【初代】スバル シフォン(LA600F/LA610F型) | シン・軽自動車マニア

【初代】スバル シフォン(LA600F/LA610F型)

シフォン

シフォンはスバルのトールワゴン型軽乗用車。ダイハツ・タントのOEMモデルである。

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初代 スバル・シフォンとは?

2016年12月に登場したシフォン

スバルの軽自動車は2009年9月からディアスワゴン(アトレーワゴンのOEM)を筆頭に順次ダイハツ製のOEMモデルに切り替わっていたが、全ての軽自動車がOEM供給されず、既存モデルの後継かもしくは新ジャンルなど特定モデルのみとなっていた。

しかしながら軽自動車の競争激化を背景に2016年8月、富士重工業(スバル)はダイハツ工業との連携強化の発表があった。

スバル側は車種を増やして顧客ニーズに対応。ダイハツ側は販路拡大による販売台数の積み増しを目指したものであった。その第1段として登場したのがこの「シフォン」でる。

出典:スバル認定中古車

シフォンはダイハツの3代目・後期型タントのOEMモデルとなり、この手の背の高い軽自動車(モアスペース系の軽自動車)としてはルクラ(タントエグゼのOEM)以来の登場となった。

ルクラが供給された当初はあえてタントを選ばず、スバルブランド用にダイハツとは差別化がなされていたが、今回は人気モデルのストレートなOEM供給となっている。

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シフォンLA600F/LA610Fの特徴とタントLA600S/LA610Sとの違い

スバル・シフォンでは内外装は特に差別化はなされずエンブレム程度の変更となる。

グレード構成も非常にシンプルで、ノーマルグレードはベーシックな「L スマートアシスト」とミドルグレード「G スマートアシスト」(※ダイハツ版では「G SAⅢ」グレードではなく「X SAⅢ」グレードに相当)の2種類のみ。

名前からも想像がつくように共にスマートアシスト搭載グレードのみとなる。また、ノーマル顔のターボグレードであるXターボなども未設定となっている。

LA600F (18)

シフォンはスバルの軽乗用車としては初となる両側スライドドアに加え、タント譲りのミラクルオープンドアの採用と1940mmの大開口部を実現。

使い勝手や圧倒的な室内空間の広さなどこれまでのスバルの軽乗用車にはなかったジャンルとなっている。

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安全装備でもスマートアシストⅡを進化させたスマートアシストⅢを全グレードで標準装備。

スズキに先行されていたステレオカメラ式の自動ブレーキをシフォンでも採用することで作動領域の拡大や今まで不可能だった歩行者などへの緊急ブレーキの作動を高めた。

特に緊急ブレーキはスマートアシストⅡの対車両で約4~50km/hだったものが約4~80km/hにパワーアップ。街乗りから郊外まで実用性が高くなった。

また、ステレオカメラを用いたハイビームアシストも同時に採用し、自動ブレーキ面でも強化されたモデルとなっている。

【3代目・後期型】ダイハツ タント(L600S/L610S型)グレード一覧・概要解説

初代シフォンのグレード一覧 L スマートアシスト、G スマートアシストの違いなど

初代シフォンのグレード展開はベーシックな「L スマートアシスト」、上級「G スマートアシスト」の2種類のみ。

供給元のタントに設定されていた標準ターボ仕様(Xターボ系)はシフォンには非設定。

特別仕様車には「Gスペシャル スマートアシスト」と、「Gスペシャル スポーツ スマートアシスト」が設定されていた。

L スマートアシスト

初代シフォンのベーシックグレード。タントの「L SAⅢ」に相当するグレード。

エクステリアでは電動格納ミラーのキーフリー連動オート格納機能が省略。スーパーUV&IRカットガラスも省略され、従来どおりのUVカットガラスのみとなる。

電動スライドドアとスライドドアイージークローザーも非装備で完全な手動スライドドアとなる。

インテリアではセンタークラスターがブラック塗装仕様。

快適装備ではマニュアル式エアコン、電波式キーレスエントリーを標準装備。

Gグレードのキーフリーシステムやプッシュエンジンスタート、フルオートエアコンは非装備となる。

安全装備は運転席&助手席エアバッグ、EBD付きABS、VSC&TRC、シートベルト締め忘れ警告灯(運転席のみ)を標準装備。サイドエアバッグはオプション設定。

後期モデルがOEM供給されたため、VSCとTRCを標準装備。さらに4WDモデルでは運転席シートヒーターとリアヒーターダクトを標準装備する。

G スマートアシスト

初代シフォンの上級グレード。タントの上級グレード「X SAⅢ」に相当する。

エクステリアではキーフリ連動のオート格納式ドアミラー、後席左(助手席)側パワースライドドア、スライドドアイージークローザー(左右)、リアアンダーミラー、スーパーUV&IRカットガラスを標準装備。

インテリアではシルバーインパネガーニッシュ、プレミアムシャインブラックのセンタークラスターを標準装備。

快適装備ではフルオートエアコン、プッシュエンジンスタート、キーフリーシステム、オートライトを標準装備する。

後期モデルがOEM供給されたため、Lグレードと同じくVSCとTRCを標準装備。さらに4WDモデルでは運転席シートヒーターとリアヒーターダクトを標準装備する。

特別仕様車 Gスペシャル スマートアシスト

2017年12月設定の特別仕様車。タントの特別仕様車「X リミテッド SA III」のOEMモデル。

「Gスペシャル スマートアシスト」では「G スマートアシスト」をベースに「パノラミックビューモニター」と「右側パワースライドドア」、「LEDヘッドライト」を標準装備とした特別仕様車。

特別仕様車 Gスペシャル スポーツ スマートアシスト

2018年12月設定の特別仕様車。タントの特別仕様車「X VS SAⅢ」のOEMモデルで、スバルバージョン。

「Gスペシャルスポーツ スマートアシスト」はノーマルシフォンの最上級グレード、「G スマートアシスト」をベースに「アルミホイール」や「LEDヘッドライト」、「タコメーター付き3眼メーター」や「ブラック内装」でスポーティかつ上質な雰囲気とした特別モデル。

エクステリアでは

  • オプション設定のLEDヘッドライト
  • シフォンカスタム用14インチアルミホイール
  • 快適装備として両側パワースライドドア

を標準装備。ボディカラーには「レーザーブルークリスタルシャイン」を特別設定。

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インテリアではオプション設定のブラックインテリアを標準装備とし、インパネにはシャドウフロー柄ブラックインパネセンタークラスターを特別装備。タコメーター付き3眼メーターも標準装備。

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安全装備ではパノラミックビューモニターとSRSサイドエアバッグを標準装備とし内外装でスポーティかつ上質に仕立てている。

【初代】スバル シフォン Gスペシャルスポーツ スマートアシスト(LA600F/LA610F型)

エクステリア(外装)

出典:スバル認定中古車

フロントデザイン。3代目・後期型のタントがベースモデルとなる。ただし、上述のとおりステラのような専用パーツの装着は一切なく、エンブレムのみの変更となる。

ベースと同じくベーシックだが切り込みの大きいヘッドライドによりスタイリッシュな顔つきだ。

LA600F (15)

メーカーオプションではLEDヘッドライドを設定。

LA600F (14)

フロントガラスはUV&IRカット機能付ガラスとなる。

出典:スバル認定中古車

サイド。このあたりもベースと同じ。スライドドアは両側に付き、Lスマートアシスト以外のグレードで左側がパワースライドドアとなる。さらにメーカーオプションでは右側パワースライドドアを選択可能だ。

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スライドドアはLスマートアシストを除いてイージードアクローザーが両側に標準装備となる。このほか、助手席ピラーレスとしたタントでおなじみ「ミラクルオープンドア」はLとGの両方に標準装備となる。

LA600F (11)

足元は14インチフルホイールキャップ。

出典:スバル認定中古車

リア。こちらもエンブレム以外はベースと同じ。スバル仕様では六連星エンブレムがリアハッチ中央に。右下には車名の「CHIFFON」エンブレムが付く。さらにエマージェンシーストップシグナルも全グレードで標準装備。

エンジン・機能装備・安全装備など

L600S_last (5)

エンジンはKF型直列3気筒自然吸気エンジンのみ。52ps(38kW)/6800rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/5200rpm。

トランスミッションはCVTのみで駆動方式はFFまたは4WDとなる。この他VSC&TRCとアイドリングストップ、ABS、エマージェンシーストップシグナル、ヒルホールドシステムが標準装備となる。

安全装備としては自動ブレーキのスマートアシストⅢを全グレードで標準装備。単眼カメラ+レーザーレーダーだったスマートアシストⅡからステレオカメラによる認識に変更し、制限対象や認識範囲が拡大した。衝突警報機能、衝突回避支援ブレーキ機能では対歩行者を追加。

このほか車線逸脱警報機能、先行車発進お知らせ機能、AT誤発進抑制制御機能、新機能のハイビームアシストなどベースと同じく盛りだくさんの機能が搭載されいる。

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動作範囲やスピードに関しては以下の通り。

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ただし先行していたスズキに対し、被害軽減ブレーキの速度が80km(スズキは100km)など若干劣る内容となっている。

シフォンカスタムLA600FとLA610Fとの違い

シフォンカスタムLA600FとLA610Fの違いは駆動方式にある。

LA600Fは前輪駆動のFFモデル。LA610FはFFベースの4WDモデル(※スバルでの呼び方はAWD)となる。ただし、LA610Fは本格的な4WDとは異なりいわゆる生活四躯(スタンバイ4WD)と呼ばれるタイプ。FFをベースにビスカスカップリングで後輪を駆動させる。

ジムニーパジェロミニなどの本格4WDでは2駆と4駆を任意に切り替えるパートタイム4WDが採用されるが、スタンバイ4WDは必要なときだけ自動的に4WDに切り替わるので、燃費性能やコスト面、扱いやすさで有利なシステム。SUV以外の一般的な乗用車によく用いられる4WDシステムである。

このビスカスカップリングは消耗品で走行距離により寿命を迎える。よって過走行の4WDのLA610Sタントカスタムを購入する際は特にカーブ等でビスカスカップリングから異音がしないかなど試乗して注意したほうがいい。

インテリア(内装)

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インパネ。こちらもベースと同じくステアリングの六連星マーク以外は同じ。

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オプション設定で、カスタム用のブラックインパネが設定されている。

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スピードメーター。ノーマル、ブラックインパネの両方でスピードメーターはタコメーター無しのシンプルタイプ。自発光式タイプでエコインジケーター付き。

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エアコンはGグレードでオートエアコン。センタークラスターはシャインブラックカラー。

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Lグレードではマニュアル式エアコンとなる。

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エンジンスタートはプッシュスタート式。パワースライドドアのスイッチもインパネ右側に集約。

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ベース同様に12もの収納スペースを設け利便性を向上させている。

出典:スバル認定中古車

フロントシートはベンチシートタイプ。このシートもベースと同じ。

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ブラックインテリア選択時はブラックシート表皮となる。

出典:スバル認定中古車

リアシートはスライド機構付き。

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後部座席には全グレードでロールサンシェードを標準装備。

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ラゲッジルーム。

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リアシートを倒した状態。

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リアガラス内側にはリアアンダーミラーを全グレードで標準装備とした。

まとめ

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スバルのシフォンは、スバルの軽乗用車史上初となる両側スライドドア付きのトールワゴンである。

内外装ではスバル版の専用装備が無く、ステラと比較すると個性は薄いのだがモデルそのものはよく出来ており室内空間やミラクルオープンドアなどの使い勝手の良さにパワーアップした自動ブレーキのスマートアシストⅢなど売れ筋とだけあって抜かり無い魅力的な装備や機能が魅力的なモデルである。

売れ筋のダイハツ版であれば街でよく見かけるモデルなため、ここはあえてOEM版のシフォンを選ぶという選択肢もアリなのかもしれない。

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