【初代・後期型 特別仕様】スズキ ハスラー Fリミテッド(MR41S型) | シン・軽自動車マニア

【初代・後期型 特別仕様】スズキ ハスラー Fリミテッド(MR41S型)

ハスラー

ハスラーはスズキのクロスオーバーSUV型軽自動車。「Fリミテッド」はその特別仕様車である。

出典:ガリバー
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スズキ・初代ハスラーとは?特徴など

2013年の東京モーターショーで初公開。翌年2014年1月にデビューとなったスズキ・ハスラー

軽自動車でありながらクロスオーバーSUVという、(※デビュー当初は)他社モデルにはあまりない異色の軽自動車であった。

あまりというのは、実はスズキには2009年まで、「Kei」というハスラーと同じコンセプトの車があった。生産終了となったいまでも雪国では「Kei」が生活の足として現役だ。

それはほどよい車高大きめのタイヤを持つ軽自動車がワゴンRよりも雪道では強くジムニーよりも車内が広くて使いやすいためである。

今回登場となったハスラーはその「Kei」の後継モデルとしつつ、新たに個性的でポップなキャラクターを与え、積雪地域でのKeiの乗り換え需要と新たな客層を狙ったモデルである。

出典:ガリバー

ハスラーはKeiを作った時と同じ手法で、売れ筋であるワゴンR(※Keiのときはアルト)のプラットフォームを流用し、ボディと内装を新設計。

Keiのときと同じくベースモデルよりも車高を上げて最低地上高をアップ(FFで180mm、4WDでは後輪のデフ下は175mmを確保)。

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※アプローチアングルは28度、デパーチャーアングルは46度、ホイールベースは2425mm

さらにワゴンRよりもひと回りかふたまわり大きな大径タイヤ(15インチ)を履かせることで悪路、特に積雪地域の雪道などでの走破性を高めた車である。

エンジンはベースとなった5代目ワゴンRと同じR06A型を採用。自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類を設定し、「スズキグリーンテクノロジー」を適用。

新軽量衝撃吸収ボディー「TECT」に加えてアイドリングストップ時でも冷たい風を送り出せる「エコクール」を最廉価のAグレード以外で標準装備。

また、エネチャージの搭載でCVT・自然吸気エンジンのFFモデルでは29.2km/l(JC08モード)、CVT・自然吸気エンジンの4WD仕様でも25.2km/l(JC08モード)とワゴンRゆずりの高い燃費性能を実現している。

先進安全技術として、レーダーブレーキサポート「衝突被害軽減ブレーキ」、誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナル、ESPをセットでAグレード以外のCVT車に標準装備とした。

ハスラーはKei時代には無かった悪路走破性を高める「グリップコントロール」を4WD仕様車で標準装備。これ以外では坂道でゆっくりと下る「ヒルディセントコントロール」も標準装備とし、Kei時代よりもSUVの性能をアップさせている。

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初代・後期型ハスラーの改良点と前期との違い

2015年5月、ハスラーは5代目・後期型ワゴンRで先行していたマイルドハイブリッドシステムの「S-エネチャージ」を適用し、後期型となった。本稿で扱うのはこのS-エネチャージ適用以降のハスラーである。

前期型までのエネチャージではバッテリーとは別の第2の蓄電池を設け、オルタネーターの代わりに蓄電池から電力を供給することで無駄なガソリン消費を抑えるものだったが、S-エネチャージではモーター機能付きのオルタネーターを採用。

発電の他、エンジンのアシスト源(スターターモーター機能とモーターアシスト機能)として使うことでワゴンRに続きハスラーもマイルドハイブリッド仕様に進化した。

さらに蓄電池は高効率リチウムイオンバッテリーを採用したことで、充電や給電性能を向上。モータアシストに必要な大電流に対応させた。

これらS-エネチャージを採用したことで燃費性能はさらに向上し、自然吸気エンジンのFFモデル・CVT仕様で32.0km/l(JC08モード)。

同4WDでも30.4km/l(JC08モード)を達成し、リッター30kmの大台に到達。前期型の初期よりも燃費をアップさせた(※これによりハスラーのS-エネチャージ仕様車はエコカー減税の対象車種となる)。

特別仕様車・初代後期ハスラー(MR41S)Fリミテッドの特徴、Gグレードとの違い

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そして2016年12月。ハスラーの特別仕様車第3弾として設定されたのが本稿で扱う「Fリミテッド」である。

FリミテッドのFはFavoritの意味で同時期にラパン、(普通車の)ソリオバンディットにもFリミテッドが設定された。

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ハスラーのFリミテッドでは真ん中のGグレードをベースに外装では

  • ディスチャージヘッドライト(ハイロー切り替え式)
  • ガンメタリックの専用フロント&バンパーガーニッシュ
  • ブラックメタリック色の専用15インチスチールホイール(鉄チンホイール)
  • 電動格納式リモコンドアミラー(リモート格納機能付き)
  • スモークメッキのHUSTLERエンブレムとバックドア用の車名エンブレム
  • フロントドア用に「F limited」エンブレム

を特別装備。

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内装では

  • ボディカラーにあわせた4種類のインパネ
  • カーキ色の専用色ファブリックシート
  • 専用色シートパイピング
  • メッキインサイドドアハンドル
  • 専用フロアマット
  • ステアリングオーディオスイッチ

を与えた。他にも機能装備としてフロントドアを「プレミアムUV&IRカットガラス」に変更。

安全装備としてステレオカメラ方式の衝突被害軽減システム、「デュアルカメラブレーキサポート」をオプション設定。

中間グレードベースでありながら上級グレードに匹敵する充実の内外装&安全装備で魅力を高めた特別仕様車となっている。

エクステリア

出典:ガリバー

フロントデザイン。GグレードをベースにFリミテッド仕様としてガンメタリック色の専用フロントバンパーガーニッシュと同じくガンメタリック色の「HUSTLERエンブレム」を標準装備とした。

ノーマルではバンパーガーニッシュはホワイトカラーだったため、ガンメタリック色により落ち着きと上級な雰囲気が与えられている。また、グリル上のHUSTLERエンブレムも標準グレードにはない装備で、(後付も可能だが)最初から付いている&JスタイルⅡとは異なるガンメタリックカラーの点は嬉しい部分だ。

ヘッドライドはFリミテッド仕様としてディスチャージヘッドライト(ハイロー切り替え式)を標準装備とした(ベースではオプション設定)

出典:ガリバー

サイド。

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出典:スズキ認定中古車

Fリミテッド仕様としてリモート格納機能付きの電動格納式ドアミラーを標準装備。フロントドアには「Fリミテッド」専用エンブレムが付く。

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足元はFリミテッド仕様としてブラックメタリック色の15インチスチールホイール(鉄チンホイール)を標準装備。

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ボディカラーはFリミテッド仕様としてすべて2トーンカラーの組み合わせを計4種類を設定。ただし、ベースモデルと組み合わせが異なり、ブラック2トーンルーフ仕様の「パッションオレンジ」とホワイト2トーンルーフの「クリスタルホワイトパール」が専用設定される。

出典:ガリバー

リア。Fリミテッド仕様としてガンメタリック色の専用バンパーガーニッシュを与えた。

エンジン・機能装備・安全装備など

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エンジンは改良型のR06A型直列3気筒自然吸気エンジン+モーター(S-エネチャージ)となる(※ターボ仕様は未設定)。

最高出力52ps(38kW)/6000rpm、最大トルク6.4kg・m(63N・m)/4000rpmを発生。

S-エネチャージ仕様では圧縮比の向上やEGRシステム採用に加え、吸気、排気系を見直し、低中速の動力性能を高めた改良型のR06Aとなっている。トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFFまたは4WDとなる。

S-エネチャージでは従来型のオルタネーターに加えてアシスト用のオルタネーター機能付きのモーター(出力1.6kW)が加わり、モーターによる回生発電&アシストのマイルドハイブリッド仕様となる。

特にモーターアシスト領域がエネチャージの「15km~85km/h」に対し、「発進後~85km/h」に拡大している。このほか、エコクールが全グレードで標準装備となる。

S-エネチャージではハイブリッド化による走りのモーター感は皆無なものの、登坂時や発進時ではモーターのアシストで若干登坂能力が改善されており、特に自然吸気エンジンでは効果が期待できる。

さらに素晴らしいのはアイドリングストップ時の再始動音で、あの独特のエンジンスタート音がとても静かな点。これは確実に軽自動車の質感を向上させるポイントである。

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安全装備としては(上級グレードの)XやXターボのみ設定されていた「デュアルカメラブレーキサポート」をFリミテッド仕様としてオプション設定。

従来のレーダーを用いたシステムとは異なり、名前の通り2台のカメラで衝突回を行うものである。この手の技術ではスバルが「アイサイト」として先行しているが、スズキもついにステレオカメラの採用で並んだ感じだ。

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「デュアルカメラブレーキサポート」のステレオカメラは特に対車での動作が素晴らしく、以前のレーダーブレーキサポートでは~30kmまでが作動領域だったのに対し、なんと~100kmまでとかなりの進化を遂げた。

これ以外に誤発進抑制機能をエマージェンシーストップシグナル、ESPを標準装備。車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能はデュアルカメラブレーキサポートと同じくオプション設定となる。

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4WD仕様車では上述の通り悪路走破性を高めるため「グリップコントロール」を標準装備。軽乗用車では初となるグリップコントロールは一般的なSUVが持つデフロック機能に近いシステム。

デフロックそのものは持たないものの、悪路でスタックしそうになったとき自動でスリップしているタイヤを感知。

そのタイヤに対して機械が自動的にブレーキを与えることでグリップする側の駆動力を確保し、スムーズな発進をアシスト。これにより日常走行(特に市街地等での雪道)での走破性が高くなっている。

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これ以外では坂道でゆっくりと下る「ヒルディセントコントロール」も標準装備。

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FFモデルと4WDモデルの両方でヒルスタートアシストを標準装備。

Kei時代ではいずれの装備(※Kei FISフリースタイルカップリミテッドを除く)もなく、ちょっと車高の高い生活四駆程度だったが、ハスラーではよりSUVとしての性能をアップさせている。

インテリア

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インパネ。Fリミテッド仕様ではボディカラーに合わせてオレンジ、イエロー、ホワイトの3種類を設定した。

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出典:スズキ認定中古車

ステアリングはチルトステアリングタイプ。Fリミテッド仕様としてステアリングオーディオスイッチが標準装備となった。

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出典:スズキ認定中古車

スピードメーターはベースと同じ。エコ運転を上部のグリーン(エコ)やブルー(通常)、ホワイト(エネルギー回生)状態を光りで表示(ステータスインフォメーションランプ)。さらにアイドリングストップインフォメーションを液晶パネルに表示する。タコメーターは液晶パネル部分の表示を切り替えて表示させる。なお、JSTYLEⅡターボ仕様ではステアリングにパドルシフトとクルーズコントロールが標準で付く。

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S-エネチャージ搭載により、液晶パネルに回生発電やモーターアシストなどの状態を表示する「エネルギーフローインジケーター」が追加された。

出典:ガリバー

フロントシートはベンチシートタイプ。Fリミテッド仕様として専用のカーキ色ファブリック表皮にガンメタリックのシートパイピングを採用した特別仕様となっている。

このほかFリミテッド仕様としてメッキインサイドドアハンドルも標準装備とした。

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出典:ガリバー

フロアマットもFリミテッド仕様として専用のラバー製フロアマットを標準装備。

出典:ガリバー

リアシート。スライド機構付き。

出典:ガリバー

ラゲッジルーム。

出典:ガリバー

リアシートを倒した状態。

まとめ

出典:ガリバー

ハスラーのFリミテッドは、中間グレードのGグレードをベースとしながらガンメタリックやブラックメタリックカラーの専用パーツとオプション設定ではあるが強力なステレオカメラによる自動ブレーキの「デュアルカメラブレーキサポート」を与えた特別仕様車である。

ターボ仕様こそないものの、ブラック系のコーディネートで最上級の特別仕様車である「JスタイルⅡ」の次ぐらいにスタイリッシュかつ上級な装備内容となっている点がポイントだ。

特に価格面ではJスタイルⅡよりも10万円程度安くなっており、JスタイルⅡの高すぎる新車価格に抵抗のある人にとっても選びやすい特別仕様車といえよう。

中古市場では大人気の初代ハスラーとあって中古価格がかなり高め。

Gグレードと比較してもディスチャージヘッドランプやHUSTLERボンネットエンブレム、専用シート表皮、専用2トーンカラーなど装備が若干良くなるため、同程度の個体であれば少し高くなる傾向がある。

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