ミラトコットはダイハツのハッチバック型軽自動車。2代目ミライースの派生モデルで、「GリミテッドSAⅢ」はその特別仕様車である。
出典:ダイハツ認定中古車
ダイハツ ミラトコットとは?
2018年6月にデビューした「ミラトコット」。ミラという名前が付くことからも想像が付くようにミラ系統の低燃費モデルである「ミライース」をベースに作られた派生モデルである。
ただしミラトコットはそれまで存在した「ミラココア」の実質的後継モデルとして企画され、開発に関しては購入層に近い女性社員で構成されたプロジェクトチームが企画に参画。ユーザー視点でのコンセプトの採用やアイテムなどを反映させた女性向けモデルとなっている。
コンセプトは「誰でもやさしく乗れる、エフォートレスなクルマ」。ミライースのように軽自動車に相応しいリーズナブルな価格やコンパクト感を追求。運転に不慣れな初心者やエントリーユーザーにも気軽に乗れるような車両感覚のつかみやすいパッケージを実現した。
これと同時に他のモデルでも採用されている衝突回避支援システムの「スマートアシストⅢ」をグレード別に設定し、SRSサイドエアバッグやSRSカーテンシールドエアバッグは全グレードで標準装備とした(※軽自動車としては初)。
エクステリアは水平基調のボディフォルムで見力の良さを追求。昔ながらのオーソドックスなスタイルでデザイン性と運転のしやすいさを両立させた。一方でヘッドライトやコンビランプを丸型とすることでスクエアボディに映えるワンポイントアクセントとも取り入れている。
インテリアはエクステリア同様に水平基調とすることで扱いやすさと視界の良さを実現。セラミックホワイトのインパネガーニッシュで暖かさややわらかな印象を与えた。さらにシートにもベージュ系と茶色のコンビネーションカラーフルファブリックシートを採用。明るい印象と汚れが目立ちにくい配慮により実用性も持たせた。
パッケージングは扱いやすいコンパクトボディとし、ミライースよりも全高を30mmアップさせた1270mmとし、このボディスタイルながらゆとりあるヘッドクリアランスとした。
これと同時に運転席からボンネットの角を見やすくしたり後方の感覚もつかみやすくしたことで他の軽自動車にはない運転のしやすさを追求している。
自動ブレーキ面では衝突回避支援システムの「スマートアシストⅢ」をグレード別に設定。スマートアシストⅢではステレオカメラを採用し、ソナーセンサーをフロント2個追加することで信頼性を向上させた。
便利装備としてはパノラマモニターとコーナーセンサーをダブル設定(※スマートアシストⅢグレードに標準装備)。また全グレードでLEDヘッドライト(Bi-Angle LEDヘッドランプ)を標準装備とした。
快適装備としてはUSB電源ソケットを2口標準装備とし、シートヒーターを座面に加えて背もたれ部分にも設定。バニティミラーを運転席と助手席の両方に装備し、フロントウインドウにIR&UVカットガラス、フロントドアにスーパーUV&IRカットガラスを採用し、日焼けの原因となる紫外線や、暑さを生む赤外線を効果的に遮断するようにした。
エンジンは2代目ミライースと同じKF型エンジンとなるがミライース用のものよりもさらに扱いやすさを追求し最高出力と最大トルクを微妙にアップ。燃費性能はミライースよりも若干落ちたものの乗りやすいエンジンとした。
さらに「Dモノコック」の採用やフロントフェンダーとバックドアに樹脂パーツを採用することで軽量化も行っている。
ミライースとミラトコットとの違い
同じミラが付くミライースとミラトコットの違いは内外装以外に販売ターゲットやダイハツ車の中での立ち位置などが異なる。
ミライースは伝統的なセダンタイプの軽自動車で、元々ミラという名前のベーシックな軽自動車であった。
一方でミラトコットは同じセダンタイプながら派生モデルでレトロ感や上質感をプラスしたモデル。
外装は特徴的なインナーブラックヘッドライトにディスチャージランプを組み合わせた生き物のような顔つきにスクエア形状のレトロなボディスタイル。
レトロなホイールキャップに丸形リアコンビネーションランプなどミライースとは大きく異る。
過去にダイハツはミラココア(その前はミラジーノ)という女性向けをメインとしたモデル販売していたが、ミラトコットはその後継的モデル。スズキでいうところの「アルトラパン」対抗モデルとなる。
内装もミライースはベーシックな上下ツートンカラーのインパネにデジタルスピードメーター。
ミラトコットではよりシンプルなデザインにレトロ風のスピードメーターなど、ミラココアの要素が盛り込まれている。
また、フロントシートもミライースがヘッドレスト一体型に対し、ミラトコットではヘッドレスト分離型のレトロ調シートを採用するなど違いがある。
グレード構成もミライースは廉価グレードのB、ベーシックなL、上級のXグレード、最上級Gグレードの4グレード構成に対し、ミラトコットはベーシックなL、上級のX、最上級Gグレードの3グレード構成(後にXが消滅して2グレードのみ)となるなど、価格帯やラインナップが異なる。
これはミライースが幅広い年代層やビジネスユースもターゲットとしているためである。
ミラトコットとミラココアの違い
ミラトコットはミラココアの実質的な後期モデルとされ、セダンスタイルで可愛らしい女性向けのモデルである。
出典:ダイハツ認定中古車
出典:ダイハツ認定中古車
基本的なコンセプトは似ているものの、外観は大きく異なり、ミラトコットは楕円形のインナーブラックタイプの丸目ヘッドライトに対し、ミラココアは完全な丸目ヘッドライトで雰囲気がかなり異なる。
またミラココアでは初代ミラジーノでも見られてルーフレールの設定があるのに対し、ミラトコットでは非設定となるなど、ミラジーノ系のレトロ感は無くかなりシンプルな構成。
さらにミラココアに設定のカスタムモデルもミラトコットではカタロググレードには非設定で、追加のオプション設定となるなど、よりシンプルなグレード構成となっている。
ミラトコットのグレード L、L SAⅢ、X SAⅢ、G SAⅢ、SAⅢの違いなど
ミラトコットのグレード展開は自動ブレーキなしでベーシックな「L」、自動ブレーキ搭載のベーシック「L SAⅢ」、上級「X SAⅢ」、最上級「G SAⅢ」の4種類。
モデル後半ではグレード集約がなされ、スマートアシスト非搭載の「L」を廃止。ミドルグレード「X SAⅢ」も廃止し、「L SAⅢ」と「X SAⅢ」の2種類のみとなった。
これ以外に特別仕様車には「G リミテッドSAⅢ」が設定されていた。
L
ミラトコットのエントリーグレード。自動ブレーキを非搭載とし、他のグレードよりも装備を一部簡略化し、価格を抑えたグレード。
エクステリアではLグレードにもBi-Angle LEDヘッドランプを採用し、機能性と個性をもたせた。
足元は汎用品の14インチフルホイールキャップを標準装備するが、リアのスモークガラスは非装備でドアミラーもカラー塗装の手動ドアミラーとなる。
インテリアではヘッドレスト一体型シートを採用し、スピードメーターもシンプルな単眼式メーターを採用。ボディカラーはモノトーンのみの設定。
快適装備ではマニュアル式エアコンを採用し、電波式キーレスエントリーを標準装備。
キーフリーシステムやプッシュエンジンスタート、運転席シートリフター、チルトステアリング、フロントドアのスーパーUV&IRカットガラスが省略される。
安全装備は運転席&助手席エアバッグ、SRSサイドエアバッグ、EBD付きABS、カーテンシールドエアバッグ、VSC&TRC、セキュリティーアラーム、シートベルト締め忘れ警告灯を標準装備する。
2021年9月の一部改良ではL SAⅢと統合し、SAⅢなしのLグレードを廃止。LSAⅢに移行する際にチルトステアリングが標準装備化。ホイールキャップが「TOCOT」アルファベット入りタイプに変更された。
L SAⅢ
上記Lグレードに自動ブレーキのスマートアシストⅢを搭載したグレード。
2021年9月の一部改良ではL SAⅢと統合し、チルトステアリングが標準装備化。ホイールキャップが「TOCOT」アルファベット入りタイプに変更された。
X SAⅢ
ミラトコットのミドルグレード。装備がLグレードよりも良くなり、ボディカラーでも2トーンカラー(デザインフィルムトップ)が選択可能となる。
エクステリアではLグレードに対して電動格納式ドアミラー、リアにスモークガラスを標準装備。ホイールキャップも「TOCOT」アルファベットエンブレム入の専用品となる。
インテリアではヘッドレスト分離型フロントセパレートシートを採用。スピードメーターは盤面発光(メッキメーターリング付)タイプの単眼式メーターとなる。
快適装備ではフルオートエアコン、運転席シートリフター、チルトステアリング、キーフリーシステム、プッシュエンジンスタート、USBソケットを標準装備する。
自動ブレーキではスマートアシストⅢを搭載。
さらにXグレード以上ではオプション設定で外装をカスタムした以下の「アナザースタイルパッケージ」が選択可能となる。
2021年9月一部改良ではG SAⅢに統合し、廃止となった。
G SAⅢ
ミラトコットの最上級グレード。
エクステリアではXグレードに追加でスーパーUV&IRカットガラスをフロントガラスに標準装備。ホイールキャップが2トーンカラー仕様に変更。
インテリアではメッキ加飾のインナードアハンドル、シフトレバーボタン、シフトベゼル、エアコンレジスターノブを標準装備。ステアリングもシルバー加飾で質感がアップする。
快適装備ではバニティミラーが運転席&助手席に標準装備。フロントワイパーは車速感応式間欠タイプに、フロントパーソナルランプがLED仕様に変更。このほか車速感応式オートパワードアロックも標準装備。
さらにパノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパック(ステアリングスイッチ、フロントカメラ、サイドカメラ、バックカメラ、GPSアンテナ、フルセグTVフィルムアンテナ用ハーネス、16cmリアスピーカー)も標準装備する。
ミラトコット GリミテッドSAⅢとは?特別装備やGグレードとの違いなど
そのミラトコットに登場からおよそ1年後の2019年7月。パノラマモニターを標準装備するG SAⅢグレードをベースとしたお買い得な特別仕様車が登場した。
それが本稿で扱う「Gリミテッド SAⅢ」である。
GリミテッドSAⅢの外装では
- UVカットガラス(フロントドア)
- Xグレード用のミラトコット専用14インチフルホイールキャップ
を標準装備し、上級グレードに準じたスタイリッシュなホイールキャップと機能装備を与え
内装では
- ドアトリム&インナーハンドル&エアコンレジスターノブを材着ブラック(塗装なし)に変更
- クリーンエアフィルター
- 非LEDのフロントパーソナルランプ
としつつ装備を厳選し、お買い得とした特別仕様車となっている。
GリミテッドSAⅢのエクステリア(外装)
出典:ダイハツ認定中古車
フロントデザイン。GリミテッドSAⅢのフロント周りは特に変更無く、ノーマルグレードと見た目は同じ。
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全グレード共通でLEDヘッドライトを標準装備する。
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サイド。GリミテッドSAⅢの特別装備としてはフロントガラスが最上級グレード用のスーパーUV&IRカットガラス(フロントウインドゥ)を標準装備とする。
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足元はXグレードに標準装備される『TOCOT』アルファベットエンブレム付の14インチフルホイールキャップ。タイヤサイズは155/65R14で、最上級のGSAⅢではこの2トーンカラーバージョンとなる点が異なる。
一方でXグレード以下ではダイハツの標準的なホイールキャップなのでやはり見た目のおしゃれさではこのレトロなホイールキャップの軍配がある。
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リア。このあたりもベースと同じ。特別仕様車を示すエンブレム類は特に無し。
エンジン・機能装備・安全装備
エンジンはミライースと同じKF型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンのみとなるが、ミライースのものより出力とトルクが向上。
最高出力は3馬力アップの52ps(38kW)/6800rpm、最大トルクは0.3kgアップの6.1kg・m(60N・m)/5200rpm。
トランスミッションは全グレードでCVTのみ。駆動方式はFFまたは4WDとなる。
安全装置として全グレードでVSCとTRCを標準装備。ABS(EBD付き)はもちろん全グレード標準装備でSRSサイドエアバッグ(運転席/助手席)&SRSカーテンシールドエアバッグ(前/後席)も全グレードで標準装備とした。
このほか衝突回避支援システムの「スマートアシストⅢ」を標準装備。ステレオカメラによる強力な衝突警報機能(対歩行者&対車両)のほか衝突回避支援システム(対歩行者&対車両)、車線逸脱警報装置、誤発進抑制制御機能(前&後ろ)、先行車発進お知らせ機能、オートハイビームなどを備える
特にオートハイビームは夜間に対向車の有無で自動でハイビームとロービームを切り替えてくれる優れもだ。
ミラトコット LA550SとLA560S型との違い
ミラトコットのLA550S型とLA560S型との違いは駆動方式。LA550Sは前輪を駆動する2WD(FF)のミラトコット。
LA560S型はLA550Sをベースに全輪を駆動する4WDのミラトコット。4WDのシステムにはビスカスカップリングを用いたオンデマンド式の4WDが採用される。普段はFFで走行し、後輪との駆動差が生じると自動で4WDに切り替わる。
GリミテッドSAⅢのインテリア(内装)
出典:ダイハツ認定中古車
インパネ。SAⅢの特別装備としてはエアコンレジスターノブが材着ブラック(塗装なし)に変更となるほか、クリーンエアフィルターを標準装備とした。
ちなみに最上級のGSAⅢではフロントのルームランプ(フロントパーソナルランプ)がLED仕様だったが、通常のバルブ仕様に変更となる。この点は安いLEDが出回っているのでDIYで交換してもよさそうだ。
出典:ダイハツ認定中古車
スピードメーターはベースと同じ。
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エアコンはベースと同じオートエアコンタイプ。
出典:ダイハツ認定中古車
このほかGリミテッドSAⅢではドアトリム&インナーハンドルも材着ブラック(塗装なし)に変更となる。
GSAⅢがベースのためパノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパックが標準装備となり、コーナーセンサーも装備される。
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フロントシートはセパレートタイプ。GSAⅢがベースのため両席にシートヒーターを標準装備する。
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リアシート。スライド機構は非装備でミライースと同じ仕様。
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ラゲッジルーム。リアシートも分割可倒式ではない、左右一体式のためシートアレンジは不可能。このあたりはコストカットがなされている。
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リアシートを倒した状態。広さそのものは充分あり、結構な量の荷物が積める。
ミラトコット GリミテッドSAⅢの総評
ミラトコットの特別仕様車、GリミテッドSAⅢは最上級のGSAⅢをベースに外観はほぼ最上級グレードと同じで一部省略したりコストの安いパーツで構成して価格を抑えたお買い得な特別仕様車である。
最上級グレードと比較すると約7万円ほどお得となっており、その一つ下のグレードのXSAⅢと比較するとわずか1万円アップで本来は3万円もするパノラマモニター対応カメラのオプションが標準装備になるためこの点からも良心的なグレードである。
ミラトコットでパノラマモニター付きのナビをつけようと思っている人は間違いなくお得な特別仕様車といえよう。
現在ではカタログ落ちし中古車のみとなるが、上級グレードに準じた内外装の特別モデルとおぼえておくといい。
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