アルトはスズキのハッチバック型軽自動車。「GⅡ」は6代目、HA24S系の前期に設定されていた特別仕様車である。
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6代目アルトとは?
2004年9月にフルモデルチェンジし、6代目となったスズキのアルト。
1998年の軽自動車新規格からかぞえて2回目のフルモデルチェンジでは、先代のベーシック路線を踏襲しつつも新たなキャラクターで親しみやすさをプラス。
ライバルであるダイハツの6代目ミラとは完全に決別されたデザインが与えられた。特に6代目アルトはボディラインが特徴的で、先代の面影を残しつつ新たな挑戦ともいうべき外観も印象的だ。
6代目アルトのテーマは「自分の時間に気軽に使える親近感のわくクルマ」。
軽自動車本来の特徴である経済性の高さや使い勝手などアルトとしての基本性能を追求している。
デザインは若々しさと暖かみをテーマに円と直線をテーマにした外観フォルムとした。居住スペースは直線を。フェンダ部では曲線を用いて美しく安定感のあるスタイリングとし、細部にも円と直線のモチーフを採用した。
6代目アルトでは運転のしやすさや快適な乗り心地を追求。フロントガラスの角度を立てて前方視界を見やすくし、バックドア越しの後方視界も広げてバック駐車をしやすくした。
前後のシートスライド量はそれまでの180mmから240mmに拡大。
様々な体型の人でも乗りやすい着座位置を選べるようにした。また、室内高を1230mmとし、上方向のゆとり空間を向上。
前席シート着座高を25mm高くして560mm、後席は605mmとし乗降性を向上させた。
荷室はリアシートを倒さずともベビーカーが積める広さとし、上級グレードのXでは分割可倒式リアシートを採用。
インパネにはコンビニフックを採用し、4人分のドリンクホルダーのほか、カードケース、フロアコンソールボックス、インパネアンダートレー、フロントドアポケットなど収納スペースを確保。
プラットフォームは軽量衝撃吸収ボディの「TECT」を採用し、衝突安全性を向上。GとXではハザードランプとセキュリティアラームを採用している。
6代目アルト・GⅡとは?特別装備や違いなど
その6代目アルトに2006年7月、専用グリルと専用シート表皮、スモークガラス等の快適装備をプラスした特別仕様車が追加された。それがこの「GⅡ」というモデルである。
GⅡは廉価版からひとつ上の「G」グレードをベースに、エクステリアには専用フロントグリル、リアスモークガラス、カラードリモコンドアミラー(4WD仕様はヒーテッドドアミラータイプ)を。
インテリアでは専用グリルと専用シート表皮を標準装備とし、充実装備に個性的な印象の特別仕様車となっていた。
エクステリア
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フロントデザイン。GⅡでは専用のグリルが与えられた。デザインはワゴンR・スティングレーのような階段状のグリルで、それまでベーシックなイメージが強かったフロントデザインにスタイリッシュな印象を与えている。
純正オプションで用意されたメッキグリルほどのインパクトや精悍さは無いが、これはこれでアリなデザインだ。
出典:日産認定中古車
サイドから。Gグレードでは省略されていたスモークガラスを採用。この手の軽自動車で安いグレードとなるとリアは非スモークタイプとなることが多いので、この標準装備は嬉しい部分。
さらにGでは手動式で非塗装だったドアミラーが、電動格納リモコンドアミラーとなり、かつカラー化(4WD仕様ではヒーテッドドアミラーとなる)。
こちらも廉価グレードでは安いっぽい手動式が採用されることがほとんどなのでスモークガラスと合わせて嬉しい快適装備だ。
出典:日産認定中古車
リア。リアガラスもスモークガラスとなる以外はベースと共通。専用エンブレム等も無い。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンは3気筒のK6A型DOHC自然吸気エンジンのみ。
最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.2kg・m(61N・m)/4000rpm。トランスミッションは3ATまたは5MT。
駆動方式はFFまたは4WDとなる。なお、ABSはオプション設定となっていた。
インテリア
出典:日産認定中古車
インパネ。このあたりはベースと共通。
出典:日産認定中古車
スピードメーター。ベーシックなタコメーター無しタイプ。これもベースと同じだ。
5MTのシフトノブ。
出典:日産認定中古車
3ATも同様にフロアシフトタイプ。
出典:日産認定中古車
フロントシートはセパレートタイプ。シート形状こそ同じだが、シート表皮は専用のものが与えられ、ベージュの表皮色となっている。
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リアシート。ヘッドレストは付かない。
出典:日産認定中古車
ラゲッジルーム。
出典:日産認定中古車
リアシートを倒した状態。
まとめ
6代目アルトのGⅡというモデルは、ちょっとだけスタイリッシュなグリルにスモークガラスとカラー電動格納ミラー、専用シート表皮が与えられた特別仕様車である。
純正オプションのメッキグリルほど迫力は無いものの、親しみやすいフロントデザインにワンポイントのアクセントが与えられており、ノーマルよりも見た目が向上している。
特に廉価グレード(EやG)で省略されていた追加装備もうれしい1台である。
なお、この後6代目アルトはマイナーチェンジで後期型に移行。その際に特別仕様車からカタログモデルへ昇格した。
そのため特別仕様車といってもタマ数は意外と多く、「手頃な足車にちょっと個性が欲しい」という人にはうれしいモデルとなっている。
全体的に値が張る軽中古車の中でもあまり人気のないモデルなため、年式や走行距離の割に安価に購入できる魅力的な1台だ。