エブリイワゴンはスズキのワンボックス型軽自動車である。ここでは2代目のDA64W型の2007年7月(3型)~2010年4月(4型)までの中期型に設定された特別仕様車、「JPターボリミテッド」を扱う。
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2代目 スズキ・エブリィワゴンとは?
2005年8にフルモデルチェンジし、2代目となったスズキ・エブリイワゴン。
商用モデルの「エブリイ」に対し、乗用モデルは「エブリイワゴン」となる。開発コンセプトは「ファミリーがファーストカーとして選んで満足できる『軽ミニバン』」。
快適な居住空間と便利な積載性能を追求し、パワースライドドアの採用など乗用モデルとしての使い勝手をさらに向上させたフルモデルチェンジとなった。
エクステリアでは箱型で安定感のあるスクエアかつスタイリッシュなボディデザインにピラーの一部をブラックアウト化。開放的かつ大きな窓を表現した。
さらにグリップ式メッキドアハンドルの採用や、スライドドアレールガーニッシュの採用、3つの新色を追加した7種類の豊富なボディカラーを採用した。
インテリアではベージュとブラウンの2色を採用し、グレード別でJPとJPターボにはブラウンシート。PZターボ、PZターボスペシャルグレードにはブルー&グレーの2タイプのシート表皮を用意。
便利装備としては軽乗用モデルでは初となるパワースライドドアを採用し、スライドドアクローザーも新規採用した。
さらにPZ系グレードには電動オートステップ(※PZターボのみ)、フルオートエアコンなど上級装備を充実させた。
パッケージングは全車にインパネシフトを採用し、前席は左右ウォークスルーを実現。前席と後席に内蔵式乗降ステップを採用。また乗り降りしやすいよう大型乗降グリップも使用した。
また、L型ロアアーム+サスペンションフレームの新構造を採用し、サスペンションの取付け剛性を上げることで、操縦安定性と乗り心地を向上させた。
ボディにはハシゴ状のフレームや高張力鋼板を多用した新開発ボディーを採用し、万が一の歩行者への頭部衝撃を緩和する衝撃吸収構造をボンネットやフェンダーなど車体前部に採用。乗員に対してはピラーやルーフサイドなどの一部に衝撃吸構造を採用した。
快適装備としては全車にカテキン・エアコンフィルター付きエアコン、AM/FMラジオ(JOINグレードはCD付き)を全グレードに標準装備。
安全装備としてもパワードアロック、セキュリティアラーム、運転席・助手席SRSエアバッグを全車標準装備とした。。
2代目・エブリイワゴン JPターボリミテッドの特徴と他との違い
その2代目エブリイワゴンに2009年12月。フロントメッキグリルやエアロパーツ、アルミホイールや上質なベージュシートを採用しスポーティな印象を高めた特別仕様車が設定された。
それがこの「JPターボリミテッド」である。
JPターボリミテッドはJPターボ(標準ルーフ)をベースに外装では
- フロントメッキグリル
- フロントアンダースポイラー
- サイドアンダースポイラー
- リアアンダースポイラー
- 13インチアルミホイール
- フロントフォグランプ
- LEDサイドターンランプ付き電動格納式ドアミラー
を特別装備。
内装ではベージュのシート表皮&ドアトリムクロスを採用。。
ボディカラーはブルーイッシュブラックパール3、シルキーシルバーメタリック、ミステリアスバイオレットパール、パールホワイトの4種類を設定しつつ、お買い得な特別仕様車となっていた。
エクステリア
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フロントデザイン。JPターボリミテッドではメッキグリルをベースから変更。
2代目前期型のPZ系グレードに用いられていたフルメッキグリルで、ノーマルのJPターボと差別化。リミテッドらしい顔つきとした。このほかオプションでも非設定のフォグランプを標準装備。
加えてバンパー下部にはフロントアンダースポイラーも標準装備とし、スポーティとしている。
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サイド。JPターボリミテッド仕様としてサイドアンダースポイラーを標準装備。見た目は上級のPZターボに近くなった。
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JPターボリミテッド仕様としてLEDターンランプ付きドアミラーを標準装備。スライドドアクローザーが後席左側のみ備わる。
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足元はJPターボリミテッド仕様として13インチアルミホイールを標準装備。デフォルトのフルホイールキャップからアップグレードされている。
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リア。JPターボリミテッド仕様とし、リアバンパー下部にリアアンダースポイラーを標準装備。フロント、サイドとあわせてフルエアロ化し、スポーティな印象としている。
エンジン・機能装備・安全装備など
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エンジンはK6A型直列3気筒インタークーラー付きターボ付きエンジンのみの設定。
最高出力は64ps(47kW)/6500rpm、最大トルクは10.5kg・m(95N・m)/3500rpm。
トランスミッションは4ATのみで駆動方式はFRまたは4WDとなる。
自動ブレーキ等の装備は一切設定がなく、搭載されるのは次の3代目エブリイワゴンからとなる。
このほか安全装備として運転席&助手席エアバッグとABS、セキュリティーアラームが全グレードで標準装備となる。
インテリア
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インパネ。JPターボリミテッド仕様としはインパネ付近はベースモデルと共通。
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スピードメーターはもベースモデルに共通でタコメーター付きの2眼タイプ。ステアリングはウレタンステアリングホイール。
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エアコンはJPターボがベースなためマニュアルエアコンとなる。
電波式キーレスエントリーを備えるが、この世代のスズキ車はコストカットのため解錠・施錠が一体式のボタンとなる。
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フロントシートはベンチシートタイプ。JPターボではブラウン色のシート表皮&ドアトリムクロスだったが、JPターボリミテッド仕様としてこれをベージュ色に変更。シート表皮とドアトリムクロスの両方をベージュとすることで上質な雰囲気とした。
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リアシートも同じくベージュカラー。
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ラゲッジスペース。
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リアシートを倒した状態。軽貨物のエブリイゆずりのラゲッジスペースで、かなり広大だ。
まとめ
2代目のエブリイワゴンの中期型、終盤に設定された「JPターボリミテッド」はJPターボをベースにエクステリアではスポイラーを使いでフルエアロ化、フォグランプや13インチアルミホイールでスポーティな外観とし、インテリアでもベージュシートとベージュドアトリム表皮で上質な質感を与えた特別仕様車である。
これら追加変更にも関わらずベースモデルよりわずか3万円アップに抑えられてたためお買い得な特別仕様車でもあった。
ただし後期型へマイナーチェンジする前のわずか半年間の設定だったことと、もう一つ上の「PZターボ」と比べると価格差が5万円程度で、PZターボではよりスポーティかつスタイリッシュなフロントグリル、左後方が標準で電動パワースライドドア、ハイルーフが選べる、
ハイロー2灯式ディスチャージヘッドライトがオプションで選択できるなどPZターボの方がより豪華な装備だっため、あまり売れなかった特別仕様車である。
そのため中古市場でのタマ数は極端に少なく、希少グレードとなっている。
見た目はPZターボに比べると少々大人しいが、ベージュシート表皮など内装はJPターボよりも良くなっているので、内外装が好みであれば選択肢にしてもいい1台である。
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