オッティは日産のワゴン型軽自動車。三菱・eKワゴンのOEMモデルで、オッティライダー(OTTI Rider)はオーテックジャパンが手がけた架装(カスタム)モデルである。
概要
2006年10月にフルモデルチェンジし2代目となったオッティ。初代は2005年の6月にeKワゴンのOEMモデルとして登場しそこからわずか1年半程度での全面改良となった。
2代目オッティはベースモデルの2代目eKワゴンと同じく、軽自動車史上の中でも異例で、キーコンセプトを踏襲し初代とほぼ同じボディスタイルとなった(ただし、ボディは流用ではなくルーフ以外は新設計)。
その中でも大きく変更されたのはヘッドライトとグリル、バンパー、リアコンビランプを刷新。特にリアコンビランプでは軽自動車初となるLEDストップランプを純正で全グレード標準搭載。
ボディカラーにはオッティ専用色となるミストブルーを含めた全10色を設定。
内装ではそれまでのコラムシフトからインパネシフトに変更し、新スピードメーターや新シートを採用。
また、乗用タイプの軽自動車としてはこれまた初となる電動パワースライドドアを一部グレードで採用し、初代のイメージはそのままに四角いボディによる飽きのこないデザインとゆとりの室内空間。加えて視界の良さと立体駐車場にも入る初代と同じ全高1550mmで機能性を両立した。
エンジンは先代からのキャリーオーバーで引き続き3G83型エンジンを採用。トランスミッションも同じで3AT、4AT、5MTの3種類。
このほか安全装備として先代同様、全グレードにEBD付きABSを標準装備とし、これ以外にも前席2ステージロードリミッター付プリテンショナーシートベルト歩行者傷害軽減ボディ、衝突安全強化ボディ、運転席・助手席SRSエアバッグシステムなどを全グレードに標準装備とした。
オッティライダー(H92W)の特徴とノーマル、eKスポーツ(H82W)との違い
2代目オッティ登場の2ヶ月後となる2006年12月。日産の架装車メーカーであるオーテックジャパンが手がけた特別モデルが販売されることとなった。それがこのオッティライダーである。
オッティは2005年6月に三菱のeKワゴンのOEM供給を受けて販売がスタートし、2006年10月にはフルモデルチェンジし2代目となった。
それから2ヶ月後の2006年12月に日産の架装車メーカーであるオーテックジャパンが手がけた特別モデルが販売されることとなった。それがこのオッティライダーである。
ライダーは既に普通車で展開されていた個性を極めたエアロフォルムが特徴のカスタムシリーズ。これをオッティという軽自動車、しかもOEMモデルをカスタムするということでかなりの異例であった。
エクステリアにはライダー専用ビレットメッキグリル、専用ビレットバンパー、専用アルミホイール、メッキドアハンドルカバー、Rider専用エンブレムを。
インテリアでは本革巻ステアリングホイールに専用シート表皮、ブラックインパネガーニッシュでより上級感を演出。内外装で個性的かつスタイリッシュなオッティとなっている。
なお、ベースとなった三菱版のeKワゴンにはカスタムモデルに相当する「eKスポーツ」があるが、グリルやバンパー、アルミホイールなどはライダー専用品となっており、完全な差別化がなされている。そのためフロントデザインはヘッドライト以外はかなり違って見える異例な兄弟モデルでもある。
エクステリア
フロントデザイン。遠目からでもひと目で分かる横のラインが特徴の専用メッキグリルを装備。さらに同じ横のラインが入ったバンパーと組み合わせてベースとはかなり違う顔つきとなっている。
オッティともeKワゴンとも違うデザインはとても個性が強いもので、オッティライダーの最大の魅力である。
サイドから。このあたりは特段の変更点は無い。2代目eKワゴン(オッティ)はあまり全高が高くないのでデザイン的にも程よい高さをキープしており、サイドからの見た目もバランスが良い。
足元は自然吸気エンジンが13インチアルミホイールでタイヤサイズは155/65R13。
ターボ仕様では14インチとなり、タイヤサイズは165/55R14。
ホイールセンターキャップには「AUTECH」のロゴ入り専用品。
リア。日産エンブレムとオッティエンブレム以外に右下に専用のライダー(Rider)&オーテックエンブレムが備わる。
日産エンブレムとオッティエンブレム以外に右下に専用のライダー(Rider)&オーテックエンブレムが備わる。こういった細かな違いもカスタム感を漂わせ、ベースとは違う所有欲を満たしてくれるポイントだ。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンは3G83型3気筒の自然吸気エンジンとインタークーラー付きターボエンジンの2種類。
自然吸気エンジンではノーマルモデルのeKワゴンと同じで最高出力50ps(37kW)/6500rpm、最大トルクは6.3kg・m(62N・m)/4000rpm。
ターボエンジンは最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルク9.5kg・m(93N・m)/3500rpm。
トランスミッションは全グレードで4ATのみ。駆動方式はFFまたは4WDとなる。このほかブレーキアシスト付きABSを(電子制動力配分装置)全グレードで標準装備する。
インテリア
インパネ。オーディオガーニッシュはライダー仕様としてブラックカラーとなる。エアコンはマニュアル式エアコン。スピードメーターはベースと共通だが
シートはライダー専用のものが付く。フロントはベンチシートタイプ。
リア。
ラゲッジルーム。
リアシートを倒した状態。初代と2代目共通のフルフラットにならない点は同じ。
まとめ
オッティライダーは三菱製の軽自動車にオーテックジャパンがカスタムした異例のモデルである。
ベースのオッティ(eKワゴン)は程よい高さと適度な室内空間、スクエアでまとまりのあるボディが特徴だったが、これにオーテックジャパン製のダイナミックで個性的なグリルとバンパーが組み合わさってノーマルオッティよりもeKワゴンよりもデザインがかなり良くなった1台だ。
eKワゴンはよく売れ、オッティもそこそこ売れたので他人と被るケースが多いが、このライダーならその機会はあまり無く、個性で選ぶなら間違いなくこの1台はオススメである。
もちろん室内空間や燃費などは現行の売れ筋に太刀打ちできないがそれを補うデザインが強みなので、室内空間よりもデザインあるいは個性重視であればオッティライダーは魅力的にうつるだろう。
中古市場ではカスタムモデルという点でタマ数がオッティよりも少なくいものの、人気がハイト系にシフトしていることから買いやすい価格帯魅力。
オッティよりは買いづらい点はあるのだがオッティライダーが気に入ったのなら根気よく探して欲しい。
大概OEMモデルというと、エンブレムが変わっている程度が主流だが、日産の軽自動車に至っては日産らしさを出すために、フロントマスクに変更が与えられている。
そして他社製の軽自動車をオーテックジャパンがドレスアップして販売するオッティライダーは、その究極とも言うべきモデルだ。
その後オッティはデイズに移行し、デイズに対してデイズライダーやスーパーハイトワゴンのライダー仕様、デイズルークスライダーが設定されてた。


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