ekワゴンは三菱のワゴン型軽自動車。本稿では2代目に設定された特別仕様車の「ブルームエディション」を扱う。
概要
2006年9月にフルモデルチェンジし、2代目となった三菱・eKワゴン。
2代目のフルモデルチェンジでは軽自動車史上の中でも異例で、キーコンセプトを踏襲し初代とほぼ同じボディスタイルとなった(ただし、ボディは流用ではなくルーフ以外は新設計)。
その中でも大きく変更されたのは外装ではヘッドライトとグリル、バンパー、リアコンビランプを刷新。特にリアコンビランプでは軽自動車初となるLEDストップランプを純正で全グレード標準搭載。
内装ではそれまでのコラムシフトからインパネシフトに変更し、新スピードメーターや新シートを採用。また、乗用タイプの軽自動車としてはこれまた初となる電動パワースライドドアを一部グレードで採用(あわせてスライドドアイージークローザーも採用)し、初代のイメージはそのままに使い勝手を大きく向上させた。
さらに使い勝手も向上させ、新発想の「マルチポジションユーティリティ」のもと、同じ規格の取付部をインパネや助手席シートバック背面などに全車標準装備。取付部に様々なユーティリティアイテムを自由に取り付け・移動・交換できるようにした。これにより利便性や機能性を図るとともに、ユーザー自身の室内カスタムにも柔軟に対応させた。
2代目ではオーディオにもこだわり、6ポジションの8スピーカーシステムの「ハイグレードサウンドシステム」や、 HDD搭載のナビ付きオーディオ、「三菱マルチエンターテイメントシステム(MMES)」を新たにメーカーオプションとして設定。
エンジンは初代からのキャリーオーバーとなるが、触媒の改良などにより初代よりも排出ガスを低減。また、4AT(※FFのみ)に直結機構付きのトルクコンバーターを採用することで燃費向上も図った。
安全面では頚部衝撃低減フロントシートの採用、ボンネットの形状変更で歩行者保護に対応、衝撃吸収構造ステアリングコラム、衝突時のブレーキペダル後退抑制構造などを採用した。
2代目前期・eKワゴン ブルームエディションの特別装備とノーマルとの違い
その2代目eKワゴンに2007年12月、「サクラピンクメタリック」を専用色として新たに採用し、撥水機能付UV&ヒートプロテクトガラスや、親水機能付リモコンドアミラー、クリアターンシグナルランプ、ブレーキアシスト付きABSを標準装備した特別仕様車を設定した。それがこの「ブルームエディション」である。
ブルームエディションではスライドドア搭載のMSグレードおよびヒンジドア(非スライドドア)のMグレードをベースに可愛らしいピンクのボディ色と機能性の高い装備(UVガラス)などでより女性向けに特化させた特別仕様車となっている。
エクステリア
フロントデザイン。ブルームエディションでは外装上の変更点は特に無いが、ブルームエディション専用となる「サクラピンクメタリック」の採用で、それまでになかった上品かつオシャレなピンク色のイメージがプラスされた。
2代目eKワゴンそのものは非常にベーシックな顔つきだったので、専用色の設定だけでも可愛らしさが引き立っている。ブルームエディション専用装備としてはフロントドアガラスに「撥水機能付UV&ヒートプロテクトガラス」と「リバースポジション連動リヤ間欠ワイパー&ウォッシャ-」を標準装備。
サイド。パット見の変更点はないが、ブルームエディションとして「親水機能付き電動格納式リモコンドアミラー」を標準装備。足元はフルホイールキャップ。
MSベースのブルームエディションでは電動パワースライドドアが助手席側後方に備わる。
足元はベースモデルと同じ13インチスチールホイール+ホイールキャップ。
リア。ブルームエディションではリアハッチの右側に、「Bloom Edition」専用の特別エンブレムを装着。
エンジン・機能
エンジンは3G83型の3気筒SOHC自然吸気エンジンのみ。最高出力は50ps(37kW)/6500rpm、最大トルクは6.3kg・m(62N・m)/4000rpmを発生。トランスミッションは3ATのみで、駆動方式はFFまたは4WD。ブルームエディションとしてブレーキアシスト付きABSを標準装備する。
インテリア
インパネ。ブルームエディションとしてはインストルメントパネル一体型のスタイリッシュな「2DINユニークオーディオ」を標準装備。助手席には小物の収納に便利な「シートバックポケット」を設定。
スピードメーターはノーマルと同じ。
MSベースでは右側通風口付近に電動パワースライドドアのスイッチが付く。
フロントシートはベンチシートタイプ。内装では特に変更点は無い。
リアシート。スライド機構は非搭載。
ラゲッジルーム。
リアシートを倒した状態。
まとめ
2代目eKワゴンの前期に設定された「ブルームエディション」は専用色のサクラピンクメタリックと機能性の高い装備が特徴のモデルである。
その後のフロントデザインを変更する2009年のマイナーチェンジ(後期型)でこのピンク色が大変人気となって純正色にグレードアップする。
そこまで希少とはいえないが、後期型のフロントは好き嫌いの出る特徴的なものなので、よりベーシックな前期とこのピンク色という点で言えばブルームエディションの優位点があるかもしれない。
メカニズム的には旧式の3ATで燃費や静粛性が高くはないが、街乗りオンリーと考えれば十分な性能を持っており手頃な中古価格という点でも女性には嬉しい1台。センターメーターなどとっつきづらい部分もあるが、電動パワースライドドア付きのMSベースであればその魅力はよりアップする。
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