【初代・後期・カスタム派生モデル】スズキ スペーシア カスタムZ(MK42S型) | シン・軽自動車マニア

【初代・後期・カスタム派生モデル】スズキ スペーシア カスタムZ(MK42S型)

スペーシアカスタム

スペーシアはスズキのトールワゴン型軽自動車。「スペーシアカスタムZ」はその最上級カスタムモデルである。

MK42S_custom_Z (13)

スポンサーリンク

初代 スズキ・スペーシアカスタムとは?

2013年6月にパレットSWの後継モデルとして登場したスペーシアカスタム

ロングホイールベースに新プラットフォームに採用で、クラストップレベルの室内長と驚異的な軽量ボディによる低燃費と軽快な走りが大きな特徴だ。

エクステリアではパレット時代から大きく変更し、オーソドックスかつ親しみやすい顔つきにピラーを立てたボクシースタイルとした。

また、すべてのピラーをブラックアウト化し、かつてのレガシィワゴンのようにガラスを連続させることで開放感を演出した。

インテリアでは使い勝手を考慮した2段タイプとし、かつ上部をブラウンカラー、下部をベージュカラーとした2トーンカラーを採用。さらに質感をアップさせた。

出典:ホンダ認定中古車

メカニズムではパレットに比べて最大で90kgの軽量化を実現。そうのうえで軽くて高剛性な新型軽量衝突吸収ボディのテクト採用で低燃費と高剛性を両立しつつ、広い室内空間も実現した。

エンジンは改良型R06A型を採用。副変速機付きCVTも同時に改良し低燃費と優れた加速性能を実現した。さらに走行抵抗の低減や消音材、振り子式エンジンマウントの採用などで静粛性もアップさせている。

先進技術としてはエネチャージ、新アイドリングストップシステム、エコクールの3つを採用。

快適装備としては後席両側スライドドアに加え、後席左側には軽自動車初となるワンアクションパワースライドドアを採用。

多彩なシートアレンジや170mmスライド可能な左右独立リアシート、最大開口幅1,130mmと、開口高1,110mmの大きな荷室開口部、多彩な収納スペース、ロールサンシェード、キーレスプッシュスタートシステム&カテキン・エアフィルター付のオートエアコンの全グレード標準装備化、リモコンキー連動のリモート格納ミラーを一部グレードに採用するなどパレット時代よりもさらに利便性をアップさせている。

安全装備としてはデビュー当初は設定が無かったが、2013年8月に「レーダーブレーキサポート」などを装着し、衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナル、ESPの4つを採用した。

スポンサーリンク

初代・後期型 スペーシアカスタムZ(MK42S)とは?特徴と、ノーマルモデル、無印カスタムとの違い

その初代スペーシアカスタムに2016年12月。カスタムよりもワンランクアップした押しの強いメッキグリルや最上級内装でより上級感を高めた新グレードが追加された。

それがこの「スペーシア カスタムZ」である。

それまでスペーシアのカスタムモデルといえば2013年6月登場の無印な「スペーシアカスタム」だったが、従来のカスタムに対し

  • 専用大型メッキグリル
  • 新設計の専用ボンネット

を採用しカスタムモデルとさらなる差別化。内装でも

  • ブラック基調インテリア
  • チタンシルバーの加飾

などより個性を強調させ、最上級グレードとしたモデルがこの「カスタムZ」である。

軽乗用車の一般的なモデル構成はノーマルとカスタムの1種類ずつであることが多いが、このカスタムZの登場によりスペーシアは、ノーマル1種類とカスタム2種類の3モデル構成となった。

カスタムZでは上述のとおり従来のカスタムに対しボンネットまわりを新設計。ボンネットフードの位置を高くして張り出しやスクエア感を強調するとともに迫力あるフロントとした。

MK42S_custom_Z (2)

MK42SスペーシアカスタムZのフロントデザイン

MK42S後期型 初代スペーシアカスタムのフロントグリル(2015年5月マイナーチェンジ~)

出典:スズキ認定中古車

これに専用大型メッキフロントグリル、フロントバンパー(LEDイルミネーション付き)などを与え従来のカスタムとは差別化。ほかにもLEDフォグランプ、専用デザインのアルミホイールに専用エンブレムを。

MK42SスペーシアカスタムZの内装

MK42S スペーシアカスタムの内装

出典:スズキ認定中古車

内装ではカスタムZ専用にブラック基調のファブリックシートにドアアームレストとエアコンルーバーリングをチタンシルバー化。

本革巻ステアリングホイールにもチタンシルバーのガーニッシュを付加してブラックとチタンシルバーによる豪華な内装とした。

メカニズムでは後期型(2015年5月以降)のスペーシアカスタムに準じ、改良型のR06A型エンジン、エネチャージやエコクール、アイドリングストップシステムの採用に簡易ハイブリッドのS-エネチャージを全グレードで標準搭載。

FFの自然吸気エンジンモデルで軽トールワゴンとしては驚異的な30.6km/l(JC08モード燃費)を達成。

安全装備としてはステレオカメラによる自動ブレーキシステムの「デュアルカメラブレーキサポート」と「全方位モニター付メモリーナビゲーション」をオプション設定とし、最上級グレードに相応しい装備内容とした。

スペーシア カスタムZのエクステリア(外装)

MK42S_custom_Z (2)

出典:スズキ認定中古車

フロントデザイン。カスタムZではヘッドライトこそ従来通りだが、グリル、バンパー、ボンネットフードを専用設計。ボンネットは従来よりも前方向の高さをアップ。ちょうど初代スティングレーを作ったときと同じように張り出しを大きくした。

さらにグリルは上部のラインとラジエーター付近には大型の3連グリルを設けて存在感をアップ。バンパーそのものもエアロ形状を取り入れスタイリッシュな顔つきとした。

MK42S_custom_Z (9)

出典:スズキ認定中古車

このほかヘッドライドは標準でディスチャージヘッドライト(ハイロー切り替え式)となり、フォグランプもLED仕様となる。フォグランプ下にはLEDイルミネーションも備わりドレスアップもなされている。

MK42S_custom_Z (3)

出典:スズキ認定中古車

サイド。カスタムZではボンネット形状を変更しフードを高くしたため、フロントにかけてのサイドビューがわずかに変化している。ターボ仕様ではメッキドアハンドルを標準装備。

custom_z_slide_door.jpg

スライドドアは両側パワースライドドア(イージードアクローザー付き)となり、標準で左側が(ワンタッチで動作する)ワンアクションパワースライドドア、ユーティリティパッケージ選択時は両側がワンアクションパワースライドドアとなる。

MK42S_custom_Z (27)

出典:スズキ認定中古車

自然吸気エンジンでは14インチアルミホイール。

MK42S_custom_Z (0)

出典:スズキ認定中古車

ターボ仕様では15インチアルミホイールとなる。

MK42S_custom_Z (20)

ボディカラーは新色の「ブリスクブルーメタリック」を含む全7色の設定。これ以外にブルー、イエロー、レッド系にはブラック2トーンルーフ仕様を設定し、合計で10パターンとした。

MK42S_custom_Z (4)

出典:スズキ認定中古車

リア。このあたりはノーマルのカスタムとほぼ同じ。コンビランプはクリアータイプでストップランプはLED仕様。ルーフスポイラーとエアロバンパーが備わる。これに加えカスタムZではブラックメッキバックドアガーニッシュと

MK42S_custom_Z (12)

出典:スズキ認定中古車

「Z」の専用エンブレムが付く。

エンジン・機能装備・安全装備など

MK42S_custom_Z (23)

エンジンは改良型のR06A型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付きターボ仕様の2種類。

自然吸気エンジンでは最高出力52ps(38kW)/6500rpm、最大トルク6.4kg・m(63N・m)/4000rpm。

ターボエンジンは64ps(47kW)/6000rpm最高出力、最大トルク9.7kg・m(95N・m)/3000rpm。

これにモーター機能付発電機(ISG)と専用リチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッド仕様となる。トランスミッションは全グレードでCVT(副変速機付き。

ただし軽トラのような切り替えはできず内部で自動に切り替わる)。駆動方式はFFまたは4WDの2種類。

S-エネチャージを導入したことでこの手の軽自動車としは初のリッター30を越え、カタログ燃費は自然吸気エンジンのFFモデルで30.6km/lを達成。同4WD仕様でも29.0km/lと、同年式のライバル(タントカスタムN-BOXカスタム等)大きく引き離している。

安全装備としては前期でオプションまたは一部グレード別設定だった「レーダーブレーキサポート」を進化させ、ステレオカメラによる自動ブレーキシステムの「デュアルカメラブレーキサポート」をオプション設定。

それまでのレーダーを用いたシステムからスバルのアイサイトと同様の2台のステレオカメラ(デュアルカメラ)を用いたシステムに進化。

約5km/hから約100km/hの速度域で車両や歩行者を検知し、警報や自動ブレーキで衝突の回避、または衝突時の被害軽減を図るシステムで、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能などがセットで備わる。

mk42s_custom_radar_breake_supprot.png

特に前方衝突警報機能は軽自動車としては異例の100km/h程度でも動作。オプション価格として5万ほどアップとなるが、予算に余裕があるのなら是非とも付けたいオプションだ。

これ以外ではエマージェンシーストップシグナルとESP(車両走行安定補助システム)がメーカーオプション設定(デュアルカメラブレーキサポートオプションではこの2つが含まれる)。ヒルホールドコントロールは全グレード標準装備。

custom_z_monitor.jpg

さらに便利な全方位モニターもオプション設定とした。

スペーシア カスタムZのインテリア(内装)

MK42S_custom_Z (11)

出典:スズキ認定中古車

インパネ。カスタムZではエアコンルーバーリングとステアリングガーニッシュをチタンシルバーとし上級感を与えた。エアコンはオートエアコンで、ユーティリティパッケージ選択時にはエアコンがナノイー仕様となる。

MK42S_custom_Z (7)

出典:スズキ認定中古車

さらにターボ仕様では本革巻ステアリングホイールとなる。

MK42S_custom_Z (8)

出典:スズキ認定中古車

スピードメーター。カスタムZではメーターパネルのデザインが小変更され、文字盤にホワイトの背景が追加されたカスタムZ専用メーターとなる。

エコ運転のLED表示も若干大人し目になっている。これ以外は従来どおり。

custom_z_multi_infomation.jpg

文字盤右側はマルチインフォメーションディスプレイとなり、エネチャージの動作状況をアニメーションで表示。

また、スピードメーター上部には発光色(ブルー、グリーンなど)でエコドライブ度をドライバーに示す「ステータスインフォメーションランプ」が備える。

MK42S_custom_Z (21)

収納スペースはそれほど多くないが、ワゴンR伝統の助手席シートアンダーボックスに加え運転席と助手席の両方にインパネドリンクホルダー、助手席にインパネトレー、フロントシート中央部にフロントアームレストボックスを設置。

MK42S_custom_Z (24)

出典:スズキ認定中古車

フロントシートはベンチシートタイプ。カスタムZ専用のブラックファブリックシート表皮となる。ドアアームレストはインパネなどと同じくチタンシルバー仕様。

MK42S_custom_Z (25)

出典:スズキ認定中古車

リアシート。スライド機構付き。

MK42S_custom_Z (28)

出典:スズキ認定中古車

後部座席には強い日差し時に役に立つ「ロールサンシェード」を標準装備。ユーティリティパッケージ選択時には「プレミアムUV&IRカットガラス」も装着される。

MK42S_custom_Z (5)

出典:スズキ認定中古車

ラゲッジルーム。

MK42S_custom_Z (6)

出典:スズキ認定中古車

リアシートを倒した状態。

スペーシア カスタムZの総評

MK42S_custom_Z (19)

後期型スペーシアのカスタムZは、それまでのカスタムとは異なる専用の大型メッキグリル、ボンネットフード、エアロバンパーやアルミホイール。内装でもブラックインテリアとチタンシルバーの加飾により豪華なカスタムモデルとなっている。

それまでのスペーシアカスタムは(前モデルのパレットSWも含め)どちらかというと同時期のワゴンR・スティングレーの背を高くしたようなフロントデザインだった。が、このカスタムZではそれを払拭し高級ミニバンのような押しの強い顔つきに変化した。

【3代目 後期型 特別仕様車】タント カスタムX トップエディションリミテッドSAⅢ(L600S/L610S型)

【2代目・後期型】ホンダ N-BOX カスタム Lコーディネートスタイル/Lターボ コーディネートスタイル(JF3/JF4型)概要解説
N-BOXはホンダのトールワゴン型軽自動車。N-BOXカスタムはそのカスタムモデルである。本稿ではJF3およびJF4型の2020年12月マイナーチェンジ以降の後期型に設定された上級グレードの「コーディネートスタイル」を扱う。出典:ホンダ認定...

ライバルのこの手のモデル(タントカスタム・トップエディションN-BOXカスタム)では同様に押しの強い個性的なフロントデザインとなっているため、スズキでもこれに対向する形で販売促進のテコ入れモデルとしたのかもしれない(※2代目スペーシアカスタムは、このカスタムZのデザインを取り入れたモデルへ進化している)。

【2代目】スズキ スペーシアカスタム(MK53S型) グレード一覧・概要解説

中身は初代後期マイナーチェンジ後の低燃費を実現するS-エネチャージ、自動ブレーキのデュアルカメラブレーキサポートをオプション設定で選べるなど、同年代のライバル他社には無い優位性や魅力的な装備内容があるため、顔つきが気にいれば素直にオススメできる1台である。

中古市場では初代スペーシアのカスタムZは希少 タマ数が少なめ

中古市場ではまだまだ新しいモデルのためかなり高い。ただし、2代目よりもデザインなどが気に入ればS-エネチャージによる加速や燃費、自動ブレーキの性能も良いため価格相応の価値はある。

初代スペーシアのカスタムZはモデル終盤に追加、1年間という販売期間も短期だったためかなりタマ数が少なく、希少モデルでもある。

2代目モデルでは箱型ボディにより豪華なデザインで改良されるが、初代終盤に追加のカスタムZでも充分スタイリッシュで、現行モデルに引けを取らないデザイン性に加え、マイルドハイブリッドのS-エネチャージや先進安全装備の「デュアルカメラブレーキサポート」もそこそこ強力なので、デザイン重視なら初代のカスタムZという手もアリ。

コメント