アルトワークスはスズキのハッチバック型軽自動車。アルトのスポーツモデルである。本稿では3代目のHA11S系およびHB11S系の後期に設定された特別仕様車、「スズキスポーツリミテッド」を扱う。
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3代目アルトワークスとは?
1994年11月フルモデルチェンジの3代目アルトワークス。
トップグレードのエンジンがそれまでのF6AからK6Aへ移行するも先代と同じくF6A・SOHCターボの「ie」とK6A・DOHCターボの「RS/Z」の2本立てであった。
3代目アルトワークス スズキスポーツリミテッドとは?特別装備や違いなど
その3代目アルトワークスのモデル末期、1998年1月に設定された特別仕様車がこの「スズキスポーツリミテッド」である。
スズキスポーツとはスズキのグループ会社でスズキ車のカスタムパーツの制作・販売を行うブランド(スバルならSTI、トヨタはTRD、三菱はラリーアートの関係に近い)。
現在ではモンスタースポーツに移行しているが、この時代であればスズキスポーツ=純正カスタムブランドといった感じであった。
そのスズキスポーツの冠をつけた特別仕様車がこの「スズキスポーツリミテッド」で、スズキスポーツ製の専用品をまとっている。
エクステリアでは
- フロントアンダースポイラー
- サイドアンダースポイラー
- リアアンダースポイラー
- ルーフエンドスポイラー
でフルエアロ化。専用ホワイト塗装のアルミホイールに、スズキスポーツステッカーをフロント、サイド、リアに貼り付け。
インテリアではスズキスポーツロゴ入り専用セミバケットシートを標準装備とし、内外装でスズキスポーツパーツでカスタムした特別仕様車となっていた。
エクステリア
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フロントデザイン。ベースはF6A・SOHCターボのアルトワークス ieとし、これにスズキスポーツ製リップスポイラーを標準装備。丸目の可愛らしさの中に迫力あるフロントデザインとなっている。
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またアクセントとしてスズキスポーツマインドのデカールも付く。これはオプションで売られていたもので純正としては珍しい部分だ。
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サイドから。アルトワークスといえばツートンカラーもあったがスズキスポーツリミテッドはツートンではないモノトーンカラーとなっている。そしてスズキスポーツのデカールがフロントからリアにかけて流れるように付いている。
ノーマルのアルトワークスにはないカスタムで、これまたオプションパーツでは存在するがスズキスポーツリミテッドとして標準装備されている。見た目にもやる気にさせてくれそうなカスタムである。
足元はスズキスポーツリミテッド仕様としてホワイト塗装の14インチアルミホイールを標準装備。タイヤサイズは155/55R14。
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リア。右下のWORKSシールの下にスズキスポーツのシールが追加されている。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンはアルトワークスieと同じF6AのSOHCインタークーラー付きターボエンジン。ただし出力はRS/Zと同じで64馬力仕様となる。
最高出力は64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは10.0kg・m(98.1N・m)/4000rpm。
トランスミッションは3AT、4ATまたは5MTで、駆動方式はFFまたは4WDだ。4WDモデルのAT仕様を選択した場合は3AT、FFモデルの場合は4ATとなっていた。
安全装備として運転席エアバッグがオプション。助手席エアバッグとABSは非設定。
インテリア
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インパネ。
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スピードメーターあたりも共通品。
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フロントシート。ここがリミテッド専用品で、スズキスポーツの名前入りセミバケットシートとなっている。
この時代の軽自動車にしてはかなり立派なシートで、専用の文字も満足感を得られるポイントだ。
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リアシート。
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ラゲッジルーム。
まとめ
3代目アルトワークスのスズキスポーツリミテッドは、モデル末期に追加されたアルトワークスの特別仕様車で、スズキスポーツのカスタムパーツをまとったメーカー純正カスタムモデルである。
トップグレードのRS/Zにはないカスタム感が特徴で、見た目だけならこちらも引けをとらない外観を持っている。
走りに関してはベースがieなためRS/Zほど尖っていないが、当時の新車価格でRS/Zと比べると最大10万円前後の差があり、動力性能よりも外観やシートに重点を置いたモデル末期のお買得モデルだったようだ。
中古市場ではモデル末期の特別仕様車ということもあり、アルトワークス全体の中ではタマ数が少ない。
人気はRS/Zのほうなのであえてieを選ぶ人で特別な1台が欲しいという人はこのリミテッドがちょうどいいだろう。旧規格で年数もかなり経過していることから状態をよく見て選んで欲しい。
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