ジムニーはスズキのSUV型軽自動車。クロスアドベンチャー(X-Adventure)はその特別仕様車である。本稿では３代目ジムニーの７型と８型に設定された前期(第１期)のクロスアドベンチャーXCを扱う。
出典：スズキ認定中古車
３代目 スズキ・ジムニーとは？
1998年10月にフルモデルチェンジし、３代目となったスズキ・ジムニー。
初代ジムニーは1970年代、まだ排気量が360CCだった時代にジープのような伝統的な四輪駆動車の構成で誕生した。
小型で軽量のパートタイム4WD、強度と耐久性のラダーフレーム、サスペンションも前後とも固定軸と、オフロードを走る上で大事な要素を、軽自動車で実現していた。
３代目のJB23W型は伝統のラダーフレームを継承しつつも、新設計による衝撃吸収構造のフレームやサスペンションにより、オンロードでの安定性とオンロードでの走破性の向上を果たした。
グレード展開は簡素なXA（2001年6月マイナーチェンジでXGへ変更）、ベーシックなXL（2001年6月マイナーチェンジで廃止）、充実装備なXCの３種類。
エクステリアはジムニーらしさを引き継ぎながら新世代のクロカンモデルを表現。丸みを帯びたデザインでよりカジュアルなスタイルへと進化した。
ボディサイズは1998年の軽自動車新規格に対応し、ボディサイズは全長で100mm、全幅で80mm拡大。これにともない室内空間は室内長はが100mm小さくなったものの、全幅は30mm、室内高は50mm拡大。横と縦方向に居住性がアップした。
またリアシートを大型化＆分割可倒式(※XLとXCグレードのみ)することで後部座席の快適性と利便性もアップさせた。
快適装備としては全グレードでエアコンと電動パワステを標準装備。最上級のXCグレードではパワーウィンドウ、パワードアロック、キーレスエントリー、電動格納ドアミラーも標準装備とした。
その一方で先代まであった軽貨物のバンは廃止されている。
エンジンは先代のモデル終盤から採用されたタイミングチェーン仕様＆オールアルミ製のK6A型ターボエンジンを採用。最高出力は同じものの最大トルクが0.3kg高められている。
トランスミッションもATでは４速ATを新採用。静粛性と燃費が向上している。
３代目ジムニー・クロスアドベンチャーXC(７型＆８型)の特徴と他との違い
クロスアドベンチャーXCとは？
そのジムニーには特別仕様車として魅力を高めたワイルドウインドやランドベンチャーなどマイナーチェンジで型を重ねるごとに設定されていたが、2010年4月でジムニーは初代の誕生から４０周年を達成。
これを記念するモデルとして設定されたのが「クロスアドベンチャーXC」というモデルである。
「クロスアドベンチャー」とはスポーツブランド「サロモン」がヨーロッパを中心に開催している過酷なアドベンチャーレースのこと。
大自然を舞台にマウンテンバイク、カヌー等複数の競技で数日間かけて行われる競技でこの名前に由来する。
なお同時期には装備を簡素化し、5MT仕様のみだがジムニーとしては破格の新車で約115万円に抑えた「クロスアドベンチャーXA」も６００台限定で設定。
ジムニーの４０周年を記念しユーザーへの感謝を込めた１台であった。
クロスアドベンチャーXCの特別装備とベースとの違い
「クロスアドベンチャーXC」はエクステリアにランドベンチャーやワイルドウインド同様に専用メッキグリルを装着し、LEDターンランプ付きドアミラーや鏡面仕上のアルミホイール、
シルバー塗装アンダーガーニッシュ、専用サイドエンブレム、X-Adventureロゴ入り専用スペアタイヤケース、40th Anniversaryエンブレム等を標準装備。
インテリアでは「ネオソフィールクオーレ」を採用した専用シートを設定し、専用センターガーニッシュ、本革巻きステアリングなどを標準装備するなど、40週年を記念する豪華な１台となっている。
エクステリア
出典：スズキ認定中古車
フロントデザイン。７型ワイルドウインドや７型・後期ランドベンチャーでも採用されたスリット状のメッキグリルを標準採用。
これにフロントバンパーアンダーガーニッシュをシルバー塗装とすることで精悍さ＋アクセントのシルバーでスタイリッシュな外観とした。
３代目ジムニーの中でも人気の高いメッキグリルを標準装備している点はポイントが高い。
出典：スズキ認定中古車
サイドから。クロスアドベンチャーXCではルーフレールが省略された一方で・・・
出典：スズキ認定中古車
アルミホイールを鏡面仕上げとしスタイリッシュ感をアップさせた。
出典：スズキ認定中古車
LEDターンランプ付きドアミラーも標準装備される。ランドベンチャーやワイルドウインドにあったサイドエンブレムはクロスアドベンチャーではここに無く、リアに装着される。
ボディカラーは新色の「フェニックスレッドパール」を含めた５色(すべてモノトーンカラー)を設定。
出典：スズキ認定中古車
リア。ぱっと見直近のランドベンチャーやワイルドウインドと同じように見えるが…
出典：スズキ認定中古車
クロスアドベンチャーでは専用のX-Adventureデカール付アルミ製スペアタイヤハウジングを採用し、ジムニーエンブレム下には「40th Anniversary」エンブレムを装着。
他の特別仕様車とも異なるリアスタイルとなっている。
エンジン・機能装備・安全装備など
出典：スズキ認定中古車
エンジンは３気筒のターボエンジンのみの設定。
最高出力は64ps(47kW)/6500rpm、最大トルクは10.8kg・m(106N・m)/3500rpmを発生する。トランスミッションは5MTまたは4ATで駆動方式はパートタイム４WDのみとなる。
自動ブレーキ等の装備は時代的なものもありクロスアドベンチャーXCには非装備。運転席＆助手席SRSエアバッグやABSは標準装備となる。
インテリア
出典：スズキ認定中古車
インパネ。クロスアドベンチャーではハニカムパターンの専用センターガーニッシュを採用。パートタイム4WDの切替はインパネのスイッチで操作。
出典：スズキ認定中古車
ステアリングは本革巻ステアリングホイールを採用。
出典：スズキ認定中古車
スピードメーターはベースと共通だ。
出典：スズキ認定中古車
フロントシートはセパレートタイプ。７型ワイルドウインドでも採用された水や汚れを拭き取りやすい、ネオソフィールクオーレを使用した専用シート表皮を設定。
色はブラック系で統一しロゴを入れることで上質な外観も与えている。
出典：スズキ認定中古車
リアシート。
出典：スズキ認定中古車
ラゲッジルーム。
出典：スズキ認定中古車
リアシートを倒した状態。
まとめ
出典：スズキ認定中古車
３代目ジムニーのクロスアドベンチャーXCはジムニー誕生４０週年を記念するモデルとして人気のメッキグリルにシックでかつ機能的な内装を与えた特別仕様車である。
３代目ジムニーとしてはノーマル状態でも完成形といって良いぐらいバランスの取れたエクステリアでノーマル状態でもかなり良く仕上がっている。
リアはコンビランプが古臭いレンズカットタイプだが社外品が沢山リリースされているので問題無いだろう。
年式もかなり新しく予算に余裕があるのなら間違い無くオススメ出来る特別仕様車である。
なお、クロスアドベンチャーは９型マイナーチェンジ時も設定され、その際はシート表皮が一新され赤のラインを加えた撥水・透湿・消臭機能を持つアキレスの「カブロンソフト」を採用したものとなった。
クロスアドベンチャーを購入検討する場合は９型ベースも要チェックである。
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