トッポは三菱のセミトールワゴン型軽自動車。ローデストはそのエアロカスタムモデル(特装車)である。
概要
2008年9月登場の三菱・トッポ。既存のモデル(2代目eKワゴン)をベースにフェンダーから後ろを専用設定。室内空間を広くとった元祖トールワゴン的なモデルである。
今でこそダイハツ・タントやホンダ・N-BOXが売れ筋となったが、トッポの祖先である「ミニカトッポ」は10年以上も前に元祖トールワゴンとして誕生した。
1998年にはベースモデルのミニカから独立し、フルモデルチェンジで「トッポBJ」となるもののトールワゴン全盛期の2004年5月に異例の生産中止となっていた。奇しくも初代タントが大ヒットしていく時期だ。その生産終了から約4年後に、最終モデルのトッポBJの流用と2代目eKワゴンを組み合わせて作らられたのがこの「トッポ」である。
背景としてはタントが異例の大ヒットに加え、当時の自社のeKワゴンでは全高が1550mmに抑えられているため広さが欲しいユーザーに提供できる車種が無いこと、トッポBJの乗り換え時気が迫っていたり、当時のスズキやホンダの相次ぐフルモデルチェンジに対向するための新型車種投入とされている。
トッポでは上述のとおり2代目eKワゴンをベースに室内空間を専用設計。元祖の「ミニカトッポ」とまったく同じ手法でフェンダーから前はeKワゴン。フェンダーから後ろの居住空間だけ別物とし新型車として登場させた。
その一方で室内空間は専用設計(正確にはトッポBJを流用)したことにより室内高はeKワゴンより100mm以上アップの1430mmを確保。
あえて全高を抑えていたベースの2代目eKワゴンよりも開放的な室内空間とした。その一方でヒッポポイントはeKワゴンゆずりの低めに設定することで車両重心を抑え、コーナーでもロールの少ない安定した走りを実現した。
外観はスポーティーなeKスポーツがベース。標準モデルとは異なる専用アクリルフロントグリルやeKスポーツ用のヘッドライト(プロジェクター式)を採用することでボディスタイルにあわせた箱型感と上級感を演出した。
内装では2代目eKスポーツ用のブラックインテリアを採用。インパネシフトとセンターパネルも流用し、センターパネルをシルバー塗装とすることで機能性とプレミアム感を与えた。
快適装備としては「UV&ヒートプロテクトガラス」、「消臭天井」、「脱臭機能付クリーンエアフィルター」を最廉価のSグレードを除いて標準装備。また、2代目eKワゴンゆずりの豊富な収納スペース(アッパーボックス、グローブボックス、アンダートレイ、サングラスホルダー)を設定し利便性を向上。
また、ラゲッジルームにもバックドアポケットやラゲッジサイドボックスなど設定し、使い勝手のよいラゲッジルームとした。
安全装備としては衝突安全強化ボディ(RISE)の採用やフロント3点シートベルト、離脱式衝撃吸収ステアリングコラム、ブレーキペダル後退抑制機構などを採用することにより、前面衝突時の乗員保護性能に配慮。
エンジンは2代目eKワゴンと同じ3G83型3気筒SOHCエンジンと同インタークーラー付きターボエンジンの2種類を設定し、4ATまたは3AT(Sグレード)を設定。「トッポ」は元祖ミニカトッポの時と同じように既存の部品と新設計のパーツを組み合わせ広い室内空間を確保したモデルとなっている。
トッポローデストの特徴と標準トッポとの違い
そのトッポをベースにエアロパーツ(エアダム)や専用メッキフロントグリルなどでカスタムしたのがこの「ローデスト」だ。
ローデストは三菱の普通車のカスタムモデルと同じく内外装にROADSTの専用パーツを与えた特装車で、外装では専用フロントメッキグリル、専用フロントエアダム、ルーフスポイラー、ROADESTデカール、オプション設定でターボグレードに専用アルミホイールを設定。
内装ではブラックメタリックの専用センターパネルを特別装備し、内外装でトッポのスポーティ感をアップさせたドレスアップモデルとなっている。
エクステリア
フロントデザイン。ローデスト仕様として専用フロントメッキグリル(ロゴ入り)とバンパー下部に専用フロントエアダムが与えられた。ノーマルモデルも十分スポーティな顔つきだったがメッキグリルによりカスタム感とエアダムパーツによりスポーティ感がアップしている。
ヘッドライトにはロービーム側にディスチャージヘッドランプが標準装備となる。この他フォグランプも標準装備。
サイド。ローデスト仕様としてサイドアンダーエアダム(ROADESTデカール付き)が与えられた。
足元はベースモデルと同じ自然吸気エンジンは13インチフルホイールキャップ。
ターボ仕様では14アルミホイール。
さらにターボ仕様のみオプション設定でROADESTの専用14インチアルミホイールとなる。
リア。ローデスト仕様としてリアスポイラーを標準装備。バックゲート右下には「ROADESTデカール」が付く。
エンジン・機能
エンジンは3G83型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付きターボエンジンの2種類。自然吸気エンジンは最高出力は50ps(37kW)/6500rpm、最大トルクは6.3kg・m(62N・m)/4000rpm。
ターボエンジンは最高出力は64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは9.5kg・m(93N・m)/3500rpm。トランスミッションは4ATのみで、駆動方式はFFまたは4WDとなる。この点はベースとなった2代目eKスポーツと同じものである。
先代のトッポBJ時代には4気筒ターボが存在したが、排ガスの関係で製造できなくなり、全グレードでeKスポーツと同じSOHCの3G8型3気筒エンジンが採用されている。ABSとEBDは標準装備。
インテリア
インパネ。ローデスト仕様としてブラックメタリックのセンターパネルが与えられている。
ルームランプ付近にはサングラスホルダー。
ステアリングは本革巻ステアリングホイール。
スピードメーターは全グレードでアナログタコメーターとデジタルスピードメーターのハイブリッドタイプ。
エアコンはマニュアル式エアコン。
フロントシートはベンチシートタイプ。センターパネル以外はベースモデルと同じベンチシートとなる。
リアシート。スライド機構は非装備。
ラゲッジルーム。
リアシートを倒した状態。
まとめ
トッポの特装車、ローデストはスポーティなトッポをベースにエアロパーツと専用フロントメッキグリル等によりカスタム感とスポーティ感をアップさせたカスタムモデルである。
トッポそのものは背の高いワゴンでありながらベースはekワゴンなので腰高感がかなり抑えられおり、流用して作った割には意外とよく出来たモデルである。
その一方でこの手のライバルともいうべきタントカスタムやN-BOXカスタム、スペーシアカスタム等に劣る部分(シートアレンジや自動ブレーキ、スライドドアや燃費など)もあるため全うから対向するには少し厳しいモデルでもあった。
逆にこの劣る部分にこだわりがないのなら室内空間の広い軽自動車としてよく出てきていて、そのカスタムモデルとして個性的な部分は魅力的に感じることだろう。
中古市場では年数経過により安価な価格帯となっている。これは特に後継モデルのeKスペースカスタム、その後はeKクロス スペースが登場している部分が大きい。激安とまではないかないが、モアスペース系の穴場的なクルマとしてこの手の軽自動車としては購入しやすいモデルである。
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