【前期型】スバル ルクラカスタム(L455F/L465F型) | シン・軽自動車マニア

【前期型】スバル ルクラカスタム(L455F/L465F型)

タントエグゼカスタム

ルクラはスバルのトールワゴン型軽自動車。ルクラカスタムはそのカスタムモデルで、ダイハツ・タントエグゼカスタムのOEMモデルである。本稿ではデビュー当初の2010年4月~2011年12月までを前期型とし、これを扱う。

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概要

2010年4月登場のスバル・ルクラ。ダイハツからタントエグゼのOEM供給を受け、それまでスバルには無かったタントのようなトールワゴン型の軽自動車として誕生した。

既にダイハツからアトレーワゴンをディアスワゴンとしてOEM供給を受けていたが、ミラを2代目プレオとして同時期にOEM供給を受け、ルクラはOEM第3弾であった。

ルクラのベースモデルとなったタントエクゼは、当時の売れ筋となった「タント」の派生モデルとして大人4人がゆったり乗れる高級な軽自動車として開発されたモデルである。

タントの広々とした室内空間はそのままに、スライドドアを廃止しフロントはもとよりリアも上質なシートとしたことで、特にリアシートの座り心地とスペースの広さからくる快適性がウリのモデルであった。

シャーシーこそ共通であるものの、そのコンセプトから室内空間は異なり、タントでは居住空間やシートアレンジを優先したためシート生地が安っぽくなっていた。

が、タントエクゼではその反対にシート生地が上質なものとなっている。また、スライドドアを廃止したためタントよりも60kg程度軽量になっているのがベースのタントとは違う特徴だ。

スバル・ルクラカスタム(L455F/L465F)とダイハツ・タントエグゼカスタム(L455S/L465S)との違い

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そのスバル版である「ルクラ」は、基本的には六連星エンブレムと車名エンブレム以外はベースと同じで、タントエグゼと同じく「大人のタント」といったところ。

メーカー曰く「快適・広々空間のスタイリッシュ・スモール」をコンセプトとするモデルだ。

デビュー当初からダイハツ版と同じくノーマルモデルとカスタムモデルの2種類を設定。カスタムモデルである「ルクラカスタム」は、ルクラをベースに専用ヘッドライト、専用グリル、専用フォグランプ&ウィンカー付きバンパー、アルミホイール、ルーフスポイラー、クリアーコンビランプなどスポーティーな専用パーツにより外観を精悍かつスタイリッシュに仕立てたモデルである(タントエグゼカスタムのOEM)。

内装でもノーマルに対してブラック系のインパネとシート表皮とすることで上級感を演出。ダイハツ同様にルクラシリーズの中でもより男性向けとしたモデルであった。

エクステリア

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フロントデザイン。ヘッドライトは斜め方向に切り込みを入れたハイロー独立式のヘッドライトにメッキグリルのラインで存在感とさりげない高級感を演出している。

ダイハツ版の派生元である「タントカスタム」では横方向に長いヘッドライトだがこのルクラカスタムでは縦方向に面積を取ることで差別化されている。なお、上述の通りスバル版の変更点はエンブレム(六連星)のみで、これ以外はベースと同じだ。

なお、前期型ではメッキグリルが無く、ワンポイントのメッキラインが入るデザイン。前期のほうがカスタム感があまり無く存在感の薄いデザインで、よく言えばさりげないカスタム感。悪く言えばオシの弱いデザインといったところ。

この点は好き好きの別れる点で、あまりコテコテしたデザインが好みじゃない人には嬉しいデザインといえよう。

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カスタムらしく迫力のヘッドライトを備える。全グレードでディスチャージヘッドライト(ロー側)が標準装備。フォグランプも同じく標準装備となる。

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サイド。タントと同じく全高が高いが、ママさん向けではなく大人向けということで電動パワースライドドアは非装備。その分車重は軽くなっている。カスタムモデルではターンランプ付きドアミラーを標準装備。セキュリティーアラームも全グレード標準装備。

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足元は全グレードでアルミホイールを標準装備。自然吸気エンジンのRやRリミテッドは14インチ(タイヤサイズは155/65R14)。ターボ仕様のRSでは15インチアルミホイール(タイヤサイズは165/55R15)となる。

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リア。タテ型のコンビランプを装着。なおカスタムではフロントにメッキグリル、リアはクリアータイプのコンビランプなどスポーティ感が演出されている。これ以外ではカスタム仕様としてメッキドアモール、ルーフスポイラーを標準装備する。

スバル版の変更点としては六連星エンブレム&車名「LUCRA」エンブレムの装着のみ。ただし、ルクラエンブレムはベースよりも上部(六連星と同じ高さ)に付いている。

エンジン・機能

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エンジンはKF-VE型自然吸気エンジンとKF-DET型ターボエンジンの2種類。

自然吸気エンジンは最高出力58ps(43kW)/7200rpm、最大トルク6.6kg・m(65N・m)/4000rpm。

ターボエンジンは最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルク10.5kg・m(103N・m)/3000rpm。

駆動方式はFFか4WD、ミッションは発売当初はCVTと「カスタムR」の4WDのみ4ATであったが、2010年10月マイナーチェンジで4ATを廃止。全グレードでCVTのみとなった。この他ABS(EBD&ブレーキアシスト付)が付くがスマートアシストなど自動ブレーキ類は未装備。

スバル・ルクラカスタム L455FとL465Fとの違い

ルクラカスタムL455FとL465Fの違いは駆動方式にある。L455Fは前輪駆動のFFモデル。L465FはFFベースの4WDモデルとなる。

ただし、L465Fは本格的な4WDとは異なりいわゆる生活四躯(スタンバイ4WD)と呼ばれるタイプ。FFをベースにビスカスカップリングで後輪を駆動させる。

ジムニーパジェロミニなどの本格4WDでは2駆と4駆を任意に切り替えるパートタイム4WDが採用されるが、スタンバイ4WDは必要なときだけ自動的に4WDに切り替わるので、燃費性能やコスト面、扱いやすさで有利なシステム。SUV以外の一般的な乗用車によく用いられる4WDシステムである。

このビスカスカップリングは消耗品で走行距離により寿命を迎える。よって過走行の4WDのL465Fルクラカスタムを購入する際は特にカーブ等でビスカスカップリングから異音がしないかなど試乗して注意したほうがいい。

インテリア

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インパネ。ノーマルのルクラとは異なり、ブラック系で上級感やスポーティー感を演出。シフトはコラムシフトで、最上級のRSグレードではモモ製の本革巻ステアリングホイールを標準装備。

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スピードメーター。瞬間燃費計付き。

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フロントシートの間にはブルーイルミネーション付き。

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フロントシートはセパレートタイプ。タントエグゼカスタム同様にこだわりのシートが奢られ、体を包み込むようなゆったりとしたシートとなっている。

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このシートはタントエグゼの売りである「4席グラマラスコンフォートシート」と呼ばれるもの。

ホールド性を持たせるためにサイドのサポートを多くし、かつ立体的なデザインに仕上がっている。これだと長時間乗っていても疲れづらい。特に軽自動車では後部座席のシートが簡略化される傾向にあるがルクラカスタムでは後部座席もフロントと同じように良いシートが使われている。

ノーマルモデルではシート生地がベージュ系だったが、カスタムでは高級感を出すために黒系へと変更されている。ルクラカスタムは男性でも乗れるよう、背の高い軽自動車ではあるがキャラクターが異なっている。

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なお、RSグレードではシートサイドにシルバーのアクセントが入る。

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リアシート。タントエグゼカスタム同様にリアシートにはかなりこだわっており、しっかりと人が乗れるようフロントシート並のシート形状をしている。これにより乗り心地は軽の後ろとは思えないほど快適で、足元の広さとも相まって積極的にリアシートにすわりたくなるほどの快適性を持つ。

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ラゲッジルーム。

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リアシートを倒した状態。リアシートの厚みがあるため、タントカスタムよりもラゲッジスペースが盛り上がりフルフラットにはならない。ただし全高があるため狭くは無い。

まとめ

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ルクラカスタムの前期型は程よくカスタムされた外観に上質なインテリアと高級シートが特徴軽自動車である。タントエグゼカスタムの前期と同じくカスタムモデルの割に特有のコテコテ感が無く、それまでのダイハツのカスタムモデルがちょっと苦手な人には嬉しい仕様だ。

さらにダイハツよりも販売台数が少ないスバル版であれば他人と被る確立が少ないため、あえてこちらを選んでみるのも悪くない。ただ全体的に見るとデザインのオシが弱いため、もっと個性を求める人にはルクラカスタムの後期型がオススメである。

中古市場ではこの存在感の薄いカスタム顔が不人気なのか、後期型よりも前期型の方が割安となっている。この手の背の高い軽自動車は人気モデルで、あまり値落ちしていないため(スライドドアが付いていないものの)、タントエグゼカスタムと同じく意外と安く買える隠れた名車かもしれない。

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