タントはダイハツのトールワゴン型軽自動車。本稿では３代目L600SおよびL610Sの後期型（2015年12月マイナーチェンジ～）に設定された特別仕様車、「X VS SAⅢ」を扱う。
３代目 ダイハツ・タントとは？
2013年10月にフルモデルチェンジし、３代目となったダイハツのタント。
３代目ではよりシャープな顔つきになり、この手の軽では当たり前となった両側スライドドアを備え(2代目では片側のみだった)、室内空間も若干向上した。
もちろん、２代目で採用された助手席センターピラーレスのミラクルオープンドアも健在だ。その上で車重は２代目と同等とするなどフルモデルチェンジに相応しい内容となっっている。
エンジンもミライースで培った「ｅ：Ｓテクノロジー」を適用し、燃費を向上。自動ブレーキもこの３代目から新規に採用され万が一の安全装備も備えるようになった。
３代目・後期型タントとは？ 前期との違いなど
その３代目タントは2015年12月に内装のカラー変更と外装ではツートンカラー仕様車を設定するマイナーチェンジを行い後期型となった。
後期型ではノーマルタントでは特に見た目の変更点が無いのだがツートンカラーの特別仕様車、「ホワイトアクセント」でタント初となるツートンカラーの設定。
内装ではブラウンの撥水加工ファブリックシートやシャインブラックのセンタークラスターの採用でよりカジュアルさをアップしたマイナーチェンジとなっている。
出典：ダイハツ認定中古車
2016年11月の一部改良では自動ブレーキ面でそれまでの「スマートアシストⅡ」を「スマートアシストⅢ(以下、SAⅢ)」にバージョンアップ。
新たに小型ステレオカメラの採用により衝突回避支援ブレーキ機能が歩行者にも対応した。
さらに作動速度域の拡大を実現したことで、従来よりもさらに安全性を向上している。さらにコーナーセンサーもスマートアシストⅢ搭載車に標準装備するなど自動ブレーキ面での拡充をはかった。
３代目タント 特別仕様「X VS SAⅢ」とは？特別装備やノーマルとの違いなど
そして2018年12月。上級グレードの「X SAⅢ」をベースに特別な内外装とパノラマモニター、右側パワースライドドアなどの安全・安心、快適装備を採用しつつ、お買い得な特別仕様車を設定した。
それがこの「X VS SAⅢ」である。
VSという特別グレードは初代のタントや歴代のムーヴあたりにも設定されていたグレードでエアロパーツや専用内装などを採用しベースモデルよりも精悍としたものだが、今回の３代目タントのX VSでもそれを踏襲している。
外装面においては
- VS専用１４インチアルミホイール
- LEDヘッドライト
専用ボディカラーとして新色の「レザーブルークリスタルシャイン」をオプション設定。
内装面ではブラックインテリアパックを適用し、
フルファブリックのブラックシート
- ブラックインパネ
- ブラックドアトリム
- メッキエアコンレジスターノブ
- エアコンセンターレジスターリング
- メッキインナーハンドル
を標準装備とし、この他に
- プレミアムシャインブラックセンタークラスター
- 自発光式大型３眼センターメーター
- プレミアムシャインブラック＆ファブリックドアアームレスト
を。
安全・安心・快適装備としては本来オプション設定となっていた「右側パワースライドドア」を標準装備。
このほかパノラマモニター対応カメラも標準装備としつつお買い得とした特別仕様車となっている。
エクステリア
出典：ダイハツ認定中古車
フロントデザイン。フロントまわりのVS仕様としてはパット見は特になく、ベースモデルと同じ外観。
出典：ダイハツ認定中古車
ヘッドライトは本来オプション設定となっていた「LEDヘッドランプ」を標準装備とした。
出典：ダイハツ認定中古車
サイド。専用ボディカラーに「レザーブルークリスタルシャイン」をメーカーオプションとして新設定。このほかVS仕様として右側パワースライドドアが標準装備となる(本来はオプション設定)。
出典：ダイハツ認定中古車
足元は切削加工が施された専用の１４インチアルミホイールとなり、ベースモデルとの印象がかなり異なる。
出典：ダイハツ認定中古車
リア。このあたりはベースモデルと同じで、スズキ車に見られるような専用エンブレム類も特になし。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンはKF型直列３気筒自然吸気エンジンのみ。ターボ仕様のVSは非設定となる。
最高出力52ps(38kW)/6800rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/5200rpm。
トランスミッションは全グレードでCVTのみで、駆動方式はFFまたは4WDとなる。
安全装備としては自動ブレーキのスマートアシストⅡをバージョンアップさせたスマートアシストⅢを搭載。ステレオカメラを用いたスマートアシストⅢへと進化した。
スマートアシストⅢではそれまで未対応だった対歩行者の自動ブレーキを可能とし、それ以外でも動作速度域を上げるなどステレオカメラによるパワーアップがなされた。
このほか、ステレオカメラを用いたハイビームアシストも搭載し、順当なバージョンアップとなっている。
さらに自動ブレーキ以外ではVSC＆TRCとアイドリングストップ、ABS、エマージェンシーストップシグナル、ヒルホールドシステムが標準装備となる。
インテリア
インパネ。VS仕様では「ブラックインテリアパック」が標準装備となるため、ブラックを基調とした精悍なデザインとなる。
センタークラスターはシャドウフロー柄のプレミアムシャインブラックセンタークラスター。
出典：ダイハツ認定中古車
スピードメーターもカスタム用の自発光式３眼タイプ(タコメーター付き)を標準装備。
このほか、VS仕様としてパノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパック(ステアリングスイッチ、バックカメラ、16cmリヤスピーカー、ツィーター、GPS アンテナ、フルセグ TVフィルムアンテナ用ハーネス)を標準装備。ただしナビは別売。
フロントシートはベンチシートタイプ。
VS仕様ではブラックインテリアパックの標準装備によりフルファブリックのブラックシート表皮とブラックドアトリム、メッキインナーハンドル、SRSサイドエアバッグが標準装備となる。
このほかプレミアムシャインブラック＆ファブリックドアアームレストも標準装備。
出典：ダイハツ認定中古車
リアシート。スライド機構付き。
出典：ダイハツ認定中古車
ラゲッジルーム。
まとめ
X VS SAⅢの総評
３代目後期型タントに設定された特別仕様車、「X VS SAⅢ」は一際目立つ１４インチアルミホイールや落ち着いた深みのブルーの専用のボディカラー、ブラック内装やカスタム用3眼タコメーター、パノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパックなど上級グレードをベースにさらに精悍さと快適性をアップさせた仕様となっている。
この追加仕様で新車価格はベースモデルよりも6万5千円アップに抑えられていたため、かなり良心的な特別仕様車となっていた。
タントカスタムにもX VSは設定されているが、ノーマルタントの場合はベーシックなイメージは残しつつも自己主張の強いアルミホイールと専用ボディカラーで独特の雰囲気が構築されており、これにブラック内装が組み合わされるため「タントカスタムまでは必要ないけど、標準のタントでは物足りない」といったニーズに答えられる1台となっている。
ターボ仕様が無いのが残念だが、自然吸気エンジンのみが候補でちょっと上級な標準顔のハイトワゴンが欲しい場合に嬉しい1台といえよう。
スバル・シフォン Gスペシャルスポーツ スマートアシストとしてもOEM供給
X VS SAⅢはスバルへシフォンの特別仕様車、「Gスペシャルスポーツ スマートアシスト」としてもOEM供給された。
エンブレムの変更程度で、差別化がほどんど無いがスバル版はあまり売れなかったのでタマ数が少なく、その特別仕様車ともなるとさらに希少。滅多に見かけないモデルとなっている。
コメント
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
新型タントも来たし復活の時よ
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
年内にもう一回くらいは更新見たいよ！