オプティクラシックはダイハツのセダン型軽自動車。オプティのクラシックモデルである。本稿では2代目オプティに設定されたオプティクラシックについて記述する。
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ダイハツ 2代目・オプティとは?
1998年11月にフルモデルチェンジし、2代目となったオプティ。
初代は丸みを帯びたハッチバックテイストのボディだったが、2代目ではそれを大転換。小さな独立したトランクルームを持つショートノッチバックの4ドアピラードハードトップセダンとなった。
軽乗用車の歴史の中でもノッチバックスタイルの4ドアハードトップセダンはこの2代目オプティが唯一で、非常に珍しいボディスタイルが特徴である。
2代目オプティのコンセプトは先にフルモデルチェンジした5代目ミラ、2代目ムーヴ、テリオスキッドのコンセプトである「QUALITY ~Safety & Performance~」を基本に従来の軽乗用車(※360CC時代を除く)には無い新ジャンルの「4ドアハードトップセダン」として開発。
軽乗用車でありながら高品質なセダンのオプティと、スタイリッシュかつスポーティーセダンのオプティビークスの2本立てとなっていた。
メカニズムでは衝突安全ボディ「TAF」の採用や滑りやすい路面での安全運転をサポートする“DVS(Daihatsu Vehicle Stability control system)”(一部グレードでオプション設定)などを採用し、安全性能を大幅向上。
エンジンはEF型3気筒のSOHC、DOHC、DOHCインタークーラー付ターボにJB型4気筒インタークーラー付ターボの4種類をラインナップ。
特に4気筒ターボは初代コペンでも搭載されているJB-DET型のツインカム4気筒16バルブEFIターボエンジンで、昨今の軽乗用車では採用されていない希少かつ豪華なエンジンとなっていた。
2代目・オプティクラシックとは?
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そのオプティは2000年3月のマイナーチェンジで後期型に。その際にノーマルモデルと置き換わる形で設定されたのがこの「オプティ クラシック」である。
「オプティ クラシック」は初代と同じくオプティをベースに内外装をクラシックな雰囲気に仕立てたモデルで、外装では
- 専用バンパー&グリル
- メッキドアミラー
- メッキドアアウターハンドル
- メッキリアライセンスガーニッシュ
を標準装備。内装では
- 専用シート表皮&ドアトリム
- ウッド調センタークラスター
- ウッド調本革巻ステアリングホイール (※オプション設定)
- 専用スピードメーター
を与えた。全体としてはキュートな顔つきとメッキパーツによる上品さを併せ持つモデルで、初代同様若い女性をターゲットとしたものであった。
2代目オプティクラシックのエクステリア(外装)
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まずはフロントデザイン。先代のトレードマークだった丸目ヘッドライトと大型グリルを継承。バンパー部のメッキパーツも上品に配置され、独特のセダンスタイルとも相まって先代以上に個性あるフロントデザインとなっている。
先代はキュートさが目立つデザインだったが2代目はそれに上品さがプラスされたようなイメージだ。
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サイドから。軽自動車では非常に珍しい(小さいながらも)独立したボンネットを持つセダンスタイル。クラシックモデルということで各部(ドアミラー、ドアハンドル等に)メッキパーツが多様されている。
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足元はオプションでミニライト製アルミホイールを設定。ただし、2001年5月マイナーチェンジではこのミニライトアルミホイールが廃止され、BBS風アルミホイールに変更となる。
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前期型のノーマルオプティとは異なり、レッドガーニッシュを用いたテールランプを採用。リアビューに迫力を与えている。バンパーもフロント同様にメッキモール付きとなりクラシックな雰囲気となっている。
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一応トランクはあるが、軽規格で無理矢理トランクルームを確保したため、非常に狭い。
オプティではトランクスルー構造を採用し、長物の荷物でも積めるような仕掛けが施されているが、左右一体可倒式シートのため、リアシートを倒すと2名乗車に限定される。
エンジン・機能装備・安全装備など
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エンジンはEF型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。
最高出力は58ps(43kW)/7600rpm、最大トルクは6.5kg・m(64N・m)/4000rpm。トランスミッションは4ATと5MTの2種類。駆動方式はFFまたは4WD。
安全装備として運転席エアバッグを標準装備。助手席エアバッグとABSはオプション設定。
2代目オプティクラシックのインテリア(内装)
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インパネ。木目調センタークラスターでクラシカル風に仕立ててある。
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スピードメーター。クラシック専用品で文字盤フォントがクラシック風になっている。エアコンはマニュアル式エアコンを採用。
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フロントシートはセパレートタイプ。前期のノーマルモデルとは別物でクラシック感の高いシート表皮&ドアトリムを採用。同年代の初代ミラジーノ・前期モデルと同じ雰囲気。
色合いは80年代の昭和レトロを感じる小豆色シート表皮に刺繍が施されされりげないオシャレ感を感じる。
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リアシート。スライド機構は非装備。
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トランクルームを保つために後部座席の足元が犠牲となり、新規格の軽自動車ながら足元が狭い。ちなみに上のレザーシートは上級グレードの「リカ」に標準装備されていた特別シートだ。
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リアシートはこのように前側に倒すことができ、ラゲッジルームを拡大可能だ。ただし、トランクルームの高さ分の制約があり、ワゴンタイプと比べると容量も小さく、かつ背の高い荷物を載せるのは難しい。
2代目 オプティクラシックの総評
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2代目オプティクラシックは、セダン型の希少性とクラシカルなデザインが融合した非常に面白いデザインの軽自動車である。
ターボが無いため走りを楽しむことはできないが普段の足として愛着が持てるだろう。クラシックタイプの軽自動車は各社からそこそこ出ているが、トランクルームをもったセダンスタイルにクラシカルなデザインの組み合わせはこのオプティクラシックぐらいで、個性ある1台であった。
同年代の初代ミラジーノが爆発的にヒットし、オプティ自体もそんなに売れてなかったがその影に隠れるような形でオプティクラシックもあまり売れずモデル追加から3年ほどで生産終了となってしまった。
ミラジーノ系のレトロタイプながらハードトップを組み合わせた個性的なボディスタイルと、よりキュートな雰囲気を持ち合わせた2代目オプティクラシックは初代ミラジーノよりも個性がひかる隠れた名車となっている。
中古市場ではめっきりタマ数が少なくなり希少車となっている。価格は安価に取引されているため買いやすいが、見つけづらく故障すると専用パーツの供給も心配なためこのあたりがネックか。
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