【前期型】マツダ スピアーノ(HF21S型) | シン・軽自動車マニア

【前期型】マツダ スピアーノ(HF21S型)

スピアーノ

スピアーノはマツダのハッチバック型軽自動車。スズキ・アルトラパン(初代)のOEMモデルである。本稿では2002年2月~2006年3月までを前期型とし、これを扱う。

HF21S_first (6)

画像参照元:Goo-net

概要

2002年2月に登場したマツダのスピアーノ。見た感じですぐわかると思うが、スズキの大ヒット作「アルトラパン」のOEMモデルである。アルトラパンの登場は2002年の1月だったため、本家の登場からわずか1ヶ月後というはやさだった。

スピアーノではラパンと同じくそれまでの軽乗用車にありそうでなかった個性的な丸みを帯びた箱型フォルムの外観と家電や家具を意識した親しみやすい室内空間を与えた。スピアーノが登場した時代では同社のAZワゴンをはじめとするトールワゴンが全盛期となる中、スピアーノは広さを最優先ではなく内外装のデザインを重視することで若い女性をメインターゲットとしていた。

スピアーノはマツダ仕様としてフロントグリルをアルトラパンのうさぎを用いず4代目・後期型キャロルのようにマツダのファイブポイント(逆五角形)を用いたファミリーフェイスに変更。ボディカラーもマツダ専用色としてキプロスブルーメタリックを含む全9色を設定。内装色もブルー(マツダオリジナル)とアプリゴット2色設定することで、カラーリングにこだわる若者を意識。インパネもそれまでのスズキOEMモデルとは異なるファッショナブルなデザインで洗練されていた。

全高はほとんどの立体駐車場に入庫可能な1505mm(FFモデル)としながらも新設計により1255mmの室内高を確保。室内長も当時の背の低い軽乗用車としてはかなり長めの1655mmを確保するなどスタイリングとパッケージングのバランスの取れたモデルとなっていた。

エンジンはアルトやワゴンRで実績のあるVVT機構付きのK6A型エンジンを採用。安全面でも64km/hオフセット前面衝突にも対応した、軽量衝撃吸収ボディーTECT(テクと)を採用しこれ以外に運転席&助手席にSRSエアバッグとシートベルトフォースリミッター、シートベルトテンショナーを標準装備。ABSもオプション設定するなど安全面でも装備を充実化していた。

スピアーノとラパンとの違い

マツダ版ラパンであるスピアーノでは外観やグレード構成に多少の違いがある。

スピアーノのフロントグリルはマツダ共通デザインである「ファイブポイントグリル」を採用し、逆五角形のデザインを採用。これにマツダマークを貼り付けてラパンと差別化がなされる。これ以外に外装ではホイールのMマーク。リアゲートのスピアーノ車名エンブレム、Mマークに変更となる程度。

インテリアでは一般的なOEMモデルと同じでステアリングのオーナメントが「Lapin」からMマークへ変更。ラパンでは内外装で「うさぎ」のデザインが取り入れられてるがスピアーノではうさぎと全然関係がないため省略される。なお、一部ボディカラーやシートカラーがラパンとは違う仕様となる。

グレード構成もほぼ同じだがスポーツモデルのラパンSSに相当する「スピアーノSS」ではマニュアルの設定が無いなど、若干のグレード構成異なる。

エクステリア

HF21S_first (13)

マツダにOEM供給するにあたりフロントグリルを専用の物へ変更した。ベースモデルでは格子状風のグリルと中央にラパンの象徴ともいえるうさぎエンブレムが付いていたが、スピアーノではこれをマツダ共通のファイブポイントグリルへと変更。

さらにうさぎエンブレムもやめてマツダエンブレムに変更されている。ベースモデルではどこか可愛らしさを感じたがこのマツダ版ではオーソドックス感が強くなり、より万人受けしやすいデザインとなっている。

HF21S_first (2)

サイドから。このあたりは特に変更はない。

HF21S_first (3)

リア。ベースモデルでは筆記体でクラシカルなLapinエンブレムが付いていたが、マツダ版では中央上部にマツダのロゴエンブレム、左側にマツダエンブレム、右側にSpiano(スピアーノ)エンブレムが付いている。コンビランプはベースと共通だが年式によりノーマルタイプとクリアータイプがある。なお、コンビランプに関してはラパン用の社外品が流用可能でこのようにカスタムできる。

HF21S_first (12)

これ以外にも複数社外品がリリースされているので好みのものを選ぶといいだろう。特にヤフオクあたりでは中古品を安価に入手できる。

エンジン・機能

エンジンはデビュー当初は3気筒の自然吸気のみだったが、ラパンにターボモデルが追加されたのと同様にスピアーノにも3気筒のターボモデルが追加された(スピアーノ ターボ)。

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ターボモデルではこのようにグリル右中央部にエアダクトの穴が空いている。スピアーノでターボかNAかを見分ける際にはここがポイントだ。ただし、ターボといってもMターボという60馬力仕様な点は注意だ。トランスミッションは全グレードで4ATのみ、駆動方式はFFまたは4WDとなっていた。

なお、初代ラパンに設定されたスポーツモデルの「ラパン SS」はマツダにもOEM供給され「スピアーノ SS」といして販売されていた。ただし、ラパンSSがMTモデルの設定があるのに対しスピアーノSSでは4ATのみであった。

HF21S_SS (9)

写真はスピアーノSSの後期モデル。前期ではスピアーノ ターボとほぼ同じような外観をしていた。

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エンジンはK6A型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付きターボエンジンの2種類。自然吸気エンジンでは最高出力は54ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/3500rpmを発生。

ターボエンジンはMターボとハイプレッシャーターボの2種類となり、スピアーノターボでは60ps(44kW)/6000rpm最高出力は、最大トルクは8.5kg・m(83N・m)/3000rpm。スピアーノSSでは最高出力は64ps(47kW)/6500rpm、最大トルクは10.8kg・m(106N・m)/3500rpm。トランスミッションはトランスミッションは4ATのみ(※スピアーノSSも4ATのみ)で駆動方式はFFまたは4WD。4輪ABSはオプション設定。

インテリア

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インパネ。スピードメーターあたりを含めほぼベースと同じだ。ほぼというの実はラパンにあったインテリアの「うさぎ」がスピアーノでは省略されている。この点はラパン好きにはマイナスポイントだろうか。逆に言うと万人受けは良い。

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フロントシートはセパレートタイプ。シート表皮はグレードやボディカラーにより色が変更になる。

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リアシート。

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ラゲッジルーム。

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リアシートを倒した状態。

まとめ

マツダのスピアーノはスズキのアルトラパンのOEMモデルであるが、専用のデフォルトが行われたことでオーソドックス感が強くなり、より万人受けするモデルへと仕上がっている。若い女性以外には「可愛らしいうさぎ」が受け入れづらいかもしれないが、このオーソドックスなスピアーノのならその心配もなくなっている。ラパンが持つシンプルでオーソドックスなボディラインとオーソドックスなフロントデザインで、街乗りなど普段使いにもってこいの1台だ。

中古市場では安価な部類に入りかなり手頃な値段で入手可能だ。この手の軽自動車はワゴンRやタントなど背の高い軽自動車にみられるいかにも感がなく、より普通車に近いデザインで軽自動車に抵抗のある人にもオススメな1台である。安くて普通車っぽい軽自動車を探している人に良いだろう。

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