ウェイクはダイハツのハイトワゴン型軽自動車。「モンベルバージョン」は前期型に設定されたアウトドア総合メーカーのモンベルと共同開発した特別仕様車である。
出典:ダイハツ認定中古車
ダイハツ・ウェイクとは?
2014年11月に登場したダイハツのウェイク。
それまでのタントよりもさらに全高を取り、荷室を縦方向へ拡大。日常以外にレジャー用途を重視し、アウトドアスポーツを楽しむ人をターゲットに作られたモデルである。
タントを凌ぐ高さからくる箱のような大きなスタイリングと「ウェイクだよ!」の言葉が耳に残るドラマ仕立てのCMが印象的でもある。
ウェイクはその高さくる見晴らしの良さ(ファインビジョン)とボンネット内にエンジンを収める軽乗用車としては最大級の室内空間(ウルトラスペース)、高さを感じない安心・安全の基本性能(ファン&リラックスドライブコンセプト)、圧倒的な荷室の使い勝手の良さ(ミラクルラゲージ)、存在感と多用途性を感じるかたまり感のあるスタイリング(WAKUWAKU BOX)の5つが特徴の軽乗用車となっている。
特にその高い全高でも車両を安定させるため、「ファン&リラックスドライブコンセプト」としてフロントアブソーバーロッドやリヤアブソーバーのサイズアップによる高剛性化で安定性を向上。さらにウレタンバンプスプリングやスタビライザーの標準採用でコーナリングのロールを低減している。
また、少しでも重心を低くするためにルーフパネルを薄くし、外板を樹脂化することで重心より上のパーツを軽量化。同年代の3代目タントより85mm全高がアップしたにも関わらず、重心高は10mmアップに抑えた。
また実用性の面では「ミラクルラゲージ」として、後部座席後ろのラゲッジルームに約90Lの「大容量ラゲージアンダートランク」を設定。
ゴルフバッグやスノーボードなど立てて積めばリアシートを倒すこと無く長物を積載可能とした。
また、シートは撥水加工が施されたフルファブリックシートとし、背面は塩化ビニール加工で汚れや水濡れも簡単に拭き取り可能に。これ以外では車内の隅々に収納スペース(ポケッテリア)を設け使い勝手を向上させた。
エンジンはKF型エンジンにミライーステクノロジーからクールドi-EGR(※自然吸気エンジンのみ)、CVTサーモコントローラー、エコ発電制御などを適用。1トン近い車重ながら自然吸気エンジンのFFで25.4km/L(JC08)、一番悪いターボの4WDでも23.2km/L(JC08)の低燃費を実現。
さらにエコドライブアシストを全グレードで備えドライブ面でも低燃費をサポートする。自動ブレーキとしてはスマートアシストをグレード別に設定。横滑り防止装置のVSC&TRC、エマージェンシーストップシグナル、SRSサイドエアバッグは全グレードで標準装備とした。
ウェイク モンベルバージョンSAとは?特別装備とノーマルとの違い
そのウェイクに2015年6月、アウトドア総合メーカーの「モンベル」と共同開発した特別仕様車を設定した。それがこの「モンベルバージョン」である。
同時期にサーファー向けサイト「波伝説」とのコラボモデル「波伝説バージョン」が出ているが、基本仕様はほぼおなじで細かな違いが施されている。
両モデルともに通常はオプションで用意される「レジャースペースパック」を標準装備。モンベルバージョンの使い方で想定される”アウトドアで汚れたシューズ”も気軽なく載せられるイージーケアフロアなどが備わる。
この他外装では
- モンベル専用デカール(ボディ左右貼り付け)
- メッキフードガーニッシュ(メッキグリル)
- パールとホワイト塗装のバンパーガーニッシュ
- 15インチアルミホイール
専用ボディカラーとして「パールホワイトⅢ」をモンベル仕様として特別設定。
内装では、mont-bellデザインのインパネトレイマット&インパネセンタートレイマットを。
機能装備としてイージーケアフロア(座席側/荷室側)とレジャーベースパック
(ユーティリティフック、荷室床面フック、固定ベルト、上下2段調節式デッキボード+固定フック付)と純正ナビ装着用アップグレードパックを採用。
4WDモデルではラゲージアンダートランクの容量を16Lから29Lに容量アップ。
さらにモンベル社がウェイク専用に開発した「オリジナルシートエプロン(全席分・mont-bellのロゴ入り)」をモンベルバージョンに設定。
コラボによりノーマルモデルにはない個性を強めた特別仕様車となっていた。
ウェイク モンベルのエクステリア(外装)
出典:ダイハツ認定中古車
フロントデザイン。波伝説バージョンと同様にノーマルとは違う(オプション設定の)メッキフードガーニッシュを装備。全面メッキ仕様でシンプルだがかなり主張のあるフロントデザインとなっている。
波伝説バージョンではグリル右下に同ブランドのキャッチフレーズ、「CATCH THE WAVE」の文字が入っていたがモンベルではそれがなくストレートにメッキグリルとなっている。
また、バンパー下部のガーニッシュはボディカラーとあえて同色としている。カラー設定はパールホワイトのみ。
サイドから。モンベルのブランドロゴデカールと山をイメージしたデカールがオシャレに配置されている。
よくあるバリバリのスポーツ仕様(スズキスポーツなど)ではこのようにデカールを貼り付け勇ましくカスタムするものだがこのモンベルではそのデザインに山脈を用いることでアウトドア感を出しつつつ、上品な感じを演出した。
足元は15インチアルミホイールを標準装備。
リア。このあたりはほぼノーマルと同じだ。ただし、バンパー下部のガーニッシュはモンベルバージョン仕様としてフロント同様にボディカラーと同色となっている。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンはKF-VE型直列3気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンのみで最高出力64ps(47kW)/6400rpm、最大トルク9.4kg・m(92N・m)/3200rpmを発生する。
このほか、ミライーステクノロジーからクールドi-EGR(※自然吸気エンジンのみ)、CVTサーモコントローラー、エコ発電制御などを適用。1トン近い車重ながら自然吸気エンジンのFFで25.4km/L(JC08)、一番悪いターボの4WDでも23.2km/L(JC08)の低燃費を実現。
また、エコドライブアシストを全グレードで備えドライブ面でも低燃費をサポートする。トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFFまたは4WD。
安全技術としてはスマートアシストを標準装備。低速域衝突回避支援ブレーキ機能、誤発進抑制機能、先行車お知らせ機能を備え、スマートアシスト以外では横滑り防止装置とトラクションコントロールのVSC&TRCを搭載する。
ウェイク LA700SとLA710Sとの違い
ウェイクLA700SとLA710Sの違いは主に駆動方式。LA700Sはボンネットにエンジンを配置し前輪を駆動するFFのウェイク。LA710SはLA700Sをベースにビスカスカップリングを使って全輪を駆動する4WDのウェイク。
ただし4WDに関してはジムニーやパジェロミニなどの切り替え式パートタイム4WDとは異なり、基本はFFで、前後の回転差が生じた時(滑った時など)に4WDとなるパッシブタイプのオンデマンド4WD方式。
パートタイム4WDのようなタイトブレーキング現象が発生せず街乗りでは扱いやすいが、その分本格的な悪路走行には向いていないのでその点は十分注意されたい。
さらにLA710S型ウェイクは4WDであっても最低地上高が140mmとかなり低め。そのため除雪されていない雪道では4WDといえど、お腹が支えて亀状態でスタックする可能性があり、その点は注意が必要である。
また、FFと4WDとではラゲッジスペース下のアンダートランクボックスのサイズが異なり、4WDの方がかなり小さくなる。
ウェイク モンベルのインテリア(内装)
出典:ダイハツ認定中古車
インパネ。写真ではわかりづらいがステアリングには純正ナビ装着用のアップグレードパック(ステアリングスイッチ、16cmリアスピーカー、ツィーター、バックカメラ)が備わる。ただしナビは別売(純正を別途購入か社外品(互換性の保証なし)を用意するか)なので注意。
インパネトレイには専用デザインのトレイマットが備わる。
出典:ダイハツ認定中古車
スピードメーターはノーマルと共通。
出典:ダイハツ認定中古車
フロントシートはベンチシートタイプ。こちらもノーマルと共通となっている。
出典:ダイハツ認定中古車
リアシート。
出典:ダイハツ認定中古車
購入時にはモンベル社がウェイクのために専用開発したオリジナルシートエプロンがプレゼントされる。
出典:ダイハツ認定中古車
アウトドアを楽しんだ後、そのまま乗るとシートが汚れてしまう心配がある状況下では嬉しい装備だ。
オプションから標準装備された「イージーケアフロア」はアウトドアスポーツ後にそのまま乗ることを想定し、車内が汚れ(塗れ)ても簡単に洗い流せるような防水仕様のフロアマットとなっている。
出典:ダイハツ認定中古車
ラゲッジルーム。
アンダーラゲッジルームの拡大画像。なお4WD機構のパーツがこの下に来る関係上、容量が2WDは90Lに対し、4WDでは29L(ただしノーマルウェイクの4WDの16Lよりは拡大)となる。
アンダーラゲッジルームもイージーケアフロアとなっているのでこのように汚れたものを気兼ねなくしまうことができる。
出典:ダイハツ認定中古車
リアシートと倒した状態。フロントシートを倒せば縦方向にかなり長くなり自転車はタイヤを外さずともそのまま載せることができる。
ウェイク モンベルの評価
ウェイクのモンベルバージョンは、アウトドアユーザーに特化したユーティリティ系の軽自動車である。もう一つの特別仕様車、「波伝説バージョン」と合わせて1500台限定となっており後からアウトドア仕様に付け足すよりは手軽にアウトドアで使える仕様となっている。
アウトドアを楽しんでいる人にとってはお馴染みのモンベルデカールが入って、特別なウェイクといった感じがする。この手のレジャー用軽自動車といえばスズキのハスラーが思い浮かぶが「ウェイク モンベルバージョン」はコラボレーションによりそのキャラクターを強めていた。
ちなみにモンベルや波伝説とタイアップした背景には当時、ウェイクは大体的なCMをうった割にはあまり売れておらず、この特別仕様車はその販売促進モデルとして投入された見方が強かった。
この手のライバルとなりうるハスラーはスズキの嬉しい誤算か想像以上の売れ行きで実際街中でも(地方都市であれば)結構みかけるがウェイクはそうではない。
そこでよりレジャーユースのキャラクターを強めたコラボレーションモデルで販売台数を稼ごうという作戦であった。軽自動車としては面白いコラボモデルということでこういう遊びに使う軽の特別仕様車も歓迎したいところである。
※なお、ハスラーの直接ライバルとしてテリオスキッドの後継となる「キャスト アクティバ」が2015年9月にデビュー、その後2020年6月にはタフトが登場。実質的なハスラー対抗モデルが誕生した。
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