席エアバッグとABSをオプション設定。
インテリア
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インパネ。リミテッドⅠでは木目調インパネを標準装備。パット見内装の雰囲気が違って見える。
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インパネ左側。
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シフトノブやサイドブレーキ、スピードメーターやステアリングまわりはベースと同じ。なお、リミテッドⅡではパワステが採用されたが、リミテッドⅠでは非装備の通称「重ステ」となる。
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フロントシートはセミバケットシートタイプ。リミテッド専用品のバックスキン調シート表皮となる。
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ラゲッジルーム。
まとめ
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カプチーノの(通称)リミテッドⅠは紺色の専用色に木目調インパネ、専用シートが特徴の軽自動車である。ノーマルよりも内装が若干良いので前期カプチーノの検討中の人は頭の片隅に居れておくと良いだろう。
なお、真ん中あたりにも書いたが、リミテッドシリーズの中でもパワステが非装備なため特に電動パワーステアリングに慣れている人は注意が必要だ。
あとはカプチーノ全般に言えることだが古いモデルゆえのトラブルも考えられるため状態をよく確認すること。もし壊れてもそれを許容できる人のみ購入すべきモデルである。古さゆえの欠点はあるが、カプチーノの中でも特別仕様という点は若干のプラスポイントである。
ネックなのはその価格。元々カプチーノは軽自動車で唯一のFR&オープンでターボ車に5MTという本各スポーツーカーというモデルで人気が落ちにくかったが、アメリカの25年ルール解禁により海を渡りアメリカに輸出。
現地でも軽カーが人気になりつつあり、動力性能が高いカプチーノも人気のひとつとなっている。
そのため価格はどんどん上昇傾向で、特別仕様車のリミテッドⅠともなればかなりの高値となりやすい。
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