トッポBJは三菱のトールワゴン型軽自動車。本稿ではH46A型の中でも後期(2001年1月~)のターボモデルであるRグレードについて扱う。
出典:ガリバー
三菱 トッポBJ Rとは?
1998年10月に登場したトッポBJ。そのスポーツモデルである「R」グレードは先代まではアミスタターボと呼ばれていたもので、ホットな4気筒ターボのミニカ・ダンガンのフェンダーから後ろをごっそりミニカトッポとしたものであった。
車重はミニカ・ダンガンより重くたく、空気抵抗でも不利なためハッチバックのミニカダンガンと比べるとモッサリ感が強いアミスタターボであったが、ミニカが8代目へとフルモデルチェンジした際に、ホットモデルのミニカ・ダンガンは消滅。
一方で背の高いミニカトッポの後継として登場したトッポBJにはスポーツモデルとして継続設定されたため、これは実質的なミニカ・ダンガンの後継モデルとなっている。時代はワゴンRのようなスペース重視の軽自動車へ人気がシフトする中、三菱も主力モデルをミニカトッポへとシフトさせていった。
後期型・トッポBJの改良点と前期との違い
そのトッポBJは2001年1月にフロントデザインを大幅変更するマイナーチェンジを行い後期型となった。
ベースのノーマルモデルが大胆なフロントフェイスの大幅改良を行なったのに伴い、Rグレードでも大変更。ヘッドライト、グリル、バンパーを完全刷新し、テールランプも変更しスタイリッシュな外観に。
特に後期型では前期や中期の露骨な感じが薄れ、上品なスポーティーモデルとしてかなり見栄えが変化した。
以下、詳細を解説する。
エクステリア(外装)
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フロントデザイン。前期型のスポーツモデルと比べるとかなり落ち着いた印象を受ける。そこでノーマル比較してみよう。見た目の大きな違いはヘッドランプのインナーブラック化だ。
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※こちらはノーマルモデル。
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※こちらは前期のターボモデル
これによりスポーティ感が出ている。また、グリル上部のメッキはメッキタイプから黒みがかった色へ変更され、インナーブラックのヘッドランプとうまく融和している。
ボンネットエアダクトもデザインが変更され、バンパーも後期では新デザインに。下部の開口部が大きくなり、フォグランプまわりのデザインもすっきりした。
さらにリアアンダースポイラーも付く。全体的には前期ほどやんちゃでは無くなったが、ベースの上品さを上手くい生かしたスポーティーな外観となっている。
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サイドから。後期ではフェンダーウィンカーがクリアー化。
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リアのコンビランプはノーマルと共通仕様。後期ではデザインが変更され、ウィンカーリフレクターがクリアー化された。
前期の象徴だった大型リアスポイラーは変更され、小さく落ち着いたものに。トッポBJ Rの象徴的部分だっただけにここは残念か。リアのハッチはムーブと同じく左右方向へ開閉する。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンは4気筒ターボのみ。4A30型直列4気筒DOHC20バルブインタークーラー付きターボエンジンの最高出力は64ps(47kW)/7000rpm、最大トルクは10.2kg・m(100N・m)/3500rpm。
トランスミッションは4ATまたは5MTで駆動方式はFFか4WD。SOHCの60馬力仕様は「M-T」グレードに存在したが、外見は同じなので注意するように。
この4気筒DOCHターボはミニカ・ダンガンから続くツインスクロールターボで、4気筒ターボ好きにはたまらないエンジンだ。ただし、排気ガス規制をクリアできなかったため2002年9月マイナーチェンジで4A30型は消滅。ターボモデル自体が無くなり、このRグレードも終了となっている。
トッポBJ Rの燃費は悪い
高性能ゆえに燃費性能は良くない20バルターボだが、これに4ATと4WDが組み合わされたモデルではさらに燃費が悪く、街乗りでもリッター10に届かない。
調子に乗ってガンガン高回転まで回すとみるみる燃料計のハリが減ることもしばしば。そのためガソリン代は普通車並と考えたほうが良い。
トッポBJ 4ATの不具合、トラブルや故障とリコールについて
この年代の三菱の軽自動車に搭載された4ATはリコールレベルの不具合がある。これはトッポBJに限った話でなく、同年代の2代目パジェロミニ、eKワゴン、eKスポーツ、アイの4ATでも同様の不具合が見られる。
内容はバルブボディという部品に不具合が生じて変速が上手く行われにくくなる。これが発病すると冷間時に1速から2速へシフトアップするときに、ムチウチのような大きな変速ショックが発生したり、後退(バック)ができなくなる。10分程度走ると不具合は消えるのだが、これを放置すると最悪ミッションが壊れて自走不可となる。
バルブボディまわりを交換や修理しすると治るケースがある(直らない場合はATのコンピュータ交換か、ミッション載せ替えが必要)。可能であればミッションそのものが故障し、高額修理となる前に修理することをオススメする。
中古で購入する場合は、4AT搭載のトッポBJでこれら変速ショックが無いか確認すること(※5MTはこのような故障の事例は無いのでできればマニュアル車をオススメする)。格安で購入しても修理に多額の費用がかかるとかなり痛い。
なお、平成26年10月24日にはこのバブルボデーに関するリコールが三菱自動車から出ており、対策品に交換した場合は安心だが、未交換の場合は故障しやすいので要注意である。
インテリア(内装)
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インパネ。デザインはベースとなった8代目ミニカと同じで、同年代のワゴンRやムーヴなどと比べると内装はチープ感がある。ステアリングも最上級グレードながらウレタンステアリングとなっており、エンジンにコストが掛かっていたのが内装からうかがえる。
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AT仕様では後期型でコラムシフトとなった。
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スピードメーターはタコメーター付きの3眼式だが、ミニカをベースとしたスピードメーターで、デザインが少し古い。タコメーターのレッドゾーンは8000rpmからで4気筒ツインカムエンジンゆえの仕様となっている。
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MTは引き継ぎ同じデザイン。
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フロントシートはAT仕様時がベンチシートタイプ。MT仕様では前期同様にセパレートタイプとなり、スポーツモデル専用のシート表皮となる。
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後部座席は広め。
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ラゲッジルーム。
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リアシートを倒した状態。
まとめ
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トッポBJという車種は、今のトールワゴンブームを先行しその室内空間に定評があったが市場では他社に比べて人気がなく、ワンランク安く購入することができる。
このターボモデルに関してはもともとタマ数が少なくかつマニュアルとなると希少車となるだろう(女性ユーザーが多かったためと推測される)。
ただその分、他人と被ることはないので個性的なスポーツモデルを探している人には良いだろう。室内空間はワゴンRやムーブより上だしさらに安いとなれば一考の価値ありか。トッポBJのターボモデルは個性的でスポーティーなワゴンタイプを探している人に良いだろう。
なお、トッポBJは2004年5月に生産終了した後、ekワゴンをベースとして2008年9月に「トッポ」として復活。再びミニカトッポ時代と同じようにフェンダーから後ろを取って付けたようなデザインに先祖返りした。
ただ、この時代ではタントやスペーシアに加えN BOXなど競争が激化。設計の古い2代目eKワゴン&トッポBJベースではライバルに太刀打ち出来ず、新型車「eKスペース」を誕生させることとなる。
コメント
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復活前からあった以前のトッポって、4気筒エンジンあったんですか…
4気筒のターボ、5MTとは自分のストライクゾーンを突いてます。
やはり、少し前の方が面白い車はたくさんありそうですね。
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Mizatさん、こんばんは。
4気筒ターボに5MTとなると楽しそうですよね(^^)
現行の車でマニュアルとなると、新型コペンとか、今後出てくるホンダのS660などスポーツカーぐらいしかなく、普通の乗用タイプのスポーツモデルとなるとCVTオンリーでマニュアルは設定されない可能性が高いですね(パドルシフトはそれなにり楽しそうですが)。
やはり、一昔前のほうが楽しい車は多いかもしれません。