スペーシアカスタムはスズキのトールワゴン型軽自動車。スペーシアのカスタムモデルで、「J スタイル」は前期モデル(2013年6月~2015年4月まで)の後半で設定された特別仕様車である。
出典:ガリバー
初代 スズキ・スペーシアカスタムとは?
2013年6月にパレットSWの後継モデルとして登場したスペーシアカスタム。
ロングホイールベースに新プラットフォームに採用で、クラストップレベルの室内長と驚異的な軽量ボディによる低燃費と軽快な走りが大きな特徴だ。
エクステリアではパレット時代から大きく変更し、オーソドックスかつ親しみやすい顔つきにピラーを立てたボクシースタイルとした。また、すべてのピラーをブラックアウト化し、かつてのレガシィワゴンのようにガラスを連続させることで開放感を演出した。
インテリアでは使い勝手を考慮した2段タイプとし、かつ上部をブラウンカラー、下部をベージュカラーとした2トーンカラーを採用。さらに質感をアップさせた。
メカニズムではパレットに比べて最大で90kgの軽量化を実現。そうのうえで軽くて高剛性な新型軽量衝突吸収ボディのテクト採用で低燃費と高剛性を両立しつつ、広い室内空間も実現した。
エンジンは改良型R06A型を採用。副変速機付きCVTも同時に改良し低燃費と優れた加速性能を実現した。さらに走行抵抗の低減や消音材、振り子式エンジンマウントの採用などで静粛性もアップさせている。
先進技術としてはエネチャージ、新アイドリングストップシステム、エコクールの3つを採用。
快適装備としては後席両側スライドドアに加え、後席左側には軽自動車初となるワンアクションパワースライドドアを採用。
多彩なシートアレンジや170mmスライド可能な左右独立リアシート、最大開口幅1,130mmと、開口高1,110mmの大きな荷室開口部、多彩な収納スペース、ロールサンシェード、キーレスプッシュスタートシステム&カテキン・エアフィルター付のオートエアコンの全グレード標準装備化、リモコンキー連動のリモート格納ミラーを一部グレードに採用するなどパレット時代よりもさらに利便性をアップさせている。
安全装備としてはデビュー当初は設定が無かったが、2013年8月に「レーダーブレーキサポート」などを装着し、衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナル、ESPの4つを採用した。
初代スペーシアカスタムとスペーシアの違い
そのスペーシアのカスタムモデルである「スペーシアカスタム」は標準モデルに対し、内外装でスタイリッシュな専用品を与えた上級モデルとなる。
ダイハツでいうところの「タントカスタム」、ホンダでは「N-BOXカスタム」に相当するもので、押しの強いフロントデザインやアルミホイール、ターボエンジン、ブラック内装などが大きな特徴だ。
MK32S型前期 スペーシアカスタム
出典:スズキ認定中古車
MK32S前期型 スペーシアカスタムのフロントグリル
出典:ホンダ認定中古車
具体的にはエクステリアで
- LEDポジションランプ内蔵のヘッドランプ
- スケルトン構造の専用フロントグリル
- 専用エアロバンパー
- 専用サイドアンダースポイラー
- ルーフエンドスポイラー
- 専用アルミホイール
- 専用LEDスモークドコンビランプ
- 専用バックドアガーニッシュ
を。


MK32S前期型 スペーシアのインテリア


MK32S前期型 スペーシアカスタムのインテリア 内装
インテリアでは
- ピアノブラック調塗装のオーディオガーニッシュ
- ドアアームレスト
- ブラック縫製専用シート表皮
- シルバー加飾のエアコンルーバーリング
- インサイドドアハンドル
- 革巻きステアリングホイール
を。
機能装備としては
- LEDイルミネーション付きアンサーバック機能
- トップシェード付のフロントガラス
- 後席両側ワンアクションパワースライドドア(※XSとTSにオプション設定)
- 照明付の運転席及び助手席バニティーミラー(※XSとTSグレードのみ)
- マルチリフレクターフロントフォグランプ
- LEDサイドターンランプ付ドアミラー
- フロントスタビライザー
- フロントベンチレーテッドディスクブレーキ
を標準装備。
さらにエンジンは自然吸気エンジンのほか、ターボエンジンも設定し力強い走りも実現したカスタムにふさわしいモデルとなっている。
MK32S型とMK42S型スペーシアカスタムの違い
型式MK32S型のスペーシアとMK42S型との違いは「エネチャージかS-エネチャージ」、「グリル周りのデザイン」、自動ブレーキを選択時は「レーダーブレーキサポートかデュアルカメラブレーキサポート」の違いなどがある。
MK32S前期型 スペーシアカスタム
出典:ホンダ認定中古車
MK32S型は2015年4月以前の初代スペーシアでこれを前期型と称することが多い。
MK42S後期型 初代スペーシアカスタムのフロントグリル(2015年5月マイナーチェンジ~)
出典:スズキ認定中古車
一方、MK42S型は2015年5月以降のマイナーチェンジ~のモデルで後期型と呼ばれる(※スペーシアカスタムのターボは少し遅れて2015年8月以降)。
「S-エネチャージ」は2代目スペーシアや2代目ハスラーなどでも採用される「マイルドハイブリッド」の一つ前のシステム。
それまでのエネチャージと比べて発電と駆動補助を兼用する「発電機能付きオルタネーター」の採用でエンジンを簡易的にアシストし、ターボ無しモデルでも力強い加速を(一定時間)行えるのが大きな特徴だ。
特に街乗りでの発進加速、登り坂、追い越し加速において効果を発揮しそれ以前のモデルよりも格段に乗りやすくなっている。
スペーシアカスタム Jスタイルとは?特別装備やXSグレードとの違いなど
その初代スペーシアカスタムに2014年12月。日本をテーマにした和のデザインの華やかなゴールド加飾を内外装に採り入れ、装備を充実させた特別仕様車が設定された。
それがこの「スペーシアカスタム Jスタイル」である。
出典:スズキ認定中古車
Jスタイルでは自然吸気エンジン・上級グレードの「カスタムXS」グレードをベースにエクステリアでは
- Jスタイル専用ゴールドメッキフロントグリル(スケルトン仕様)
- LEDイルミネーション(フロントバンパー)
- 専用色LEDサイドターンランプ付ドアミラー[ゴールド]
- 専用デカール(ボンネット、ボディーサイド)※1
- 専用色アウタードアハンドル[ゴールド]
- 専用ゴールドメッキバックドアガーニッシュ
- J STYLEエンブレム(左右フロントフェンダー)
- LEDフロントフォグランプ
- 15インチアルミホイール
- プレミアムUV&IRカットガラス(フロントドア)
- バックアイカメラをメーカーオプション設定
ボディカラーは
- ブルーイッシュブラックパール3
- フェニックスレッドパール
- ミステリアスバイオレットパール ※有料色
- パールホワイト ※有料色
の4色のみを設定。
インテリアでは
- ゴールドインテリア
(ドアアームレスト、ステアリングガーニッシュ、ステアリングステッチ、メーターリング) - 専用ファブリックシート表皮
- 専用フロアマット
- 運転席・助手席バニティーミラー[チケットホルダー・照明付]
機能装備では
- リモート格納ミラー
- 専用携帯リモコンカバー(Jスタイルロゴ入り)
- 運転席・助手席シートヒーター
- 後席両側ワンアクションパワースライドドア[挟み込み防止機構付]
- ステアリングオーディオスイッチ
などを特別装備。ゴールドによるアクセントカラーで豪華や華やかさを与えた特別仕様車となっていた。
エクステリア
出典:スズキ認定中古車
フロントデザイン。スペーシアカスタムは専用ディスチャージ式ヘッドライト、スケルトングリル、エアロバンパーなどでスポーティな顔つきが特徴。
Jスタイルではこれにプラスしてゴールドメッキ仕様のフロントグリル、ボンネットデカール、LEDイルミネーション、LEDフォグランプ、プレミアムUV&IRカットガラス(フロントドア)を特別装備する。
ノーマルとは異なるゴールドによるアクセントカラーで華やかさや個性が強調される。特にメーカー純正でゴールドのボンネットデカールを採用するのは珍しく、希少なモデルともいえる。
出典:スズキ認定中古車
サイド。ハイト系らしく全高は高め。スペーシアではサイドドア、リアドア、クォータードアにかけてドアモールをブラックアウトとすることで、連続した開放的なイメージを与えている。
Jスタイル仕様としてゴールド塗装のLEDターンランプ付きドアミラー、サイドデカール、ゴールド塗装フェンダー部にJスタイルエンブレムを特別装備。
機能装備としてXSではオプション設定の右側後方パワースライドドアも標準装備とし、利便性を向上させている。
足元はXSとGSが14インチアルミホイール。サイズはともに155/65R14。
出典:ホンダ認定中古車
足元はJスタイル仕様としてターボグレード用の切削加工15インチアルミホイールを採用。サイズは165/55R15。
出典:スズキ認定中古車
リア。カスタム仕様ではコンビランプも変更され、スモークタイプのLEDクリアーコンビランプとなる。
さらにカスタムではリアガーニッシュとルーフエンドスポイラー、カスタム専用エンジンエンブレムがリアドアに貼り付けられる。
リア周りのJスタイル専用品として「専用ゴールドメッキバックドアガーニッシュ」を採用。バックアイカメラをメーカーオプション設定としていた。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンは改良型R06A型の3気筒自然吸気エンジンのみでターボが非設定。
自然吸気エンジンの最高出力は52ps(38kW)/6000rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/4000rpm。
全モデルにエネチャージシステムと新アイドリングシステムを搭載。トランスミッションはスズキではお馴染みになった副変速機付きCVT、駆動方式はFFと4WD。ABSは全グレードに標準装備。
自動ブレーキ関連では「レーダーブレーキサポート装着車」モデルでは衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナル、ESPの4つが標準装備となる。
インテリア
出典:ガリバー
インパネ。スペーシアカスタムではブラックを貴重にシルバー塗装のアクセントで上級感やスポーティー感を演出している。
Jスタイル仕様としてインパネのエアコンルーバーリングとルーバーガーニッシュをゴールド塗装。フロアマットがJスタイルロゴ入りの専用品となる。
出典:ガリバー
ステアリングはJスタイル仕様としてゴールドステアリングガーニッシュ付きの本革巻きステアリングを採用。ステアリングスイッチも標準で付く。
エアコンは全グレードでフルオートエアコン。シフトはインパネシフト。
スピードメーターはタコメーター付きの3眼式メーター。エコドライブアシスト照明付きで燃費運転に向上する。
Jスタイル仕様としてメーターパネル内のメーターリングがゴールド塗装となる。
出典:ガリバー
Jスタイル仕様として、リモコンキーカバーもロゴ入りの専用品が付く。
出典:ガリバー
フロントシートはベンチシートタイプ。金色をあしらったJスタイル専用ファブリックシート表皮を採用し、ノーマルモデルよりも特別感を高めた。
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さらにドアアームレストはJスタイル専用のゴールド塗装品を採用する。
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リアシート。170mmのスライド機構と5段階のリクライニングが付く。
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ラゲッジスペース。
出典:ガリバー
リアシートを倒した状態。
まとめ
初代・前期スペーシアカスタムに設定された特別仕様車の「Jスタイル」はゴールド仕様のグリルやデカール、ドアミラーカバー、ゴールドインパネや専用シート表皮、フロアマットなどを採用し、内外装でゴールドによる華やかさを強調した特別仕様車である。
ノーマルモデルのメッキ加飾やシルバー塗装とは異なる雰囲気が特徴で、より個性を求めたい人や特別感が欲しい人には嬉しい仕様だった。さらに機能装備としてベースグレードにオプション設定の右側後席パワースライドドアが標準装備となる点も嬉しい。
中古市場ではタマ数が少なくレアなモデル。兄弟モデルのマツダ・フレアワゴンカスタムスタイルにも非設定なため、スズキ版だけの特別仕様車である。

なお、Jスタイルは同時期にワゴンRスティングレーにも設定され、同じくゴールド加飾による華やかさや特別感を演出したモデルとなっていた。

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