スペーシアはスズキのトールワゴン型軽自動車。「Gリミテッド」は初代・後期に設定された特別仕様車である。
出典:Goo-net
初代 スズキ・スペーシアとは?
2013年3月にパレットの後継モデルとしてデビューしたスズキのスペーシア。
ロングホイールベースに新プラットフォームに採用で、クラストップレベルの室内長と驚異的な軽量ボディによる低燃費と軽快な走りが大きな特徴だ。
エクステリアではパレット時代から大きく変更し、オーソドックスかつ親しみやすい顔つきにピラーを立てたボクシースタイルとした。また、すべてのピラーをブラックアウト化し、かつてのレガシィワゴンのようにガラスを連続させることで開放感を演出した。
出典:ガリバーアウトレット
インテリアでは使い勝手を考慮した2段タイプとし、かつ上部をブラウンカラー、下部をベージュカラーとした2トーンカラーを採用。さらに質感をアップさせた。
メカニズムではパレットに比べて最大で90kgの軽量化を実現。そうのうえで軽くて高剛性な新型軽量衝突吸収ボディのテクト採用で低燃費と高剛性を両立しつつ、広い室内空間も実現した。
エンジンは改良型R06A型を採用。副変速機付きCVTも同時に改良し低燃費と優れた加速性能を実現した。さらに走行抵抗の低減や消音材、振り子式エンジンマウントの採用などで静粛性もアップさせている。
先進技術としてはエネチャージ、新アイドリングストップシステム、エコクールの3つを採用。
快適装備としては後席両側スライドドアに加え、後席左側には軽自動車初となるワンアクションパワースライドドアを採用。
多彩なシートアレンジや170mmスライド可能な左右独立リアシート、最大開口幅1,130mmと、開口高1,110mmの大きな荷室開口部を設けた。このほか多彩な収納スペースに快適装備の
- ロールサンシェード
- キーレスプッシュスタートシステム
- カテキン・エアフィルター付のオートエアコン
を全グレード標準装備化。「リモコンキー連動のリモート格納ミラー」を一部グレードに採用するなどパレット時代よりもさらに利便性をアップさせている。
安全装備としてはデビュー当初は設定が無かったが、2013年8月に「レーダーブレーキサポート」などを装着し、衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナル、ESPの4つを採用した。
初代・後期型スペーシア(MK42S型)とは?改良点や前期との違いなど
そのスペーシアは2015年5月にフロントデザインの変更とS-エネチャージ、新自動ブレーキシステムの導入を伴うマイナーチェンジで後期型となった。
出典:スズキ認定中古車
後期型では全グレードで新デザインのメッキグリルが標準化されたほか、自然吸気エンジンの全グレードでS-エネチャージを標準採用。軽トールワゴンとしては初のマイルドハイブリッド車となった。
出典:ガリバーアウトレット
また、自動ブレーキはそれまでの「レーダーブレーキサポート」から「デュアルカメラブレーキサポート」にアップデート。
対応速度域を向上させ歩行者検知機能をプラスするなどより強力な自動ブレーキシステムに置き換わった。
さらにボディカラーも若干変更となり、白系「パールホワイト」は「クリスタルホワイトパール」へ変更。緑系「フォレストアクアメタリック」を新規色の「フレンチミントパールメタリック」へ。
8代目アルトでお馴染みの「シフォンアイボリーメタリック」を追加して合計8色とした。
初代スペーシア(MK42S)・Gリミテッドの特徴と違い
その後期型スペーシアに2015年12月、オプション設定のデュアルカメラブレーキサポートを標準装備する特別仕様車を追加した。それがこの「Gリミテッド」である。
GリミテッドはベーシックなGグレードをベースに、前述の自動ブレーキのほか、
- ターボグレード用の大型フロントメッキグリル(LEDイルミネーション付き)
- 後部左側ワンアクションパワースライドドア
- 運転席シートリフター
- ブラックインテリアなど
を採用し利便性、安全性、質感を高めた特別仕様車となっている。
エクステリア
出典:Goo-net
フロントデザイン。Gリミテッドではターボモデルでも採用されていた大型メッキグリルを装着。
スペーシアカスタムほどではないが、ベーシックな顔つきに大型メッキグリルが加わったことでフロントデザインの押しの強さと精悍さがアップしている。
この他ホワイトのLEDイルミネーション、トップシェード付きフロントガラスが標準で備わる。
出典:Goo-net
サイドから。ベース同様全面UVカット機能付ガラスを備え、後部は標準でスモークガラスとなる。フロント、フロントクォーター、フロントドアには熱線吸収グリーンガラスを装備した。
足元は14インチタイヤとフルホイールキャップ、フロントスタビライザーを標準装備。
この他Gリミテッド仕様として左側後席にワンアクションパワースライドドア、後席両側にはスライドドアクローザーを標準装備した。
出典:Goo-net
リア。Gリミテッド用としてメッキバックドアガーニュシュを装着。バックドア右下には「S-エネチャージ」エンブレムが付く。Gリミテッドの表記は特に無い。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンは3気筒のR06A型DOHC自然吸気エンジンとターボ仕様の2種類。これにモーター機能付発電機(ISG)と専用リチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッド仕様となる。
トランスミッションは全グレードでCVT(副変速機付き。ただし軽トラのような切り替えはできず内部で自動に切り替わる)。駆動方式はFFまたは4WDの2種類。
S-エネチャージを導入したことでこの手の軽自動車としは初のリッター30を越え、カタログ燃費は自然吸気エンジンのFFモデルで32.0km/l を達成。同4WD仕様でも29.0km/lと、同年式のライバル(タント、N-BOX等)大きく引き離している。
安全技術としては前期型でグレード別設定のレーダーブレーキサポートを進化させた「デュアルカメラブレーキサポート」をGリミテッドでは標準装備。
それまでのレーダーを用いたシステムからスバルのアイサイトと同様の2台のステレオカメラ(デュアルカメラ)を用いたシステムに進化。
約5km/hから約100km/hの速度域で車両や歩行者を検知し、警報や自動ブレーキで衝突の回避または衝突時の被害軽減を図るシステムで
- 前方衝突警報機能
- 前方衝突警報ブレーキ機能
- 前方衝突警軽減ブレーキアシスト機能
- 自動ブレーキ機能
- 車線逸脱警報機能
- ふらつき警報機能
- 先行車発進お知らせ機能
- トップシェイドガラス
などがセットで備わる。
特に前方衝突警報機能は軽自動車としては異例の100km/h程度でも動作。この他、エマージェンシーストップシグナルとESP(車両走行安定補助システム)、ヒルホールドコントロールも標準装備。
インテリア
出典:Goo-net
インパネ。Gリミテッドでは黒基調のブラックインテリアを標準装備した。ステアリングはオーディオスイッチ付きで一部シルバー塗装のウレタンステアリングホイール(チルト機構付き)となる。
スピードメーター。ベースとでエネルギーフローインジケーターとステータスインフォメーションランプ付き。
出典:Goo-net
フロントシートはベンチシートタイプ。Gリミテッド用の専用ブラックファブリックシート表皮となる。他に運転席にはシートリフターが備わり、ドアトリムクロスもブラック化。アームレストとインサイドドアハンドルはシルバー塗装となる。
出典:Goo-net
リアシート。
出典:Goo-net
ラゲッジルーム。
出典:Goo-net
リアシートを倒した状態。
まとめ
出典:Goo-net
初代・後期スペーシアのGリミテッドは精悍な大型グリルにデュアルカメラブレーキサポートを標準装備。内装をブラックインテリアとした特別仕様車である。
ベーシックなスペーシアをベースにあると嬉しい自動ブレーキと外観&内装を上質とした特別仕様車となっていて、カスタム程は要らないがノーマルよりも差別化したいとか、自動ブレーキが標準で欲しいといったニーズに答えられる1台となっている。
ただし、ターボモデルは設定されていないため、ターボ付きで大型メッキグリルのデザインが欲しい場合はTグレードを検討すると良いだろう。
コメント