【6代目 前期型】スズキ アルト(HA24S/HA24V型) 概要解説 | シン・軽自動車マニア

【6代目 前期型】スズキ アルト(HA24S/HA24V型) 概要解説

アルト

アルトはスズキのハッチバック型軽自動車。本稿では6代目(HA24S/24V型)の2005年5月~2006年11月までを前期型とし、これを扱う。

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出典:Goo-net

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6代目 スズキ・アルトとは?

2004年9月にフルモデルチェンジし、6代目となったスズキ・アルト。

6代目では先代のデザインから少し乖離し、角と丸みを基調としたデザインが大きな特徴だ。

6代目アルトのテーマは「自分の時間に気軽に使える親近感のわくクルマ」。軽自動車本来の特徴である経済性の高さや使い勝手などアルトとしての基本性能を追求している。

デザインは若々しさと暖かみをテーマに円と直線をテーマにした外観フォルムとした。居住スペースは直線を。フェンダ部では曲線を用いて美しく安定感のあるスタイリングとし、細部にも円と直線のモチーフを採用した。

6代目アルトでは運転のしやすさや快適な乗り心地を追求。フロントガラスの角度を立てて前方視界を見やすくし、バックドア越しの後方視界も広げてバック駐車をしやすくした。

前後のシートスライド量はそれまでの180mmから240mmに拡大。様々な体型の人でも乗りやすい着座位置を選べるようにした。

また、室内高を1230mmとし、上方向のゆとり空間を向上。前席シート着座高を25mm高くして560mm、後席は605mmとし乗降性を向上させた。

荷室はリアシートを倒さずともベビーカーが積める広さとし、上級グレードのXでは分割可倒式リアシートを採用。

インパネにはコンビニフックを採用し、4人分のドリンクホルダーのほか、カードケース、フロアコンソールボックス、インパネアンダートレー、フロントドアポケットなど収納スペースを確保。

プラットフォームは軽量衝撃吸収ボディの「TECT」を採用し、衝突安全性を向上。GとXではハザードランプとセキュリティアラームを採用している。

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6代目・前期アルトのグレード一覧 E、EⅡ、G、GⅡ、Gスペシャル、X、X セットオプション、VP、VS違いなど

6代目前期アルトのグレード展開は乗用モデルの廉価グレード「E」、「EⅡ」、ミドルグレード「G」、上級「X」、「X セットオプション」などが設定されたいた。

貨物4ナンバー仕様の軽バン(アルトバン)グレードは「VS」と「VP」を設定。

特別仕様には「Gスペシャル」、「GⅡ」が設定されていた。

E

6代目前期アルトの廉価グレード。乗用グレードの中で最も安く、装備が簡略化された安いグレード。

エクステリアではスチールホイール、リアのプライバシーガラスが無し、手動タイプのドアミラーで樹脂タイプ・非塗装のドアミラー&アウタードアハンドルで簡素な外観が特徴。

機能装備もキーレスやABSなどが非装備。

エアコンとパワステ、AM/FMラジオなどは付く。エアバッグも運転席と助手席に標準装備する。

5MTと3ATの2種類で、FFと4WDを設定。

ボディカラーは「スペリアホワイト」、「シルキーシルバーメタリック」、「キャッツアイブルーメタリック」の3色のみ。

EⅡ

2006年1月の一部改良で追加された新グレード。上記「E」グレードに対し

  • 専用ファブリックシート表皮
  • パワステ
  • パワーウインドー
  • フルホイールキャップ

を標準装備としつつ、価格は据え置き・そのままで機能性の向上を図った廉価グレード。

ボディカラーも「ラベンダーメタリック」と「ムスクブルーメタリック」など全6色を設定。

G

6代目前期アルトのミドルグレード。EグレードやEⅡよりも装備が若干良くなる。

エクステリアではアウタードアハンドルがボディ同色化。

機能装備もキーレスやパワステ、エアコン、パワーウィンドウ、セキュリティアラームなどを標準装備。

ボディカラーも「ミルクティーベージュメタリック」、「ブライトレッド2」を含めた8色を設定。

特別仕様車 GⅡ

6代目前期アルトのミドルグレード・アップグーレド仕様。GとEグレードの中間に位置する新グレードで、2006年7月に特別仕様車として追加設定

エクステリアでは「GⅡ専用グリル」とプライバシーガラスを標準装備し、Eグレードよりもスタイリッシュな外観が特徴。

インテリアでも「GⅡ専用のベージュシート表皮」を採用。

機能装備も

  • 電動格納ミラー(4WDモデルはヒーテッドドアミラー)
  • キーレス
  • パワステ
  • エアコン
  • パワーウィンドウ
  • セキュリティアラーム

などを標準装備。

ボディカラーも「ミルクティーベージュメタリック」、「ブライトレッド2」、「ラベンターメタリック」を含めた6色を設定。

【6代目 前期 特別仕様車】スズキ アルト GⅡ(HA24S型)

X

6代目前期アルトの上級グレード。Gグレードよりもさらに装備が良くなる。

エクステリアでは電動格納ミラー+カラードドアミラー、リアガラスがプライバシーガラスに変更。

インテリアでもリアシートが分割可倒式シートに変更となり内外装で質感が高くなる。

また、ATモデルでは唯一4ATを採用し静粛性や燃費も良くなる。

X セットオプション

Xグレードをベースに

  • フォグランプ
  • 14インチアルミホイール
  • ドアサッシュブラックアウト

などをセットで標準装備とし、よりスタイリッシュ感をプラスした最上級グレード。

特別仕様車 Gスペシャル

2005年5月設定の特別仕様車。Gグレードをベースにアルミホイールや電動格納式リモコンドアミラーなど上級仕様の装備を採用した上で価格を抑えた、お買い得感な特別仕様車。

Gスペシャルでは

  • アルミホイール
  • 電動格納式リモコンドアミラー(4WDはヒーテッドドアミラータイプ)
  • AM/FMラジオ付きCDステレオ
  • スモークガラス(リアドア、バックドア)

などを標準装備とし、Xグレードに近い上級な内外装で魅力を高めた。

VS

6代目アルトの貨物・廉価グレード。乗用モデルの「E」グレードに近い簡素な装備で価格を抑えたグレード。

装備もエアコン、エアバッグ、パワステが付く程度でリアガラスは非スモークタイプ、鉄チンホイール、手動式ドアミラーなど、シンプルな装備が特徴。

ボディカラーは「スペリアホワイト」のみの設定。

VP

6代目アルトの貨物・ミドルグレード。「VS」グレードよりも少し装備を拡充させ使い勝手を向上。

VPグレードではVSに非装備だった「集中ドアロック」と「キーレス」、「セキュリティアラーム」を標準装備。使い勝手を良くした。

なおVPグレードは7代目のアルトバンではVSを廃止してVPのみ継続設定。ラストの8代目アルトバンでも引き続き設定されるなど、アルトバンを示す4ナンバー専用グレードでもある。

【8代目・最後の軽ボンネットバン】アルトバン VP(HA36V型)
アルトはスズキのハッチバック型軽自動車。本稿で8代目の軽貨物仕様である、アルトバンのVPグレード(HA36V型)を扱う。 HA36V 8代目アルトバン出典:スズキ認定中古車スズキ 8代目アルトとは? 2...

エクステリア

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出典:Goo-net

フロント部分は、無数の穴が開いたグリルに、長方形型のヘッドライトが組み合わされている。先代のヘッドライトは楕円状の丸みを帯びたデザインだったので、印象ががらっと変わった。が、今まで通りのベーシック感は出ており、アルトにふさわしいデザインとなっている。なおグレードや特別仕様車によってグリルのデザインが異なる。

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出典:Goo-net

純正オプションのメッキグリルを装備したものや

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出典:Goo-net

ワゴンRスティングレー(ただしクリアータイプではないが)のように、階段状のもの(特別仕様車「GⅡ」グレード

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出典:Goo-net

マイナーチェンジ後(後期型)の四角形に穴の開いたタイプなど複数ある。後期型ではウィンカーがバンパー部分へ移動し、グリルも大きめの穴が開いたものに変更されている。ただし、GⅡグレードとバンタイプではこの変更は適用されない。このようにただ単にグリル形状が違うだけだが印象は少し変わって見える。

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出典:Goo-net

続いてサイドから。丸みと角がうまく融合したデザインだ。全高は先代より30mmアップし室内空間が広くなっている。

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出典:Goo-net

リアはオーソドックスな感じ。コストダウンのためかコンビランプは曇っている。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンはNAのみの設定。

搭載されるK6A型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンの最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.2kg・m(61N・m)/4000rpm。

トランスミッションは乗用モデルが3ATまたは4AT、5MTのいずれか。

商用モデル(バンタイプ)は3ATまたは5MTの設定。駆動方式はFFまたは4WD。

先代にあったワークスは廃止され、過激なスポーツモデルは存在しない。

インテリア

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インテリアは6代目アルトでは丸型の吹き出し口を採用。それまでオーソドックスな長方形型の吹出口のデザインから一新し、雰囲気が若返った。ただし質感はプラスチック感があり若干安っぽく感じる。乗用タイプはパワーウィンドウになる。

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出典:Goo-net

こちらはバンタイプ(VPやVSグレード)の5MTモデル。窓はパワーウィンドウではなく旧来の手動式。

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スピードメーター。先代まであったワークス時代にはタコメーターが勇ましかったが、そのモデルも廃止されオーソドックスなスピードメーターに。大きくて視認性が高いので街乗りに適している。

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出典:Goo-net

フロントシートはセパレートタイプ。座席はサイドのサポートが少々弱め。ただし、この手のベーシックなモデルにそれを求めるのは酷というのもの。

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リアシート。Xグレードを除いて左右一体式のリアシートとなる。かつ座面もあまり厚くなく長時間の移動では疲れそう。

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出典:Goo-net

乗用モデルの上位グレード(Xグレード)ではリアシートにヘッドレストがつくが、それでもシートの作りは貧素なもの。後部座席は街乗り中心と考えたほうが良い。

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出典:Goo-net

後部座席は倒せば結構荷物が積める。ワゴンRと違ってシートは一体可倒式。

まとめ

6代目アルト前期型の総評

6代目アルトは、先代よりも室内空間がアップし、日常の足として正統進化したモデルだ。

残念ながらワークスの設定が無くなってしまったが、これは売れ筋モデルがハッチバックからワゴンRなどのワゴンタイプへシフトしたことが大きい。あれほどの人気を誇ったアルトワークスでもそのモデル末期では売上が低迷し、次のモデルでは設定を辞めたのだろう。

中古市場では、次の型のモデルがかなり低燃費で、6代目のデザインがイマイチなのか年式や走行距離の割りに安く購入できる。

兄弟OEMモデル 日産・ピノ(HC24S)、マツダ・キャロル(HB24S)

この6代目アルトは日産とマツダにそれぞれOEM供給され、日産ではピノとして。マツダではキャロルとしても販売された。

【6代目アルトOEM・日産版アルト 5MT】日産 ピノ(AT/5MT・HC24S)概要解説

【5代目・前期型】マツダ キャロル(HB24S型)

フロントのデザインが若干異なるので、このアルトが気になった人はそちらもチェックしてほしい。

7代目アルトはヨーロッパ風の丸みを帯びたデザインなので、ちょっと抵抗ある人なんかは以外とこの角ばったアルトを好むかもしれない。そういう人はこの6代目アルトが購入の選択肢となる。

コメント

  1. Mizat より:

    SECRET: 0
    PASS: 472961d42a988819f7eb4b2d4ba8c921
    こんにちは。先代のアルトは今でもよく見かけますが…
    MT仕様の写真を見ると、窓の開閉が手動回転式ですね。^^;

    今はアルトもエコとそうでないのと別々で少々ややこしいですが、
    先代のようにスッキリしてる方が個人的には好きですね。

    数々の詳細な記事を見る限り、販売店か何かにお勤めですか?
    これだけ分かりやすく纏められているので、
    宜しければ是非自分のブログからリンクなどを貼らせて頂きたいのですが。

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    Mizatさん。こんにちは。

    このMT仕様は商用モデル(バンタイプ)のものなので、コストカットなのかドアが手動式になってます 今では殆ど見ない装備ですよね(^^)

    仕事は車と全く関係ないです。趣味みたいな感じでネット上にあるカタログ情報を調べたり、スペックから記事を書いています。
    リンクはご自由に(^^) 相互リンクしますね。

    こちらこそよろしくお願いいたします。

  3. Mizat より:

    SECRET: 0
    PASS: 472961d42a988819f7eb4b2d4ba8c921
    アルトって、必ずモデルチェンジしてもMTの設定がある車種ってイメージがあります。
    割と年配の方でそういう要望がある車種なのかも…

    リンクありがとうございました。^^ こちらも先ほど終えましたので、これからもちょくちょく見に来ます~