【6代目 アルトOEM】マツダ キャロル(HB25S型)概要解説 | シン・軽自動車マニア

【6代目 アルトOEM】マツダ キャロル(HB25S型)概要解説

アルト

キャロルはマツダのハッチバック型軽自動車。スズキ・アルトのOEM車である。

HB25S_ (2)

出典:マツダ認定中古車

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6代目 マツダ・キャロルとは?

初代は360CC、2代目は以降はシャーシーやエンジンを他車供給、ボディのみ自社生産していたキャロル。1998年軽新規格の4代目以降はスズキの完全OEMとなっていた。

2009年12月16日にベースのアルトがフルモデルチェンジしたのを受け、翌日にキャロルもフルモデルチェンジとなった。

出典:日産認定中古車

エクステリアは先代の角目ヘッドライトや、曲線と角を融合させたボディスタイルから一転。

丸みや曲線を多用した愛着がわくようなボディスタイルに丸目ヘッドライトを採用し、スタイリッシュさや親しみやすさをプラスした。

また、マツダ仕様として共通モチーフである「5角形のロアグリル」を採用し、アルトと差別化するとともにマツダらしい個性を演出。

インテリアでも丸みを強調したデザインを採用。明るいベージュ系のカラーで広々感を演出。操作性を高めたインパネデザインにドッド柄シート表皮の採用で軽快やや広さ感を強調した。

エンジンは引き続きK6A型を引き続き採用したが、VVT機構を全グレードで採用し燃焼効率をアップ。

これに上級グレードでは副変速機付きCVTを採用したことでFFのCVTモデルで22.6km/リットル(JC08モード)を実現。また、CVT以外のAT仕様車では全グレードで4ATを採用。

加えてロックアップ領域を拡大させることでATのFFでも21.8km/L(JC08モード)の燃費を達成した。
このほか6代目キャロルでは高張力鋼板の採用や、ボディー鋼板の板厚の見直しなどにより剛性をたかめつつ軽量化を実施。

安全装備としてはSRSエアバッグシステム(運転席および助手席)、軽量衝撃吸収ボディ、頭部衝撃軽減構造インテリアなど、乗員への衝撃を軽減するための多彩な安全装備を全グレードに標準装備。ABSはFF&5MTモデルの「GS」を除いた全グレードに標準装備。

出典:マツダ認定中古車

盗難予防に効果のあるセキュリティアラームシステムを全グレードに標準装備し、「XS」にはイモビライザーも標準装備とした。

快適装備としてはXSグレードでシートリフターやチルトステアリング、アドバンストキーレスエントリー&キーレスプッシュボタンスタートシステムを標準装備。

約90%以上の紫外線をカットする全面UVカットガラスを全グレードに標準装備。インパネ周りには複数のトレイや、買い物袋フック、カップホルダー(運転席側)を、センターコンソールには前後の乗員が使用可能なボトルホルダーを計4個設置するなど、多彩な収納装備。

このほかXSではLEDサイドターンランプみらー、照明付きバニティミラーも標準装備し、内外装や装備面、メカニズム面でフルモデルチェンジにふさわしい内容となっている。

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6代目マツダ キャロル(HB25S)と7代目スズキ アルト(HA25S)との違い

6代目キャロルと7代目スズキアルトではフロントデザインが異なるほか、グレード構成が異なる。

6代目HB25Sキャロル

HA25S_ (25)

7代目HA25Sアルト

出典:マツダ認定中古車

まず6代目キャロルではマツダ専用デザインを取り入れたグリル&バンパーが与えられ、ペンダゴングリルにより顔つきがマツダ風となる。

内装は同じだが、グレード構成に違いがあり、7代目アルトの廉価グレードのEやひとつ上のFに相当するグレードはキャロルでは存在せず、GとXに相当するグレードとなる。名称も若干異なりマツダ仕様はエントリーグレードのGXと上級グレードのXSの2種類。

アルトに存在する4ナンバー貨物グレードの「アルトバン」に相当する「キャロルバン」はこの代でも非設定で、かつ5MTモデルもGXグレードでFFのみとかなり集約&簡素化される(キャロルに5MT&4WDの組み合わせは非設定)。

6代目マツダ キャロル(HB25S)とキャロルエコ(HB35S)との違い

キャロルエコは7代目アルトをベースにしたエコモデル「アルトエコ」のマツダ版で、キャロルにはキャロルエコとしてOEM供給された。

出典:マツダ認定中古車

型式がキャロルエコはHB35S、キャロルはHB25Sと異なり、差別化されているものの外観はアルトエコとエンブレム以外は全く同じで、専用バンパーなどキャロルに存在した差別化もほとんどなされない。

後期HA35Sアルトエコ

後期型キャロルエコでも同様で、アルトエコでは後期モデルで専用グリルが与えられたのに対し、キャロルエコでは前期型のアルトエコとまったく同じ外観。

スズキとは一応差別化がなされていたがアルトエコほど個性は薄いエクステリアとなっていた。

【後期型】マツダ キャロルエコ(HB35S型) 

6代目キャロル(HB25S)のグレード GS、XS、GS4、ECO-L、ECOXの違い

6代目キャロルのグレード構成はエントリーグレード「GS」、上級グレードの「XS」、エントリーグレードGSの4WD仕様「GS 4」などがある。アルトのEやFグレード、バンのVPが非設定で、GとXに相当する2種類のシンプルな構成。

これ以外に派生モデル「キャロルエコ」に「ECO-L」と「ECO-X」を設定。6代目(HB25S)では特別仕様車の設定が無かった。キャロルエコについてはこちらから。

GS

6代目キャロルのエントリーグレード。アルトのGグレードに相当する実質ミドルグレード。

カラード電動格納ミラー、キーレスエントリー、プライバシーガラス、ホイールキャップなど快適装備が一通り付いたグレードで、アルトの廉価グレードのような安っぽさが無い。

また、5MTの設定があった珍しいグレード。ただし、後にグレード整理がなされGSの4WDは「GS 4」グレードに移行。5MT&4WDの組み合わせはマツダ版のキャロルには非設定となっていた。

XS

6代目キャロルの上級グレード。アルトのXグレード相当する。

GSの装備に加えてLEDサイドターンランプ付き電動格納ミラー、シートリフター、チルトステアリング、アドバンストキーレスエントリー(キーフリーシステム)&キーレスプッシュスタートシステム、運転席&助手席バニティミラー(照明付き)、4WD仕様にはシートヒーターを運転席に標準装備。

XSでは後部座席が分割可倒式シートに変更となる。

デビュー当初は4WDの設定があったが、「GS 4」グレードの追加設定によりモデル後半ではFFのみの設定となった。

GS 4

2010年5月に追加設定したグレード。アルトの「G4」に相当する。

GSの4WD・CVT車をベースに上級XSで採用のアドバンストキーレスエントリー&キーレスプッシュスタートシステムやイモビライザーを標準装備。

リアシートも分割可倒式として使い勝手と快適性を向上させた4WD仕様・プチ上級グレード。

XS&GSの4WD廃止後は4WD専用グレードとなった。

【7代目・4WD専用上級グレード】スズキ アルト G4(HA25S型)

エクステリア(外装)

出典:マツダ認定中古車

フロントデザイン。7代目アルトのマツダ版、6代目キャロルエコは、他のマツダ車に見られる五角形のグリルが与えられている。これによりヘッドライトこそ同じだが、専用バンパーによりマツダ風のデザインでマツダらしさが表現される。

出典:マツダ認定中古車

サイド。横からのシルエットも空力を考慮したなめらかなカーブを描いている。燃費にも貢献する曲線を使ったなめらかなボディスタイル。

出典:マツダ認定中古車

足元はGXとXSの両方で13インチホイールキャップ。タイヤサイズは145/80R13。

出典:マツダ認定中古車

リア。6代目キャロルではコンビランプの位置こそ変わらないが、ボディスタイルに合わせて曲線が効いたデザインとなった。4代目よりは丸くないが、5代目よりは確実に丸みを帯びたデザイン。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンはVVT付きのK6A型直線3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/3500rpm。

トランスミッションは4AT、5MT、CVT(副変速機内蔵)の3種類で駆動方式はFFまたは4WDのみとなる。

5MTモデルはGXグレードにFFのみ設定で4WD&5MTの組み合わせは無し。安全装備のABSは5MTのGXグレードを除いた全グレードに標準装備。

インテリア(内装)

出典:マツダ認定中古車

インパネ。スズキ版と同じく5MTモデルも用意された。ATモデルも先代と同じくフロアシフトとなる。6代目ではインパネ周りに複数のトレイや、買い物袋フック、カップホルダーを設定し使い勝手を大幅向上させた。

スピードメーター。タコメーター無しのシンプルな1眼式スピードメーター。アルトエコのOEMモデルであるキャロルエコではタコメータ付きへと変更されている。

ATのはフロアシフト。

5MTも同様にフロアシフト。

エアコンはマニュアル式エアコン。

フロントシートはセパレートタイプ。

後部の足元は意外とある。

出典:マツダ認定中古車

ラゲッジルーム。

出典:マツダ認定中古車

リアシートを倒した状態。シートは一体可倒式だ。

まとめ

6代目キャロルはリフレッシュされ新しいイメージとなった外観に、マツダ専用グリルにより差別化がなされたOEMモデルである。

普通、OEM車というとエンブレムのみ違って個性が無いことが多い。だが、このキャロルはバンパーのみであるが専用デザインが与えられ、違うイメージを持つモデルである。

特にベースとは違うフロントグリルはスズキの安っぽさが無く、満足感を与えてくれる。ちょっとおしゃれな色のアルトが欲しい人はマツダ版のキャロルを買ってみるのも悪くない。

希少な5MTモデルはタマ数が少ないものの存在し、FFモデルのみであるが車重710kgでそこそこ軽快な走りを楽しめる。

絶対的な加速力は無いので決して速くはないが、街乗りは逆にそれが楽しい一面もあり他人と被りづらいキャロルの5MTという選択肢も趣味車として悪くない。

なお、このあとの7代目キャロルでは専用デザインが廃止され、完全なエンブレム違いのOEMモデルとなる。

【7代目・5MTも設定】マツダ キャロル(HB36S型・スズキ8代目アルトOEM) 概要解説

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