レアワゴンはマツダのトールワゴン型軽自動車。「フレアワゴン カスタムスタイル:はそのスポーティモデルで、スズキ・スペーシアカスタムのOEMモデルである。本稿では2代目の2013年7月~2015年5月までを前期型とし、これを扱う。
出典:マツダ認定中古車
マツダ 2代目・フレアワゴンとは?
2013年7月に登場したマツダ・フレアワゴン。
マツダの軽自動車は全車スズキからOEM供給を受けているが、「フレアワゴン」はワゴンRのOEMモデルであるフレア(旧称:AZワゴン)よりも背の高いスーパートールワゴンとして2012年6月にパレットのOEM供給を受け初登場。
本稿で扱う2代目はベースモデルのパレットがフルモデルチェンジし、スペーシアに移行後の2ヶ月あとにOEM供給されたモデルだ。
スズキではパレットからスペーシアへ名称変更が行われたがマツダ版ではそのまま継続。AZシリーズに変る新世代、フレアシリーズのモアスペース系軽自動車である。
2代目フレアワゴンでは新プラットフォームを採用し、先代よりも室内長(2070→2215m)、室内幅(1280→1320mm)、室内高(1365→1375mm)のすべてを拡張。
開放的な空間を確保しつつも最小回転半径は4.2m(※13インチタイヤ装着モデル)におさえ取り回しの良さを両立させた。
デザインはそれまでの個性的な顔から女性受けしやすいファニーよりベーシックかつシンプルな顔つきに変更し、この手のユーザーを意識したものとしている。
便利機能としては電動パワースライドドアにワンアクションパワースライドドアの追加装備(XSグレード)や、スライドドアイージークローザーなどを全グレードで標準装備。
便利機能としては後部座席にロールサンシェードをXSグレードに装備するなど安全性や快適性を向上させた。
メカニズムではエネチャージを採用し減速時に回生発電を行うことでエンジンの発電負担を軽減。またアイドリングストップやエコクールも採用して低燃費と快適性を両立した。
2代目フレアワゴン カスタムスタイルとは?
出典:マツダ認定中古車
そのカスタムモデルであるフレアワゴンカスタムスタイルは、フレアワゴンに対し専用ヘッドライト、専用グリルに専用バンパー、サイドアンダースカート、リアスポイラーにアルミホイール。
内装ではブラックインテリア等の採用し、ターボエンジンを設定するなどスポーティに仕立てたモデルである。
こちらもスズキ・スペーシアカスタムのOEMモデルとなるが、ベーシックなフレア(ワゴンRのOEMモデル)とは異なりマツダ仕様の変更点はエンブレムのみで、それ以外はまったく同じモデルとなっている。
2代目フレアワゴン カスタムスタイル(MM32S)と初代スペーシアカスタム(MK32S)の違いなど
マツダの2代目フレアワゴン カスタムスタイルとスズキ・初代スペーシアカスタムとの違いはエンブレムのみで、基本的な内外装は同じ。
ただしグレード展開が一部異なり、初代スペーシアカスタムに設定の廉価グレード「GS」がフレアワゴンカスタムスタイルには非設定で、上級のXSとターボ仕様XTの2種類のみとなる。
また、スペーシアカスタムに設定のオプションカラー「スチールシルバーメタリック」もマツダでは非設定となるなど、一部仕様やグレード展開が異なる。
2代目フレアワゴン カスタムスタイルのグレード一覧 XG、XS、XTの違いなど
2代目フレアワゴン カスタムスタイルのグレード展開は自然吸気エンジン・上級「XS」、上級ターボ仕様「XT」の2種類のみ
特別仕様車の設定は無し。
XS
2代目・フレアワゴン カスタムスタイルの自然吸気エンジンの上級グレード。スペーシアカスタム「XS」のOEMモデル
エクステリアには
- メッキドアハンドル
- LEDフォグランプ
- カスタム専用グリル(LEDイルミネーション付きスケルトングリル)
- エアロバンパー
- LEDターンランプ付きドアミラー
- サイドアンダースポイラー
- リアスポイラー
- バックドアガーニッシュ
- 14インチアルミホイール
など標準装備。インテリアでは
- 運転席&助手席バニティミラーが照明付き
- 本革巻きステアリング
- フロントオーバーヘッドコンソール
を標準装備。
快適装備では「後席左側ワンアクションパワースライドドア」を標準装備(後席右側はオプション設定)。
快適装備は「6スピーカーシステム」、「ロールサンシェード」、「フルオートエアコン」などが付く。
XT
XSグレードをベースにターボエンジンを搭載した最上級グレード。
スペーシアカスタム「TS」のOEMモデル。
XTでは「切削加工15インチアルミホイール」と「ワンアクションパワースライドドア」が両側に標準装備となる。
2代目フレアワゴン カスタムスタイルとフレアワゴンとの違い
そのカスタムモデルである「フレアワゴン カスタムスタイル」は標準モデルに対し、内外装でスタイリッシュな専用品を与えた上級モデル。
ダイハツでいうところの「タントカスタム」、ホンダでは「N-BOXカスタム」に相当するもので、押しの強いフロントデザインやアルミホイール、ターボエンジン、ブラック内装などが大きな特徴だ。
MK32S型前期 スペーシアカスタム
出典:スズキ認定中古車
MK32S前期型 スペーシアカスタムのフロントグリル
出典:ホンダ認定中古車
具体的にはエクステリアで
- LEDポジションランプ内蔵のヘッドランプ
- スケルトン構造の専用フロントグリル
- 専用エアロバンパー
- 専用サイドアンダースポイラー
- ルーフエンドスポイラー
- 専用アルミホイール
- 専用LEDスモークドコンビランプ
- 専用バックドアガーニッシュ
を。

MK32S前期型 スペーシアのインテリア

MK32S前期型 スペーシアカスタムのインテリア 内装
インテリアでは
- ピアノブラック調塗装のオーディオガーニッシュ
- ドアアームレスト
- ブラック縫製専用シート表皮
- シルバー加飾のエアコンルーバーリング
- インサイドドアハンドル
- 革巻きステアリングホイール
を。
機能装備としては
- LEDイルミネーション付きアンサーバック機能
- トップシェード付のフロントガラス
- 後席両側ワンアクションパワースライドドア(※XSとTSにオプション設定)
- 照明付の運転席及び助手席バニティーミラー(※XSとTSグレードのみ)
- マルチリフレクターフロントフォグランプ
- LEDサイドターンランプ付ドアミラー
- フロントスタビライザー
- フロントベンチレーテッドディスクブレーキ
を標準装備。
さらにエンジンは自然吸気エンジンのほか、標準フレアワゴンに非設定のターボエンジンも設定し力強い走りも実現したカスタムにふさわしいモデルとなっている。
エクステリア
出典:マツダ認定中古車
ベースはスズキ・スペーシア。ただし、過去のワゴンRのOEM時にみられたマツダ専用の変更点はほとんどなく、エンブレムが変更になっている程度である。
ベースと同じくノーマルとは別の専用ヘッドライトに、クリアータイプのグリルがスポーティで、ワゴンRでいうところのスティングレー(マツダ版はフレア カスタムスタイル)のような直線を意識したシャープなデザインだ。
なお、スズキ版と同じくグリルはLEDが埋め込まれ、イルミネーションのように華やかに光る。
出典:マツダ認定中古車
サイドから。やはりトールワゴンということで全高はかなり高め。ベースからの変更点は特にない。
カスタム仕様としてはサイドアンダースポイラーと
LEDターンランプ付きドアミラーが標準装備となる。
出典:ホンダ認定中古車
足元はXSが14インチアルミホイール。サイズは155/65R14。
出典:ホンダ認定中古車
ターボ仕様のXTのみ専用切削加工な15インチアルミホイールとなり、サイズは165/55R15。
出典:マツダ認定中古車
リア。マツダエンブレムとフレアワゴンのエンブレムが付く以外はベースと同じ。コンビランプもベースのスペーシアカスタムと同じものが付く。
なお、マツダ版ではスペーシアカスタムについていた「エネチャージ」エンブレムが無く、車名のフレアエンブレムのみとなる。
スペーシアカスタムでは前期か後期なのかを「エネチャージエンブレム」または「S-エネチャージエンブレム」の有無で判断できたが、フレアワゴンではこれができず判断が難しい。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンは改良型R06A型の3気筒自然吸気エンジンとターボエンジンの2本立て。
自然吸気エンジンの最高出力は52ps(38kW)/6000rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/4000rpm。
ターボエンジンはエンジン最高出力が64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは9.7kg・m(65N・m)/3000rpm。
全モデルにエネチャージシステムと新アイドリングシステムを搭載。トランスミッションはスズキではお馴染みになった副変速機付きCVT、駆動方式はFFと4WD。ABSは全グレードに標準装備。
自動ブレーキ関連では「レーダーブレーキサポート装着車」モデルでは衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナル、ESPの4つが標準装備となる。
このあたりはスズキと同じ仕様。
インテリア
出典:マツダ認定中古車
インパネ。この点はステアリングのエンブレム以外特に変更ない。
自然吸気エンジンとターボの両方でタコメーター付きの3眼式メーターを採用。エコドライブアシスト照明付きで燃費運転に向上する。
出典:マツダ認定中古車
エアコンは全グレードでフルオートエアコン。シフトはインパネシフト。
出典:マツダ認定中古車
フロントはサイドのサポートが少し付いたベンチシートタイプ。カスタム専用のブラックシート表皮で、中央部には光沢黒色の糸を使うことで高級感を演出している。
出典:マツダ認定中古車
リアシート。170mmのスライド機構と5段階のリクライニングが付く。このほかロールサンシェードも標準装備で、後部座席はかなり快適だ。
出典:マツダ認定中古車
当然ながら足元はかなり広い。
出典:マツダ認定中古車
そしてラゲッジルームは狭い傾向。
出典:マツダ認定中古車
リアシートを倒すとかなり広くなる。なお、リアシートはスライド可能なので、画像の位置よりも前に出してフルフラットにすることも可能だ。
まとめ
2代目フレアワゴン カスタムスタイルはスポーティさとスペースの両方を兼ね備えた軽自動車である。
ベースからの変更点がエンブレム以外ほとんど無いのが残念だが、よく言えば無難なデザインで冒険的な要素もないから、ほぼスペーシアカスタムとして買うことが出来るモデル。
また、どうしても安っぽく見えるスズキのエンブレムよりは、欧州車のイメージがあるマツダのエンブレムのほうが若干の高級感もある。スズキブランドが苦手な人にはマツダバージョンがオススメである。
中古市場ではスペーシアカスタムよりもタマ数は少ないが、年数経過もあり2代目前期型は手頃な価格帯になってきている。
後期モデルではS-エネチャージ搭載で燃費や走りが良くなるが、前期型でも初代モデル(パレットOEM)よりはデキが良くなっているので、中古車でも高い初代N-BOXカスタムよりもお買い得感はある。

コメント