【6代目アルトOEM】日産 ピノ(AT/5MT・HC24S)

アルト

ピノは日産のハッチバック型軽自動車。スズキの6代目アルト(HA24S/24V型)のOEM車である。

画像参照元:日産認定中古車

概要

2007年1月にデビューした日産ピノ。スズキ&日産との完成車の相互供給に関する提携強化策の一環で、アルトのOEM供給が行われた。

ベースの6代目スズキ・アルトは直前の2006年12月にマイナーチェンジを実施しており、日産ピノとしては6代目アルト・後期モデルのOEMモデルとなった。

ピノは日産の軽自動車としては「モコ」、「クリッパー」、「オッティ」に続く第4弾として登場。軽自動車としては古くからあり最もベーシックなセダン型で、かつ「低価格で低燃費」をウリにしていた。

また、外観もシンプルかつカジュアルな雰囲気としクラストップレベルの最小回転半径で使い勝手も良いモデルであった。

エクステリアはモコやオッティと同系列のカジュアルな顔つきにシャープなヘッドライト、おしゃれなターンランプ、安定感のあるサイドシルやフェンダーアーチを与え、日産専用デザインのホイールキャップなどで差別化がなされている。

インテリアではミルクキャラメル色の日産専用ファブリックシートを採用。シート柄にはサイコロ柄をデザインし、目の数も「36524」と並べることで「365日24時間一緒に輝く」という願いを表現するこだわり仕様。

上級グレード(EとE FOURグレード)ではシート柄と同じドアトリムクロスを採用し、サイドベンチレーターシフトノブボタン、インサイドドアハンドルをシルバー加飾とした。

使い勝手としてはクラストップレベルの最小回転半径4.1mで取り回しの良さを追求。上級グレード(EとE FOURグレード)には5:5分割可倒式リアシートを採用。フロントシートは240mmスライド量&16段階調節で適切なドライビングポジションを確保した。

快適装備としては抗菌仕様、クリーンフィルター、リモートコントロールエントリーシステム、CD一体AM/FM電子チューナーラジオを標準装備。

メカニズムではエンジンにK6A型3気筒DOHCエンジンを採用し低速からの扱いやすさや低燃費を両立。ATには電子制御4ATを採用し上級グレード(EとE FOURグレード)では登降坂変速制御機能を採用した。

また5MT車ではショートストローク気味のシフトノブの採用で滑らかなシフトフィーリングを実現した。また4WD車にはビスカスカップリング式のフルタイム4WDを採用し日常での使い勝手を向上させている。

安全装備としては運転席・助手席SRSエアバッグシステム、運転席2ステージロードリミッター付ダブルプリテンショナーシートベルト、軽量衝撃吸収ボディ、EBD(電子制御制動力配分システム)+ABS+ブレーキアシストなどを全グレードにに標準装備とした。

日産ピノ(HC24S)とスズキ・6代目アルト(HA24S)との違い・貨物バンなどグレード構成について

日産ピノ(HC24S)は、OEM元の6代目アルト(HA24S)と比較して外装ではフロントデザインやホイールキャップのデザイン、内装ではシート表皮が専用品となり差別化される。

特にフロントグリルとバンパーがオッティやモコに似た日産風の専用デザインを採用し、スズキ版よりもカジュアルさやシンプルさが際立つデザインとなっている。

HC24S日産ピノのフロントグリル&バンパー

HA24S6代目アルトのフロントグリル&バンパー

さらにホイールキャップのデザインも差別化され、日産では雪の結晶をイメージしたファッショナブルなホイールキャップに変更される。

HC24S 日産ピノのホイールキャップ

HA24S 6代目アルトのホイールキャップ 

グレード構成にも大きな違いがあり、アルトで最廉価グレードだった「E」グレードに相当するグレードは非設定で、「G II」相当の「S」と「S FOUR」グレード、「X」相当は「E/E FOUR」の2種類と、シンプルなグレード構成。その分安いグレードでもスズキより新車価格は高かったが、安全装備(ABS)などが標準装備となる。

また、アルトに存在したバングレード(軽貨物)はピノには非設定。すべて乗用モデルのみとなり、特別仕様車の設定も一切無かった。

エクステリア

ベースとの大きな変更点はフロントグリルで、日産仕様のオリジナルのものに変更されている。

スズキ版では前期がヘッドライト横にウィンカー球が付いていたが、日産版ではヘッドライト下に移動。一般的にはフォグランプが付く部分にウィンカー球が付いている。

グリルとバンパー開口部のデザインははスズキ版とも同じくOEMモデルで兄弟車であるマツダ・キャロルとも違うデザインで、日産らしさを表現している。

サイドから。ハッチバック型といことで背は低い。腰高感を感じない。

足元は日産専用デザインの13インチフルホイールキャップ。雪の結晶をイメージした専用デザインで、タイヤサイズは155/65R13。

リアもエンブレムが違う以外はベースと同じ。ブランドエンブレムの位置はアルトと同じだが、車名エンブレムがアルトのリアハッチ右下から、ピノではリアハッチ左下へ変更となる。

エンジン・機能

エンジンはNAの3気筒のみ。K6A型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンの最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.2kg・m(61N・m)/4000rpm。

駆動方式はFFか4WD。この代からスポーツモデルであるワークスが消滅し、ターボエンジンを搭載したグレードはない。ターゲットが女性ということでこの点も仕方ないだろう。なお、マツダ・キャロルと同じく商用のバンタイプは存在しない。

なお、グレードによりトランスミッションの設定が異なり、下級グレードのSのみ5MTを設定。Sの4WD仕様でATモデルは3ATとなる。上級グレードのEには5MTが非設定で、FFと4WDともに4ATのみの設定。

そのためピノの5MT車を探す場合は必然的に「S」グレードかその4WD仕様の「S FOUR」グレードとなる。

安全装備としては運転席・助手席SRSエアバッグシステム、運転席2ステージロードリミッター付ダブルプリテンショナーシートベルト、軽量衝撃吸収ボディ、EBD(電子制御制動力配分システム)+ABS+ブレーキアシストが全グレードで標準装備となる。

インテリア

インパネ。ベースのアルトと日産マーク以外は同じ。丸型の通風口を多く用いたことで最近風のデザインとなっており、質感こそプラスチック満載だが、それ以前のアルトに比べればぱっと見はそこまでチープに感じない。

上級グレードのEとE FOURグレードではサイドベンチレーターシフトノブボタン、インサイドドアハンドルがシルバー加飾となる。

Sグレード、5MTのインパネ。ステアリングはすべてウレタンステアリングとなる。エアコンは全グレードでマニュアル式エアコン。

スピードメーター。ベースの6代目アルト同様にタコメーターがつかないシンプルな1眼タイプ。

5MTのシフトノブ。若干ショートストローク気味で小気味よくシフト操作がおこなえる。出来が意外といいのでHE21SラパンSSに、中古が高騰しているスズキスポーツのSSシフターの代わりにHA24Sのシフターを流用する改造事例がある。

フロントシートはセパレートタイプ。日産専用のミルクキャラメル色シート表皮となり、カジュアル感が強くなる。シート柄もサイコロ柄が刻まれ差別化される。

上級グレードのEとE FOURではドアトリムクロスもシート表皮と同じ色となる。逆にSとS FOURでは同じ色にならないので見分ける場合はここがポイント。

リアシート。ワゴンRなどのワゴン型と比べると後部座席の作りが安っぽく、長時間の移動には辛い。

ただこの車自体は街乗り中心となるのでその点は特に問題ないだろうか。基本は2名乗車でたまに後ろに乗ると考えたほうが良さそうだ。ヘッドレストは乗用モデルといえどつかない。

ラゲッジルーム。SとS FOURはバンタイプと同じ一体可倒式。上級グレードのEとE FOURでは5:5左右分割可倒式となり使い勝手がよくなる。

リアは倒せば意外と広い。

まとめ

ピノはスズキ・アルトマツダ・キャロルの間に埋もれた兄弟車である。

販売台数は約3年という短い販売期間もあってこの2台に及ばずあまり売れていなかった。当然中古市場でも人気はなく、高年式・低走行の割に安価で購入できる。

現行のアルトと比べると4ATという点で加速の面や燃費で劣ってしまうが安価な軽であることを考えると、そこはトレードオフ。街乗りで高年式・低走行・安価を求めているなら、安価に買えるモデルとして選択肢のひとつになりうる。

特に5MTモデルに関してはタマ数が全体の1/3程度でさらに少なくなるが、価格帯はかなり安価なので安い5MTの中古な軽自動車を探している場合は有用な1台エッセミラバンアルトバンの陰にかなり隠れがちだが、その分中古価格で大きな魅力がある。車重もFFの5MTでは730kgと、そこそこ軽量だ。

なお、ピノは2007年1月にOEM供給がスタートしたが、2010年の1月にカタログラインナップから削除される形でひっそりと販売を終了した。アルトが7代目へフルモデルチェンジしても旧型を保ったまま生産されていた。

デビュー当初は日産でも珍しいコンパクトな軽自動車だった。アルトはもちろん兄弟車のキャロルと同程度にタマ数が少ないのである意味希少車である。

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