【後期型】スバル ルクラカスタム(L455F/L465F型) | シン・軽自動車マニア

【後期型】スバル ルクラカスタム(L455F/L465F型)

タントエグゼカスタム

ルクラはスバルのトールワゴン型軽自動車。ルクラカスタムはそのカスタムモデルで、ダイハツ・タントエグゼカスタムのOEMモデルである。本稿では2012年1月~2015年5月までを後期型とし、これを扱う。

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画像参照元:スバル認定中古車

概要

2010年4月登場のスバル・ルクラ。ダイハツからタントエグゼのOEM供給を受け、それまでスバルには無かったタントのようなトールワゴン型の軽自動車として誕生した。

既にダイハツからアトレーワゴンをディアスワゴンとしてOEM供給を受けていたが、ミラを2代目プレオとして同時期にOEM供給を受け、ルクラはOEM第3弾であった。

ルクラのベースモデルとなったタントエクゼは、当時の売れ筋となった「タント」の派生モデルとして大人4人がゆったり乗れる高級な軽自動車として開発されたモデルである。

タントの広々とした室内空間はそのままに、スライドドアを廃止しフロントはもとよりリアも上質なシートとしたことで、特にリアシートの座り心地とスペースの広さからくる快適性がウリのモデルであった。

シャーシーこそ共通であるものの、そのコンセプトから室内空間は異なり、タントでは居住空間やシートアレンジを優先したためシート生地が安っぽくなっていた。

が、タントエクゼではその反対にシート生地が上質なものとなっている。また、スライドドアを廃止したためタントよりも60kg程度軽量になっているのがベースのタントとは違う特徴だ。

スバル・ルクラカスタム(L455F/L465F)とダイハツ・タントエグゼカスタム(L455S/L465S)との違い

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そのスバル版である「ルクラ」は、基本的には六連星エンブレムと車名エンブレム以外はベースと同じで、タントエグゼと同じく「大人のタント」といったところ。

メーカー曰く「快適・広々空間のスタイリッシュ・スモール」をコンセプトとするモデルだ。

デビュー当初からダイハツ版と同じくノーマルモデルとカスタムモデルの2種類を設定。カスタムモデルである「ルクラカスタム」は、ルクラをベースに専用ヘッドライト、専用グリル、専用フォグランプ&ウィンカー付きバンパー、アルミホイール、ルーフスポイラー、クリアーコンビランプなどスポーティーな専用パーツにより外観を精悍かつスタイリッシュに仕立てたモデルである(タントエグゼカスタムのOEM)。

内装でもノーマルに対してブラック系のインパネとシート表皮とすることで上級感を演出。ダイハツ同様にルクラシリーズの中でもより男性向けとしたモデルであった。

後期型スバル・ルクラカスタム(L455F/L465F)の改良点と前期との違い

2012年1月にはノーマルのルクラと共にマイナーチェンジし、後期型に。ただし、ベースのタントエグゼよりも1ヶ月おくれてのマイナーチェンジとなった。

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L455F/L465Fルクラカスタム後期のフロント

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L455F/L465Fルクラカスタム前期のフロント

後期ではグリルとバンパーやフォグランプまわりのデザインを変更し、より存在感の大きいデザインへとなったほか、メカニズムではミライースで開発された「e:sテクノロジー」から新エンジンと改良型CVT、停車前アイドリングストップ(エコアイドル)、エコ発電制御を採用したことで大幅な燃費向上を果たした。

また内装ではインパネのセンタークラスターをピアノブラック調に変更し、オーバーヘッドコンソールとセンターフロアコンソールのイルミネーション部分にメッキパーツを加えるなど内装でも上級感あふれるマイナーチェンジとなっている。

エクステリア(外装)

フロントデザインはカスタムらしく、スポーティで精悍な顔つき。ノーマルとヘッドライトの外枠こそ同じだが、内部でハイ・ロー独立式の4灯タイプに変更され、ディスチャージライトを標準装備する。

後期モデルでは新たに大型のメッキグリルを採用。加えてバンパーの開口部に沿うようにメッキパーツを与えフォグランプやウィンカー球まわりも新デザインとしたこで、精悍さとスタイリッシュ感をアップさせた。全体的にはこれこそカスタムというデザインに仕上がった。、

なお、ヘッドライトはカスタム用のハイロー独立タイプで、ロービームは全グレードでディスチャージヘッドライトを標準装備。存在感を大きくしている。

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こちらは前期のルクラカスタム。後期と比べると少し大人しめなデザイン。フォグランプのデザインも前期と後期では異なり、前期は角型。後期は丸型となる。

サイドから。タントとシャーシーを共有する兄弟車種なので、全高はかなり高め。なお、タントと違ってターゲットを「大人4人が快適乗れる軽自動車」としてるため、スライドドアは付いていない。

前期同様にスライドドアは非装備。全グレードでLEDターンランプ付きドアミラーとサイドアンダースカートを標準装備。セキュリティーアラームも標準搭載。

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足元はアルミホイールを標準装備。RSに標準装備の15インチとRグレードでは従来通りのデザインだが、

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Rミリテッド(タントエグゼカスタムではGグレードに相当)では14インチの新デザインとなる。

リアから。3代目タントのような縦型のクリアーコンビランプを備える。なお、写真は後期型のコンビランプで、ストップランプがLED仕様となる。ベースと変更点は六連星エンブレムとルクラの車名エンブレムのみとなる。

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なお、こちらが前期のリア。コンビランプのテールランプ部分が旧来の電球タイプなのがわかる。

エンジン・機能

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エンジンはKF型の3気筒DOHC自然吸気エンジンとそのターボ仕様の2種類。自然吸気エンジンはグレード名「カスタムR」、ターボエンジンは「カスタムRS」となる。

自然吸気エンジンでは最高出力52ps(38kW)/6800rpm、最大トルク 6.1kg・m(60N・m)/5200rpmを発生。

ターボエンジンは最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルク10.5kg・m(103N・m)/3000rpmを発生する。

トランスミッションは全グレードでCVTのみ、駆動方式はFFまたは4WD。NAエンジンでは上述の通り「e:sテクノロジー」から新エンジンと改良型CVT、停車前アイドリングストップ(エコアイドル)、エコ発電制御を採用したことで大幅に燃費が向上。FFモデルではデビュー当初、21.5km/lだったものが27.0km/lまでアップしている(※ただし、10・15モード燃費)。

その一方でスマートアシストなどの自動ブレーキの設定は一切なく、ABS(EBD&ブレーキアシスト付)が付く程度となっている。これはムーヴコンテと同じく、デビューしたのがまだ自動ブレーキが流行りだす前のためで、その後のマイナーチェンジでも追加されることはなかった。

ターボエンジンに関してはフロントデザインの変更を伴うマイナーチェンジでは自然吸気エンジンと同じ仕様とはならず、遅れて2012年5月マイナーチェンジで「e:Sテクノロジー」を適用。最高出力は64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは9.4kg・m(92N・m)/4000rpmと、特に最大トルクが1.1kg低下した。

これは同時に仕様変更された「後期型ムーヴコンテカスタム」と同じもので、顔つきは同じでもエンジン出力に違いがある点に注意されたい。特に最大トルクが1.1kgも落ちてしまっているので、よりパワーが欲しい人や最大定員の4名乗車をメインと考えている人はよりパワーのある2012年4月まえまでのモデルがオススメだ。

スバル・ルクラカスタム L455FとL465Fとの違い

ルクラカスタムL455FとL465Fの違いは駆動方式にある。L455Fは前輪駆動のFFモデル。L465FはFFベースの4WDモデルとなる。

ただし、L465Fは本格的な4WDとは異なりいわゆる生活四躯(スタンバイ4WD)と呼ばれるタイプ。FFをベースにビスカスカップリングで後輪を駆動させる。

ジムニーパジェロミニなどの本格4WDでは2駆と4駆を任意に切り替えるパートタイム4WDが採用されるが、スタンバイ4WDは必要なときだけ自動的に4WDに切り替わるので、燃費性能やコスト面、扱いやすさで有利なシステム。SUV以外の一般的な乗用車によく用いられる4WDシステムである。

このビスカスカップリングは消耗品で走行距離により寿命を迎える。よって過走行の4WDのL465Fルクラカスタムを購入する際は特にカーブ等でビスカスカップリングから異音がしないかなど試乗して注意したほうがいい。

インテリア(内装)

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インパネ。後期型ではセンタークラスターがピアノブラック調に変更された。最上級のRSグレードではダイハツおなじみのモモステが標準装備される。

ただし、ベースと同じく2012年5月以降ではRSグレードでの標準装備が廃止。メーカーオプション化された。

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スピードメーターはタコメーター付き。NAとターボに関わらず同じメーターとなる。

フロントシートはセパレートタイプ。タントエグゼと同じ上質なシートが採用され、包み込むようなデザインが特徴。やわらかい生地とその形状から長時間の運転でも疲れづらい、軽自動車では珍しいシートが使われている。

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リアシート。こちらもフロントとおなじく肉厚でサイトサポートがしっかりとした上質なシートが使われている。足元もタントゆずりでかなり広い。これまでの軽自動車の常識を打ち破る立派な後部座席になっている。

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その分ラゲッジルームは狭め。シートは分割可倒式。

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ベースのタントと同じくほぼフルフラットでかなり広くなる。が、リアシートが肉厚なため水平なフルフラットとはならず、ラゲッジスペースとリアシートとで高さが異なる。

まとめ

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ルクラカスタムはタントエグゼカスタムのOEMモデルということで、ぱっと見は変化のないモデルである。ただ、ダイハツよりも自己主張の強い6連星エンブレムにより、若干の違和感とデザインの新味性が出ている。

特にメッキグリルの六連星は、ダイハツ版ではエンブレムがメッキグリルと同化しているが、こちらは上手くマッチし見るとデザイン的にこちらが良く見えるようになっている。

その他の部分はタントエグゼカスタムとほぼ同じなので、室内空間の広さと大人が乗っても後部座席を含めて快適に移動できる軽自動車となっている。軽自動車の後部座席は我慢を強いられることが多いのだが、このルクラカスタムならその心配もないという感じだ。

現在ではベースであるタントエグゼの(2014年9月の)製造終了を受けて、ルクラおよびルクラカスタムも2015年5月で販売終了し、その後はタントカスタムのOEMモデル、シフォンカスタムへバトンタッチした。

現在では中古のみの購入方法となるが、ダイハツ版よりも若干安めなので、タマ数は少ないが他人と被ることが珍しいタントエグゼカスタムとして魅力ある1台といえよう。室内空間が広く、シートが上質でかつスタイリッシュな軽自動車を探している人にオススメな1台である。

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