キャロルはマツダのハッチバック型軽自動車。スズキ・アルトのOEMモデルである。本稿では5代目のHB24Sに設定された特別仕様車「Gスペシャル」について扱う。
出典:Goo-net
マツダ 5代目 キャロルとは?
2004年9月にフルモデルチェンジし、5代目となったマツダ・キャロル。
キャロルは先代の4代目以降からスズキの完全OEMモデルとなり、6代目も同じくスズキ・6代目アルトのOEM供給を受け販売されていた。
コンセプトは「日常の自分の時間に、気軽に使えるお気に入りのクルマ」。主に女性ユーザーをターゲットとし、親しみやすいベーシックな外観、機能的で明るいインテリア、優れた低燃費と安全性能などがウリであった。
5代目キャロルは先代の4代目より全高が50mm、室内高は30mm、シート着座高は25mmアップ。Aピラーの傾斜も少なくして先代よりも運転しやすさがアップした。また、最小回転半径も4.1mと狭いスペースでも運転しやすくしている。
エクステリアは曲線と直線をうまく組み合わせたデザインで、内装でも明るいベージュ色のインパネやドアトリムなどで新鮮さや楽しさを演出。
視認性の高い大型スピードメーターや大型グローブボックス、コンソールボックス、コンビニフック、ドリンクホルダーなどを配置し使い勝手も向上させている。
ボディカラーには「ミントグリーンメタリック」に加え新色の「ココナッツベージュメタリック」、「ムスクブルーメタリック」を含めた全8色を設定。
エンジンは先代に引き続きK6A型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンを採用。これに4AT、3AT、5MTのいずれかを組み合わせた。
安全装備として軽量衝撃吸収ボディ、歩行者保護対応、ペダル後退抑制機構、前席シートベルトの性能向上、インテリアなどに採用した衝撃軽減構造とし、Gグレードの4WDモデルと、XグレードにはABSを標準装備とした。
キャロル Gスペシャルとは?特別装備やGグレードとの違いなど
その5代目キャロルにベーシックグレードのGをベースに上級装備を追加しお買い得とした特別仕様車を追加した。
それがこの「Gスペシャル」というモデルだ。
Gスペシャルでは廉価グレードで省略されることの多い「カラードリモコンドアミラー」に「13インチアルミホイール」、「リアとバックドウインドウをスモークガラス」とし、見た目を良くした特別仕様車となっていた。
なおこのGスペシャルはアルト「Gスペシャル」のOEMグレードで、基本的に同じ仕様だがキャロルでは5MTが非設定で、3ATのみとなるなど一部簡略化されていた。
Gスペシャルの外装(エクステリア)
出典:Goo-net
フロントデザイン。このあたりは変更点は特になく、ベースのGグレードに準拠する。スズキ版よりもスタイリッシュなマツダ専用グリルとエンブレムにより6代目アルトよりも見た目は良い。
出典:Goo-net
サイドから。Gスペシャル用として電動格納式カラードドアミラー、13インチアルミホイール、リアガラスにはダークティンテッドガラスを標準装備とした。
廉価グレードでは非塗装ドアミラーに鉄チンホイール、リアガラスも非スモークタイプとなるためこの変更点は嬉しい部分である。
出典:Goo-net
リア。Gスペシャルとしてバックドウィンドウもダークティンテッドガラスとなる。これ以外はベースと共通で専用エンブレム等は付かない。
エンジン・機能装備・安全装備など
出典:Goo-net
エンジンはK6A型3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。
最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.2kg・m(61N・m)/4000rpm。
先代キャロルのベースとなった5代目アルトではアルトワークスやアルトエポターボなどにターボエンジンの設定があったが、マツダ版ではその設定がなく、今回の5代目キャロルでも自然吸気エンジンのみの設定となっている。
トランスミッションは3ATのみ。駆動方式はFFまたは4WD。安全装備として運転席&助手席エアバッグとABSを標準装備する。
Gスペシャルの内装(インテリア)
出典:Goo-net
インパネ。内装に関しては特に変更点は無くベースモデルと同じ。
出典:Goo-net
スピードメーター。
出典:Goo-net
ATのシフトノブ。MTは非設定で3ATのみ。
出典:Goo-net
フロントシートはセパレートタイプ。シートまわりもベースモデルと同じ。
出典:Goo-net
リアシート。スライド機構は非装備。Gグレードがベースのためシート形状は商用モデルのバンタイプに近く、ヘッドレストもなし。
出典:Goo-net
ラゲッジルーム。
出典:Goo-net
リアシートを倒した状態。
まとめ
出典:Goo-net
5代目キャロルのGスペシャルはベーシックなグレードに外観を良くするカラードドアミラー、13インチアルミ、リアスモークガラス等を装備したモデルである。
当時としてはこれら追加装備でベースよりも42,000円増程度だったのでかなり良心的な特別仕様車であった。
中古市場では年式経過もあるが人気の背の高い軽自動車ではないためかなり手頃な価格となっている。3ATなため街乗りメインとなるが、似たようなアルトやミラ、ミニカ等の安いモデルでは上述のリアスモークガラスやアルミホイール、カラードドアミラー等が非装備なグレードもあるため、そこだけでもこだわりた人にとっては嬉しいモデルである。
コメント