【最軽量・廉価な5MT専用グレード】ダイハツ エッセ エコ(ECO)(L235S型) | シン・軽自動車マニア

【最軽量・廉価な5MT専用グレード】ダイハツ エッセ エコ(ECO)(L235S型)

エッセ

エッセはダイハツのハッチバック型軽自動車。「エッセ エコ」はその最廉価、低価格グレードである。

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出典:Goo-net
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ダイハツ・エッセとは?

2005年12月に登場したダイハツのエッセ。車名の由来は英語の「ESSENCE(本質)」からで、軽自動車の本質を追求して作られた1台であった。

軽自動車は1998年の新規格後にボディサイズが一回り拡大し、それまでの軽自動車(旧規格)に比べると走りも室内空間もワンランクアップしていったのだが、それと同時に新車価格もどんどん上昇する傾向にあった。

特に乗用モデルの売れ筋ともなると100万円以上はザラで、ターボ付きとなるとさらに高く130万円~というのも珍しくなくなっていた(近年ではさらにワンランクアップし150~200万手前というグレードも珍しくない)。

そんな高価格化する軽自動車市場に低価格と割り切りで勝負したのが「エッセ」である。ちょうどスズキの8代目アルトや同社のミライースの前身的なアプローチの軽自動車で、「安くて燃費が良い」をコンセプトとしたモデルであった。

一方で低価格と低燃費を実現するため余分な物は徹底的に排除し、いわゆる軽商用バンに近い装備内容もその特徴であった。

エンジンは新開発のKF-VE型を採用し、優れた環境性能に低燃費、低価格で高い経済性を実現。

エクステリアは飽きのこないオーソドックスかつ愛嬌あるデザインに居心地いいインテリアデザイン。ボディカラーは自然色をモチーフにしたカラー設定で内外装で色の調和をさせている。

パッケージングは乗り降りのしやすさ、運転しやすさ、使いやすい室内を実現した。

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エッセ・エコの特徴とD、L、X、カスタムなどの違い

エッセエコの特徴と装備など

そのエッセの中でも最廉価で最も燃費が良いグレードがこの「エコ(ECO)」というグレードだ。

エッセエコは当時の軽自動車(2005年あたり)としては驚異的なカタログ燃費、10.5モード燃費で26.0km/lをほこり、それでいてエッセの中でも最も安く、新車価格682,500円とかなり良心的なグレードであった。

その一方で低価格を実現するために削ぎ落とされた装備も多く、軽バンのアルトバンや、一番安い軽貨物、軽トラックのような簡素な装備内容が特徴の最廉価版グレードであった。

エクステリアでは手動ドアミラー、樹脂タイプのドアハンドルにプライバシーガラス無し、スチールホイールの硬派な仕様。

快適装備はパワステとエアコン、パワーウィンドウは付くがキーレスエントリー、集中ドアロックが非装備。オーディオもレス仕様。

安全装備は運転席&助手席エアバッグは標準装備だが、ABSはオプション設定だった。

その分車重は軽く、700kgの最軽量と当時としてはトップクラスの燃費性能でありながら、新車価格70万円を切る価格設定が特徴だった。そのためサーキットやレースで走らせる場合のベース車両として人気が高いグレードだった。

モデル中盤の2009年4月に廃止し、カタログ落ち。

エコとDグレードとの違い

特にエコの次に安かったDグレードと比較すると、外観や内装、ボディカラーは同じだが快適装備が異なる。

DグレードにはCD・AM/FM付きステレオ+10cmスピーカーが標準装備に対し、エコはオーディオがオプション設定だった。

また、4WDでは寒冷地仕様が標準装備だったが、エコはオプション設定

Dグレードには3AT(※2010年4月に4ATに置換)や4WDモデルが設定されていたが、エコは5MTに2WDのみの仕様だった。

なお、Dグレードのプライバシーガラスは2009年4月の中期マイナーチェンジで、キーレスエントリーとパワードアロックと共に標準装備化されている。

エクステリア(外装)

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出典:Goo-net

フロントデザイン。外装上の変更点は特になく外観上で見分けるのはマニアでないと難しい。ベーシックかつファニーフェイス寄りのヘッドライトで愛嬌のある顔つきだ。

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出典:Goo-net

サイド。エッセエコでは非塗装のドアノブ、ドアミラーに非電動格納ミラー、いわゆる手動タイプとなる。

他にDグレードでもこのタイプなのでとりあえず純正状態でエッセエコなのかDなのかはこの部分がポイントだ。

なお、便利なキーレスも非搭載で徹底的なコストカットがなされている。ボディ形状は昨今のトールワゴンと比べるとかなり低めで空気抵抗にも有利なボンネットが出っ張った台形型をしている。

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足元は12インチフルホイールキャップ。タイヤサイズはサイズは145/80R12。

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出典:Goo-net

リア。外観上は変更点はない。エッセでは車名エンブレムとならずデカールがリアハッチ右側に付くが、写真のモデルではそれが消えている。

エンジン・機能装備・安全装備など

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出典:Goo-net

エンジンは3気筒の自然吸気エンジンのみ。新開発し、ミライースの前身となる第1世代のKF-VE型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンを搭載。

最高出力は58ps(43kW)/7200rpm、最大トルクは6.6kg・m(65N・m)/4000rpm。

トランスミッションは5MTの1種類と硬派な仕様。駆動方式もFFのみ。

エッセのエンジンは自然吸気エンジンながら58馬力と高出力で、トルクも6.6kgとかなり高い。さらに可変バルブタイミング機構のDVVTも付いており、特に低速域において扱いやすいエンジンとなっている。これに車重がFFの5MTだと700kgだったので意外と軽快に走る。

さらに値段も安かったためジムカーナなどでも人気の車種。現在でもセダンタイプの軽MTがほとんどない中、人気が衰えていない。

そしてエッセエコでは燃費を上げるために当時としてはかなりの軽量化と装備の簡略化を行い車重700kgを実現。全グレードの中でも最軽量を誇った。当然ながら燃費も26.0km/lと安い(新車価格約69万の)割に好成績。

このモデル自体は軽量ボディに5MTで値段と燃費を追求したモデルだったが、その結果パワーウェイトレシオは12.06kg/psとターボ無しの軽自動車にしてはかなり優秀な値をマークし、高圧縮比(10.8)なエンジンと相まって走り好きの男性に好評のグレードであった。

なお、ABSはオプション設定となっていたため、中古車ではABSがついてない車両もある。

エッセの持病・エンジンのオイル消費(オイル上がり)、オイルリング固着

なお、このKF型エンジン。自然吸気エンジンとしてはかなりパワフルで可変バルブタイミング機構など魅了的だが、その分オイル管理が重要で特にオイル上がり、オイル下がりなどオイル消費に関するトラブルが数多く報告されている。

特にエッセに搭載された初期型のKFエンジンには有名な「オイルリング固着」という症状がある。これはオイルリングがスラッジで固着し、オイルを大量消費する事態に発展する。

エッセは外観や安さから女性の買い物グルマとして重宝された側面もあり、そういったメンテナンスに興味がないオーナーはたまにエンジンを高回転まで回すこともなく、オイル管理も疎かになっているケースがある。

そして、本稿で扱っているエッセ・エコはこの初期型KFエンジンに該当する。

中古個体によってはオイルリング固着の症状を抱えている可能性がある。中古車で購入する前は記録簿や実物を確認し、マフラーから白煙が出てないか、オイル消費が激しくないかなどを確認することをオススメする。

なお、ダイハツからはこの初期型KFエンジンのオイルリング固着に関するリコールは出されておらず、初期のエッセ(オイルリング対策済みとなる2010年2月以前)は特に要注意である。

インテリア

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出典:Goo-net

インパネ。センターメーターがそこらの商用モデルとは違う雰囲気を感じさせるがデザインや色使いは商用モデルに近く安っぽい。また、内装が一部省かれているため写真のようにボディが見えるのもエッセの特徴だ。

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スピードメーター。もちろんタコメーターは無いシンプルな1眼式。

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エアコンはマニュアル式エアコン。廉価な車だがエアコンは標準装備。

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5MTのシフトノブ。こちらもデザイン的にはかなり安っぽい。

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フロントシートはセパレートタイプ。商用モデルのようなヘッドレスト一体型のシート。シートカラーは乗用モデルだが、上級グレードカラーシート表皮&内装の「ハーモニーインテリア」は非設定。

なお、パワーウィンドウはかろうじてあるため、手動ウィンドウではない。

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リアシート。アルトなどと同じ一体可倒式でヘッドレストは非装備。

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ラゲッジルーム。

まとめ

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出典:Goo-net

エッセエコは当時としてはかなりの低燃費と低価格を実現したモデルである。

○○エコというとスズキにもH35A系の「アルトエコ」があるが、あちらは女性にも嬉しいAT(CVT)を設定していたに対しエッセエコでは5MTのみとかなり硬派な仕様で、結果的に5MTを好む走り好きユーザーに好評となった。

生産終了以降は低価格な5MTの中古軽自動車として人気があり、若干高くなりがちな「エッセカスタム」よりも安く買えるため最低限の装備を気にしないのであれば非常に手頃なモデル。

その軽量ボディと中古価格の安さは改造ベースとしても魅力的である。それ以外に街乗りメインでも5MTで楽しみたいという人にオススメな1台だ。

ただし注意点として上述のオイルリング固着などの持病があるため、中古で買う場合はよく確認することを強くオススメする。

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