【初代・前期&後期 5MTターボ】スズキ エブリィワゴン(DA52W/DA62W型)概要解説 | シン・軽自動車マニア

【初代・前期&後期 5MTターボ】スズキ エブリィワゴン(DA52W/DA62W型)概要解説

エブリイ

エブリイワゴンはスズキのワンボックス型軽自動車。本稿では初代のDA52W型、DA62W型を扱う。

出典:アップル

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スズキ 初代・エブリイワゴンとは?

1999年の軽規格改正でデビューした初代エブリィワゴン。

この代から商用モデルのキャリィから独立し、乗用モデルを全てエブリィワゴンとした。前タイヤを運転席より前に配置しセミキャブデザインとなっているものの、エンジンは従来通り運転席に下にあるため、構造上はキャブオーバー型となる。

室内空間は大人4人がゆったりとくつろげる広い室内を実現するため、商用モデルよりも後席を90mm後ろに下げ、足元空間を拡大。

さらにリアシートにはリクライニング機構やセンターアームレストも設定しより後部座席の快適性をアップ。

フロントはボンネットを設け、前輪の取り付け位置を前方に配置。これによりドア開口部にはタイヤハウスの出っ張りがなくなって、足元が広くなりフロアも低く乗降性に優れたパッケージングとした。

さらにロングホイールベースにより乗り心地もアップさせている。最小回転半径は4.5mで、パワーステアリングも標準装備。

エンジンはF6A型のSOHCターボを全グレードに標準採用。4WD仕様では走行中にFRと4WDを切り替えを可能にする「ドライブセレクト4×4」を採用した。

その後2001年9月マイナーチェンジでエンジンをタイミングチェーン式のK6A型DOHCターボに置換された(DA62W型)。

快適装備としては抗菌処理タイプのエアコン、抗菌仕様のステアリングホイール、シフトノブ、パーキングブレーキグリップ、インサイドドアハンドルを採用。フロントウィンドウにはUVカットガラス、リアドア、クォーター、バックドアにはスモークガラスを標準装備とした。

さらにパワードアロック、キーレスエントリー、AM/FMラジオ付カセットステレオを標準装備とし、ジョイポップエアロターボには電動サンルーフも採用した。

安全装備としては3分割フレーム構造の「軽量衝撃吸収ボディー」を採用。ステアリングホイール及びステアリングコラムには衝撃吸収構造の採用し、二次被害を低減。

運転席・助手席SRSエアバッグ、ABS、フロントシートベルトフォースリミッター、チャイルドシート固定機構付リヤシートベルトも標準装備とした。

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初代エブリイワゴン前期(DA52W)・後期モデル(DA62W)の違い

初代エブリイワゴンの前期モデルと後期モデルの大きな違いは搭載エンジン。

前期モデルはF6A型の64馬力SOHCインタークーラー付きターボエンジン(※デビュー当初は60馬力仕様)のみの設定だったが、後期モデル(2001年9月以降)ではK6A型に変更し、ターボエンジンはDOHC化された。加えて価格を抑えた自然吸気エンジン仕様も追加設定される。

このエンジン変更により型式がDA52WからDA62Wに変更となる。

なお前期F6A型エンジンはタイミングベルトを使用するが、後期K6A型ではタイミングチェーン方式を採用。

基本的には10万キロ付近でのタイミングベルト交換がK6Aエンジンには不要なので、過走行なモデルを買う場合、このあたりの心配が減りアドバンテージがある。

このほか後期モデルでは4ATモデルがフロアシフトからインパネシフトに変更。シフトノブが移動したことでセンター部分の足元空間が広くなった。

さらにグレード展開が変更となり、エアロパーツや快適装備が充実した「ジョイポップターボPZ」や、ロールーフ仕様の「ジョイポップターボ(ロールーフ)」、ジョイポップに価格を抑えた自然吸気エンジンなどが追加されている。

初代エブリイワゴンのグレード一覧 ジョイポップ、ジョイポップターボ、ジョイポップターボPZ、ロールーフの違いなど

初代エブリイワゴンのグレード展開はベーシック・自然吸気エンジンの「ジョイポップ」、ベーシックターボ仕様「ジョイポップターボ」。

上級ターボ仕様「ジョイポップターボS」、「ジョイポップエアロターボ」、「ジョイポップターボPZ」などが設定されていた。

ジョイポップ

2001年9月の一部改良で追加された初代エブリイワゴンの廉価グレード。

自然吸気エンジンを搭載し価格を抑えていた。エアロパーツやアルミホイールも非装備で、一番簡素な仕様。

ジョイポップターボ

初代エブリイワゴンのエントリーターボ仕様。エアロパーツが非装備でベーシックな外観が特徴。

2001年9月の一部改良ではアルミホイールが標準装備となり、ターボエンジンがDOHC化された。

ジョイポップターボL

ジョイポップターボに対し、オーバーヘッドボックス(オーバーヘッドコンソール)を標準装備した前期のミドルターボグレード(F6A型SOHCターボ)。

4ATのみの設定。2001年9月の一部改良で廃止。

ジョイポップターボS

ジョイポップターボLに追加でエアロパーツやフォグランプ、アルミホイールを標準装備した前期・上級ターボグレード(F6A型SOHCターボ)。

2001年9月の一部改良で廃止。

ジョイポップターボ(ロールーフ)

ジョイポップターボをロールーフ仕様としたグレード。2001年9月の一部改良で追加された。

K6A型DOHCターボを搭載する。

ジョイポップエアロターボ

ジョイポップターボにエアロパーツやアルミホイールを標準装備とした前期・上級ターボグレード。

1999年11月の一部改良で廃止。ジョインターボSに移行。

ジョイポップターボPZ

ジョイポップターボにエアロパーツやアルミホイール、フォグランプなど上級装備が与えられた前期・最上級ターボグレード。

ジョイポップターボSと入れ替えで2001年9月一部改良時に新設定となった。

スポーツ(スズキスポーツ仕様)

後期モデル以降で追加。ジョイポップターボに

  • スズキスポーツ製エアロフロントバンパー
  • スズキスポーツ製フロントグリル
  • スズキスポーツ製ヘッドライトガーニッシュ

をなど標準装備としてよりスポーティな外観としたメーカー純正のカスタムモデル

【初代 5MTターボ】スズキ エブリイワゴン スポーツ(DA62W型)

21世紀記念スペシャル ジョイポップターボEX-II

前期のジョインターボをベースにエアロパーツ・上級オーディオ・専用シート表皮を標準装備しつつ、お買い得としたグレード。

エクステリア(外装)

出典:アップル

フロントデザイン。旧規格だった3代目の全体のデザインを引き継ぎつつ、ヘッドライトを大型化。2000年5月一部改良以降はマルチリフレクターヘッドライトの採用でイメージがかなり近代的になった。

DA52W (7)

出典:Goo-net

サイドにかけては先代に似ている。ジョイポップエアロターボ、ジョイポップターボS、ジョイポップターボPZにはサイドアンダースポイラーが標準装備となる。

出典:高知スズキ

リアドアはスライドドアだが、初代では電動式(パワースライドドア)が非装備で、両方とも手動スライドドアとなる。

出典:アップル

足元は廉価グレードの自然吸気エンジンジョイポップが13インチスチールホイール+ホイールキャップ。

ジョイポップターボ以上で13インチアルミホイールとなる。タイヤサイズはいずれも165/65R13。

出典:アップル

リアのデザインは変更され、今までのバンモデルではコンビランプがバンパーへ埋め込まれたのに対し、この乗用モデルではリアゲート両サイドへ移動されている。

2000年5月一部改良以降はコンビランプ(テールランプ)もマルチリフレクタータイプとなり、見た目がよくなっている。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンは3気筒SOHCターボ(60馬力)とNAの2種類。

トランスミッションは3AT、4AT、5MTのいずれかで、駆動方式はFRまたはパートタイム4WD。

デビュー当初は3気筒SOHCターボのみだったが、後の2001年9月マイナーチェンジでNAモデルを追加し、エンジンもK6A型へ全車置換。これに伴いターボモデルもDOHCの64馬力仕様へ変更となっている。

デビュー当初はF6A型インタークーラー付きSOHCターボエンジン・マイルド仕様で、最高出力は60ps(44kW)/5500rpm、最大トルクは8.5kg・m(83・m)/3000rpm。

1999年11月の一部改良で出力とトルクがアップし、最高出力は64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは10.2kg・m(100・m)/3500rpm。

2001年9月以降のDA62W型ではK6A型・自然吸気エンジンが追加され、最高出力49ps(36kW)/5800rpm、最大トルクは6.3kg・m(62N・m)/4000rpm。

ターボエンジンはK6A型のインタークーラー付きツインカム(DOHC)仕様に変更され、最高出力が64ps(47kW)/6500rpm、最大トルクは10.8kg・m(106N・m)/3500rpm。

安全装備として運転席&助手席エアバッグ、ABSを全グレードに標準装備する。

インテリア

出典:アップル

運転席まわり。同年代のKeiやアルト、ワゴンRに似たデザインで、かなり安っぽさを感じるが、元々が軽貨物ベースなので致し方ない。オーディオは2DINが見やすい上部についており、後付でナビを入れても使いやすい。

DA52W (3)

ステアリングは2本スポークのウレタンステアリング。

スピードメータはタコメーター付き。

MTのシフトノブ。3ATと5MTはフロアシフトを採用する。4ATのみ2001年9月一部改良でインパネシフトに変更された。

エアコンはマニュアル式エアコン。

DA52W (6)

フロントシートはセパレートタイプ。軽バンのエブリイとは異なる乗用モデルらしいシート形状で、ヘッドレストは分離式。アームレストも設定される。

DA52W (4)

乗用モデルのためリアシートの足元空間は4ナンバーのエブリイよりも広い。

リアシートそのものも左右独立リクライニングが可能で、ヘッドレストとアームレスト、ドリンクホルダー付き。軽バンよりも圧倒的な快適性が確保されている。

出典:アップル

ラゲッジスペース。軽ワンボックスのためリアシートを倒さずとも荷室がかなり広い。

出典:アップル

リアシートを倒した状態。

まとめ

初代エブリィワゴンは軽規格改正後ということもあり室内の広さが先代よりアップし、より5ナンバーの乗用車らしい外装や居住性の高い室内空間が与えられたモデルとなっている。

現行モデルから見ると若干の古臭さはあるものの、キラキラしたマルチリフレクター式ヘッドライト&マルチリフレクター式テールランプ、メッキ加飾でそこまで気にはならないレベル。このあたりは中古車としても嬉しいポイント。

さらに初代エブリイワゴンには5MTとターボの組み合わせもあり、荷物も乗せれてそこそこ走りも楽しめるモデル。2代目以降の5MTターボは乗用モデルに非設定となり、軽バンのエブリイ・ジョインターボのみとなるため、このあたりも初代エブリイワゴンの特徴である。

ただしこの手の軽自動車全般にいえることだが、車重がとても重たく燃費が極端に悪い傾向にある。特にATモデルはストップ・アンド・ゴーが多い街乗りでは燃費が悪くなりがちで、リッター10kmに届かないケースも。広い室内空間と引き換えに燃費性能が犠牲になっているので、ガソリン代がきになる人は少し注意が必要だ。

中古市場では20年経過の古いモデルとあってタマ数がかなり減っている。価格的には安価なのでデザインが好みだったり、価格的に魅力であれば選んでみてもいいと思う。

次の2代目モデル(DA64W)ではより箱型ボディとなり、室内空間がアップ。居住性や荷物の積載性が向上する。

【2代目 前期型】スズキ エブリイワゴン(DA64W型) 概要解説
エブリイワゴンはスズキのワンボックス型軽自動車である。ここでは2代目のDA64W型の2005年8月~2007年6月までを前期型とし、これを扱う。出典:ガリバー2代目 スズキ・エブリィワゴンとは? 2005年...
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